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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 0884-1996 

塩素処理水に対する 

染色堅ろう度試験方法 

Test methods for colour fastness to chlorinated water 

1. 適用範囲 この規格は,染色した繊維製品の塩素処理水に対する染色堅ろう度試験方法について規定

する。ここで塩素処理水とは,水泳プールの消毒などに使用するような濃度の有効塩素を含む溶液を意味

する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 1207 さらし液 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS K 9019 りん酸水素二ナトリウム・12水(試薬) 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

JIS Z 8802 pH測定方法 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 105-E03 : 1994 Textiles−Tests for colour fastness−Part E03 : Colour fastness to chlorinated 

water (swimming pool water) 

2. 要旨 試験片を規定の方法に基づいて,次亜塩素酸ナトリウムの希薄溶液で処理し,乾燥後,試験片

の変退色を変退色用グレースケールと比較して,その堅ろう度を判定する。 

3. 試験の種類 試験の種類は,表1に示すように,有効塩素量,pH,温度,浴比及び時間によって,4

種類に分けられる。これらのうちから目的に適した試験を選んで行う。 

表1 塩素処理水試験の種類と条件 

試験の種類 

試験液 

温度 

浴比 

時間 

有効塩素量 

mg/l 

pH 

℃ 

min 

A法 

10 

7.0±0.2 

25±2 200 : 1 

30 

B法 

20 

7.5±0.05 

27±2 100 : 1 

60 

C法 

50 

D法 

100 

4. 装置及び材料 装置及び材料は,次のものを用いる。 

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L 0884-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 洗濯試験機 洗濯試験機は,複合試験片と試験液及びステンレス鋼球を入れる試験瓶と,試験瓶を回

転させる回転装置及び試験瓶内の試験液を試験に必要な恒温に保つための恒温水槽又は恒温槽とから

成り,それぞれ次の規定に適合するものとする。 

装置の一例を図1に示す。 

(a) 試験瓶 ガラス製又はステンレス鋼製のもので,回転に耐える密閉形の容量550±50ml(内径75±

5mm)の円筒形の瓶。 

(b) 回転装置 電動機、回転軸及び回転軸に放射状に取り付けてある試験瓶保持器とから成り,試験瓶

保持器の保持軸の中心線と試験瓶の中心線とが同一線上になるように試験瓶が取り付けられるもの

で,1分間当たりの回転数は40±2回で,恒温水槽又は恒温槽中で試験瓶を回転できるもの。 

なお,回転軸の中心から試験瓶の底までは,45±10mmとする。 

(c) 恒温水槽又は恒温槽 加熱装置をもち,回転する試験瓶内の試験液を所定温度±2℃に保持できるも

ので,排水又は排気の処理装置を附属したもの。 

図1 洗濯試験機の一例 

なお,この試験と同等の結果が得られれば,他の機械装置を使ってもよい。 

(2) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。 

(3) 次亜塩素酸ナトリウム溶液 有効塩素7%以上を含むもの。 

(4) 水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定のもの。 

(5) りん酸二水素カリウム JIS K 9007に規定の特級のもの。 

(6) りん酸水素二ナトリウム・二水和物 試薬級のもの。 

(7) りん酸水素二ナトリウム・12水 JIS K 9019に規定のもの。 

5. 試験片の調製 試験片の調製は,次のとおり行う。 

(1) 試験片の調製及び水分調整は,JIS L 0801の5.1(試験片の調製)及びJIS L 0801の6.(試験片,添付

白布などの水分調整)によって行う。 

(2) 糸の場合は,長さ100mm,質量約0.5gをとり,束にして両端をくくってもよい。 

L 0884-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

V

5

0.

