サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

L 0207:2005  

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本染色

協会(JTFA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS L 0207:1976は改正され,この規格に置き換えられる。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

L 0207:2005  

(2) 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 分類 ······························································································································ 1 

4. 番号,用語及び定義 ········································································································· 1 

用語索引 ···························································································································· 32 

英語索引(アルファベット順) ······························································································ 39 

background image

日本産業規格          JIS 

L 0207:2005 

繊維用語(染色加工部門) 

Glossary of terms used in textile industry (Dyeing and finishing) 

1. 適用範囲 この規格は,繊維工業において,染色加工部門の術語として用いる主な用語について規定

する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布 

JIS Z 8721 色の表示方法−三属性による表示 

3. 分類 繊維用語(染色加工部門)は,次の9分類とする。これらの分類を含む4けたの番号を用語の

見出し番号とする。 

a) 一般 

b) 前工程 

c) 浸染 

d) な(捺)染 

e) 後工程 

f) 

機能加工 

g) 染料・薬剤 

h) 染色堅ろう度 

i) 

環境 

4. 番号,用語及び定義 番号,用語及び定義は,次による。 

なお,対応英語を参考として示す。 

備考1. 一つの用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合には,記載してある順位に従って優先的

に使用する。 

2. 用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧書きで読みを示す。 

a) 一般 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1001 あたり 

布の光沢が部分的に異なった状態。毛織物,合成繊維織
物などで発生しやすい。 

abnormal luster 

1002 アルカリショック

法 

反応染料による綿などの染色,な染で,染料付与後の布
地を高濃度のアルカリ浴に短時間浸せきして固着する方
法。 
 

alkali shock method 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1003 泡加工 

節水及び省エネルギーを目的とした泡を媒体とする各種
の加工。薬剤の少量付与効果もある。例えば,表裏がは
っ水と吸汗といったように,相反する機能をもたせると
きなどに使用される。 

