L 0209:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人繊維評価
技術協議会(JTETC)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS L 0209:1983は改正され,この規格に置き換えられる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
L 0209:2006
紡績用語
Glossary of terms used in spinning
1. 適用範囲 この規格は,繊維工業において紡績部門の操作などに用いる主な用語について規定する。
2. 分類 紡績用語は,次の5分類とする。
a) 紡績一般
b) 綿糸紡績
c) 毛糸紡績
d) 麻糸紡績・絹糸紡績
e) 化繊紡績
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。
なお,対応英語を参考として示す。
a) 紡績一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1101
紡績
短い繊維からなる糸を作ること。 spinning
1102
スライバツウヤーン
練条スライバから直接糸を紡出す
ること。
sliver to yarn
1103
リング紡績
粗糸からドラフトを経て,リング
とトラベラによって加ねんして糸
にする紡績。
ring spinning
1104
オープンエンド紡績
供給繊維の流れを断続し,開放糸
端に順次給綿,加ねんする紡績。
open end spinning,
break spinning
1105
ロータ式オープンエンド紡績
回転加ねん部にロータを利用した
オープンエンド紡績。
rotor type open end spinning,
rotor spinning
1106
フリクション式オープンエン
ド紡績
スライバからローラなどの回転
で,摩擦によって加ねんして糸に
する紡績。
friction type open end
spinning
friction spinning
1107
サイロスパン紡績
2本の粗糸からドラフトを経て,
合流点に至るまでに,局部的に実
よりを与え,トラベラの回転によ
って加ねんして糸にする紡績。双
糸のような糸構造が得られる。
sirospun spinning
l108
コアスピニング
しん糸に他の繊維を精紡工程で,
さや状に巻き付けて糸にするこ
と。
core spinning
2
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1109
セルフツイスト紡績
2本の粗糸のそれぞれに一定間隔
ごとに方向を変えたよりを与えな
がら引きそろえ,互いによりつか
せて1本の双糸にする紡績。
self-twist spinning
1110
混紡
原料種類の異なった繊維を混ぜて
紡績すること。
mixed fibre spinning,
mix spinning
1111
解俵
俵から帯鉄又は包装材を取り外し
て,原料を取り出すこと。
bale opening
1112
開繊
開綿,開毛などの総称。
opening
1113
開綿
原料をビータなどによって適切な
大きさに解きほぐすこと。
opening
1114
給綿
機械に原料を供給すること。
feeding
1115
オイリング
紡績を容易にするために,繊維に
油剤などを与えること。
oiling
1116
除じん
原料中に含まれるきょう雑物など
をビータや空気流によって除くこ
と。
cleaning
1117
きょう雑物
原料中に含まれる土砂,じんあい,
葉茎などの総称。
trash
1118
ラップ
繊維をシート状にしたもの又はこ
れを円筒状に巻いたもの。
lap
1119
リッキング
ラップがはがされるとき,繊維層
が互いにくっつき合うこと。
licking
1120
カーディング
針布,メタリックワイヤなどを使
い,繊維塊をくしけずって単繊維
に分離する操作又は工程。
carding
1121
シュート給綿
カードにシュートを設けて,連続
的に給綿すること。
chute feeding
1122
ウェブ
カードのドッファからはぎ取られ
た繊維からなる薄膜。
web
1123
クラウディ
カードウェブに雲状のむらがある
状態。
cloudy
1124
トウ
カードのシリンダに対するフラッ
ト針布の入口側。
toe
1125
ヒール
カードのシリンダに対するフラッ
ト針布の出口側。
heel
1126
カードゲージ
カードにおいて対向する針頭間な
どの距離。単にゲージともいう。
card gauge
