L 0849:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 原理······························································································································· 2
5 試験場所························································································································· 2
6 試験の種類 ······················································································································ 2
7 試験片の採取及び準備 ······································································································· 2
8 装置及び材料 ··················································································································· 2
8.1 摩擦試験機 ··················································································································· 2
8.2 摩擦用白綿布 ················································································································ 3
8.3 汚染用グレースケール ···································································································· 3
8.4 水 ······························································································································· 3
8.5 測色計 ························································································································· 3
9 試験方法························································································································· 4
9.1 摩擦試験機I形(クロックメータ)法 ················································································ 4
9.2 摩擦試験機II形(学振形)法 ··························································································· 4
10 判定 ····························································································································· 4
11 試験報告書 ···················································································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益財団法人スガ
ウェザリング技術振興財団(SWTF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して
日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本工業規格である。これによって,JIS L 0849:2004は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
Test methods for colour fastness to rubbing
序文
この規格は,2001年に第5版として発行されたISO 105-X12を基とし,我が国の生産及び使用実態に合
わせて,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,染色した繊維製品の摩擦に対する染色堅ろう度試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 105-X12:2001,Textiles−Tests for colour fastness−Part X12: Colour fastness to rubbing(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing(MOD)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 105-A01:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part A01: General
principles of testing(MOD)
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
注記 対応国際規格:ISO 105-F09,Textiles−Tests for colour fastness−Part F09: Specification for cotton
rubbing cloth(MOD)
JIS L 0805 汚染用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A03,Textiles−Tests for colour fastness−Part A03: Grey scale for
assessing staining(MOD)
JIS L 0809 計器による変退色及び汚染の判定方法
JIS R 6253 耐水研磨紙
2
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0801による。
4
原理
摩擦試験機を用いて試験片を摩擦用白綿布で摩擦し,摩擦用白綿布の着色の程度を汚染用グレースケー
ルと比較するか(視感法),又は計器を用いてその堅ろう度を判定する(計器法)。
5
試験場所
試験場所は,JIS L 0105の5.1.1(標準状態)に規定する温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±4)%とする。
6
試験の種類
試験の種類は,次による。
なお,括弧内の数字は,本体の細分箇条を示す。
a) 摩擦試験機I形(クロックメータ)法[9.1]
b) 摩擦試験機II形(学振形)法[9.2]
7
試験片の採取及び準備
試験片の採取及び準備は,次による。
a) 試料が布の場合
1) 摩擦試験機I形で試験するときは,たて及びよこ方向に約140 mm×50 mmの試験片を2枚ずつ切り
取り,乾燥試験用及び湿潤試験用にそれぞれ1枚ずつ用いる。
2) 摩擦試験機II形で試験するときは,たて及び/又はよこ方向に約220 mm×30 mmの試験片を2枚
ずつ切り取り,乾燥試験用及び湿潤試験用にそれぞれ1枚ずつ用いる。
b) 試料が糸の場合 試料が糸の場合は,a) に規定する試験片の大きさの長方形の板紙に,その長辺の方
向に平行して密に堅く巻き付けて薄い層を作るか,又は適切に編んで試験片とする。
8
装置及び材料
8.1
摩擦試験機
摩擦試験機は,次による。
8.1.1
摩擦試験機I形(クロックメータ) 摩擦試験機I形は,図1に示すように試験片台,耐水研磨紙,
摩擦子,荷重腕,水平往復運動装置などから構成され,次の規定に適合しなければならない。
8.1.1.1
試験片台 金属又は木製台で,塗装仕上げなどで湿潤時でも影響を及ぼさないもの。
8.1.1.2
耐水研磨紙 JIS R 6253に規定するCw-C-P320,Cw-GC-P320又はこれと同等のもので,大きさ
が約140 mm×110 mmのもの。
8.1.1.3
摩擦子 直径16 mm±1 mm,先端平面で,白綿布をしっかり固定できる硬質プラスチック製,木
製又は耐薬品性金属材質のもの。
8.1.1.4
荷重腕 摩擦子に9 N±0.2 Nの荷重を加え,かつ,摩擦子が試験片上で水平に往復できるように
したもの。
なお,摩擦子の試料を押す力が9 Nであり,この力は試料に質量918 g±20 gのおもりを載せたものと同
じ。
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8.1.1.5
水平往復運動装置 クランクなどで荷重腕の摩擦子が試験片100 mm間を10秒間に10回水平往
復運動ができるもの。
8.1.2
摩擦試験機II形(学振形) 摩擦試験機II形は,図2に示すように試験片台,摩擦子,荷重腕,水
平往復運動装置などから構成され,次の規定に適合しなければならない。
8.1.2.1
試験片台 金属製台で,表面半径200 mmのかまぼこ形。
8.1.2.2
耐水研磨紙 JIS R 6253に規定するCw-C-P320,Cw-GC-P320又はこれと同等のもの。
なお,往復摩擦中に,試験片がずれるような場合に用いる。
注記 耐水研磨紙の裏面には可剝性の接着剤を付けたものを用いると操作が便利である。
8.1.2.3
摩擦子 表面半径45 mmの円筒状の曲面,たて約20 mm,よこ約20 mmで,約60 mm×60 mm
の大きさの摩擦用白綿布を固定できる耐薬品性金属材質のものとし,かつ,摩擦用白綿布の接触面積は約
100 mm2のもの。
8.1.2.4
荷重腕 一端が固定軸でとめられ,他端の摩擦子に2 Nの荷重を加えたもので,固定軸中心から
摩擦子中心までの距離が110 mmあり,固定軸を中心に回転できるもの。
なお,摩擦子の試料を押す力が2 Nであり,この力は試料に質量約200 gのおもりを載せたものと同じ。
8.1.2.5
水平往復運動装置 クランク,ハンドルなどで,試験片台を毎分30回往復の速度で120 mmの間
を水平に往復運動でき,摩擦子が100 mmの間で往復できるもの。
単位 mm
単位 mm
図1−摩擦試験機I形
図2−摩擦試験機II形
8.2
摩擦用白綿布
摩擦用白綿布は,JIS L 0803に規定する綿3-1号又は綿(摩擦用)3-3号とし,摩擦子を十分に覆う程度
の大きさに切り取って用いる。
なお,摩擦用白綿布の大きさは,50 mm×50 mm又は60 mm×60 mmとするのがよい。
