L 0844:2011
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 要旨······························································································································· 2
4 試験の種類 ······················································································································ 2
5 装置及び材料 ··················································································································· 3
6 複合試験片の調製 ············································································································· 6
6.1 A法(石けん,又は石けん及び炭酸ナトリウムによる洗濯法) ··············································· 6
6.2 B法(家庭及び商業洗濯法) ···························································································· 7
7 試験操作 ························································································································· 8
7.1 A法(石けん,又は石けん及び炭酸ナトリウムによる洗濯法) ··············································· 8
7.2 B法(家庭及び商業洗濯法) ···························································································· 8
8 判定······························································································································· 9
9 記録······························································································································· 9
附属書A(規定)C法(ISO法)···························································································· 10
附属書B(規定)D法(ISO法) ···························································································· 13
附属書C(規定)E法(ISO法) ···························································································· 15
附属書JA(参考)有効塩素及び有効酸素測定方法 ····································································· 18
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 19
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人スガウェ
ザリング技術振興財団(SWTF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS L 0844:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
L 0844:2011
洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
Test methods for colour fastness to washing and laundering
序文
この規格は,2010年に第4版として発行されたISO 105-C06,2010年に第2版として発行されたISO
105-C08,2001年に第1版として発行されたISO 105-C09,2006年に第1版として発行されたISO 105-C10
及び2004年に第1版として発行されたISO 105-C12を基とし,規格の構成及び技術的内容を変更して作
成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,染色した繊維製品の洗濯に対する染色堅ろう度試験方法について規定する。
なお,この規格で,C法(ISO 105-C08),D法(ISO 105-C09)及びE法(ISO 105-C12)を用いる場合
は,箇条5〜箇条9は適用しないで,附属書A〜附属書Cを適用する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 105-C06:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part C06: Colour fastness to domestic and
commercial laundering
ISO 105-C08:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part C08: Colour fastness to domestic and
commercial laundering using a non-phosphate reference detergent incorporating a low-temperature
bleach activator
ISO 105-C09:2001,Textiles−Tests for colour fastness−Part C09: Colour fastness to domestic and
commercial laundering−Oxidative bleach response using a non-phosphate reference detergent
incorporating a low temperature bleach activator