1127
針布番手
針布などの針密度を示す数値。
count of card clothing
1128
針布巻き
カードのシリンダ,ドッファなど
に針布などを巻き付ける作業。
card mounting
1129
磨針
針頭部を研磨すること。
card wire grinding
1130
側磨
針布などにおいて,針の頭部側面
を研磨すること。
side grinding
1131
機上磨針
カード機台上において行うフラッ
トなどの磨針。
flat grinding under
running,
flat grinding under working
1132
ストリッピング
針布などに沈んだ繊維をはぎ取る
こと。
stripping
3
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1133
よろい綿
フラットからかき取った短繊維及
びきょう雑物。
flat strip
1134
コーミング
スライバ又はラップを多数のくし
状の針などでくしけずり,ネップ,
短繊維,きょう雑物などを除去す
るとともに,繊維の配列度を高め
る操作又は工程。
combing
1135
コーマ準備
コーマに仕掛ける準備又はその工
程。
pre-combing
1136
コーマラップ
コーマに仕掛けるラップ。
comber lap
1137
フリース
薄いシート状の繊維群。
fleece
1138
ノイル
コーミングによって除去された短
繊維くず。コーマ落ちともいう。
noil,
comber noil
1139
落ち率
各工程で発生する落物や飛散くず
の量と投入原料量との比率。
waste percentage
1140
コーマ落ち率
コーマにおいて, ノイル量の供給
量に対する百分率。ノイル落ち率
ともいう。
noil percentage
1141
前紡
a) そ毛紡績では,トップから精
紡前までの一連の操作又は工
程。
b) 綿紡では,精紡前までの操作
又は工程。
c) 絹紡,麻紡では延展,続線以
後,精紡前までの一連の操作
又は工程。
drawing,
fore-spinning
1142
練条
スライバをダブリング,ドラフト
してスライバにする操作又は工
程。
drawing
1143
スライバ
よりのない帯状又はロープ状にし
た繊維の集合体。
sliver
1144
カードスライバ
カード上がりのスライバ。
carded sliver
1145
練条スライバ
練条上がりのスライバ。
drawn sliver
1146
コーマスライバ
コーマ上がりのスライバ。
combed sliver
1147
ダブリング
2本以上のスライバ,ラップなど
を併合すること。
doubling
1148
コイリング
スライバを, らせん状にケンスに
巻き収めること。
coiling
1149
ラージパッケージ
ケンス,ボビンなどの収容量の大
きいこと。
large package
1150
デリベリ
練条機,ギルなどでスライバなど
が機械から送り出される出口側の
単位区分。尾ともいう。
delivery
1151
デリベリスピード
スライバなどが送り出しローラな
どから送り出される速度。
delivery speed
1152
ヘッド
練条機,ギルなどで主要作業をす
るように構成された機械の単位部
分。生産単位としても用いる。頭
ともいう。
head
4
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1153
ギリング
スライバをギルにかける操作又は
工程。
gilling
1154
フォーラドロップ
ギルにおいて, ドラフトゾーンに
ギルフォーラを打ち込むこと。単
位時間の打込数でギルの速度を表
す。
faller drops
1155
粗紡
粗糸を作る操作又は工程。
roving
1156
粗糸
精紡の準備のために,スライバか
ら作られた比較的細い繊維の集合
体。
roving,
slubbing
1157
しの巻
スライバ,粗糸をボビンに巻いた
もの。
bobbin of roving
1158
リフト
粗紡機,精紡機,ねん糸機などの
巻き取りにおいて,ボビンの巻付
け位置の最下端と最上端との距
離。
lift
1159
ボビンリード
ボビンの回転数が,フライヤのそ
れよりも速く,その差によって粗
糸などを巻き取る方式。
bobbin lead
1160
フライヤリード
フライヤの回転数がボビンのそれ
よりも速く,その差によって粗糸
などを巻き取る方式。
flyer lead
1161
ローラゲージ
二つのローラの中心間距離。
roller gauge,
ratch
1162
スタッフ
相隣るローラスタンドの中心間距
離。
stuff
