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L 0809 : 2001  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人スガウェザリング技術振興財団 

(SWTF) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

JIS L 0809には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 色濃度値の計算法及び色差表示 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 0809 : 2001 

計器による変退色及び汚染の判定方法 

Instrumental determination of colour fastness− 

Change in colour and staining 

序文 この規格は,JIS L 0808が標準値として提示する色濃度感覚の概念に基づいて表現し,及びISO 

105-A08で定義するコントラスト感覚に従って,試験片の変退色及び添付白布汚染の両者を包括して統一

的にとらえる計測評価方法に基づいている。 

1. 適用範囲 この規格は,染色堅ろう度試験を行った試験片の変退色用グレースケール等級及び添付白

布の汚染用グレースケール等級との対応値を,計器を用いて計測評価し,変退色及び汚染の程度を判定す

る方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

JIS L 0805 汚染用グレースケール 

JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 

3. 要旨 染色堅ろう度試験前後の試験片及び添付白布の三刺激値X10,Y10,Z10又は三刺激値XC,YC,ZC

を測定し,変退色用グレースケールの対応計測値NC#から変退色用グレースケール等級値を,また,汚染

用グレースケールの対応計測値NSから汚染用グレースケール等級値を求める。 

4. 装置及び材料 装置及び材料は,次のものを用いる。 

a) 測色計 測色計は,JIS Z 8722に規定する分光測色方法又は刺激値直読方法によって,標準の光D65,

10度視野の三刺激値X10,Y10,Z10又は標準の光C,2度視野の三刺激値XC,YC,ZCを測定できるもの

とする。また,6.b)に規定する式を直接演算し,6.c)に規定する,JIS L 0804に規定する変退色用グレ

ースケール等級及び/又はJIS L 0805に規定する汚染用グレースケール等級のそれぞれの対応値を等

級値に変換表示できるものを含む。 

b) 添付白布 白布汚染を評価するための添付白布は,JIS L 0803に規定するものを用いる。 

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L 0809 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 試験片及び添付白布の調整 染色堅ろう度試験終了後の試験片及び添付白布は,JIS L 0801の6.(試

験片,添付白布などの水分調整)によって,調整する。 

6. 操作 操作は,次による。 

三刺激値からの直接演算機能を具備していない測色計を用いて測色した場合は,b)に規定する計算方法

によって等級対応値を算定し,c)に規定する方法によってグレースケール等級に変換する。 

a) 測色 染色堅ろう度試験実施前後の試験片又は添付白布を測色計の測色面に装着し,測色する。この

とき,透過による測定誤差を避けるため,未試験の試験片又は添付白布を測色対象試験片の下に数枚

重ねて測色する。重ねた試験片又は添付白布の枚数は,報告書に記載する。 

なお,試料の照明は,原則として1 200lxとする。また,分光測色方法による場合の分光波長間隔は

5nm,10nm又は20nmのいずれかによるが,5nmにすることが望ましい。 

b) 等級対応値の計算法 変退色又は白布汚染の等級対応値(NC#又はNS)は,包括統一式を元にした次

の変退色評価式又は白布汚染評価式によって算定し,四捨五入によって小数第2位まで求める。ただ

し,式中の対数項は自然対数 (loge) に代えてもよい。 

備考 色濃度値の計算法及び色差表示については,附属書1による。 

c) 等級への変換 算定された等級対応値NC#又はNSは,表1によってグレースケールに対応する等級に

変換する。 

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L 0809 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 等級対応値Nから等級への変換表 

等級対応値N 
(NC#又はNS) 

グレースケール等級 

5.00≦N≦5.50 

4.50≦N<5.00 

4-5 

4.00≦N<4.50 

3.50≦N<4.00 

3-4 

3.00≦N<3.50 

2.50≦N<3.00 

2-3 

2.00≦N<2.50 

1.50≦N<2.00 

1-2 

1.00≦N<1.50 

N<1.00 

1(−) 

7. 記録 記録には,次の事項を含める。 

a) この規格の番号及び名称 

b) 測色方式(分光測色方法又は刺激値直読方法),測色計の名称及び型式,光学条件及び波長間隔(分光

測色方法の場合に限る。) 

c) 測定の際に重ねた試験片又は添付白布の枚数 

d) 測定結果 

1) 変退色用グレースケール等級及びグレースケール等級対応値 (NC#)  

2) 汚染用グレースケール等級及びグレースケール等級対応値 (NS)  

表示例 変退色用グレースケール等級 4級(グレースケール等級対応値 NC#=4.42) 

備考 等級が1級に達しないものは, “1(−)” で示し,記録することが望ましい。 

e) 測定場所の温度 (℃) 及び相対湿度 (%RH)  

f) 

測定年月日 

関連規格 JIS L 0808 標準染色濃度表 

ISO 105-A08 : 2000 Textiles−Tests for colour fastness−Part A08 : Glossary of terms used in colour 

fastness tests 

L 0809 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 色濃度値の計算法及び色差表示 

序文 この附属書は,色濃度値の計算法及び色差表示について規定する。 

1. 色濃度値の求め方 色濃度値 (DX) の計算法は,次による。 

色濃度値は,最小値1.00から最大値32.00の範囲で表示する。 

Y/Yn>0.008 856のとき 

DX=exp10 [{(101−L*) +10×kC×kH×C*} ×0.015 051 5]  

Y/Yn≦0.008 856のとき 

DX=exp10 [{(100−L*) +10×kC×kH×C*} ×0.015 051 5]  

ここに, DX: 染色堅ろう度試験終了後の試料の色濃度値 
 

kC: 色みに関する補正係数(四捨五入によって小数第4位まで求める。) 