ISO 105-C10:2006,Textiles−Tests for colour fastness−Part C10: Colour fastness to washing with
soap or soap and soda
ISO 105-C12:2004,Textiles−Tests for colour fastness−Part C12: Colour fastness to industrial
laundering(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
2
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JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 3302 固形洗濯石けん
JIS K 3371 洗濯用合成洗剤
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 105-A01,Textiles−Tests for colour fastness−Part A01: General principles of
testing(MOD)
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
注記 対応国際規格:ISO 105-F01,Textiles−Tests for colour fastness−Part F01: Specification for wool
adjacent fabric,ISO 105-F02,Textiles−Tests for colour fastness−Part F02: Specification for cotton
and viscose adjacent fabrics,ISO 105-F03,Textiles−Tests for colour fastness−Part F03:
Specification for polyamide adjacent fabric,ISO 105-F04,Textiles−Tests for colour fastness−Part
F04: Specification for polyester adjacent fabric,ISO 105-F05,Textiles−Tests for colour fastness
−Part F05: Specification for acrylic adjacent fabric,ISO 105-F06,Textiles−Tests for colour
fastness−Part F06: Specification for silk adjacent fabric,ISO 105-F07,Textiles−Tests for colour
fastness−Part F07: Specification for secondary acetate adjacent fabric,及びISO 105-F10,Textiles
−Tests for colour fastness−Part F10: Specification for adjacent fabric: Multifibre(全体評価:
MOD)
JIS L 0804 変退色用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A02,Textiles−Tests for colour fastness−Part A02: Grey scale for
assessing change in colour(MOD)
JIS L 0805 汚染用グレースケール
注記 対応国際規格:ISO 105-A03,Textiles−Tests for colour fastness−Part A03: Grey scale for
assessing staining(MOD)
3
要旨
複合試験片を,規定する方法に基づいて試験液に入れて処理し,水洗して乾燥した後,試験片の変退色
及び添付白布の汚染の程度を,それぞれ変退色用グレースケール及び汚染用グレースケールと比較するか,
又は計器によって変退色等級及び汚染等級を求めて,その堅ろう度を判定する。
4
試験の種類
試験の種類は,試験方法によって表1のとおり区分する。
3
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表1−試験の種類
試験の種類
試験の種類の細分
(号)
国際規格の種類
対応国際規格番号
(参考)
A法
A-1
Test 1 A(1)
ISO 105-C10
A-2
Test 2 B(2)
A-3
Test 3 C(3)
A-4
−
A-5
−
A-6
Test 4 D(4)
A-7
Test 5 E(5)
B法
B-1
A1S
ISO 105-C06
B-2
A1M
B-3
A2S
B-4
B1S
B-5
B1M
B-6
B2S
B-7
C1S
B-8
C1M
B-9
C2S
B-10
D1S
B-11
D1M
B-12
D2S
B-13
D3S
B-14
D3M
B-15
E1S
B-16
E2S
C法
C-1
−
ISO 105-C08
C-2
C-3
C-4
D法
−
−
ISO 105-C09
E法
−
−
ISO 105-C12
注記 欄中の“−”は,該当がないことを示す。
5
装置及び材料
装置及び材料は,次による。
a) 洗濯試験機 洗濯試験機は,試験瓶,試験瓶の回転装置及び試験瓶内の試験液を恒温に保つための恒
温水槽又は恒温槽とからなり,それぞれ次の規定に適合するものとする。
装置の一例を,図1及び図2に示す。
1) 試験瓶 複合試験片又は試験片,試験液及びステンレス鋼球を入れる,ガラス製又はステンレス鋼
製のもので,回転に耐える密閉形の容量550 mL±50 mL(内径75 mm±5 mm)の円筒形の瓶
2) 回転装置 電動機,回転軸及び回転軸に放射状に取り付けてある試験瓶保持器からなり,試験瓶保
持器の保持軸の中心線と試験瓶の中心線とが同一線上になるように試験瓶が取り付けられるもので,
1分間当たりの回転数は40回±2回で,恒温水槽又は恒温槽中で試験瓶を回転できるもの。
なお,回転軸の中心から試験瓶の底までの寸法は,45 mm±10 mmとする。
4
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3) 恒温水槽又は恒温槽 加熱装置をもち,回転する試験瓶内の試験液を所定温度±2 ℃に保持できる
もの
4) ステンレス鋼球 JIS G 4303のSUS304で直径約6 mmのもの
図1−洗濯試験機の一例(恒温水槽によるもの)
図2−洗濯試験機の一例(恒温槽によるもの)
b) 石けん(A法に用いる。) JIS K 3302に規定する無添剤(又は1種)又は無添剤のもの
c) 炭酸ナトリウム(A-3号〜A-7号及びB-7号〜B-16号に用いる。) JIS K 8625に規定の特級のもの
d) 合成洗剤(B法に用いる。) 合成洗剤は,表2に示す1号及び表3に示す2号の2種類とし,目的に
よっていずれかを用いる。合成洗剤は,表2及び表3によって各成分を正しくはかりとり,乳鉢及び
乳棒を用いてよくすり合わせ,必要に応じて乾燥し,均一な粉末として用いる。必要に応じてJIS K
3371の規定に適合する市販の合成洗剤を用いてもよい。その場合には,用いた合成洗剤の品名を試験