1163
ドラフト
ラップ,スライバなどを長さの方
向に引き伸ばして細くすること。
draft,
drafting
1164
ドラフト比
単位長さ当たりの供給する繊維質
量と生産される繊維質量の比又は
計算された速度比。
draft ratio
1165
ドラフト定数
ドラフトを調整するときに用いる
計算に便利な紡機の定数。
draft constant
1166
ドラフト配分
単位ドラフトゾーン内又は間にお
いて,各部のドラフトを適切に定
めること。
draft distribution
1167
ドラフトゾーン
ドラフト装置において,繊維がド
ラフトを受ける領域。
draft zone,
draft field
1168
トータルドラフト
ドラフトを行う機械での総計ドラ
フト比。
total draft
1169
メインドラフト
ドラフト装置の中での主要なドラ
フト又はそのドラフト比。
main draft
1170
ブレークドラフト
メインドラフトをしやすくするた
めの準備のドラフト又はそのドラ
フト比。
break draft,
pre-draft
1171
ドラフトコントロール
ドラフトが正常に行われるように
繊維の運動を制御すること。
draft control
5
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1172
ローラドラフト
a) スピンドルドラフトに対する
用語で,ローラ間で行うドラ
フト。
b) ドラフトコントロールにロー
ラだけを使用するドラフト。
roller draft
1173
スピンドルドラフト
通常ミュール精紡機で, ローラと
スピンドルとの間で行うドラフ
ト。
spindle draft
1174
エプロンドラフト
ドラフトコントロールにエプロン
バンドを使用するドラフト。
apron draft
1175
ハイドラフト
ドラフト比の大きいドラフト。
high draft
1176
スーパハイドラフト
ハイドラフトより更に大きいドラ
フト。
super high draft
1177
フリーゲージ
エプロンドラフトにおいて,フロ
ントローラのニップ点からテンサ
先端までの距離。
free gauge
1178
ドラフトむら
ドラフトする際に発生するむら。 draft waves
1179
スライバむら制御
スライバの太さむらを自動制御す
ること。
automatic control of sliver
1180
浮遊繊維
ドラフトゾーンの中で,ドラフト
コントロールされていない繊維。
floating fibre
1181
フック繊維
繊維の一端又は両端の折れ曲がっ
ているもの。
hook fibre
1182
精紡
スライバ,粗糸などから単糸を作
る操作又は工程。
fine spinning
1183
ダブルロービング
精紡の1すい(錘)に2本の粗糸
を供給する方法。
double roving
1184
加ねん
繊維束又は糸に, よりをかけるこ
と。
twisting
1185
より係数
よりの程度を表す定数。
twist multiplier
1186
強ねん
普通よりも多いより。
hard twist
1187
甘より
普通よりも少ないより。
soft twist
1188
仮より
2点の中間で加ねんして得られる
正逆のより。
false twist
1189
すい(鍾)
スピンドルを紡機の生産単位とし
て表すときに用いる用語。つむと
もいう。
spindle
1190
スピンドルゲージ
精紡機などで相隣るスピンドル間
の中心距離。
spindle gauge
1191
バルーニング
精紡機などで回転する糸が遠心力
によって外方に膨らむこと。
ballooning
1192
ボビン
スライバ,粗糸,糸などを巻くた
めの管又はこれに巻いたもの。
bobbin
1193
ボビン差し
空ボビンを所定の保持具に挿入す
ること。
donning
1194
空ボビン
糸などが巻き戻されて空になった
ボビン。
empty bobbin
1195
満管
ボビンに糸などが所定量巻き取ら
れた状態。
full bobbin
1196
コップ
糸を管状に巻いたもの。
cop
6
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1197
管糸
管に糸を巻いたもの又はその糸。 bobbin
1198
フィリング巻
精紡機などの巻き方の一種で,木
管などの底部からチェースを形成
しながら巻き付ける巻き方。
filling wind,
cop wind
1199
パラレル巻
精紡機などの巻き方の一種で,木
管などに平行して糸層を順次外側
に形成していく巻き方。
warp wind,