100°≦H°≦280°のとき 

kC=0.220 75−2.925×10−2 {6.172 65×10−5× (∆H°280) 2−cos (∆H°280)}  

280°<H°≦360°のとき 

kC=0.25−1.846 91×10−3 (∆H°280)+5.067 87×10−5×(∆H°280) 2−3.779 12×10−7×

(∆H°280)3 

0°≦H°<100°のとき 

kC=0.220 75−2.925×10−2 [6.172 65×10−5×{(∆H°280) 3/180} −cos {(∆H°280) 

3/180}1/2] 

ここに, H°: メトリック色相角 

H°=tan−1 (b*/a*)  

ただし,0°≦H°<100°のとき ∆H°280=H°+80° 

100°≦H°≦360°のとき ∆H°280=|H°−280°| 

kH:色相に関する補正係数(四捨五入によって小数第4位まで求める。) 

0°≦H°<115°又は320°≦H°≦360°のとき 

kH= (1.1−∆H°115/155°) ×0.332 19 

115°≦H°<320°のとき 

kH= (1.1−∆H°115/205°) ×0.332 19 

ただし,0°≦H°<320°のとき ∆H°115=|H°−115°| 

320°≦H°≦360°のとき ∆H°115=475°−H° 

L*:メトリック明度 

Y/Yn>0.008 856のとき L*=116 (Y/Yn) 1/3−16 

Y/Yn≦0.008 856のとき L*=903.29 (Y/Yn)  

C*:メトリック彩度 

C*= [(a*) 2+ (b*) 2] 1/2 

a*=500 [(X/Xn) 1/3− (Y/Yn) 1/3] X/Xn>0.008 856 
b*=200 [(Y/Yn) 1/3− (Z/Zn) 1/3] Z/Zn>0.008 856 

X,Y,Z:三刺激値。標準の光D65,10度視野の場合は,X10,Y10,Z10とし,標準の光C,2度視野

の場合は,XC,YC,ZCとする。 

Xn,Yn,Zn:完全拡散反射面の標準の光による三刺激値。附属書1表1による。 

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L 0809 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1表1 

標準の光D65,10度視野の場合 標準の光C,2度視野の場合 

Xn 

94.811 

98.072 

Yn 

100.000 

100.000 

Zn 

107.333 

118.225 

備考1. 色濃度値は,次の式によって目視感覚と対応する色濃度マグニチュード (DXL) に変換するこ

とができる。色濃度マグニチュードは,最小値0から最大値100の範囲で表示する。 

DXL=log10DX× [20/log10 (2)]  

2. 色濃度マグニチュードは,附属書1表2に示すように,色濃度階層区分と対応する。 

附属書1表2 

色濃度マグニチュード (DXL) 色濃度階層区分 

標準染色濃度の所在域 

0〜10 

準白色域 

− 

10〜30 

極淡色域 

− 

30〜50 

淡色域 

標準染色濃度1/25 (DXL=35) 

50〜70 

中色域 

標準染色濃度1/6 (DXL=55)  

70〜90 

濃色域 

標準染色濃度1/1 (DXL=75)  

90〜100 

極濃色域 

− 

2. 色差表示 色差表示は,次の式によって求めた色濃度ベースの色差値 (△E‡) を表示する。 

∆E‡= {1.085 3 (∆DH) 2+ (∆Dx) 2+2.170 6 (∆DB) 2}1/2 

ここに, 

∆DH: 色相差 

∆DH= [2 (kCO×C*O) (kCi×C*i) {1-cos (∆H°)}] 1/2 

∆DX: 色濃度差 

∆DX=|DXi−DXO| 

∆DB: 鮮明度差 

∆DB= (∆B*/25) {L*o− (L*O×L*i) /100}  

∆B*=|B*i−B*O| 

B*=10 (kC×C*) / {L*− (L*) 2/100}  

備考1. 添字 “O” は,染色堅ろう度試験実施前の測定値 (L*O,kCO,C*O,DXO)  

2. 添字 “i” は,染色堅ろう度試験実施後の測定値 (L*i,kCi,C*i,DXi)  

L 0809 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

染色堅ろう度試験方法JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

須 賀 長 市 

日本学術振興会染色堅ろう度第134委員会 

(財団法人スガウェザリング技術振興財団) 

(委員) 

立 石 譲 二 

経済産業省製造産業局 

宮 崎 正 浩 

経済産業省産業技術環境局標準課 

塚 田 裕 久 

独立行政法人製品評価技術基盤機構 

上 野 和 義 

東京都立産業技術研究所 

山 形 昭 衛 

日本繊維技術士センター 

近 藤 一 夫 

元日本女子大学 

越 川 寿 一 

元杉野女子大学 

寺 主 一 成 

元京都工芸繊維大学 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

須 田 昌 男 

財団法人日本産業技術振興協会 

佐 藤 倭 敏 

財団法人日本化学繊維検査協会 

内 田 敏 雄 

財団法人日本染色検査協会 

中 林   喬 

財団法人日本紡績検査協会 

堤   暢 廣 

財団法人綿スフ織物検査協会 

下 谷 忠 義 

財団法人日本繊維製品品質技術センター 

森   琢 夫 

財団法人毛製品検査協会 

児   玉 肇 

日本毛整理協会 

佐 藤 善 之 

日本化薬株式会社 

橋 爪 修 平 

住化ケムテックス株式会社 

津 村 弘 次 

ダイスタージャパン株式会社 

吉 川 勝 正 

保土谷化学工業株式会社 

高 野 富士子 

主婦連合会 

森 谷 敦 子 

東京都地域婦人団体連盟 

伊 藤 依久子 

消費科学連合会 

(事務局) 

須 賀 冨士夫 

財団法人スガウェザリング技術振興財団 

三田村 勝 昭 

財団法人スガウェザリング技術振興財団 

(文責 寺主一成)