L 0888:2018
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 原理······························································································································· 2
5 試験の種類 ······················································································································ 2
6 装置及び材料 ··················································································································· 2
7 試験片の調製 ··················································································································· 3
8 人工汗液の種類及び調製 ···································································································· 3
8.1 一般 ···························································································································· 3
8.2 人工汗液の種類 ············································································································· 3
8.3 人工汗液の調製 ············································································································· 4
9 試験手順························································································································· 4
9.1 A法 ···························································································································· 4
9.2 B法····························································································································· 5
10 判定 ····························································································································· 5
11 試験報告書 ···················································································································· 5
附属書A(規定)C法 ··········································································································· 8
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益財団法人スガ
ウェザリング技術振興財団(SWTF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して
日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本工業規格である。これによって,JIS L 0888:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
L 0888:2018
光及び汗に対する染色堅ろう度試験方法
Test methods for colour fastness to light and perspiration
序文
この規格は,2009年に第1版として発行されたISO 105-B07を基とし,我が国の試験・評価の実態を反
映させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格でA法及びB法は対応国際規格に規定されていない方法であり,C法は対応国際規格に
規定されている方法である。また,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更して
いる事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,染色した繊維製品の光及び汗に対する染色堅ろう度試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 105-B07:2009,Textiles−Tests for colour fastness−Part B07: Colour fastness to light of textiles
wetted with artificial perspiration(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8726 乳酸(試薬)
JIS K 8824 D(+)−グルコース(試薬)
JIS K 9009 りん酸二水素ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 9019 りん酸水素二ナトリウム・12水(試薬)
JIS K 9020 りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JIS K 9050 L−ヒスチジン塩酸塩一水和物(試薬)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0804 変退色用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A02,Textiles−Tests for colour fastness−Part A02: Grey scale for
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assessing change in colour
JIS L 0841 日光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0843 キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
注記 対応国際規格:ISO 105-B02,Textiles−Tests for colour fastness−Part B02: Colour fastness to
artificial light: Xenon arc fading lamp test
JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法
注記 対応国際規格:ISO 105-E04,Textiles−Tests for colour fastness−Part E04: Colour fastness to
perspiration
ISO 3696,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0801の箇条3(用語及び定義)による。
4
原理
試験片を人工汗液で処理した後,耐光試験機を用いて,ブルースケールとともに露光し,取り出して水
洗,乾燥後,試験片の変退色の程度を変退色用グレースケールと比較するか,又は計器によって変退色等
級を求め,堅ろう度を判定する。
5
試験の種類
試験の種類は,A法,B法及びC法とし,表1のとおり区分する。試験の目的に応じて,表1のいずれ
かの試験を選んで行う。また,試験に用いる人工汗液は,8.1及びA.4による。
なお,C法の試験方法は,附属書Aによる。
表1−試験の種類
試験の種類
試験に用いる人工汗液
光・汗試験容器
使用の有無
A 法
JIS L 0848人工汗液
使用する
8.3.1 b)又は8.3.2 b)に規定
する人工汗液(ATTS人工
汗液)a)
B 法
JIS L 0848人工汗液
使用しない
8.3.1 b)又は8.3.2 b)に規定
する人工汗液(ATTS人工
汗液)a)
C 法
ISO 105-B07人工汗液
注a) ATTSとは,繊維製品技術研究会(Association for Textile Technical
Study)の略称である。
6
装置及び材料
A法及びB法の装置及び材料は,次のものを用いる。
6.1
ブルースケール JIS L 0841の5.(材料及び装置)に規定するブルースケール。
3
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6.2
変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。
6.3
光・汗試験容器 試験片ホルダ1個及び人工汗液を収容する光学耐熱ガラス製容器をステンレス鋼
製保持具で耐光試験機に取り付けるようにしたもので,このガラスの分光透過率は275 nm以下が2 %以下,
400 nm〜700 nmが90 %以上のもの(図1参照)。
注記 A法において,試験片の乾燥を防止しながら試験するために人工汗液吸着布を使用することが
できる。人工汗液吸着布は,通常JIS L 0803に規定する綿3-1号を使用する(図2参照)。
6.4
ガラス板又はアクリル板 この試験に適した大きさで,厚さ約2 mmのガラス板又は透明なメタク
リル樹脂板。
6.5
紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機 JIS L 0842に規定する耐光試験機。
6.6
キセノンアーク灯式耐光試験機 JIS L 0843に規定する耐光試験機。
6.7
不透明覆い JIS L 0842の5.(装置及び材料)に規定する不透明覆い。
6.8
乾燥機 JIS L 0801の箇条5(試験に用いる共通的な装置及び材料)に規定する乾燥機。
6.9
水 JIS K 0557に規定するA1の水又はこれと同等以上の水。
6.10 L−ヒスチジン塩酸塩一水和物(試薬) JIS K 9050に規定するもの。