parallel wind
1200
コンビネーション巻
フィリング巻とパラレル巻とを折
衷する巻き方。
combination build,
compound wind
1201
チェース
フィリング巻において,コップの
糸が上下に往復して巻かれてい
く,円すい形の糸の巻付き斜面。
chase
1202
玉揚げ
紡機の運転において,スライバ,
糸などが所定量巻かれたとき,空
木管などと交換すること。
doffing
1203
ローラ巻付き
ローラに原料繊維が巻き付くこ
と。
roller lap up
1204
フライ
紡績工程中,製品繊維群から離れ
て飛散する短繊維。
fly,
fly waste
1205
ニューマくず
ニューマチッククリヤラで集めら
れたくず綿。
pneumatic waste
1206
棒綿
クリヤラローラなどに巻き付いた
綿を抜き取った輪状のくず綿。
roller lap
1207
再用綿
ラップ,スライバ,粗糸のくず及
びコーマノイル,よろい綿など再
使用される原料の総称。
reused cotton (fibre),
recovered cotton
1208
スラブ
糸で,他の部分より太く,よりが
ほとんどない比較的長い節。
slub
1209
スナール
加ねんした糸が緩んだときに,よ
りのためにできた糸のもつれ。
snarl
1210
糸切れ
精紡機など糸を扱う機械で糸の切
れること。
end breakage,
end down
1211
糸つぎ
精紡機で糸をつなぐこと。
ending,
piecing
1212
合糸
糸を2本又は2本以上合わせる操
作又は工程。
yarn doubling
1213
ねん糸
1本又は2本以上の糸によりをか
ける操作。より糸ともいう。
twisting
1214
より止め
糸にかけたよりを固定させるこ
と。
twist setting
1215
糸蒸し
糸を蒸気でより止めしたり,水分
をもたせること。単にセットとも
いう。
yarn steaming,
yarn steam setting
1216
かせ揚げ
かせ枠を用い,糸を一定長に巻き
取ること。
hank reeling
1217
あやがせ
糸を交錯させて巻いたかせ。
cross reel
1218
棒がせ
糸を平行に巻いたかせ。
straight reel
1219
ワインディング
主に糸などを,その加工目的や用
途に応じ,所定の形状,固さなど
に巻くこと又はその工程。
winding
7
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1220
チーズ巻
ボビンなどに糸を円筒状に巻き取
ること。
cheese winding
1221
コーン巻
ボビンなどに糸を円すい状に巻き
取ること。
cone winding
1222
ソフト巻
染色で,染液が糸層中を通りやす
いようにチーズやコーンに柔らか
目に巻き取ること。
soft winding
1223
チップパンチ
精紡機などの管糸の糸端処理法の
一つで,ボビンの先端部に巻き付
ける方法。
tip bunch
1224
スモークヤーン
煙やほこりによって糸表面が薄黒
く汚れた糸。
smoked yarn
1225
玉締め
一玉量のかせ糸を締めて包装する
こと。
bundling
b) 綿糸紡績
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2101
綿糸紡績
綿繊維などを原料とする紡績。略
して綿紡ともいう。
cotton spinning
2102
落綿紡績
落綿などを原料とする紡績。
waste cotton spinning
2103
がら紡
落綿などを原料とし,日本独得の
特殊な紡機による紡績法。和紡と
もいう。
GARABO spinning,
throstle spinning
2104
ジンニング
実綿から種子を除去する作業。
ginning
2105
混打綿
繊維塊を混合開繊して不純物を取
り除き,通常ラップにする操作。
mixing and blowing,
opening and picking
2106
打綿
開繊,除じん作用のため,繊維塊
をビータなどで打つこと。
scutching, picking,
blowing, beating
2107
混綿
a) 品種の異なる原綿などを混合
すること。
b) 2種類以上の繊維を所定の比
率に混ぜること。
blending,
mixing
2108
ラップ混綿
異種のラップをスカッチャに供給
して行う混綿。
lap blending
2109
スライバ混綿
異種のスライバを練条機などに供
給して行う混綿。
sliver blending
2110
スライバラップ