foam finish 

1004 いらつき 

染色,な染されたものの色又は光沢が不均一で落ち着き
のない状態。 

skitteriness 

1005 色合せ, 

カラーマッチング 

染料・顔料を用いて色見本と同じ色相の染色物,な染物
を得る操作又はそのための染料・顔料の配合処方の作成。 

color matching 

1006 色空間 

色の幾何学的表示に用いる,通常三次元の空間。 

color space 

1007 色刺激 

目に入って有形又は無形の色感覚を生じさせる可視放
射。 

color stimulus 

1008 色止め 

染色後,染料固着剤(フィックス剤)などを用いて行う,
湿潤堅ろう度を向上させるための処理。 

color fixing 

1009 色泣き, 

ブリード, 
泣き出し 

染色又はな染された部分から湿潤状態で染料が他の部分
へ移行し,汚染する状態又は汚染した状態。 

bleeding 

1010 色見本 

染色又はな染を依頼する業者が,加工業者に対して目標
として提示する着色された見本。 

pattern 

1011 ウォータスポット 

染色物に水滴が付着し,乾燥した後でも残る変色。染料
自体に起因する場合と,繊維の物理的状態が変わること
に起因する場合とがある。 

water spot 

1012 ウォッシュオフ性 

染色後に繊維の表面に付着している染料などの,洗浄に
よる除去のしやすさ。 

wash-off property 

1013 エアリング 

バット染料及び硫化染料で綿などを染色するときに,染
料の還元体を吸着させた後,空気酸化によって元の酸化
体に戻す処理。 

airing 

1014 A光源 

標準イルミナントAの略称。特定の分光分布をもつ放射
で,白熱電球による照射に対応する。 

illuminant A 

1015 エージング 

染料などが溶液又は分散液の形でパディング,印なつ

(捺),塗布などによって付与された布を,加湿及び加温

によって発色・固着させる処理。 

ageing 

1016 S欠点 

織布工程に起因する欠点。 
なお,加工工程に起因するものをK欠点という。 

1017 演色性 

照明光が,それで照明した種々の物体の色の見え方に及
ぼす効果。特に染色加工では,照明光による着色物の見
え方の違いをいう。 

color rendering 

1018 ows 

染色加工における濃度の表示法で,染料,助剤などの使
用量を,それを含む溶液又は分散液の質量に対する百分
率で表したもの。 

on the weight of solution 

1019 

owf 

バッチ式の染色加工における濃度の表示法で,染料,助
剤などの使用量を繊維の質量に対する百分率で表したも
の。 

on the weight of fiber 

1020 

黄変 

繊維が紫外線,NOx(窒素酸化物)などの外界の影響によ
って黄色く変色する現象。 

yellowing 

1021 

汚染 

本来付着してはならない着色汚れ。染色では,2種以上
の繊維からなる複合素材で,本来染まるべきでない繊維
に染料などが吸着すること。堅ろう度試験では,試験片
から添付白布への染料などの移行。 

staining 

1022 

加圧水蒸気処理,
HPスチーミング 

100 ℃を超える飽和水蒸気を用いる高圧下での処理。染
料の固着などに利用される。 

high-pressure steaming 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1023 開反 

丸編み機で編んだ筒状の布地を切り開いて平面の状態に
する操作。 

opening 

1024 カウンタフロー洗

浄 

連続洗浄機で,効率のよい洗浄を行うために,布の流れ
と逆方向に洗浄液又は水を流す操作。 

counterflow washing 

1025 

拡布 

織編物を広げた状態。ロープ状に対応する用語。 

open width 

1026 

加工 

繊維に対して,目的の効果を得るために行う,物理的又
は化学的処理。 

finish 

1027 

過熱水蒸気固着, 
HTスチーミング 

100 ℃を超える過熱水蒸気を用いる常圧下での処理。染
料の固着などに利用される。 

high-temperature steaming 

1028 かぶり 

な染及び染色において,白場や本来の色の上に他の染料,
薬剤,異物などが余分に表面に付着した状態。 

1029 ガミング 

耳巻きしやすい編物の耳部に,速乾性樹脂などを塗布し
て耳巻きを防止する処理。 

gumming 

1030 ガムアップ 

エマルション系の仕上げ剤をパディング法で適用すると
きに,エマルションが破壊されて,ガム状物質がマング
ルに付着する現象。 

gumming up 

1031 カラーイールド 

染料・顔料を用いて特定の条件で得られる色の濃さ。 

color yield 

1032 カラーインデック

ス 

英国SDC(Society of Dyers and Colourists)が発行する市
販染料・顔料の索引。染料種属別,色相別に整理して番
号を付けたもの(Generic Name)と,化学構造別に整理
して番号を付けたもの(Constitution Number)とがある。 

colour index 

1033 カラーキッチン 

染色又はな染のために,染料,薬剤,助剤などを調合す
る場所。 

color kitchen 

1034 カラーバリュー 

色相の類似した染料・顔料を同じコストになる濃度で比
較したときの相対的なカラーイールド。 

color value 

1035 還元洗浄, 

リダクションクリ

ーニング 

ポリエステル繊維などの合成繊維及びその混紡・交織品
を染色後,還元剤と洗浄剤とを併用して,繊維表面に付
着又は汚染している染料を分解除去する操作。 

reduction cleaning 

1036 乾熱固着 

パディング法で染料,薬剤などが付与された布の,乾熱
処理による固着。 

dry-heat fixation 

1037 生機 

(きばた) 