705

6. 試験液の調製 

6.1 

A法の場合 JIS L 0801の4.(10)(試薬及び試験液)に規定する水1λ中に有効塩素10mgを含むpH7.0

±0.2(1)の次亜塩素酸ナトリウム溶液の調製は,次亜塩素酸ナトリウム溶液中の有効塩素を定量し(2),1λ中

に有効塩素1gを含む次亜塩素酸ナトリウム原液を調製する。次に,この原液10mlにpH7.0±0.2の緩衝液

(3)を添加して全容を1λとする。 

注(1) 用いた溶液のpHの値は,記録に明記する。 

(2) 有効塩素は,JIS K 1207の4.(有効塩素試験方法)によって定量する。 

(3) pH7.0±0.2の緩衝液は,1λ中に0.2mol/λ水酸化ナトリウム溶液148.15ml,りん酸二水素カリウ

ム6.804 5gを含むもの。pHは,JIS Z 8802によって測定する。 

6.2 

B法,C法及びD法の場合 JIS L 0801の4.(10)に規定する水1λ中に有効塩素をそれぞれ100mg,50mg

及び20mgを含むpH7.5±0.05の次亜塩素酸ナトリウム原液の調製は,次のとおりとする。 

(1) 次亜塩素酸ナトリウム:pH=7.50±0.05で1λ当たり有効塩素を100mgを含む溶液 

溶液1: 次亜塩素酸ナトリウム溶液[4.(3)]20mlを1λに希釈。 

溶液2: 1λに,14.35gのりん酸二水素カリウム[4.(5)]を溶解。 

溶液3: 1λに,20.05gのりん酸水素二ナトリウム・二水和物[4.(6)],又は40.35gのりん酸水素二ナ

トリウム・12水[4.(7)]を溶解。 

25.0mlの溶液1に過剰のよう化カリウムと塩酸を加え,遊離したよう素を,0.1mol/λのチオ硫酸ナ

トリウム溶液ででんぷんを指示薬として滴定する。 

要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量をVmlとすると,pH=7.50±0.05の試験液1λの調製には,次の

それぞれを水に加えて混合し,全量を1λに希釈する。 

V

0.

705

ml 

溶液1 

100.0ml 

溶液2 

500.0ml 

溶液3 

試験液の使用前に,JIS Z 8802によって液のpHを点検する。必要に応じ,0.1mol/λの水酸化ナトリ

ウム又は0.1mol/λの酢酸のいずれかによってpHを調整する。 

(2) 次亜塩素酸ナトリウム:pH=7.50±0.05で1λ当たり有効塩素を50mgを含む溶液。 

pH7.50±0.05の試験液の1λ当たり,溶液1を

V

2

0.

705ml使用するほかは,(1)と同様に操作する 

(3) 次亜塩素酸ナトリウム:pH=7.50±0.05で1λ当たり有効塩素を20mgを含む溶液。 

pH7.50±0.05の試験液の1λ当たり,溶液1を    ml使用するほかは,(1)と同様に操作する。 

7. 操作 

7.1 

A法の場合 あらかじめ,25±2℃に温度を調整した試験液を浴比が200 : 1になるようにして,試験

片と共に試験瓶の中に入れ,密閉し,洗濯試験機に取り付け,25±2℃で30分間運転操作する(4)。 

機械の運転を止め,試験片を試験瓶から取り出し,ろ紙又は乾燥した白綿布の間に挟んで脱液し,その

まま風乾する。 

注(4) この試験では,通常の洗濯試験などで使用するステンレス鋼球は使用しない。 

7.2 

B法,C法及びD法の場合 あらかじめ,27±2℃に温度を調整した試験液を浴比が100 : 1になる

ようにして,試験片と共に試験瓶の中に入れ,密閉し,洗濯試験機に取り付け,27±2℃で60分間運転操

作する。 

L 0884-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

機械の運転を止め,試験片を試験瓶から取り出し,ろ紙又は乾燥した白綿布の間に挟んで脱液し,その

まま風乾する。 

8. 判定 試験片の変退色の判定は,JIS L 0801の9.(染色堅ろう度の判定)による。 

9. 記録 塩素処理水堅ろう度は,JIS L 0801の10.(記録)によって,次のように記録する。 

例 塩素処理水試験 B法 3級 (Y) 

染色堅ろう度試験方法JIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

須 賀 長 市 

日本学術振興会染色堅ろう度第134委員会 

(財団法人スガウエザリング技術振興財団) 

(委員) 

関   成 孝 

通商産業省生活産業局 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

高 橋 孝 一 

通商産業省製品評価技術センター 

上 野 和 義 

東京都繊維工業試験場 

山 形 昭 衛 

日本繊維技術士センター 

近 藤 一 夫 

元日本女子大学 

越 川 寿 一 

杉野女子大学 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

須 田 昌 男 

財団法人日本産業技術振興協会 

鈴 木 保 男 

財団法人日本化学繊維検査協会 

山 口   彪 

財団法人日本染色検査協会 

井 口 耕 一 

財団法人日本紡績検査協会 

下 谷 忠 義 

財団法人日本繊維製品品質技術センター 

森   数 馬 

財団法人毛製品検査協会 

児 玉   肇 

日本毛整理協会 

川 島   悟 

日本羊毛紡績会 

片 岡 邦 彦 

片岡毛織株式会社 

井 上 哲 夫 

日本化薬株式会社 

橋 爪 修 平 

住友染料テック株式会社 

藤 田   隆 

ダイスタージャパン株式会社 

赤 井   稔 

保土谷化学工業株式会社 

高 野 富士子 

主婦連合会 

川 又 幸 子 

全国地域婦人団体連絡協議会 

伊 藤 康 江 

消費科学連合会 

(事務局) 

須 賀 冨士夫 

財団法人スガウエザリング技術振興財団 

三田村 勝 昭 

財団法人スガウエザリング技術振興財団