スライバラップマシン上がりのラ
ップ。
sliver lap
2111
リボンラップ
リボンラップマシン上がりのラッ
プ。
ribbon lap
2112
水気
管糸をより止めするために水分を
与えること。
cotton yarn wetting
2113
乾式ねん糸
湿式ねん糸に対する用語で,糸を
乾燥状態のままでよること。
dry twisting
2114
湿式ねん糸
糸に水などを与えながらよるこ
と。
wet twisting
c) 毛糸紡績
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3101
毛糸紡績
羊毛繊維などを原料とする紡績。
略して毛紡ともいう。
wool spinning
8
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3102
そ毛紡績
トップを作り, これを更に前紡,
精紡にかける紡績。
worsted spinning
3103
仏式そ毛紡績
フランスで発達したそ毛紡績の一
種で,ドライトップを作り,前紡
工程でよりをかけない。
French system worsted
spinning,
continental system worsted
spinning
3104
英式そ毛紡績
イギリスで発達したそ毛紡績の一
種で,オイルトップを作り,前紡
工程でよりをかける。
Bradford system worsted
spinning
3105
セミそ毛紡績
カード及び2〜4工程のドローイ
ングを通して精紡につなぐ工程短
縮のそ毛紡績法。
semi-worsted spinning
3106
紡毛紡績
カードでしのを作り,これを直ち
に精紡機にかける紡績。
woollen spinning
3107
ソーティング
羊毛原料を繊維の長さ,太さ,色
沢,きょう雑物などの程度によっ
て分類すること。
sorting,
wool sorting
3108
洗毛
グリージーウールからグリース,
スイント,土砂などを洗い落とす
こと。
wool scouring,
wool washing
3109
グリース
原毛に付着している油脂分。
wool grease
3110
スイント
原毛に付着している汗などの水溶
性不純物。
suint
3111
バー
原毛に付着している植物性きょう
雑物。一般には,いがのある植物
の種子などをいう。植物性きょう
雑物全般をいう場合もある。
burr
3112
シード
原毛に付着している植物性きょう
雑物。いね科植物の穂などをいう。
seed
3113
洗剤洗毛
洗剤を使用する洗毛。
detergent scouring
3114
アルカリ洗毛
石けん,ソーダなどを使用する洗
毛。
soap and soda scouring,
alkaline scouring
3115
中性洗毛
非イオン系の洗剤などを使用する
洗毛。
neutral scouring
3116
スイント洗毛
スイントの洗浄作用を利用する洗
毛。
suint scouring
3117
溶剤洗毛
溶剤を使用する洗毛。
solvent scouring,
solvent degreasing
3118
洗上げ羊毛
グリージーウールを洗って不純物
を除いた羊毛。
scoured wool
3119
洗上げ歩留まり
投入グリージーウール質量に対す
る洗上げ羊毛質量の比率。
scoured yield
3120
反毛
一般に反毛機械によって糸くず,
織物くずなどを繊維状とする操作
又は得られた繊維。
recarding,
rag opening,
recovered material,
reused material
3121
化炭
酸づけした原料を加熱して,バー
などをぜい化し除去すること。
carbonizing
3122
酸づけ
化炭のため,紡毛原料を酸液に浸
せきすること。
wool acidifying
9
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3123
混毛
所要の糸を紡出するため,類似又
は異なった原料又は中間原料を選
んで混合すること。調合ともいう。
blending,
mixing
3124
トップ工程
トップを作るための一連の工程。 top making process
3125
トップ
そ毛前紡工程にかける状態として
のスライバ又はこれを巻いたも
の。
top
3126
ドライトップ
油をあまり含まない羊毛のトッ
プ。
dry top,
dry combed top
3127
オイルトップ
油を多く添加した羊毛のトップ。 oil top,
oil combed top
3128
バンプトップ