報告書に付記する。
5
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表2−合成洗剤1号の成分
単位 %
成分
質量比
直鎖アルキルスルホン酸ナトリウム塩(LAS)
18.0
アルミノけい酸ナトリウム
25.0
炭酸ナトリウム
18.0
けい酸ナトリウム(SiO2/Na2O=2/1)
0.50
硫酸ナトリウム
22.13
ポリエチレングリコール
2.76
ポリアクリル酸ナトリウム
3.50
シリコン(石けんの泡抑制剤)
0.04
水分
10.0
その他の界面活性剤
0.07
注記 合成洗剤1号は,ISO 105-C06の4.4.2に規定するものと同等である。
表3−合成洗剤2号の成分
単位 %
成分
質量比
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(パラフィン鎖の平均長さ:炭素数にして11.5)
エトキシル化 牛脂 アルコール(14EO)
石けん
C12−C16:13〜26 %
C18−C22:74〜87 %
トリポリりん酸ナトリウム
けい酸ナトリウム(SiO2/Na2O=3.3/1)
けい酸マグネシウム
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
EDTAナトリウム塩
硫酸ナトリウム
水
8.0
2.9
3.5
43.7
7.5
1.9
1.2
0.2
21.2
9.9
±0.02
注記 合成洗剤2号は,ISO 105-C06の4.4.3に規定するものと同等である。
e) 酢酸(A法に用いる。) JIS K 8355に規定するもの
f)
次亜塩素酸ナトリウム溶液(A-4号,B-13号及びB-14号に用いる。) 有効塩素1 %を含むもの(有効
塩素試験方法は,附属書JA参照)。
g) 過炭酸ナトリウム(A法に用いる。) 有効酸素12 %以上,pH10〜pH11(3 %溶液)のもの(有効酸素
試験方法は,附属書JA参照)。
h) 水 JIS K 0557に規定するA1の水
i)
変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの
j)
汚染用グレースケール JIS L 0805に規定するもの
k) 添付白布 JIS L 0803に規定するもの
なお,脱水用機器及び乾燥機は,JIS L 0801に規定するものを用いる。
6
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6
複合試験片の調製
6.1
A法(石けん,又は石けん及び炭酸ナトリウムによる洗濯法)
複合試験片の調製は,JIS L 0801の6.2(複合試験片の調製)による。ただし,必要であれば,次のa)
〜c) のいずれによってもよい。また,添付白布に単一繊維布を使用するときは,試験片に添付する2枚の
添付白布は,1枚(第1添付白布)は,通常,試験片と同じ種類,他の1枚(第2添付白布)は表4によ
るものを用いる。試験片が混用品の場合は,第1添付白布は,混用率の最も大きい繊維と同じ種類のもの
を用い,第2添付白布は,表4によるもの,又はその次に混用率の大きい繊維と同じ種類のものを用いる。
多繊交織布を用いるときは,多繊交織布交織1号(以下,交織1号という。)及び多繊交織布交織2号(以
下,交織2号という。)についてはA-1号〜A-2号試験,多繊交織布交織3号(以下,交織3号という。)
についてはA-3号〜A-7号試験だけとする。
表4−添付白布の組合せ(A法)
第1添付白布
第2添付白布
試験温度40 ℃
及び50 ℃
第2添付白布
試験温度60 ℃,
70 ℃,80 ℃及び95 ℃
綿
毛
レーヨン又はナイロン
毛
綿
−
絹
綿
−
レーヨン
毛
綿
アセテート
レーヨン又は綿
レーヨン又は綿
ナイロン
毛又は綿
綿
ポリエステル
毛又は綿
綿
アクリル
毛又は綿
綿
なお,受渡当事者間の協定によって,他の種類のものを用いてもよい。ただし,この場合には,試験報
告書に記録する。
さらに,A-4号試験において,試験液に次亜塩素酸ナトリウムを添加する場合,複合試験片の調製は,
表5に示す添付白布を用いる。
a) 試料が布の場合は,次のいずれかによる。
1) 100 mm×40 mmの試験片の表面に,50 mm×40 mmの添付白布(単一繊維布)2枚を隣り合わせに
並べて添付する。次に,白綿縫糸で試験片の4辺を粗く縫い付けるか又は添付白布を内側にして50
mm×40 mmの二つ折りとし,試験片のほぼ中央を白綿縫糸で折り目に平行に粗く縫い付ける。
2) 100 mm×40 mmの試験片に,同じ大きさの添付白布(多繊交織布)1枚を添付し,白綿縫糸で4辺
を粗く縫い付ける。
b) 試料が糸の場合は,次のいずれかによる。
1) 長さ100 mm,質量が添付白布2枚の約1/2の試料を取り,100 mm×20 mmの添付白布(単一繊維
布)2枚の間に薄い層にして並べ,白綿縫糸で4辺を粗く縫い付ける。
2) 長さ100 mm,質量が添付白布2枚の約1/2の試料を取り,束にして両端をくくり,50 mm×40 mm
の添付白布(単一繊維布)2枚を隣り合わせに並べてそれぞれ二つ折りにした間に,両添付白布に
またがるように平たくして挟み,白綿縫糸で折り目以外の外周に沿って(短辺部では試料糸の束を
貫通して)粗く縫い付ける。
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3) 長さ100 mm,質量が添付白布2枚の約1/2の試料を取り,100 mm×40 mmの添付白布(多繊交織
布)を短辺の中央で二つ折りにした間に,試料糸の方向が添付白布の長辺に平行になるように薄い
層にして並べ,白綿縫糸で折り目以外の3辺を粗く縫い付ける。
c) 試料がばら繊維の場合は,次のいずれかによる。
1) 質量が添付白布2枚の約1/2の試料を取り,くし削って押し付け,50 mm×40 mmの薄い層にして,
これと同じ大きさの添付白布(単一繊維布)2枚の間に挟み,白綿縫糸で4辺を粗く縫い付ける。
2) 質量が添付白布2枚の約1/2の試料を取り,くし削って押し付け,50 mm×40 mmの薄い層にして,
100 mm×40 mmの添付白布(多繊交織布)を長辺の中央で二つ折りにした間に挟み,白綿縫糸で折
り目以外の3辺を粗く縫い付ける。
表5−次亜塩素酸ナトリウム添加試験に用いる添付白布の繊維の種類
試験片
第1添付白布
第2添付白布
綿
綿
レーヨン又は
ポリエステル
レーヨン
レーヨン又は
ポリエステル
綿
キュプラ
キュプラ
レーヨン又は綿
アセテート
アセテート又は
ポリエステル
レーヨン又は綿
ポリエステル
ポリエステル
綿
アクリル
アクリル
綿
6.2
B法(家庭及び商業洗濯法)
a) 単一繊維布の場合 JIS L 0803に規定する添付白布を表6の組合せによって使用する。また,試験片
が混用品の場合で単一繊維布を使用するときは,第1添付白布は,混用率の最も大きい繊維と同じ種
類のものを用い,第2添付白布は,その次に混用率の大きい繊維と同じ種類のものを用いる。
なお,受渡当事者間の協定によって,他の種類のものを用いてもよい。ただし,この場合には,試
験報告書に記録する。
表6−添付白布の組合せ(B法)
第1添付白布
第2添付白布
B-1〜B-6試験
B-7〜B-16試験
綿
毛
レーヨン又は
