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L 0879:2005  

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人スガウェ

ザリング技術振興財団(SWTF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。これによって,JIS L 0879:1996は改正され,この規格に置き換えられる。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 105-P01:1993 Textiles―Tests for 

colour fastness―Part P01:Colour fastness to dry heat(excluding pressing)を基礎として用いた。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS L 0879には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

L 0879:2005  

(2) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 要旨 ······························································································································ 2 

4. 試験の種類 ····················································································································· 2 

5. 装置及び材料 ·················································································································· 2 

6. 試験片及び複合試験片の調製 ····························································································· 3 

7. 操作 ······························································································································ 3 

8. 判定 ······························································································································ 3 

9. 記録 ······························································································································ 3 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 4 

日本産業規格          JIS 

L 0879:2005 

乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法 

Test methods for colour fastness to dry heat 

序文 この規格は,1993年に第2版として発行されたISO 105-P01,Textiles―Tests for colour fastness―Part 

P01:Colour fastness to dry heat(excluding pressing)を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規

格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一

覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,染色した繊維製品の乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法について規定す

る。ただし,加圧処理は除く。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 105-P01:1993 Textiles―Tests for colour fastness―Part P01:Colour fastness to dry heat

(excluding pressing)(MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

備考 ISO 105-A01:1994  Textiles−Tests for colour fastness−Part A01:General principles of testingから

の引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

備考 ISO 105-F:1985  Textiles−Tests for colour fastness−PartF:Standard adjacent fabrics及びISO 

105-F10:1989  Textiles−Tests for colour fastness−PartF10:Specification for adjacent fabric:Multifibre

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

備考 ISO 105-A02:1993  Textiles−Tests for colour fastness−Part A02:Grey scale for assessing change in 

colourからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS L 0805 汚染用グレースケール 

備考 ISO 105-A03:1993  Textiles−Tests for colour fastness−Part A03:Grey scale for assessing stainingか

らの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

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L 0879:2005  

3. 要旨 複合試験片を規定の方法に基づいて乾熱処理を行い,試験片の変退色と添付白布の汚染の程度

を,それぞれ変退色用グレースケール及び汚染用グレースケールと比較するか,計器によって変退色等級

及び汚染等級を求めてその堅ろう度を判定する。 

4. 試験の種類 この試験には,表1に示すように,処理温度の異なる4種類の試験があり,このうちか

ら試験の目的又は繊維の種類に適した試験を選んで行う。 

表 1 乾熱試験の種類及び条件 

種類 

温度 

℃ 

時間 

 A法(1) 

120±2 

30 

B法 

150±2 

30 

C法 

180±2 

30 

D法 

210±2 

30 

注(1) 主として,ポリプロピレン及び毛製品に適用される。 

5. 装置及び材料 装置及び材料は,次のものを用いる。 

a) 乾熱試験機 正確に温度調節ができ,均一に伝熱効果をもつ加熱装置であり,図1に示すように,複

合試験片を加熱板間に挟み,4 kPa±1 kPaの圧力で加圧することができ,水平位置で規定温度を保っ

たまま,規定時間保持できるものを用いる。加熱板は,熱伝導性の良好な金属製で,加熱板外枠部分

は,加熱板の温度変化を±2 ℃に保たれるだけの十分な熱容量と保温性のあるものが望ましい。 

加圧は上部からおもりなどで調節する。 

図 1 乾熱試験機(例) 

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L 0879:2005  

b) 添付白布 JIS L 0803に規定するもの。 

c) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。 

d) 汚染用グレースケール JIS L 0805に規定するもの。 

6. 試験片及び複合試験片の調製  

6.1 

複合試験片の調製は,6.2及び6.3に規定する事項を除き,JIS L 0801の6.(試験片及び複合試験片

の調製)による。 

6.2 

試験片の大きさは,加熱用乾熱試験機に適する大きさ,例えば,約10 cm×4 cmとする。 

6.3 

複合試験片の第2添付白布は別に規定しない限り,ポリエステル布を用い,短辺側の1辺を白綿縫

糸で縫い合わせて止める。 

6.4 

添付白布に多繊交織布を用いてもよい。 

7. 操作 表1の規定温度に正しく保たれた乾熱試験機に,図2のように複合試験片を挟んで処理した後,

乾熱試験機から取り出し,縫い合わせたまま,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±2)%の標準状態 (2) で

4時間以上放置する。 

注(2) JIS L 0801の7.(試験片,添付白布などの水分調整)のa) 参照。 

図 2 複合試験片の挟み方 

8. 判定 試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,JIS L 0801の10.(染色堅ろう度の判定)による。 

9. 記録 試験結果は,JIS L 0801の11.(記録)によって,次の例のように記録する。 

例1. 乾熱処理試験(B法)変退色 4級,汚染 4級(ナイロン),4-5級(ポリエステル) 

例2. 乾熱処理試験(A法)変退色 3級,汚染 2-3級(毛),4級(ポリエステル)(計器法) 

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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS L 0879:2005 乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法 

ISO 105-P01:1993 繊維―染色堅ろう度試験―パートP01:乾熱処理に対
する染色堅ろう度(プレスを含む) 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

項目番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

1. 適用範
囲 

染色した繊維製品の乾熱
処理に対する染色堅ろう
度試験方法について規定。
ただし,加圧処理は除く。 

ISO 105-P01 

1.1 

IDT 

2. 引用規
格 

JIS L 0801 
JIS L 0803 
 
JIS L 0804 
JIS L 0805 

ISO 105-A01 
ISO 105-F 
ISO 105-F10 
ISO 105-A02 
ISO 105-A03 
ISO 139 

 
 
 
 
ISO 139の内容は 
JIS L 0801に含む。 

3. 要旨 

IDT 

4. 試験の
種類 

1.2 

MOD/追加 

JISでは120±2 ℃の
試験を追加。 

必要に応じ,ISOに提案。 

5. 装置及
び材料 

a) 乾熱試験機 

4.1 

MOD/追加 

JISでは装置の例を図
示し,親切である。 

b) 添付白布 

4.2 

MOD/追加 

引用の添付白布のJIS
がMOD/追加。 

ISO規格のものは,我が国で生産さ
れていない。いずれはISO規格に整
合させるように検討する。 

4

L

 0

8

7

9

2

0

0

5

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(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線又は点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

項目番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

c) 変退色用グレースケー
ル 

4.4 

IDT 

d) 汚染用グレースケール 

4.4 

MOD/追加 

引用のJISはアダムニ
ッカーソン色差を追
加。 

いずれかによるので,整合はとれて
いる。 

6. 試験片
及び複合
試験片の
調製 

IDT 

7. 操作 


6.1 
6.2 

MOD/追加 

標準状態に放置する時
間をISO規格は4時間
としているが,JISは4
時間以上とした。技術
的軽微な差。 
また,試験片の挟み方
をJISでは図示。ISO
規格はない。 

8. 判定 

6.3 

IDT 

9. 記録 

MOD/追加 

JISでは記録の具体的
な例を記載し,親切で
ある。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

−IDT …………………………… 技術的差異がない。 
−MOD/追加…………………… 国際規格の規定項目又は規定内容を追加している。 

2. JISと国際規格との対比の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

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