精練漂白前の未加工布。生成(きなり),織卸(おりおろ
し)ともいう。 

gray fabric 

1038 際付き 

水の滴下によって染色物上の染料,加工剤などが移動し,
輪じみになる現象。ウォータスポットの一つ。 

water mark 

1039 空気酸化 

バット染料又は硫化染料による染色において,還元体の
染料を空気中の酸素によって酸化させ不溶体に戻す操
作。 

air oxidation 

1040 継続浴 

一度使用した液に染料及び/又は薬剤を追加して使用す
る染浴又は処理浴。 

standing bath  

1041 K/S値 

クベルカ−ムンクの式によって表す着色物の色の濃さ。
K/S=(1−R)2/2R(Rは着色物の反射率)。色の濃さの評価
及びカラーマッチングの混色計算に用いる。 

K/S value 

1042 KES 

生地風合を客観的に評価することを目的として開発され
た微少変形領域における力学特性を計測するシステム。
低荷重下における生地の引張り,せん(剪)断,曲げ,
圧縮,表面などの挙動を測定し,風合を数値評価する。
得られた数値を用い,こし,ぬめり,ふくらみなどを客
観的な数値として表現する。 

Kawabataʼs evaluation 

system 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1043 K欠点 

加工工程に起因する欠点。 
なお,織布工程に起因するものをS欠点という。 

1044 ケミカルパディン

グ 

バット染料,硫化染料などの分散液を付与し,乾燥した
後の,還元可溶化,吸着のための処理。 

chemical padding 

1045 原液着色 

化学繊維の紡糸原液又は溶融ポリマーの,顔料・染料に
よる着色。原着ともいう。 

dope-dyeing  

1046 検反 

布地の欠点の有無の検査。原反品質検査,染色加工工程
の原反受入検反,製品出荷前検反,縫製工程の受入検反,
裁断前検査などがある。 

fabric inspection 

1047 顕色 

ナフトール染料による染色において,下漬(づけ)剤で処
理された被染物を顕色剤を付与して,アゾ色素を生成さ
せ,発色させる処理。 

developing 

1048 高周波加熱 

高周波の強力磁場内の物体が発熱することを利用した加
熱方式。チーズ染色後の乾燥などに用いられる。 

microwave heating 

1049 固着 

染料,仕上げ剤などを安定な状態で繊維上に強固に付着
させる操作。 

fixation 

1050 コールドパッドバ

ッチ法 

染料,薬剤などを布にパディング後,湿潤状態のまま巻
き取り,常温で回転させながら放置し,時間を掛けて反
応,固着する処理法。略してコールドバッチ法又はパッ
ドバッチ法ともいう。 

cold pad batch process 

1051 コンピュータカラ

ーマッチング, 

CCM 

コンピュータに支援された, 色合せのための染料・顔料
の最適処方などを計算するシステム。 

computer color  
matching 

1052 コンピュータカラ

ーサーチ, 

CCS 

コンピュータに支援された,過去のデータから染料・顔
料処方などを検索するシステム。 

computer color searching 

1053 彩度 

色の三属性の一つで,各色相での色のさ(冴)えかたの
度合い。CIE表色値の刺激純度に対応する。 

chroma 

1054 サーモクロミズム 

ある特定の温度で色素化合物が可逆的な構造変化を起こ
すことによって色相が変化する現象。スキーウエアなど
に応用されている。 

thermochromism 

1055 酸洗い 

精練又は漂白後残留するアルカリの中和,漂白剤の分解,
除去を目的に,うすい酸液で行う処理。 

acid rinsing  

1056 三原色 

混合することによって最も広範囲の色相が得られる3種
類の色。染色加工の場合には,黄,赤及び青の3色。 

three primary colors 

1057 三刺激値 

与えられた三色表示系において,試料の色刺激と等色に
するための3個の原刺激の量。 

tristimulus value 

1058 残浴 

染料及び/又は薬剤の吸尽法における吸尽工程終了後の
浴。 

residual bath 

1059 CIE表色系 

CIE(国際照明委員会)が定めた原刺激及びCIE等色関数
を用いて分光分布が任意の色刺激の三刺激値を決定する
色表示の体系。1931年に設定された視野角1〜4度のも
のと,1964年に設定された視野角10度のものがある。 