ナイロン
毛
綿
−
絹
綿
−
レーヨン
毛
綿
アセテート
レーヨン又は綿
レーヨン又は綿
ナイロン
毛又は綿
綿
ポリエステル
毛又は綿
綿
アクリル
毛又は綿
綿
b) 多繊交織布の場合 試験温度によって,JIS L 0803に規定する交織2号及び交織3号を,次のように
用いる。
8
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1) 試験温度が40 ℃及び50 ℃(60 ℃で使用することもある。この場合には,その旨を試験報告書に
記録する。)の場合は交織1号又は交織2号を使用する。
2) 試験温度が70 ℃及び95 ℃(60 ℃で使用することもある。)の場合は交織3号を使用する。
7
試験操作
7.1
A法(石けん,又は石けん及び炭酸ナトリウムによる洗濯法)
A法は,表7に示すように,条件の異なる7種類の試験とする。
表7−A法の種類及び条件
試験の種
類の細分
(号)
試験液
ステンレ
ス鋼球
個
温度
℃
時間
min
ISO 105-C10
の試験番号
(参考)
石けん
g/L
炭酸ナト
リウム
g/L
液
mL
A-1
5
−
100
−
40±2
30
A(1)
A-2
50±2
30
B(2)
A-3
2
60±2
30
C(3)
A-4
10 a)
70±2
45
−
−
A-5
80±2
A-6
95±2
30
D(4)
A-7
240
E(5)
注記 試験液の液量は,ISO 105-C10では,試験片質量に対し,浴比50:1となっている。
また,A-2号に対応するISO 105-C10の時間は,45分となっている。
注a) 試験片が毛,絹又はこれらの混用品の場合は,ステンレス鋼球を用いない。
表7によって,試験液及びステンレス鋼球の規定個数を規定容量の試験瓶の中へ入れ,試験瓶を予熱し
て試験液を規定の温度にした後,これに複合試験片を入れて密閉し,洗濯試験機に取り付ける。試験機を
規定時間運転した後,複合試験片を試験瓶から取り出し,水洗(25 ℃±2 ℃の水100 mLで1分間)を2
回繰り返した後,JIS L 0801に規定する方法によって脱水,乾燥する。
なお,水洗後,必要に応じて,更に,約0.1 g/Lの希酢酸溶液(25 ℃±2 ℃)100 mLで1分間処理して
もよい。また,試験の目的によって試験液に漂白剤を添加する必要があるときは,次のa)〜c) のいずれか
1種類を選び,複合試験片を試験瓶の中に入れる直前に試験液に規定量を添加する。ただし,次亜塩素酸
ナトリウムは,試験片が毛,絹,ナイロン又はこれらの混用品でない場合に限りA-4号を用いることがで
きる。
a) 次亜塩素酸ナトリウムを有効塩素濃度が0.01 %になるように添加する。
b) ペルオキソほう酸ナトリウム2.5 g/Lを添加する。
c) 過炭酸ナトリウム2.5 g/Lを添加する。
これらの処理を行った場合には,試験報告書に記録する。
7.2
B法(家庭及び商業洗濯法)
B法は,表8に示すように,条件の異なる16種類の試験とする。
表8によって,試験液及びステンレス鋼球の規定個数を試験瓶の中へ入れ,試験瓶を予熱して試験液を
規定の温度にした後,これに複合試験片を入れて密封し,洗濯試験機に取り付ける。試験機を規定時間運
転した後,複合試験片を試験瓶から取り出し,水洗(25 ℃±2 ℃の水100 mLで1分間)を2回繰り返し
た後,JIS L 0801に規定する方法によって脱水,乾燥する。
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なお,次亜塩素酸ナトリウムは,B-13号及びB-14号において,試験片が毛,絹,ナイロン又はこれら
の混用品でない場合に限り用いることができ,有効塩素濃度が0.015 %になるように添加する。
表8−B法の種類及び条件
試験の種類の
細分(号)
試験液
ステンレス
鋼球
個
温度
℃
時間
min
合成洗剤
1号又は2号
g/L
pH
液量
mL
有効
塩素
%
ペルオキソ
ほう酸ナト
リウム
g/L
B-1
4
−
150
−
−
10 a)
40±2
30
B-2
10
45
B-3
1
10 a)
30
B-4
−
25 a)
50±2
B-5
50
45
B-6
1
25 a)
30
B-7
10.5±0.1
(20 ℃のとき)
50
−
25
60±2
B-8
50
45
B-9
1
25
30
B-10
−
70±2
B-11
100
45
B-12
1
25
30
B-13
0.015
−
B-14
100
45
B-15
−
25
95±2
30
B-16
1
注a) 試験片が毛,絹又はこれらの混用品の場合は,ステンレス鋼球を用いない。
8
判定
試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)の規定によ
る。
9
記録
洗濯堅ろう度は,JIS L 0801の規定によって,次の例1〜例6のように試験報告書に記録する。
なお,B法によった場合には,試験の種類は,例4のように表1の国際規格の種類によって記録しても
よい。多繊交織布の汚染は,最も汚染程度の著しい部分の等級及びその構成糸の繊維名だけを記録する。
ただし,必要がある場合には,全ての繊維名及びその等級を記入するか又は必要でないものを除外して記
入してもよい。
例1 洗濯試験 A-3号 変退色4級 汚染3級(綿) 3−4級(毛)
例2 洗濯試験 A-3号 変退色4級 汚染3級(綿) 3−4級(毛)(計器法)
例3 洗濯試験 B-3号(合成洗剤1号) 変退色4−5級 汚染3級(交織1号・ナイロン)
例4 洗濯試験 A1M号(合成洗剤2号) 変退色4級 汚染3級(交織2号・毛)
例5 洗濯試験 B-2号(市販洗剤名) 変退色4級 汚染3級(ナイロン)
例6 洗濯試験 A-4号(次亜塩素酸ナトリウム添加) 変退色3級 汚染3級(綿) 4−5級(ポリ
エステル)
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L 0844:2011
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附属書A
(規定)
C法(ISO法)
A.1 概要
この試験は,ISO 105-C08に規定する漂白活性化剤を含有した無りんの標準洗剤を使用する家庭及び商
業洗濯試験方法に対する染色堅ろう度試験である。
A.2 原理
添付白布に接した繊維の試験片を洗濯処理し,水洗し,乾燥する。試験片の洗濯処理は,試験結果が短
時間で得られるように,温度,アルカリ度,漂白及び摩擦作用の条件下で行う。摩擦作用は,適切な数の
鋼球の使用で達成する。試験片の変退色及び添付白布の汚染は,グレースケール又は計器を用いて,原布
と比較して評価する。
A.3 一般
A.3.1 装置及び材料
装置及び材料は,次による。
a) 洗濯試験機 洗濯試験機は,箇条5のa) による。ただし,試験液を所定の試験温度まで1.5 ℃/min
±0.5 ℃/minの昇温速度で昇温させることのできる昇温速度調整装置を具備する。
b) かくはん機 試験液を調製するもので,回転数1 000 min−1以上のかくはんができるもの
c) 合成洗剤3号 合成洗剤3号は,表A.1によって各成分を正しくはかりとり,乳鉢及び乳棒を用いて
よくすり合わせ,必要に応じて乾燥し,均一な粉末としたもの
