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令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準化法の用語に合わ

せ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

日本産業規格          JIS 

L 0859-1994 

亜塩素酸塩漂白に対する 

染色堅ろう度試験方法 

Testing method for colour fastness to bleaching with sodium chlorite 

1. 適用範囲 この規格は,染色した繊維品の亜塩素酸塩漂白に対する染色堅ろう度試験方法について規

定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 8264 ぎ酸(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8785 二りん酸ナトリウム十水和物(試薬) 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

JIS L 0805 汚染用グレースケール 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 105-N03 Textiles−Tests for colour fastness−Part N03 : Colour fastness to bleaching : Sodium 

chlorite : Mild 

ISO 105-N04 Textiles−Tests for colour fastness−Part N04 : Colour fastness to bleaching : Sodium 

chlorite : Severe 

2. 要旨 この試験は,複合試験片を規定の方法に基づいて亜塩素酸ナトリウム溶液で処理した後,水洗・

乾燥し,試験片の変退色と添付白布の汚染の程度を,それぞれ変退色用グレースケール又は汚染用グレー

スケールと比較して,その堅ろう度を判定する方法である。 

3. 種類 試験の種類は,弱試験と強試験の2種類があり,試験の目的又は繊維の種類によって,その1

種類又は2種類の試験を行う。 

弱試験は,主として天然セルロース繊維,再生セルロース繊維,ナイロン,ビニロン,その他の合成繊

維に適用し,強試験は,主として天然セルロース繊維に適用される。 

4. 装置及び材料 装置及び材料は,次のものを用いる。 

(1) 試験容器 内径約4cm,高さ約18cmのガラス円筒で,温度計及び還流冷却器を附属し,かつ,すり

合わせふた付きのもの。 

(2) 恒温水槽 JIS L 0801の6.(1)(恒温水そう)に規定するもの。

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L 0859-1994  

(3) 脱水用機器 JIS L 0801の6.(4)(脱水用機器)に規定するもの。 

(4) 乾燥機 JIS L 0801の6.(5)(乾燥機)に規定するもの。 

(5) 添付白布 JIS L 0803に規定するもの。 

(6) 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。 

(7) 汚染用グレースケール JIS L 0805に規定するもの。 

(8) 亜塩素酸ナトリウム 粉末品(工業薬品,純度75〜85%)(1)のもの。 

注(1) 亜塩素酸ナトリウムの純度は,硫酸溶液中で過剰のヨードカリと反応させ,チオ硫酸ナトリウ

ム溶液で滴定し,次の式によって算出する。 

100

26

002

.0

×

×

×

=

S

f

a

P

ここに, 

P: 亜塩素酸ナトリウムの純度 (%) 

a: 滴定に要した0.05mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の量 (ml) 

f: 0.05mol/lチオ硫酸ナトリウムのファクター 

S: 採取した試料の量 (g) 

参考 この滴定に伴う化学反応式は,次のとおりである。 

4KI+2H2SO4+NaClO2=2I2+2K2SO4+NaCl+2H2O 

I2+2Na2S2O3=2NaI+Na2S4O6 

(9) 二りん酸ナトリウム十水和物 JIS K 8785に規定するもの。 

(10) 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。 

(11) ぎ酸 JIS K 8264に規定するもの。 

5. 複合試験片の調製 複合試験片の調製は,JIS L 0801の7.3(複合試験片の調製)による。ただし,試

験片に添付する2枚の白布は,表1に示すものを用いる。 

表1 添付白布の繊維名 

試験片 

第1添付白布 

第2添付白布 

綿・亜麻以外 

の繊維 

試験片と同じ 

綿 

綿 

綿 

レーヨン 

亜麻 

綿 

6. 試験液の調製 

6.1 

弱試験 弱試験の試験液は,1l中に亜塩素酸ナトリウム0.8g(純度100%として)を含む亜塩素酸ナ

トリウム溶液をつくり,試験容器に入れる直前に酢酸を添加してpH3.5に調整する。 

6.2 

強試験 強試験の試験液は,1l中に亜塩素酸ナトリウム2g(純度100%として)と,二りん酸ナト

リウム十水和物0.1gを含む亜塩素酸ナトリウム溶液をつくり,試験容器に入れる直前にぎ酸を添加して

pH3.5に調整する。 

7. 操作 操作は,次のとおり行う。 

(1) 複合試験片を,あらかじめ処理する亜塩素酸ナトリウム溶液で十分に湿し,堅く絞った後,試験容器

に入れる。 

(2) さらに,浴比50 : 1になるように規定の試験液を加えてふたをし,還流冷却器及び温度計を付け,恒

L 0859-1994  

温水槽中に入れ昇温し,かくはんせずにそのまま液温80±2℃で1時間浸せきする。 

(3) 試験容器から複合試験片を取り出し,水道水で10分間洗浄した後,JIS L 0801の9.6に規定する方法

によって,脱水し,乾燥させる。 

8. 判定 試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,JIS L 0801の10.(判定)による。 

9. 記録 試験結果は,試験の種類を明記し,かつ,JIS L 0801の11.(表示)によって,次の例のように

記録する。 

例 亜塩素酸塩漂白試験(弱) 変退色 4級,汚染 5級(ナイロン),4−5級(綿) 

参考1. 再現性のテスト 試験の効果又は結果の再現性を見る目的で,テストコントロール試験片と

して,未漂白の清浄な綿布を用いてもよい。この場合の効果は,試験処理後の白さの程度に

よって示される。 

参考2. 亜塩素酸ナトリウムの純度は,粉末品の場合,外国品で80%,50%などがあり,国産品で75%,

85%などがある。液状品では,濃度約25%,32%のものなどがある。粉末品は,工業薬品とし

ておおよその値が示されている場合が多いが,分析によって正確な純度を求め,100%に換算

して試験することが必要である。