6.11 塩化ナトリウム(試薬) JIS K 8150に規定するもの。
6.12 りん酸二水素ナトリウム二水和物(試薬) JIS K 9009に規定するもの。
6.13 りん酸水素二ナトリウム・12水(試薬) JIS K 9019に規定するもの。
6.14 水酸化ナトリウム(試薬) JIS K 8576に規定するもの。
6.15 D(+)−グルコース(試薬) JIS K 8824に規定するもの。
6.16 乳酸(試薬) JIS K 8726に規定するもの。
6.17 酢酸(試薬) JIS K 8355に規定するもの。
6.18 DL−アスパラギン酸
6.19 D−パントテン酸ナトリウム
7
試験片の調製
A法及びB法の試験片の調製は,用いる試験片に応じて,次による。
a) 布の場合 試験片の大きさは,15 mm×60 mm以上とする。
b) 糸の場合 6.4のガラス板又はアクリル板に,長辺方向に密に巻き付ける。
8
人工汗液の種類及び調製
8.1
一般
A法及びB法の人工汗液の種類及び調製は,8.2及び8.3による。
なお,受渡当事者間の協定によって,その他の汗液を用いてもよい。ただし,この場合には,試験報告
書に記載する。
8.2
人工汗液の種類
A法及びB法の人工汗液の種類は,表2による。A法又はB法の試験を実施するときは,表2の人工汗
液のいずれかを選択し,試験を実施する。
4
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表2−A法及びB法の人工汗液の種類
酸性人工汗液
JIS L 0848に規定する酸性人工汗液(JIS L 0848酸性人工汗液)
8.3.1 b) に規定する酸性人工汗液(ATTS酸性人工汗液)
アルカリ性人工汗液
JIS L 0848に規定するアルカリ性人工汗液(JIS L 0848アルカリ性人工汗液)
8.3.2 b) に規定するアルカリ性人工汗液(ATTSアルカリ性人工汗液)
8.3
人工汗液の調製
8.3.1
酸性人工汗液
酸性人工汗液は,次のいずれかによる。
a) JIS L 0848の6.(人工汗液の調製)によって,酸性人工汗液を調製する。
b) 酸性人工汗液(ATTS酸性人工汗液)は,L−ヒスチジン塩酸塩一水和物0.5 g,塩化ナトリウム5 g,
りん酸水素二ナトリウム・12水5 g,DL−アスパラギン酸0.5 g,D−パントテン酸ナトリウム5 g,D
(+)−グルコース5 g及び85 % 乳酸5 gを水約900 mLに溶かし,これに酢酸及び水を加えてpH
が3.5で全容を1 Lとする。
8.3.2
アルカリ性人工汗液
アルカリ性人工汗液は,次のいずれかによる。
a) JIS L 0848の6.によって,アルカリ性人工汗液を調製する。
b) アルカリ性人工汗液(ATTSアルカリ性人工汗液)は,L−ヒスチジン塩酸塩一水和物0.5 g,塩化ナト
リウム5 g,りん酸水素二ナトリウム・12水5 g,DL−アスパラギン酸0.5 g,D−パントテン酸ナト
リウム5 g,D(+)−グルコース5 g及び85%乳酸5 gを水約900 mLに溶かし,これに0.1 mol/Lの
水酸化ナトリウム溶液及び水を加えてpHが8.0で全容を1 Lとする。
注記1 8.3.1 b) 及び8.3.2 b) の人工汗液は,ATTS 1201によるものと同等である。
注記2 人工汗液は不安定であるので,試験直前に新しく調製した試験液を使用し必要であれば冷暗
所に保存するようにするのが望ましい。
9
試験手順
9.1
A法
A法の試験は,次による。
a) 酸性人工汗液又はアルカリ性人工汗液をそれぞれ別個に入れたビーカーなどの容器中に,試験片各1
片を入れて(浴比50:1)完全にぬらし,そのまま常温で30分間浸せきする。時々試験片を押し付け,
動かして試験液を十分均一に浸透させる。
b) 試験片を処理した人工汗液と同じ種類の人工汗液を入れた光・汗試験容器を用意する。次に,試験片
を縦方向に試験片ホルダに取り付け,酸性人工汗液又はアルカリ性人工汗液を10 mL入れた光・汗試
験容器に取り付ける。
なお,この場合,酸性人工汗液で処理した試験片は,酸性人工汗液を入れた光・汗試験容器を使用
し,アルカリ性人工汗液で処理した試験片は,アルカリ性人工汗液を入れた光・汗試験容器を使用す
る。
c) 試験片を入れた光・汗試験容器と,半分を不透明覆いで覆ったブルースケールとをそれぞれ紫外線カ
ーボンアーク灯式耐光試験機又はキセノンアーク灯式耐光試験機に取り付け,JIS L 0842又はJIS L
0843によって,3級ブルースケールが標準退色1)するまで露光する。
5
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注1) 標準退色とは,変退色用グレースケール4号程度の変退色をいう。
d) 露光終了後,光・汗試験容器から試験片を取り出し,JIS L 0801の箇条8(試験操作)によって,水
洗,脱水及び乾燥する。
なお,必要に応じて,露光後,水洗に先立ち,非イオン界面活性剤の0.5 g/L水溶液(浴比50:1)
を使用し,試験片を40 ℃の水溶液で10分間洗浄してもよい。ただし,非イオン界面活性剤は,蛍光
増白剤を含まないものとする。
注記 人工汗液吸着布で絶えず汗液に浸しながら試験をする方法もある。
9.2
B法
B法の試験は,次による。
a) 試験片を9.1 a)と同様の操作を行った後,布の場合には直ちにガラス板又はアクリル板にそのまま張
り付ける。
b) 次に,これらの試験片が照射面となるように,それぞれ試験片ホルダに取り付ける。試験片ホルダと
不透明覆いで半分を覆ったブルースケールとをそれぞれ紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機又はキ