CIE standard colorimetric 

system 

1060 C光源 

補助イルミナントCの略称。特定の相対分光分布をもつ
放射で昼光照明に対応するが現在はあまり使用されな
い。 

illuminant C 

1061 色差, 

⊿E 
(デルタイー) 
 

二つの色の間に知覚される色の隔たり,又はそれを数値
化した値。 

color difference, 
delta E 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1062 色相 

色の三属性の一つで,ある面が純粋な赤,黄,緑,青若
しくはそれらの隣り合った二つの間の知覚色と同類に見
えるという視感覚の属性又はそれを尺度化した値。 

hue 

1063 色票 

色の表示などを目的とする色紙又は類似の材料による表
面色の標準試料。例えば,JIS Z 8721に基づいて作成し
た色票を標準色票という。 

color chip 

1064 下漬(づ)け 

ナフトール染色において,アゾ系色素を生成するカップ
リング成分(下漬剤)を前もって被染物に吸着させる処
理。 

grounding 

1065 条件等色, 

メタメリックマッ

チ 

等しい三刺激値をもっていて,分光分布の異なる色刺激
値。又はある照明光で等色である二つの着色物が,別の
光源下では等色でなくなる現象。 

metameric match 

1066 蒸熱, 

スチーミング 

繊維品の水蒸気による処理。精練漂白,染色,な染の発
色固着工程, プレス仕上げ,蒸じゅう(絨)などの仕上
げ工程及び縫製工程にも適用される。 

steaming 

1067 初浴 

染色及び/又は薬剤の吸尽法において,最初に仕立てた
処理浴。 

starting bath 

1068 擦れ 

(すれ) 

摩擦などによって繊維表面が損傷を受け,光沢及び/又
は色相が異なって見える状態。ロープ染色のとき起こり
やすい染色欠点。 

friction mark 

1069 絶対等色, 

アイソメリックマ

ッチ 

分光分布が等しい色刺激。又は照明光が異なっていても
常に等色となる色合せ。完全等色ともいう。 

isomeric match 

1070 セット 

織編物が熱水及び高温にさらされても収縮したり形状を
変えたりしないよう安定化させるための処理。 

setting 

1071 選択吸着 

素材と水溶液中の溶解物質との間の親和性の相違によっ
て素材が一部の溶解物質を選択的に吸着する現象。染色
では,繊維が染浴中に存在する特定の親和力の強い染料
を選択的に吸着し,それが弱い染料の吸着を妨げむら

(斑)染めの原因になる。 

selective adsorption 

1072 せん(剪)毛, 

シャリング 

織編物表面の毛羽をブラシで整えた後, エッジの上を走
らせ, 回転刃を用いて一定の長さに刈りそろえる操作。 

shearing 

1073 相容性 

複数の染料を配合して用いたときの染料の相互関係及び
染料・助剤・繊維間の相互関係。 

compatibility 

1074 測色 

色を客観的に数値化するために測定する操作。マンセル
表色系,オストワルド表色系などの色票による色の判定,
色の三刺激値に基づいたCIEのXYZ表色系,L*a*b* 表
色系などの定量的な表色系がある。 

color measurement 

1075 ソーピング 

染色,な染,樹脂加工などの後で,未染着染料,こ(糊)
剤,染色助剤,余剰な樹脂などを除去するために行う洗
浄。 

soaping 

1076 

脱色 

染色物の色の修正又は再染色する目的で色素を分解又は
脱着する処理。 

decoloration 

1077 チョークマーク 

加工織物の表面をこするか,しわ(皺)にすることによ
ってチョークで書いたような筋が付き,擦れた部分の光
沢が正常な部分と異なって見える現象。加工織編物の欠
点の一つ。 

