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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 0866-1995 

塩化アルミニウム化炭に対する 

染色堅ろう度試験方法 

Test method for colour fastness to carbonizing with aluminium chloride 

1. 適用範囲 この規格は,染色した繊維製品(1)の塩化アルミニウムによる化炭に対する染色堅ろう度試

験方法について規定する。 

注(1) 主として毛製品,特にアセテート又は合成繊維を混用する毛製品が対象となる。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8114 塩化アルミニウム (III) 六水和物(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8517 二クロム酸カリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8986 硫酸ナトリウム十水和物(試薬) 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 105-X01 : 1993 Textiles−Tests for colour fastness−Part X01 : Colour fastness to carbonizing : 

Aluminium chloride 

2. 要旨 この試験は,2枚一組の試験片を,規定の方法に基づいて塩化アルミニウム溶液に浸せきし,

取り出して乾燥し,ベーキング及び水洗した後,その1片はそのまま乾燥し,他の1片は引き続いて中和

及び水洗して乾燥し,この2種類の試験片の変退色の程度を,それぞれ変退色用グレースケールと比較し

て,その堅ろう度を判定する方法である。 

なお,この試験には,試験操作を正確に行うために,テストコントロール試験片を使用する。 

3. 装置及び材料 装置及び材料は,次のものを用いる。 

(1) 脱水用機器 JIS L 0801の4.(2)(脱水用機器)に規定するもの。 

(2) 乾燥機 60±2℃の乾燥及び115±2℃におけるベーキングができるもの。 

(3) テストコントロール試験片 100×40mmの大きさの染色布。 

なお,染色布は,次のとおり調製したものとする。 

(a) 布(添付白布 毛)を,水で十分に湿潤させた後,表1によって調製された染浴に入れ,昇温して

30分間で沸騰させ,さらに30分間煮沸を続ける。 

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L 0866-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,酢酸 (30%)(2)を用いて布の質量に対して酢酸が1〜3%となるように注意深く染浴に追加す

るか又は硫酸 (2%)(3)を用いて布の質量に対して硫酸(比重1.84)(4)が1%となるように注意深く染

浴に追加し,さらに15分間煮沸して染料を吸尽させる。 

注(2) 酢酸 (30%) の調製は,JIS K 8355に規定する酢酸30mlを水に溶かして100mlとする。 

(3) 硫酸 (2%) の調製は,200mlの全量フラスコに水を約160ml入れ,JIS K 8951に規定する

硫酸4mlを発熱に注意しながら少量ずつ加えた後,水を標線まで加える。 

(4) JIS K 8951に規定する硫酸として。 

表1 染浴の条件 

項目 

条件 

C. I. モルダントレッド3 

1%(布の質量に対し) 

結晶硫酸ナトリウム(5) 

10%(布の質量に対し) 

酢酸 (30%)(2) 

3〜5%(布の質量に対し) 

温度 

40℃ 

浴比 

40 : 1 

注(5) JIS K 8986に規定する硫酸ナトリウム十水和物を

用いる。 

(b) 染料が吸尽したら,次に染浴に冷水を添加して冷却した後,布の質量に対し0.5%の二クロム酸カリ

ウム(6)をあらかじめ水に溶解して添加し,再び昇温して染液を沸騰させ,そのまま30分間煮沸処理

する。 

注(6) JIS K 8517に規定する二クロム酸カリウムを用いる。 

(c) 最後に被染布を染浴から取り出し,水道水で洗い,脱水した後,乾燥する。 

(4) 塩化アルミニウム溶液 JIS K 8114に規定する塩化アルミニウム (III) 六水和物51.4gを1 000mlの全

量フラスコにとり,水を標線まで加える。 

(5) アンモニア溶液 JIS K 8085に規定する含量28%のアンモニア水1.4ml又は含量25%のアンモニア水

1.6mlを1 000mlの全量フラスコにとり,水を標線まで加える。 

(6) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。 

4. 試験片の調製 試験片の調製は,JIS L 0801の5.1(試験片の調製)による。 

5. 操作 操作は,次のとおり行う。 

(1) 2枚一組の試験片とテストコントロール試験片とを,それぞれ別浴で処理を行う。 

(a) 2枚一組の試験片とテストコントロール試験片とを,それぞれ別々の試験管に入れた塩化アルミニ

ウム溶液中に,浴比20 : 1かつ室温で15分間浸せきする。 

(b) 次に,2枚一組の試験片とテストコントロール試験片とを,それぞれ試験管から取り出し,試験片

の質量に対し80%程度の液を含むように絞り,30分間又は必要に応じてそれ以上,60±2℃の乾燥

機内に懸垂して乾燥後,さらに115±2℃の乾燥機中で15分間加熱してベーキングを行う。 

(c) 2枚一組の試験片とテストコントロール試験片とを,それぞれの乾燥機内から取り出し,水道水で5

分間洗浄した後,試験片1枚とテストコントロール試験片はそのまま60℃以下の乾燥機中で乾燥す

る。 

また,残りの試験片1枚は,水道水で5分間洗浄した後,浴比40 : 1のアンモニア溶液中,室温

で30分間かき混ぜながら中和処理した後,前記の中和しない試験片の場合と同様にして水洗し,乾

L 0866-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

燥する。 

(2) テストコントロール試験片の変退色の程度を,JIS L 0801の9.(染色堅ろう度の判定)によって判定

し,その等級が4−5級 (Y) でなければ,試験操作は正確に行われなかったものとして,試験片一組

とテストコントロール試験片を新たに調製し,再び前記の試験操作を繰り返す。 

6. 判定 試験片の変退色の判定は,JIS L 0801の9.による。 

7. 記録 試験結果は,JIS L 0801の10.(記録)によって次の例のように記録する。 

例 塩化アルミニウム化炭試験 水洗 4級,中和 4級 (Y) 

L 0866-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

染色堅ろう度試験方法JIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

須 賀 長 市 

日本学術振興会染色堅ろう度第134委員会 

(財団法人スガウエザリング技術振興財団) 

(委員) 

関   成 孝 

通商産業省生活産業局 

岡 林 哲 夫 

工業技術院標準部 

吉 村 正 治 

通商産業省通商産業検査所横浜支所 

山 形 昭 衛 

日本繊維技術士センター 

近 藤 一 夫 

元日本女子大学 

越 川 寿 一 

杉野女子大学 

上 野 和 義 

東京都立繊維工業試験場 

池 田 順 一 

財団法人日本規格協会 

須 田 昌 男 

財団法人日本産業技術振興協会 

鈴 木 保 男 

財団法人日本化学繊維検査協会 

小 沢 紀 一 

財団法人日本染色検査協会 

井 口 耕 一 

財団法人日本紡績検査協会 

下 谷 忠 義 

財団法人日本繊維製品品質技術センター 

森   数 馬 

財団法人毛製品検査協会 

児 玉   肇 

日本毛整理協会 

川 島   悟 

日本羊毛紡績会 

片 岡 邦 彦 

片岡毛織株式会社 

井 上 哲 夫 

日本化薬株式会社 

橋 爪 修 平 

住友化学工業株式会社 

今 福 英 明 

三菱化成ヘキスト株式会社 

赤 井   稔 

保土谷化学工業株式会社 

高 野 富士子 

主婦連合会 

川 又 幸 子 

全国地域婦人団体連絡協議会 

伊 藤 康 江 

消費科学連合会 

(事務局) 

須 賀 冨士夫 

財団法人スガウエザリング技術振興財団 

三田村 勝 昭 

財団法人スガウエザリング技術振興財団