L 0851:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 原理······························································································································· 2
5 試験の種類 ······················································································································ 2
6 装置及び材料 ··················································································································· 2
7 試験片の調製 ··················································································································· 2
8 試験操作························································································································· 3
9 判定······························································································································· 3
10 試験報告書 ···················································································································· 3
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4
L 0851:2013
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益財団法人スガ
ウェザリング技術振興財団(SWTF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して
日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本工業規格である。これによって,JIS L 0851:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
L 0851:2013
酸滴下に対する染色堅ろう度試験方法
Testing methods for colour fastness to acid spotting
序文
この規格は,2010年に第5版として発行されたISO 105-E05を基とし,我が国の生産及び使用実態に合
わせて,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,染色した繊維製品の酸滴下に対する染色堅ろう度試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 105-E05:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part E05: Colour fastness to spotting: Acid
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8532 L(+)−酒石酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 105-A01,Textiles−Tests for colour fastness−Part A01: General principles of
testing(MOD)
JIS L 0804 変退色用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A02,Textiles−Tests for colour fastness−Part A02: Grey scale for
assessing change in colour(MOD)
JIS L 0809 計器による変退色及び汚染の判定方法
2
L 0851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0801による。
4
原理
この試験は,規定の濃度に調製した酸の溶液を試験片に滴下し,乾燥後に試験片の変退色の程度を変退
色用グレースケールによって比較するか(視感法),又は計器を用いてその堅ろう度を判定する(計器法)。
5
試験の種類
試験の種類は,用いる酸の溶液によって表1のとおりとする。試験を行う場合には,目的によってこれ
らのうちから選択する。
表1−試験の種類
種類
試験に用いる酸の溶液
有機酸(酢酸)試験
酢酸溶液
無機酸(塩酸)試験
塩酸
無機酸(硫酸)試験
硫酸溶液
有機酸(酒石酸)試験
酒石酸溶液
6
装置及び材料
装置及び材料は,種類によって選択する。
なお,試験の種類によって装置及び材料を選択して用いる。
6.1
ピペット又は点滴器
6.2
ガラス棒 直径8 mm,長さ約150 mmの先端を丸めたもの。
6.3
ガラス板 装置に用いるガラス板。100 mm×100 mm以上のもの。
6.4
変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの。
6.5
酢酸溶液 酢酸溶液(300 g/l)のもの。JIS K 8355に規定する酢酸を用いて作る。
6.6
塩酸 塩酸(350 g/l)のもの。JIS K 8180に規定する塩酸。
6.7
硫酸溶液 硫酸溶液(50 g/l)のもの。JIS K 8951に規定する硫酸を用いて作る。
6.8
酒石酸溶液 酒石酸溶液(100 g/l)のもの。JIS K 8532に規定するL(+)−酒石酸を用いて作る。
これは,試験片がアセテート繊維の場合に酢酸の代わりに用いる。
6.9
水 JIS K 0557に規定するA1の水又はこれと同等以上の水。
6.10 測色計 JIS L 0809に規定するものを用いる。
7
試験片の調製
試験片の調製は,JIS L 0801の6.1(試験片の調製)によるほか,次による。
a) 試験片が布の場合 織物,編物,フェルトなどの製品から規定の大きさのものを採取する。試験片の
全面が均一な処理を受けるよう,試料の布はしわがあってはならない。大きさは,通常,100 mm×40
mmとする。
b) 試験片が糸の場合 編んで100 mm×40 mmの大きさにするか又は100 mm×40 mmの大きさのガラス
板にその長辺の方向に平行して密に巻き付けて薄い層をつくり,試験片とする。
c) 試験片がばら繊維の場合 くしけずって押し付け,100 mm×40 mmの大きさの薄い層とし,これを
3
L 0851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100 mm×40 mmの大きさのガラス板にセロハン粘着テープなどを用いて取り付け,試験片とする。
8
試験操作
試験操作は,次による。
a) 試験片を装置に用いるガラス板上に置く。ただし,糸,ばら繊維の場合など試験片の調製にガラス板
を用いた場合は,この必要はない。
b) ピペット又は点滴器を用いて目的に応じた酸の溶液を試験片の中央に2滴ほど滴下する。
c) 滴下した溶液をガラス棒でよく試験片にしみ込ませ,そのまま自然乾燥させる。
9
判定
試験片に酸の溶液を滴下した部分と滴下しなかった部分との色の違いの程度の判定は,JIS L 0801の箇
条10(染色堅ろう度の判定)による。
注記 視感法の場合は,変退色用グレースケールを用いて判定し,計器法の場合は,測色計を用いて
判定する。
10 試験報告書
試験結果の記録には,JIS L 0801の箇条11(試験報告書)によって,次の例のように記載する。計器法
による場合には(計器法)と記載する。また,必要に応じて規格番号を記載する。
例1 酸滴下試験(硫酸)
3級(Y)
例2 酸滴下試験(酒石酸) 4級(計器法)
4
L 0851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS L 0851:2013 酸滴下に対する染色堅ろう度試験方法
ISO 105-E05:2010 Textiles−Tests for colour fastness−Part E05: Colour fastness to
spotting: Acid
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義
JIS L 0801による。
−
−
追加
JISとして必要な用語及び定義を規定
した。
技術的差異はない。
4 原理
視感法又は計器法
3
視感法
選択
JISは計器法を追加し変更した。
次回の見直し時にISOに提案する。
5 試験の種
類
表1 試験の種類
−
−
追加
ISO規格にはこの項目がないが,JIS
は試験の種類を明確にするため記載
した。
実質的な技術的差異はない。
6 装置及び
材料
6.2 ガラス棒
4.2
JISとほぼ同じ
追加
JISは直径及び長さを追加した。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.3 ガラス板
−
−
追加
ISO規格にはこの項目がないが,JIS
は試験の作業を明確にするため記載
した。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.4 変退色用グレース
ケール
4.3
JISとほぼ同じ
変更
JIS独自の物を使用する。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.5 酢酸溶液
4.4
pH 1.8〜2.4
変更
JISはJIS K 8355の規格とした。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.6 塩酸
4.7
pH 0.1〜0.3
変更
JISはJIS K 8180の規格とした。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.7 硫酸溶液
4.5
pH 0.6〜0.8
変更
JISはJIS K 8951の規格とした。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.8 酒石酸溶液
4.6
pH 1.5〜1.8
変更
JISはJIS K 8532の規格とした。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.9 水
4.8
ISO 105-A01による。追加
JISはJIS K 0557の規格とした。
実質的な技術的差異は軽微である。
6.10 測色計
4.9
ISO 105-A05による。追加
JISはJIS L 0809の規格とした。
実質的な技術的差異は軽微である。
2
L
0
8
5
1
:
2
0
1
3
5
L 0851:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 試験片の
調製
a) 布の場合
b) 糸の場合
c) ばら繊維の場合
5.2
5.3
5.4
JISとほぼ同じ
追加
JISでは作業を明確にするため詳細に
記載した。
実質的な技術的差異は軽微である。
8 試験操作 b) 2滴ほど滴下する
6
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格は滴下してほぼ2 mmの大き
さにするとしているが,JISでは作業
を明確にするため詳細に記載した。
実質的な技術的差異は軽微である。
9 判定
6.4
JISとほぼ同じ
変更
JISはJIS L 0801を引用し箇条10に
よるとした。
実質的な技術的差異は軽微である。
10 試験報
告書
7
JISとほぼ同じ
変更
JISは記録の仕方について詳しく規定
した。
実質的な技術的差異は軽微である。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 105-E05:2010,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
L
0
8
5
1
:
2
0
1
3