chalk mark 

1078 低温プラズマ加工 

低温プラズマ処理による繊維の表面改質処理。羊毛織物
の防縮加工,ポリエステル長繊維織物の深色加工などに
応用されている。 

low temperature plasma 

treatment 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1079 D光源 

標準イルミナントDの略称。特定の相対分光分布をもつ
放射で昼光による照射に対応する。現在標準光としてイ
ルミナントD65が最も多く利用されている。 
 

illuminant D 
 

1080 dpi 

1インチ(2.54 cm)当たりの点の数で,な染彫刻形の網点
密度,インクジェットプリント時の画像の精細さなどを
示す単位。 

dot per inch 

1081 てかり 

衣服の着用中にひじ(肘)部分などが擦れ,布を構成す
る糸及び繊維が摩耗によってへん(扁)平に押しつぶさ
れ,布表面が平板化して部分的に光沢を生じる現象。ア
イロンを掛けることで発生することもある。 

partial grossiness  

1082 導布 

染色又はな染する際,被染布に先立って機械に通す布。
導布をつけることによって染色開始時の汚れなどの事故
を防止したり,な染品の色・柄の事前確認をすることが
できる。 

guide cloth 

1083 ハイグラルエキス

パンション 

毛織物が環境の湿度変化によって水分を吸収すると伸
び,乾燥すると縮む現象。ハイグラルエキスパンション
の値は織物に使用した羊毛の繊度,織物の組織,先染め・
後染めなどによって異なる。縫製品のパッカリング及び
形くずれの原因となる。 

hygral expansion 

1084 白色度 

表面色の知覚される白さの程度。白色度の数値は,CIE
が1986年に推奨した白色度指数が使われる。 

whiteness 

1085 白化 

染色又はな染された繊維品が摩耗によってその表面が白
く見える現象。原因としては,繊維表面のフィブリル化,
表面染着染料の脱落,混紡品などで濃色に染められた強
度の弱い方の繊維の摩耗脱落などがある。 

whitening 

1086 発色むら 

発色工程の処理条件の不適切,及び作業の不手際のため
に生じる染料の不均一な発色。 

uneven development 

1087 パディング 

処理液中に織物などを通過させ,ローラで絞り,処理液
を均一に含ませる操作。 

padding 

1088 発泡加工 

発泡剤を混入した樹脂をドクタ,ロールなどで布上に塗
布し,又はな染によって柄状に付与し,熱処理すること
によって発泡させ立体感を出す加工。 

foaming finish 

1089 幅出し 

生地をテンタにかけて規定の幅に仕上げる操作。 

tentering 

1090 BHT黄変 

プラスチック及び/又はゴム製品の劣化防止のために添
加される酸化防止剤BHT(ブチルヒドロキシトルエン)
が昇華によって繊維品に移行し,NOx(窒素酸化物)と
反応して黄色に変色する現象。 