コイラを通してケンス取りされた
スライバをプレスして作られたト
ップ。
bumped top
3129
トップ歩留まり
投入洗い上げ羊毛質量に対する仕
上りトップ質量の比率。
top yield
3130
紡績歩留まり
投入トップ質量に対する仕上がり
糸質量の比率。
spinning yield
3131
バックウォッシング
バックウォッシャにかける操作又
は工程。
backwashing
3132
エカートメントゲージ
仏式コーマにおいて,ニッパの下
の先端とデタッチングローラとの
最小間隔。
ekartement gauge
3133
テヤ
そ毛紡績のコーミングにおいて,
製品量をノイル量で除した値。
tear,
tearage
3134
リコーミング
トップ染め後,コーマにかけるこ
と。特別な場合,トップ工程で再
びコーミングする操作又は工程。
recombing
3135
プレペアリング
長い羊毛をトップにするとき,カ
ードを用いず,数台の特殊なギル
にかけてスライバを作る操作又は
工程。
preparing
3136
トップエージング
紡績を容易にするため,トップ工
程で,できたトップを所要期間適
切な場所に放置する操作又は工
程。
top ageing
3137
仏式前紡
仏式そ毛紡績の前紡。
French system drawing,
continental system drawing
3138
英式前紡
英式そ毛紡績の前紡。
Bradford system drawing
3139
ラビングモーション
紡毛カードのコンデンサや仏式前
紡において,巻き取る前のスライ
バをもみ固める方式又は装置。
rubbing motion
d) 麻糸紡績・絹糸紡績
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4101
麻糸紡績
亜麻,ラミー,ジュート,大麻などを原
料とする紡績。略して麻紡ともいう。
hard and bast fibre spinning
4102
亜麻紡績
亜麻を原料とする紡績。
flax spinning
4103
ラミー紡績
ラミーを原料とする紡績。
ramie spinning
4104
ジュート紡績
ジュートを原料とする紡績。
jute spinning
10
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4105
はく皮
ラミー茎などのじん皮部を木質部から
はぎ取ること。
decorticator
4106
浸水
麻などの繊維植物から繊維をとるため
にこれを水,温湯などに浸せきするこ
と。
retting
4107
麻精練
亜麻,ラミーなどの原料をかせいソー
ダを加えた液で煮沸し,セルロースと
ペクチンとを分離すること。
degumming
4108
製繊
亜麻茎の木質部をくだき繊維を分離
し,打撃を加えて木質部を落とし,繊
維をとること。
scutching
4109
軟繊
硬質繊維,ラミー,ジュートなどを柔
軟にすること。溝付きローラを備えた
機械を使用するものが多い。
softening
4110
ハックリング
亜麻正線をくしけずり,分裂させて長
線をとること。せつりゅう(櫛梳)と
もいう。
hackling
4111
続線
長線をつなぎ,スライバにすること。 spreading
4112
正線
亜麻茎を製繊して得られる長い繊維。 scutching line
4113
粗線
ハックリング機にかけたときに生じた
短繊維。
scutching tow
4114
短線
亜麻正線をハックリング機にかけると
きに生じる短繊維及び仕分け,仕上げ,
丸つぶしなどから生じる短繊維。
hackling tow
4115
長線
亜麻正線をハックリング機にかけて得
られる長い繊維。
hackling line
4116
ジュート開繊
ジュート紡績で,原料を柔軟にし,く
しけずり,ドラフトする工程。普通は
コイル状に巻き取る。
jute spreading
4117
ロールホーマ
ジュート紡績で,取扱いやすいように
スライバをコイル状にすること。
roll former
4118
延線
亜麻紡績の前紡工程。一般にギルを使
用する。
drawing
4119
潤紡
亜麻紡績の精紡の一種。ドラフト前に
ローブを湿潤させるため,水又は温湯
を通すこと。
wet spinning
4120
乾紡
亜麻紡績の精紡の一種。潤紡に対しロ
ーブを乾燥状態で精紡すること。
dry spinning
4121
ギル精紡
亜麻紡績の精紡の一種。延線機のスラ
イバより直接ギルを用いてドラフト
し,精紡する。
gill spinning
4122
ローブ
スライバを粗紡機でドラフトして細く
し甘よりをかけたもの。粗糸ともいう。
