L 0863:2020
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 原理······························································································································· 2
5 装置及び材料 ··················································································································· 2
6 複合試験片の調製 ············································································································· 2
7 試験の操作 ······················································································································ 2
8 判定······························································································································· 3
9 試験報告書 ······················································································································ 3
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益財団法人
スガウェザリング技術振興財団(SWTF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添
えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
した日本産業規格である。これによって,JIS L 0863:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
L 0863:2020
マーセライジングに対する染色堅ろう度試験方法
Test method for colour fastness to mercerizing
序文
この規格は,1994年に第4版として発行されたISO 105-X04を基とし,技術的内容を変更することなく
作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,染色した繊維製品のマーセライジングに対する染色堅ろう度試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 105-X04:1994,Textiles−Tests for colour fastness−Part X04: Colour fastness to mercerizing
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 105-A01,Textiles−Tests for colour fastness−Part A01: General principles of
testing(MOD)
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
注記 対応国際規格:ISO 105-F02,Textiles−Tests for colour fastness−Part F02: Specification for cotton
and viscose adjacent fabrics(MOD)
JIS L 0804 変退色用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A02,Textiles−Tests for colour fastness−Part A02: Grey scale for
assessing change in colour(MOD)
JIS L 0805 汚染用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A03,Textiles−Tests for colour fastness−Part A03: Grey scale for
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assessing staining(MOD)
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0801による。
4
原理
複合試験片を規定の方法に基づいて水酸化ナトリウム溶液で処理した後,洗浄,乾燥し,試験片の変退
色及び添付白布の汚染の程度を,それぞれ変退色用グレースケール及び汚染用グレースケールと比較して
変退色等級及び汚染等級を求めて,その堅ろう度を判定する。試験の結果,色の濃度を増すような場合に
は色相及び明度の変化だけを変退色用グレースケールを用いて判定し,この記録の場合には,更に(*印)
を付ける。
5
装置及び材料
装置及び材料は,次による。
a) 試験片保持枠 所定の大きさの試験片を保持できるステンレス鋼製の枠。
b) バット 試験片保持枠を操作できる容量のもの。
c) 脱水用機器 JIS L 0801の箇条5 b)(脱水用機器)のもの。
d) 乾燥機 JIS L 0801の箇条5 c)(乾燥機)のもの。
e) 添付白布 JIS L 0803の単一繊維布 綿(3-1),(3-2)。
f)
変退色用グレースケール JIS L 0804のもの。
g) 汚染用グレースケール JIS L 0805のもの。
h) 水酸化ナトリウム JIS K 8576のもの。
i)
硫酸 JIS K 8951のもの。
j)
酢酸 JIS K 8355のもの。
6
複合試験片の調製
6.1
複合試験片の調製は,次の6.2及び6.3に規定する事項を除き,JIS L 0801の箇条6(試験片及び複
合試験片の調製)による。
6.2
試料が布の場合は,試験片の大きさは約100 mm×100 mmとし,これと同じ大きさの添付白布と重
ねて,周囲4辺を粗く縫い合わせた後,試験片を上にしてたるまないようにし,しっかりと試験片保持枠
に取り付ける。
6.3
試料が糸である場合,試験片の大きさは約100 mm×100 mmとし,これと同じ大きさの添付白布と
重ねて,綿の添付白布の質量に等しい量を引きそろえた状態で試験片保持枠に過度な張力をかけることな
く,しっかりと平行に巻き付けた後,周囲の2辺を糸の巻き付け方向に対して直角に縫い付ける。
7
試験の操作
複合試験片を水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)中に温度20 ℃±2 ℃で5分間浸せきさせる。次に温度
70 ℃±2 ℃の水1 Lを1分間以上かけて複合試験片に注いで洗浄し,更に流水で5分間洗浄する。
次に硫酸(5 mL/L)又は酢酸(10 mL/L)中に複合試験片を浸せきし(浴比50:1),5分間酸洗いする。
さらに,冷流水でほとんど中性になるまで十分に洗浄する。試料が布の場合は,試験片を枠から取り外
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し,試料が糸の場合は,上下の枠に接している糸の部分から約10 mmの位置でかみそりなどで切断して除
く。その後,60 ℃以下の乾燥機中で乾燥するか又は風乾する。試料が糸の場合は,更に試験片と添付白布
とに分離し,それぞれをできるだけ平行に密接して並べる。
8
判定
8.1
試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,8.2に規定する事項を除き,JIS L 0801の箇条10(染
色堅ろう度の判定)による。ただし、計器法は用いない。
8.2
試験の結果,試験片の色濃度が増した場合,その変退色の判定は,色相及び明度の変化だけを8.1
と同様な方法で判定する。
9
試験報告書
9.1
マーセライジング堅ろう度の試験結果の報告事項は,試験片の色濃度が増した場合を除き,次の例
による。
例 マーセライジング試験 変退色 4級,汚染 4級
9.2
試験の結果,試験片の色濃度が増した場合には,次の例のように(*印)を付けて表示する。
例1 色相が変化しなくて色濃度が増した場合
マーセライジング試験 変退色 4級*,汚染 5級
例2 色相が変化し,色濃度が増した場合
マーセライジング試験 変退色 4-5級 (R)*,汚染 4級
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS L 0863:2020 マーセライジングに対する染色堅ろう度試験方法
ISO 105-X04:1994,Textiles−Tests for colour fastness−Part X04: Colour fastness to
mercerizing
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義
−
追加
JISでは,対応国際規格の規定に加
え,JIS L 0801の規定によることと
した。
実質的に技術的な差異はない。
5 装置及び
材料
試験に用いる装置及び
材料を規定。
4
JISとほぼ同じ
変更
JISではJISの添付白布及びグレー
スケールを使用。また,b) バット,
c) 脱水用機器,d) 乾燥機を追加
実質的に技術的な差異はない。
6.1
複合試験片の調製
−
変更
JISでは,JIS L 0801の規定による
こととした。
利用者の利便性のため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 105-X04:1994,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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