表A.1−合成洗剤3号の成分
単位 %
成分
質量比
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(パラフィン鎖の平均長さ:C11.5)
エトキシル化牛脂アルコールC12−13(7EO)
石けん,鎖の長さC12−17 46 %:C18−20 54 %
消泡剤(DC-42485)
けい酸アルミニウムナトリウム(ゼオライト4A)
炭酸ナトリウム
アクリル酸及びマレイン酸重合体のナトリウム塩
けい酸ナトリウム(SiO2/:Na2O=3.3:1)
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
ジエチレン・トリアミン・ペンタ
(メチレン・フォスフォニックアシッド)
硫酸ナトリウム
水
9.7
5.2
3.6
4.5
32.5
11.8
5.2
3.4
1.3
0.8
9.8
12.2
±0.02
注記 合成洗剤3号は,ISO 105-C08のA.1に規定するものと同等である。
必要に応じて次の酵素を添加することができる。その添加割合は,酵素を加えた合成洗剤の全体量
に対して,次のとおりである。
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− プロテアーゼ(Savinase 12T) :0.5 %
− リパーゼ(Lipolase100T)
:0.1 %
− アミラーゼ(Thermamyl 60T):0.3 %
− セルラーゼ(Celluzyme 0.7T) :0.3 %
注記 それぞれの酵素は,Novo Nordisk Bio-industrials社の製品である。ただし,同等の効果が得ら
れる他の製品でもよい。
d) 漂白活性化剤[テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)] ISO 105-C08に規定するもの
e) 水 JIS K 0557に規定するA1の水
f)
変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの
g) 汚染用グレースケール JIS L 0805に規定するもの
h) 添付白布 JIS L 0803に規定するもの
なお,脱水用機器及び乾燥機は,JIS L 0801に規定するものを用いる。
i)
ステンレス鋼球
j)
てんびん ±0.01 gまで正確にはかれるもの
k) 酢酸液 氷酢酸0.2 gのもの。酸処理を必要とする場合に用いる。
A.3.2 複合試験片の調製
複合試験片の調製で,使用する添付白布は,次によるほか,JIS L 0801の6.2の規定による。
a) 単一繊維布の場合 JIS L 0803に規定する添付白布を表A.2の組合せによって使用する。また,試験
片が混用品の場合で単一繊維布を使用するときは,第1添付白布は,混用率の最も大きい繊維と同じ
種類のものを用い,第2添付白布は,その次に混用率の大きい繊維と同じ種類のものを用いる。
なお,受渡当事者間の協定によって,他の種類のものを用いてもよい。ただし,この場合には,試
験報告書に記録する。
表A.2−添付白布の組合せ(C法)
第1添付白布
第2添付白布
C-1及びC-2試験
C-3及びC-4試験
綿
毛
レーヨン
毛
綿
−
絹
綿
−
レーヨン
毛
綿
アセテート
レーヨン
レーヨン
ナイロン
毛又は綿
綿
ポリエステル
毛又は綿
綿
アクリル
毛又は綿
綿
b) 多繊交織布の場合 試験温度によって,JIS L 0803に規定する交織2号及び交織3号を,次のように
用いる。
なお,2種類の多繊交織布の組成は,表A.3のとおりとする。
1) 試験温度が40 ℃及び50 ℃(60 ℃で使用することもある。この場合には,その旨を試験報告書に
記録する。)の場合は毛,アセテートを含む交織2号を使用する。
2) 試験温度が95 ℃(60 ℃で使用することもある。)の場合は毛,アセテートを含まない交織3号を
使用する。
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表A.3−C法に用いる多繊交織布の組成
種類
多繊交織布交織2号
多繊交織布交織3号
よこ糸
アセテート
綿
ナイロン
ポリエステル
アクリル
毛
トリアセテート
綿
ナイロン
ポリエステル
アクリル
レーヨン
たて糸
ポリエステル
ポリエステル
A.4 操作
C法は,表A.4に示すように,温度条件の異なる4種類の試験とし,目的に応じて選択し用いる。
合成洗剤3号4 g,漂白活性化剤0.15 g,及びペルオキソほう酸ナトリウム四水和物1 gを1 000 mLの水
に加え,かくはん機で完全に分散させる。この操作は25 ℃±5 ℃で10分間行って試験液を調製する。
一つの複合試験片に対し,質量比で50倍の試験液をとり,複合試験片及び25個のステンレス鋼球とと
もに試験瓶に入れて蓋を固定し,洗濯試験機内にセットする。洗濯試験機は25 ℃から運転を開始し,規
定の試験温度に達するまで1.5 ℃/min±0.5 ℃/minの昇温速度で加熱する。試験温度に達した後,その温
度で30分間運転する。運転終了後,複合試験片を取り出して,大容量のビーカーに入れた2 Lの室温の水
に投入し,1分間かくはんする。さらに,10分間流水洗浄した後,60 ℃以下で風乾する。乾燥機を用いて
もよい。
表A.4−C法の種類及び条件
試験の種類
の細分(号)
試験液
ステンレス
鋼球
個
温度
℃
時間
min
合成洗剤
3号
g/L
液量
(試験液:
複合試験片)
C-1
4
50:1
25 a)
40±2
30
C-2
50±2
C-3
60±2
C-4
95±2
注a) 試験片が毛,絹又はこれらの混用品の場合は,ステンレス鋼球を用いない。
A.5 判定
試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,JIS L 0801による。
A.6 記録
洗濯堅ろう度は,次の例のように試験報告書に記録する。
多繊交織布の汚染は,最も汚染程度の著しい部分の等級及びその構成糸の繊維名だけを記録する。ただ
し,必要がある場合には,全ての繊維名及びその等級を記入するか,又は必要でないものを除外して記入
してもよい。
例 洗濯試験 C-3号 変退色4級 汚染3級(綿) 3−4級(毛)
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附属書B
(規定)
D法(ISO法)
B.1
概要
この試験方法は,ISO 105-C09に規定する酸化漂白剤及び漂白活性化剤を添加した無りん標準洗剤を用
いた家庭洗濯及び商業洗濯に対する染色堅ろう度試験方法である。
B.2
装置及び材料
装置及び材料は,次による。
a) 洗濯試験機 洗濯試験機は,箇条5のa) による。ただし,試験液を所定の試験温度まで1.5 ℃/min
±0.5 ℃/minの昇温速度で昇温させることのできる昇温速度調整装置を具備する。
b) かくはん機 試験液を調製するのもので,回転数1 000 min−1以上のかくはんができるもの
c) 合成洗剤3号 合成洗剤3号は,表B.1によって各成分を正しくはかりとり,乳鉢及び乳棒を用いて
よくすり合わせ,必要に応じて乾燥し,均一な粉末としたもの
表B.1−合成洗剤3号の成分
単位 %
成分
質量比