yellowing by BHT 

1091 ピックアップ 

処理液を含ませ脱液した後の増加質量の,未処理物質量
に対する百分率。 

pick up 

1092 ヒートセット 

熱可塑性繊維を熱処理することによって内部ひずみを緩
和した後,分子の配列を固定し,形態を安定化させる処
理。 

heat setting 

1093 標準染色濃度 

染料・顔料の染色堅ろう度を判定するために規定されて
いる染色濃度。 

standard depth of color 

1094 ビルドアップ性 

染色濃度の増加とともに被染物の色の濃さが増加してい
く染料の性能。 

build-up property 

1095 フィブリル化 

摩擦,外力などによって,繊維が軸方向に裂けて細分化
する現象。 
 

fibrillation 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1096 フェルト化 

羊毛を水でぬらしても(揉)んだとき,繊維が絡み合っ
て収縮し硬くなる現象。繊維表面のスケールが水分を吸
収して外側に開き,繊維が根元方向にだけ動くことが原
因。 

felting 

1097 フォトクロミズム 

光の照射によって色素化合物が可逆的な構造変化を起こ
して色相が変化する現象。 

photochromism 

1098 ブラックライト 

近紫外領域光を出す放電灯。感光製版における露光光源,
蛍光増白物のむら検出用などに使われる。 

black light 

1099 ベーキング 

染料,顔料又は樹脂加工剤を繊維に固着させるための乾
熱処理。 

baking 

1100 飽和値 

繊維に染着することができる染料の最大量。飽和値は主
に繊維中の染着座席数によって決まる。 

saturation value 

1101 ぼかし染め  

色をぼかして染める染色。色相・濃さを段階的に変える
段ぼかしと,連続的に変えるあけぼのぼかしとがある。 

gradation 

1102 補色 

加法混色で二つの色光を混合した結果,白色光となる場
合の両色光の関係。減法混色では2色を混合して無彩色
となる場合が補色の関係となる。 

complementary color 

1103 マイグレーション 

バッチ式染色加工で,染料・薬剤が多く吸着した部分か
ら,浴への脱落を経てこれらの少ない部分に移動する現
象,又は織物の連続染色及び樹脂加工で,乾燥時に織物
の表面から乾燥していくことに伴ってこれらが移動する
現象。 

migration  

1104 ます見本 

たて・よこに各種の糸を用いて格子状に製織した柄見本,
各色に染めた染色物又は生地に試し刷りをしたな染め見
本。 

color arrangement 

checking sample 

1105 マンセル表色系 

色感覚の三つの属性である色相,明度及び彩度によって
色を立体的に表示する系。 

Munsell's color system 

1106 明度 

色の三属性の一つで,色の明るさの度合い。 

lightness 

1107 目付 

布の単位面積当たりの質量。一般に1 m2当たりの質量を
グラム単位で表す。 

weight per square-meter 

1108 浴比 

染色又は薬剤による処理時の繊維と染浴又は処理浴との
質量比。 

liquor ratio 

1109 予備乾燥 

連続染色,な染,樹脂加工などで,パディング又は印な
つ工程と乾燥工程との間で行う乾燥。染料,樹脂などの
マイグレーション防止に効果がある。 
 

predrying 
 

b) 前工程 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2001 亜塩素酸漂白 

亜塩素酸ナトリウムを使用する,主として綿の酸化漂白。 chlorite bleaching 

2002 アルカリ減量加工 

ポリエステル織編物をか性ソーダの熱水溶液に浸し,繊
維表面を薄く削り取り,交差する糸間の接圧を下げて風
合を柔らかくし,ドレープ性を付与する加工。通常の減
量率は15〜20 %程度。 
 

alkali peeling treatment 

2003 泡練り 

石けんなどの濃厚溶液を煮沸し,生じた泡によって行う
絹の精練。 
 
 

froth degumming 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2004 過酸化水素漂白 

綿,羊毛,絹などの過酸化水素を用いての漂白。塩素系
漂白に比べて漂白能力は劣るが設備の腐食及び排水の問
題が少ない。 
 
 

hydrogen peroxide 

bleaching 

2005 かせ(綛)シルケ

ット 

かせの状態で行うマーセライズ加工。 

hank mercerization  

2006 化炭 

原毛を希硫酸などで処理した後,加熱・乾燥して植物性
のきょう(夾)雑物を炭化・除去する処理。 
 

carbonizing 

2007 カチオン化 

繊維に対してカチオン性基を付与する処理。綿の場合,
第4級アンモニウム化合物で処理することによって,酸
性染料による染色又は反応染料による中性染色が可能と
なる。 

cationization 

2008 還元漂白 

還元剤を用いる漂白。羊毛,絹,ナイロンなどの漂白に
利用される。 

reduction bleaching 

2009 生機セット 

(きばたせっと) 