rove
4123
ローブ精練
潤紡工程での繊維の滑りを助けるため
に,アルカリなどを用いて粗糸を精練
又は漂白すること。
rove boiling
4124
絹糸紡績
副蚕糸などを原料とする紡績。略して
絹紡ともいう。
waste silk spinning,
schappe spinning
4125
ちゅう糸紡績
ブーレットなどを原料とする紡毛式の
絹糸紡績。
bourette spinning,
noil silk spinning
11
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4126
長綿
絹糸紡績及びラミー紡績の製綿工程で
得られる長繊維の精綿,精選綿の総称。
long drafts
4127
短綿
絹糸紡績及びラミー紡績の製綿工程で
得られる短繊維の精綿,精選綿の総称。
short drafts
4128
精選綿
排綿を行った精綿。
selected fine drafts
4129
切綿フリンジ
切綿機にかけて一端を切綿棒に巻いた
ふさ状綿。
fringe
4130
精綿
切綿フリンジをくしけずって,短繊維,
ネップ,きょう雑物を除いて平行にそ
ろえ,よろい状に重ねたもの。
fine drafts
4131
精乾綿
副蚕糸又はラミーを洗練し乾燥したも
の。
refined waste silk,
refined ramie
4132
洗練
絹糸紡績で,精乾綿を得るために副蚕
糸に付着している汚染物,油脂分,セ
リシンなどを除くこと。
refining
4133
前洗い
精練に入る前にあらかじめ副蚕糸を微
温湯で水洗し,汚物,不純物を除去す
ること。口洗いともいう。
steeping
4134
大洗
副蚕糸又はラミーをつきつぶしなが
ら,きょう雑物を流し出し洗浄するこ
と。
stamping
4135
腐化練り
副蚕糸を腐化発酵させてセリシン,油
脂を除去する精練法。
schapping
4136
緩和
精乾綿の固着を柔らげ,さなぎくず,
きょう雑物を除去すること。
softening
4137
製綿
絹糸紡績及びラミー紡績で,精乾綿か
ら精選綿などを作ること。
drafts making
4138
開絹
精乾綿の固塊,てん絡を解きほぐして
切綿機に供給するラップ(開絹ラップ)
を作ること。
waste silk opening,
cocoon opening
4139
打繭
主に, くず繭,さなぎはだを原料とす
る精乾綿の固着を柔軟緩和し,さなぎ
くずを除くために革製のむちで打つこ
と。
cocoon beating
4140
切綿
切綿フリンジを作ること。
filling
4141
排綿
精綿中に混在しているきょう雑物を人
手によって取り除いて精選綿を作るこ
と。
picking
4142
延展
精選綿をつないでドラフトし,定長定
重の帯状綿を作ること。
spreading
4143
ブーレット
絹糸紡績の円形機でできるくず繊維
で,ちゅう糸紡績の原料となる。
bourette
4144
ペニー
絹糸紡績工程で延展機によってできた
ラップを商品にするために,島田形に
したもの。展綿ともいう。
peignee
4145
製条
延展機からのラップを供給して,スラ
イバを作ること。
setting,
slivering
e) 化繊紡績
12
L 0209:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5101
化繊紡績
化学繊維などを原料とする紡績。
man-made fibre spinning
5102
スフ紡績
ステープルファイバを原料とする紡
績のことであるが,普通はレーヨンス
テープルの綿紡式による紡績。略して
スフ紡ともいう。
staple fibre spinning
5103
合繊紡績
合成繊維のステープルファイバなど
を原料とする紡績。略して合繊紡とも
いう。
synthetic fibre spinning
5104
トウ紡績
トウを原料とする紡績。
tow spinning
5105
トウツウスライバ
トウから直接スライバを作ること。
tow to sliver
5106
けん切
トウを延伸切断してスライバを作る
こと。
stretch breaking
5107
パーロック紡績
けん切機を用いてトウから直接にス
ライバを作る紡績。
Perlok system,
Perlohrke spinning
5108
クリンピング
トウ,スライバ又は糸にけん縮を与え
ること。
crimping
5109
直紡
トウを延伸切断し,直接紡績単糸を作
ること。
tow-to-yarn spinning,
direct spinning
関連規格 JIS L 0305 紡績機械用語