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(パラフィン鎖の平均長さ):C11.5
エトキシル化牛脂アルコールC12-13(7EO)
石けん
C12−17 46 %:C18−20 54 %
消泡剤(DC2-4245)
けい酸アルミニウムナトリウム(ゼオライト4A)
炭酸ナトリウム
けい酸ナトリウム(SiO2/Na2O=3.3/1)
けい酸マグネシウム
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)
ジエチレン・トリアミン・ペンタ
(メチレン・フォスフォニックアシッド)
硫酸ナトリウム
水
9.7
5.2
3.6
4.5
32.5
11.8
5.2
3.4
1.3
0.8
9.8
12.2
±0.02
注記 合成洗剤3号は,ISO 105-C08のA.1に規定するものと同等である。
d) 漂白活性化剤(TAED)
e) ペルオキソほう酸ナトリウム四水和物(NaBO3・4H2O)
f)
変退色用グレースケール JIS L 0804に規定するもの
g) てんびん ±0.01 gまで正確にはかれるもの
h) 水 JIS K 0557に規定するA1の水
i)
ろ紙
j)
未染布 ポリプロピレン製のものなど。
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B.3
試験片
試験片は,次のいずれかによる。
a) 試料が布の場合は,試験片の大きさは100 mm×50 mmとする。
b) 試料が糸の場合は,長さ100 mm,直径約5 mmの太さに平行に束ね両端を結ぶか又は100 mm×50 mm
のポリプロピレン布の上に並べ縫い付ける。
B.4
操作
D法は,表B.2に示すように,合成洗剤3号10 g,テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)1.8 g,及
びペルオキソほう酸ナトリウム四水和物12 gを1 000 mLの水に加え,かくはん機(1 000 min−1以上)に
よって完全に分散させて,25 ℃±5 ℃で,10分間処理して試験液を調製する。
一つの試験片に対し,質量比で100倍の試験液をとり,試験片とともに試験瓶に入れて蓋を固定し,洗
濯試験機内にセットする。洗濯試験機は25 ℃から運転を開始し,60 ℃±2 ℃に至るまで1.5 ℃/min±
0.5 ℃/minの昇温速度で加熱する。60 ℃±2 ℃に達した後,その温度で30分間運転する。運転終了後,
試験片を取り出して,大容量のビーカーに入れた2 Lの室温の水に投入し,1分間かくはんする。さらに,
10分間流水洗浄した後,60 ℃以下で風乾する。
表B.2−D法の試験条件
試験液
初期温度
℃
昇温速度
℃/min
温度
℃
時間
min
合成洗剤
3号
g/ L
ペルオキソ
ほう酸ナトリウム
g/ L
TAED
g/L
10
12
1.8
25±5
1.5±0.5
60±2
30
B.5
判定
試験片の変退色の判定は,JIS L 0801による。
B.6
記録
洗濯堅ろう度は,JIS L 0801によって,次の例のように試験報告書に記録する。
例 洗濯試験 D法 変退色4級
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附属書C
(規定)
E法(ISO法)
C.1 概要
この試験方法は,ISO 105-C12に規定する試験方法で,全ての繊維製品の工業洗濯処理に対する染色堅
ろう度試験方法である。
C.2 装置及び材料
装置及び材料は,次による。
a) 洗濯試験機 洗濯試験機は,箇条5のa) による。
b) かくはん機 試験液を調製するのもので,回転数が少なくとも1 100 rpm±100 rpm又は同等のかくは
んができるもの
c) ステンレス鋼球 直径約6.0 mm,腐食性でないもの。
d) 添付白布 ISO 105-F10に規定する多繊交織布3号(TV),又は綿(ISO 105-F02に規定のもの)及び
ポリエステル(ISO 105-F04に規定のもの)による2種類の単一繊維布。必要に応じ,非染色布(例
えば,ポリプロピレンなどで,編物を機械的に安定させるもの)を用いてもよい。
e) 変退色用グレースケール(JIS L 0804に規定のもの)及び汚染用グレースケール(JIS L 0805に規定
のもの),又はこれらを判定できる計器
f)
アイロン 2.5 kgを超えない質量のもので,プレス処理が必要な場合に温度表示ができるアイロン
g) 合成洗剤4号 合成洗剤4号は,表C.1によって各成分を正しくはかりとり,乳鉢及び乳棒を用いて
よくすり合わせ,必要に応じて乾燥し,均一な粉末としたもの
表C.1−合成洗剤4号の成分(E法)
単位 %
成分
質量比
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(パラフィン鎖の平均長C12)
0.425
非イオン界面活性剤(C13-15, 7EO又はC12-14 7EO)
6.0
けい酸ナトリウム二水和物
5.0
ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウム
(C2H4Na4O7P2)
1.0
無水メタケイ酸塩
42.3
ポリマレイン酸
2.0
消泡剤(臭酸エステル)
3.0
炭酸ナトリウム
39.5
水
0.475
h) 氷酢酸0.2 g/Lを含む液 酸性処理を行う場合に用いる。
i)
過酸化水素水 30 %のもの
j)
水酸化ナトリウム ペレット状のもの
k) 漂白活性化剤(TAED)
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l)
ペルオキソほう酸ナトリウム
m) 水 JIS K 0557に規定するA1の水
C.3 試験片
C.3.1 布状の試験片
布試験片は,縦方向及び横方向に80 mm×160 mmに2枚カットして作る。
編物の場合には,二つの試験片を準備する。試験片の質量(g)を小数点2桁まではかる。
試験片の中心で短辺に沿って,布面を外側にして二つに折って重ねる。寸法の安定した糸を用いて,両
側に沿って袋状に縫い合わせる。各袋にステンレス鋼球を25個入れる。
C.3.2 添付白布
添付白布は,次のいずれかによる。
a) 多繊交織布3号(ISO 105-F10)の場合には,1枚を作り,質量(g)を小数点2桁まではかる。
b) 2種類の単一繊維布,綿3-2及びポリエステル8-2(ISO 105-F02及びISO 105-F04)の場合には,試験
片を100 mm×80 mmにカットして作り,質量(g)を小数点2桁まではかる。
注記 2枚の布試験片及び汚染用添付布は,縫い合わさない。これは,繊維同士の摩擦を起こすお
それがあるためである。
C.4 操作
C.4.1 洗濯液の調製
C.4.1.1 過酸化水素を添加しない試験
かくはん機を用いて,合成洗剤4号5 g/L基礎パウダー(蛍光増白剤の含まれていないもの)を常温の
水に10±1分間分散させる。溶液1 L当たり水酸化ナトリウム1 gを加える。氷酢酸を用いて,pHを12.0
〜12.5の範囲になるように調節し,直ちに用いる。続いてC.4.2の操作を行う。
C.4.1.2 過酸化水素を添加した試験
かくはん機を用いて,合成洗剤4号5 g/L基礎パウダー(蛍光増白剤の含まれていないもの)を常温の