8.3
汚染用グレースケール
汚染用グレースケールは,JIS L 0805に規定するもの。
8.4
水
水は,JIS K 0557に規定するA1の水又はこれと同等以上の水を用いる。
8.5
測色計
測色計は,JIS L 0809に規定するものを用いる。
4
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9
試験方法
9.1
摩擦試験機I形(クロックメータ)法
摩擦試験機I形(クロックメータ)法は,次による。
a) 乾燥試験の場合
1) 試験片及び摩擦用白綿布は,箇条5の標準状態に4時間以上放置する。
2) 試験片を試験片台の耐水研磨紙上に,摩擦用白綿布を摩擦子の先端に,それぞれ取り付け,9 N±0.2
Nの荷重で,試験片100 mmの間を10秒間に平均10回往復摩擦する。
なお,試料が布の場合は,たて及びよこ方向の試験片について,それぞれ試験を行う。
b) 湿潤試験の場合
1) 試験片は,a) 1) と同様な標準状態に4時間以上放置する。また,摩擦用白綿布は,水でぬらし約
100 %の湿潤状態にする。
2) 摩擦用白綿布は,a) 2) と同様な方法によって試験片を摩擦後,風乾する。
9.2
摩擦試験機II形(学振形)法
摩擦試験機II形(学振形)法は,次による。
a) 乾燥試験の場合
1) 試験片及び摩擦用白綿布は,箇条5の標準状態に4時間以上放置する。
2) 試験片を試験片台の上に取り付ける。摩擦用白綿布を摩擦子の先端に取り付け,2 Nの荷重で,試
験片の中央部100 mmの間を毎分30回往復の速度で100回往復摩擦する。
なお,試験片を試験片台の上に取り付けるときは,往復摩擦中における試験片のずれを防ぐため
に試験片台にあらかじめ耐水研磨紙を貼り付け,その上に試験片を取り付けてもよい。この場合,
試験報告書に記録する。
b) 湿潤試験の場合
1) 試験片は,a) 1) と同様な標準状態に4時間以上放置する。また,摩擦用白綿布は,水でぬらし約
100 %の湿潤状態にする。
2) 摩擦用白綿布は,a) 2) と同様な方法によって試験片を摩擦後,風乾する。
10 判定
摩擦用白綿布の着色の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)による。
注記 視感法の場合は,汚染用グレースケールを用いて判定し,計器法の場合は,測色計を用いて判
定する。
11 試験報告書
試験結果の記録には,JIS L 0801の箇条11(試験報告書)によって乾燥試験及び湿潤試験を,次のよう
に記載する。計器法による場合には(計器法)と記載する。また,必要に応じて規格番号を記載する。
例1 摩擦試験機I形 乾燥4級,湿潤2級(たて方向)
乾燥4級,湿潤2級(よこ方向)
例2 摩擦試験機II形 乾燥4級,湿潤3級(たて方向)(計器法)
乾燥4級,湿潤2級(よこ方向)(計器法)
5
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS L 0849:2013 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
ISO 105-X12:2001 Textiles−Tests for colour fastness−Part X12: Colour fastness to
rubbing
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び定
義
JIS L 0801による。
−
−
追加
JISとして必要な用語及び定義を規
定した。
技術的差異はない。
4 原理
試験結果を汚染用グレース
ケール又は計器で判定。
3
選択
JISは計器法を追加した。
次回の見直し時に,ISOに提案す
る。
5 試験場所
標準状態
−
追加
JIS L 0105の5.1.1(標準状態)を追加。 実質的な技術的差異はない。
6 試験の種類
摩擦試験機I形,
摩擦試験機II形
−
選択
ISO規格は摩擦試験機II形の種類の
項はない。
摩擦試験機II形をISOに提案す
る。
7 試験片の採
取及び準備
a) 試料が布の場合
2) 摩擦試験機II形の場合
5
追加
JISはII形を追加。
ISOに提案する。
8 装置及び材
料
8.1 摩擦試験機
8.1.1.2 耐水研磨紙
4.1
追加
耐水研磨紙のJISを引用。
実質的な技術的差異はない。
8.1.2 摩擦試験機II形
選択
ISO規格にはII形はない。
ISOに提案する。
8.2 摩擦用白綿布
−
変更
JIS L 0803に規定の綿を用いる。
実質的な技術的差異はない。
8.3 汚染用グレースケール
−
変更
JIS L 0805に変更した。
実質的な技術的差異はない。
8.4 水
−
追加
ISO規格は明確に規定していない
が,JIS K 0557を引用し,水質を明
確にするため規定した。
実質的な技術的差異はない。
9 試験方法
9.2 摩擦試験機II形(学振形)
法
6
選択
JISはII形(学振形)法を追加。
ISOに提案する。
10 判定
JIS L 0801の箇条10による。
7
選択
JISは計器法を追加。
ISOに提案する。
11 試験報告
書
JIS L 0801の箇条11による。
8
変更
ISO規格はa)〜f)までの項を規定し
ているが,JISはJIS L 0801を引用。
実質的な技術的差異はないが
ISOに提案する。
2
L
0
8
4
9
:
2
0
1
3
6
L 0849:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 105-X12:2001,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
L
0
8
4
9
:
2
0
1
3