2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
L 0868-1995
ホルムアルデヒドに対する
染色堅ろう度試験方法
Test method for colour fastness to formaldehyde
1. 適用範囲 この規格は,染色した繊維製品を防しわ加工繊維製品とともに貯蔵した場合に遭遇するホ
ルムアルデヒド蒸気の作用に対する染色堅ろう度試験方法について規定する。ただし,この試験方法は,
尿素ホルムアルデヒドなどによる防しわ加工又は染色後のホルムアルデヒド処理によって起こる変退色に
ついては適用されない。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 8872 ホルムアルデヒド液(試薬)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0804 変退色用グレースケール
JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 105-X09 : 1993 Textiles−Tests for colour fastness−Part X09 : Colour fastness to formaldehyde
2. 要旨 この試験は,試験片を密閉した容器内でホルムアルデヒド蒸気に暴露し,試験片の変退色の程
度を変退色用グレースケールと比較して,その堅ろう度を判定する方法である。
3. 装置及び材料 装置及び材料は,次のものを用いる。
(1) デシケーター JIS R 3503に規定するもので,胴部内径210mm,かつ,容量約6lのもの(付図1参照)。
(2) 試験片保持枠 ガラス製三脚(付図2参照)。
(3) 磁器蒸発ざら JIS R 1302の平底形,上外径約80mmのもので容量約60ml又は50mlのもの。
(4) ホルムアルデヒド液 (350g/kg) JIS K 8872に規定するホルムアルデヒド液350gを水に溶かして
1 000mlの全量フラスコにとり,水を標線まで加える。
(5) 恒温水槽 JIS L 0801の4.(1)(恒温水槽)に規定するもの。
(6) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。
4. 試験片の調製 試験片の調製は,次の事項を除き,JIS L 0801の5.1(試験片の調製)による。
(1) 試料が糸の場合は,編んで100×40mmの大きさの布にするか,又は100×40mmの大きさの白綿布上
に薄い層にして並べ,両端近くで白綿糸で縫い付ける。
(2) 試料がばら繊維の場合はくしけずって押し付け,大きさが100×40mmの薄い層にして白綿布に縫い
2
L 0868-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付ける。
5. 操作
(1) 付図1に示すようにデシケーターの底にホルムアルデヒド液 (350g/kg) 15mlを入れた磁器蒸発ざらを
置き,その上に試験片を取り付けた(1)試験片保持枠を入れる。この場合,ホルムアルデヒド液に触れ
ないように試験片を保持する。
注(1) 試験片の短い1辺の中央部に白綿糸で糸輪をつくり,保持枠の止め棒につり下げる。
(2) デシケーターを密閉し,試験片を20±2℃(2)のホルムアルデヒド飽和状態で24時間放置する。
注(2) 規定温度を保つために,必要に応じて恒温水槽又は恒温室を利用してもよい。
また,温度は,27±2℃で行ってもよい。この場合,記録に温度を付記する。
(3) 試験片を取り出し,直射日光の当たらない,また,相対湿度の変化が少ない新鮮な空気中(3)に24時間
放置する。
注(3) 原則として温度20±2℃,相対湿度 (65±2) %とする。
6. 判定 試験片の変退色の判定は,JIS L 0801の9.(染色堅ろう度の判定)による。
7. 記録 試験結果は,JIS L 0801の10.(記録)によって,次の例のように記録する。
例 ホルムアルデヒド試験 4級
3
L 0868-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 ホルムアルデヒド試験装置
4
L 0868-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 試験片保持枠(ガラス製)
5
L 0868-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
染色堅ろう度試験方法JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
須 賀 長 市
日本学術振興会染色堅ろう度第134委員会
(財団法人スガウエザリング技術振興財団)
(委員)
関 成 孝
通商産業省生活産業局
岡 林 哲 夫
工業技術院標準部
吉 村 正 治
通商産業省通商産業検査所横浜支所
山 形 昭 衛
日本繊維技術士センター
近 藤 一 夫
元日本女子大学
越 川 寿 一
杉野女子大学
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
須 田 昌 男
財団法人日本産業技術振興協会
川那部 洋 之
財団法人日本化学繊維検査協会
小 沢 紀 一
財団法人日本染色検査協会
井 口 耕 一
財団法人日本紡績検査協会
下 谷 忠 義
財団法人日本繊維製品品質技術センター
森 数 馬
財団法人毛製品検査協会
片 岡 邦 彦
片岡毛織株式会社
三 河 明 義
日本化薬株式会社
橋 爪 修 平
住友化学工業株式会社
今 福 英 明
三菱化成ヘキスト株式会社
高 野 富士子
主婦連合会
川 又 幸 子
全国地域婦人団体連絡協議会
伊 藤 康 江
消費科学連合会
(事務局)
須 賀 冨士夫
財団法人スガウエザリング技術振興財団
三田村 勝 昭
財団法人スガウエザリング技術振興財団