セノンアーク灯式耐光試験機に取り付け,9.1 c) によって,3級ブルースケールが標準退色1)するまで
露光する。
c) 露光終了後,試験片を取り出し,JIS L 0801の箇条8によって,水洗,脱水及び乾燥する。
なお,必要に応じて,露光後,水洗に先立ち,非イオン界面活性剤の0.5 g/L水溶液(浴比50:1)
を使用し,試験片を40 ℃の水溶液で10分間洗浄してもよい。ただし,非イオン界面活性剤は,蛍光
増白剤を含まないものとする。
10 判定
A法及びB法の場合,試験片の変退色の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)による。
11 試験報告書
A法及びB法の試験結果の報告事項は,次による。
a) 使用した試験の種類
b) 使用した試験機の種類
c) 使用した試験機がキセノンアーク灯式耐光試験機の場合は,試験の条件
d) 試験片の洗浄に非イオン界面活性剤を使用した場合は,その旨
e) 使用した汗液の種類及びその結果
例1 光及び汗試験 A法(紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機) JIS L 0848 酸性 4級,JIS L 0848
アルカリ性 3-4級
例2 光及び汗試験 B法(キセノンアーク灯式耐光試験機,水冷式,2.5 kW,A法)(非イオン界面
活性剤洗浄)JIS L 0848 酸性 4級,アルカリ性 3級
例3 光及び汗試験 A法(紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機) ATTS酸性 2-3級,ATTSアル
カリ性 2級 人工汗液吸着布
例4 光及び汗試験 B法(紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機)(非イオン界面活性剤洗浄)ATTS
酸性 2級
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単位 mm
図1−光・汗試験容器の一例
蓋
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図2−絶えず人工汗液を浸す方法の一例
蓋
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附属書A
(規定)
C法
この附属書は,2009年に第1版として発行されたISO 105-B07を基に,技術的内容を変更することなく
規定したものである。
A.1 一般
この附属書では,酸性又はアルカリ性の人工汗液と自然光(D65)に相当する人工光源との複合的な作
用による全ての種類及び形態での繊維製品の色に対する堅ろう度試験を,C法として規定する。
A.2 原理
人工汗液で湿らした繊維製品の試験片を,規定の条件下でブルースケールとともに人工光に露光させる。
このブルースケールが所定の色変化をしたときに,各試験片を取り出し,試験片の色の変化を変退色用グ
レースケールと比較するか,又は計器を用いて判定する。
A.3 装置,材料及び試薬
装置,材料及び試薬は,次による。
A.3.1 はかり 0.01 gまで計量できるもの。
A.3.2 pH測定器 0.01まで計測できるもの。
A.3.3 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。
A.3.4 ブルースケール JIS L 0841の5.(材料及び装置)に規定するブルースケール。
A.3.5 人工汗液 A.4.1,A.4.2若しくはA.4.3に規定するもの又はその他の人工汗液を使用してもよいが,
具体的な試験液の種類を,試験報告書(A.8)に記載する。
A.3.6 りん酸水素二ナトリウム JIS K 9020に規定するもの。
A.3.7 はっ水性白厚紙 蛍光増白剤が含まれないもの。
A.3.8 キセノンアーク灯式耐光試験機 JIS L 0843に規定する耐光試験機。
A.3.9 水 ISO 3696に規定するグレード3の水。
A.4 ISO 105-B07人工汗液の調製
A.4.1 酸性人工汗液1
使用するごとに,1 L当たり次の試薬を含む水溶液を調製する。
− L−ヒスチジン塩酸塩一水和物 0.25 g
− 塩化ナトリウム 10 g
− りん酸水素二ナトリウム 1 g
− 85 %乳酸 1 g
得られた溶液は,pH(4.3±0.2)とする。
A.4.2 酸性人工汗液2
使用するごとに,1 L当たり次の試薬を含む水溶液を調製する。
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L 0888:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− L−ヒスチジン塩酸塩一水和物 0.5 g
− 塩化ナトリウム 5 g
− りん酸二水素ナトリウム二水和物 2.2 g
溶液を,0.1 mol / Lの水酸化ナトリウム溶液で,pH(5.5±0.2)に調製する。
A.4.3 アルカリ性人工汗液
使用するごとに,1 L当たり次の試薬を含む水溶液を調製する。
− L−ヒスチジン塩酸塩一水和物 0.5 g
− 塩化ナトリウム 5 g
− りん酸水素二ナトリウム・12水 5 g 又はりん酸二水素ナトリウム二水和物 2.5 gのどちらか。
溶液を,0.1 mol/Lの水酸化ナトリウム溶液で,pH(8.0±0.2)に調製する。
A.5 試験片の調製
試験片の大きさは,試験する試験片の枚数及び試験機に附属する試験片ホルダの形状及び寸法による。
最小の大きさは,40 mm×10 mmとする。試験片は,それぞれの溶液で試験しなければならない。試験片