水に10±1分間分散させる。液1 L当たり水酸化ナトリウム1 gを加える。氷酢酸を用いて,pHを11.0〜
11.5の範囲になるように調節する。溶液1 L当たり30 %過酸化水素2 mLを加え,直ちに用いる。続いて
C.4.2の操作を行う。
C.4.1.3 ペルオキソほう酸ナトリウム及び漂白活性化剤[テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)]を
添加した試験
かくはん機を用いて,合成洗剤4号5 g/L基礎パウダー(蛍光増白剤の含まれていないもの),ペルオキ
ソほう酸ナトリウム2 g及びTAED(100 %活性)0.3 gを常温の水に10±1分間分散させる。水酸化ナトリ
ウムを用いて,pHを10.0〜10.5の範囲になるように調節し,直ちに用いる。続いてC.4.2の操作を行う。
C.4.2 洗濯試験の操作
C.4.2.1 各容器に,液比15:1[すなわち,試験片の総質量(g)に対し溶液15 mL]で,洗濯液を加える。
調製した試験片及び添付白布の両方を25個のステンレス鋼球とともに容器に入れる。
容器を閉じて,洗濯試験機に取り付け,回転を開始し,1.5 °C/min±0.5 °C/minの昇温速度で表C.2に規
定する温度に上げる。この温度で更に60分試験を続ける。
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表C.2−試験条件(E法)
試験
番号
試験液
昇温速度
℃/min
温度
℃
時間
min
合成洗剤4号
g/L
漂白剤の追加
pH
1S
5
なし
12.0〜12.5
1.5±0.5
92±2
60
2S
なし
12.0〜12.5
75±2
60
1P
30 %過酸化水素水
2 mL/L
11.0〜11.5
75±2
60
2P
ペルオキソほう酸
ナトリウム2 g/L
TAED 0.3 g/L
10.0〜10.5
75±2
60
注記 試験中は,容器内で圧力が増える容器は,常に開く前に冷却し,圧を抜くことが必要である。
C.4.2.2 洗濯が終了した時点で,試験片及び添付白布を取り出し,水100 mLで1分間のすすぎを2回行
う。
C.4.2.3 洗濯操作の終わりに酸性処理を行う場合には,次の操作を行う。
複合試験片を30 ℃で1分間の酢酸溶液100 mLで処理し,次に,100 mLの水で1分間すすぐ。
C.4.2.4 しごいて,布試験片から余分な水を取り除く。
C.4.2.5 測定のために,試験片を継ぎ目に沿って切り開き,空気の中につるして60 ℃を超えない温度で
乾かす。
必要であれば,平面アイロンを用いて,試験布に適した温度で乾燥してもよい。ただし,どんな場合に
も150 ℃を超えてはならない。試験片を標準状態で,少なくとも4時間で調節する。
C.4.2.6 グレースケールを用いるか,又は計器を用いて,洗濯をしていない布と比較して,試験片の変退
色又は添付白布の汚染を評価する。
折り目での変退色は,視感で評価し,試験報告書に記録する。
C.4.2.7 より多くの工業洗濯を予測するため,受渡当事者間の協定によって,同一試験片で,更に洗濯試
験を繰り返してもよい。
C.5 判定方法
試験片の変退色及び添付白布の汚染の判定は,JIS L 0801の箇条10による。
C.6 記録
試験報告書には,次の情報を含める。
a) ISO 105の部(つまりISO 105-C12)
b) 変退色用グレースケール等級及び添付白布の汚染等級
c) 用いた試験番号
d) 酸処理を行ったかどうか
e) 試験片の乾燥は,空気乾燥か,又はプレスによって乾燥したか,その場合の温度
f)
洗濯,すすぎ及び乾燥サイクルの数
g) 試料の識別に必要な履歴
h) 試験者及び試験の日付
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L 0844:2011
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附属書JA
(参考)
有効塩素及び有効酸素測定方法
JA.1 有効塩素測定方法
試料約15 mLを取り,その質量を正確にはかり,全量フラスコ1 L中に速やかに移し,水を標線まで加
えて薄め,十分に振る。その50 mLを三角フラスコ300 mLに取り,よう化カリウム2 gを加え,次に酢
酸(1+1)10 mLを加えた後,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液が淡黄色になってから,
でんぷん溶液1 mLを加え,生じた青色が消えるまで,更に,滴定を続ける。別に空試験を行い,次の式
によって有効塩素(%)を算出する。
(
)
[
]
(
)
[
]100
000
1/
50
545
003
.0
2
1
1
×
×
×
×
−
=
S
f
V
V
H
ここに,
H1: 有効塩素(%)
V1: この試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液使用量
(mL)
V2: 空試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液使用量
(mL)
f: 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ
S: 試料の質量(g)
JA.2 有効酸素測定方法
溶存酸素を含まない水100 mLを共通すり合わせ三角フラスコ200 mLに入れる。これに,硫酸(1+15)
5 mL,よう化カリウム2 g及び試料0.2 g(0.1 mgの桁まではかる。)を順次加え,直ちに栓をして穏やか
に振り混ぜて溶かす。これを暗所に30分間放置した後,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
滴定は溶液が淡黄色になってから,でんぷん溶液1 mLを加え,生じた青色が消えるまで続ける。別に空
試験を行い,次の式によって有効酸素(%)を算出する。
(
)
[
]
100
800
000
.0
2
1
2
×
×
×
−
=
S
f
V
V
H
ここに,
H2: 有効酸素(%)
V1: この試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液使用量
(mL)
V2: 空試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液使用量
(mL)
f: 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ
S: 試料の質量(g)
19
L 0844:2011
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附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS L 0844:2011 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
下記の注記3による。
(I)JISの規定
(II)国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由及
び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 染色した繊維製品の洗濯
に対する染色堅ろう度試