は,細い布又は糸の場合には,はっ水性白厚紙に密着して巻くか,又は並列に配置して,はっ水性白厚紙
上に固定する。ばら毛の場合には,均一な表面を与えるためにす(梳)いて,圧縮したばら毛をはっ水性
白厚紙上に固定する。
A.6 試験手順
A.6.1 試験片を採取し,0.01 gの精度で計量する。
A.6.2 試験片を滑らかで平らな底をもつ容器の上に置き,使用するごとに調製した溶液を50 mL加える。
試験片を試験室の温度で30分±2分間浸し,時々かくはんして完全にぬれている状態になるように絞る。
A.6.3 溶液から試験片を取り出して余分な溶液を取り除くために,溶液を吸い取る。試験片を再度計量し,
溶液の付着量が(100±5)%とする。
A.6.4 各試験片をはっ水性白厚紙に付ける。
A.6.5 マスキングなしでキセノンアーク灯式耐光試験機に適合した試験片ホルダに試験片及びはっ水性
白厚紙を取り付ける。
A.6.6 別のはっ水性白厚紙に半分を不透明覆いで覆ったブルースケールを取り付ける。溶液でぬらしては
ならない。
A.6.7 ブルースケール及び露光条件は,受渡当事者間で取決めをする。
注記 JIS L 0843における異なる露光条件は,同じ結果につながらない。
A.6.8 受渡当事者間で同意したJIS L 0843に規定する露光条件によって,試験片をブルースケールととも
に耐光試験機の中でブルースケールが標準退色1)するまで露光する。ブルースケールの標準退色1)は,そ
の退色の度合いをグレースケールで判定するか,又は計器を用いて判定する。
注1) 9.1 c)の注1)を参照。
A.6.9 試験片を取り外し,時々絞りながら1分間水で洗浄する。風乾又は60 ℃を超えない温度で乾燥す
る。
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A.7 判定
試験片の変退色の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)による。
A.8 試験報告書
C法の試験結果の報告事項は,次による。
a) 試験の種類
b) 試験した試験片の必要な全ての情報
c) 使用した汗液
d) 使用したブルースケール
e) 使用した汗液の種類ごとの試験片の変退色の数値評価
f)
使用したキセノンアーク灯式耐光試験機,露光条件,及び試験機の設定情報
g) 規定の試験方法を変更した場合,その全ての変更点
h) 試験の日付
参考文献 AATCC Test Method 15-2013,Colorfastness to Perspiration
ATTS 1201 光及び汗に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS L 0888:2018 光及び汗に対する染色堅ろう度試験方法
ISO 105-B07:2009,Textiles−Tests for colour fastness−Part B07: Colour fastness to light
of textiles wetted with artificial perspiration
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義
JIS L 0801による。
追加
JISとして必要な用語及び定義を規
定した。
実質的な技術的差異はない。
4 原理
旧規格での“要旨”
2
JISとほぼ同じ。
変更
ISO規格の表記に合わせ“原理”と
した。
技術的な差異はない。
5 試験の種
類
A法
B法
C法
3
C法だけ。
選択
国内の現状に合わせ,試験の種類を
選択できるようにした。
従来からのJIS法(A法及びB法)
に加えて,ISO法(C法)を加え
たためで,ISO規格の改正の際,
提案をする。
6 装置及び
材料
A法及びB法に用い
る装置及び材料を
規定。
4
JISとほぼ同じ。
追加
JISは,紫外線カーボンアーク灯式
耐光試験機及び光・汗試験容器を追
加した。
従来からのJIS法(A法及びB法)
に加えて,ISO法(C法)を加え
たためで,ISO規格の改正の際,
提案をする。
7 試験片の
調製
布の場合
糸の場合
6
JISとほぼ同じ。
変更
JISは,布の場合と糸の場合とを分
けて規定した。
実質的な技術的差異はない。
8 人工汗液
の種類及び
調製
酸性人工汗液4種類
及びアルカリ性人
工汗液3種類を規
定。
5
酸性人工汗液2種類及
びアルカリ性人工汗液
1種類から選択する。
選択
JISは,国内の現状に合わせ,選択
とした。
ISO規格の改正の際,提案をする。
9 試験手順 A法及びB法の手順
を規定。
7
JISとほぼ同じ。
変更
JISは,はっ水性白厚紙ではなくて
ガラス板又はアクリル板を使用す
る。
技術的な差異はない。
10 判定
A法及びB法に関す
る判定を規定。
8
一致
−
2
L
0
8
8
8
:
2
0
1
8
12
L 0888:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11 試験報
告書
A法及びB法の報告
事項を規定。
9
変更
JISはJIS L 0801の箇条11(試験報
告書)を基に必要事項を列記した。
ISO規格の改正の際,提案をする。
附属書A
(規定)C
法
ISO 105-B07:2009を
基にしてJISのC法
として規定。
3〜9
一致
−
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 105-B07:2009,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
L
0
8
8
8
:
2
0
1
8