験方法について規定す
る。
ISO 105-C06
ISO 105-C08
ISO 105-C09
ISO 105-C10
ISO 105-C12
1
JISとほぼ同じ
変更
一つのJISに対して五つの国際
規格を統合した。
使用者にとって一つの
規格のほうが分かりや
すいため統合した。
2 引用規格
4 試験の種
類
A法 7種類
B法 16種類
ISO 105-C10
ISO 105-C06
7.2
6.1〜6.10
5種類
16種類
追加
JISはA法に日本独自の方法を
二つ(A-4及びA-5)追加
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
5 装置及び
材料
a)洗濯試験機,b)石けんな
ど試験に必要な薬品を規
定
ISO 105-C10
ISO 105-C06
4,5
4
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格は,いずれも試験方法ご
との規格で規定。JISは,箇条5
にまとめて規定。
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
6 複合試験
片の調製
6.1 A法の場合
6.2 B法の場合
a) 単一添付白布の場合
b) 多繊交織布の場合
ISO 105-C10
ISO 105-C06
6.1〜6.2
5.1〜5.2
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格は,いずれも試験方法ご
との規格で規定。JISは,箇条6
にまとめて規定。
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
7 試験操作 7.1 A法
7.2 B法
複合試験片又は試験片を
洗濯試験機の洗浄瓶の中
に試験液とともに入れ,
所定の温度・時間運転し
た後に水洗乾燥する。
ISO 105-C10
ISO 105-C10
6.1〜6.10
5
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格は,いずれも試験方法ご
との規格で規定。JISは,箇条7
にまとめて規定。
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
2
L
0
8
4
4
:
2
0
11
20
L 0844:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由及
び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8 判定
試験片の変退色及び添付
白布の汚染を視感法又は
計器法で判定。
ISO 105-C06
6.10
視感法
追加
ISO規格(C06及びC10)は,い
ずれも視感法だけ。JISは,計器
法を追加。
計器法は,ISOに提案
中。
9 記録
記録の例示を1〜6に記
録する。
ISO 105-C10
ISO 105-C06
8
7
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格は,いずれも試験方法ご
との規格で規定。JISは,箇条9
にまとめて規定。
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
附属書A
漂白活性化剤の入った非
りん酸基準洗剤を使用す
る家庭及び商業洗濯に対
する染色堅ろう度
ISO 105-C08
4〜8
漂白活性化剤の入った非
りん酸基準洗剤を使用す
る家庭及び商業洗濯に対
する染色堅ろう度
変更
本体に準じて変更
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
7(A.10) 視感法又は計器法
変更
計器法は,JISとISO規格とでは
等級対応値の計算法が異なる。
附属書B
漂白活性化剤を含んだ非
りん酸基準洗剤を使用す
る酸化漂白反応
ISO 105-C09
4〜8
漂白活性化剤を含んだ非
りん酸基準洗剤を使用す
る酸化漂白反応
変更
本体に準じて変更
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
7(A.9) 視感法又は計器法
変更
計器法は,JISとISO規格とでは
等級対応値の計算法が異なる。
附属書C
工業洗濯のための染色堅
ろう度
ISO 105-C12
4〜8
工業洗濯のための染色堅
ろう度
変更
本体に準じて変更
構成の変更で実質的な
技術的差異ない。
附属書JA
(参考)
有効塩素及
び有効酸素
測定方法
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 105-C06:2010,ISO 105-C08:2010,ISO 105-C09:2001,ISO 105-C10:2006,ISO 105-C12:2004,MOD)
2
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0
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L 0844:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
注記3 この規格の対応国際規格は,次による。
ISO 105-C06:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part C06: Colour fastness to domestic and commercial laundering
ISO 105-C08:2010,Textiles−Tests for colour fastness−Part C08: Colour fastness to domestic and commercial laundering using a non-phosphate reference detergent
incorporating a low-temperature bleach activator
ISO 105-C09:2001,Textiles−Tests for colour fastness−Part C09: Colour fastness to domestic and commercial laundering−Oxidative bleach response using a
non-phosphate reference detergent incorporating a low temperature bleach activator
ISO 105-C10:2006,Textiles−Tests for colour fastness−Part C10: Colour fastness to washing with soap or soap and soda
ISO 105-C12:2004,Textiles−Tests for colour fastness−Part C12: Colour fastness to industrial laundering
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