精練,染色工程でのしわの発生防止及び寸法安定性向上
のために,熱可塑性の合成繊維織編物に製織編上がりの
生機(きばた)状態で行うヒートセット。 

gray fabric setting 

2010 キヤー精練 

密閉容器(キヤー)を用いる綿織物のバッチ式精練。 

kier scouring 

2011 クロリネーション 

塩素ガスと水, 次亜塩素酸塩,塩素化イソシアヌル酸ナ
トリウムなどの薬剤を用いて行う羊毛の防縮加工。 

chlorination 

2012 蛍光増白 

紫外部(330〜380 nm)の光を吸収し,可視部の短波長
側(400〜450 nm)に紫青色から青緑色の蛍光を発する
化合物を吸着させ素材を白く見せる処理。 

fluorescent brightening  

2013 毛焼き 

短繊維を用いた織編物の表面を覆っている毛羽を炎,熱
風,熱板などを用いて焼き取って表面品位を向上させる
処理。 

singeing 

2014 減量加工 

繊維を減量し,織物又は縫製品の風合を改良する加工。
ポリエステル繊維品に対するアルカリ減量加工,セルロ
ース繊維品に対する酵素減量加工などがある。 

peeling treatment 

2015 酵素精練 

酵素の触媒作用を利用した比較的穏和な条件で行う精
練。綿織編物の精練などに利用される。 

scouring with enzyme 

2016 酵素のり(糊)抜

き 

綿,レーヨン織物などの生機(きばた)に付着している
でんぷんのりを酵素を用いて除去する処理。 

desizing with enzyme 

2017 コールドマーセラ

イズ 

綿織編物に擬麻効果を付与するための低温(マイナス
5 ℃以下)でのマーセライズ加工。 

cold mercerization 

2018 酸化漂白 

酸化反応を利用して繊維を白くする処理。酸化剤として
塩素系と過酸化系とがある。 

oxidation bleaching 

2019 次亜塩素酸漂白 

次亜塩素酸ソーダを用いる,主として綿の酸化漂白。 

hypochlorite bleaching 

2020 しぼ立て 

強ねん(撚)糸を用いた織物を,熱湯,石けん液又はア
ルカリ液中に浸したり,もむことによって,糸トルクの
復元力を利用して布面に細かな縮み及びしぼを形成させ
る処理。 

creping 

2021 煮じゅう, 

ウエットデカタイ

ジング 

毛織物の精練工程における湿式セット。湯伸し(ゆのし)
又はクラッビングともいう。 

wet decatizing 

2022 縮じゅう 

毛織物を目的の風合にするため,アルカリ,石けんなど
を含む液で湿らせ,機械的にたたいたり,もんだりして,
フェルト化させる処理。 

milling 

background image

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2023 精練 

繊維及び繊維製品に付着している天然不純物,紡糸・紡
績油剤,汚れなどを除いて清浄な状態にするための処理。 

scouring 

2024 洗じゅう 

毛織物の洗浄及び風合作りのために行う処理。目的とす
る風合に合わせて広幅洗じゅう機,連続洗じゅう機,ロ
ープ洗じゅう機などを使い分ける。 

scouring 

2025 脱塩素処理 

綿の漂白及び羊毛の防縮加工において,塩素系化合物を
用いた後,亜硫酸ソーダ,重亜硫酸ソーダなどを用いて
残留している塩素化合物を除く処理。 

dechlorination treatment 

2026 タッキング 

しわ及び/又は染めむらが懸念される織編物をロープ状
で精練・染色する場合に,生地の両耳を互いに袋状に縫
い合わせる操作。袋縫いともいう。 

tacking 

2027 つり練り 

絹糸及び絹織物を,さお(竿)につり下げた状態で行う
精練。 

boiling in loop 

2028 練減り 

(ねりべり) 

絹を精練したときの質量減少量。 

degumming loss 

2029 のり抜き 

製織のためにたて糸にのり付けされた生機(きばた)上
ののりを除去する処理。 

desizing 

2030 バルキー加工 

主にアクリル繊維の糸,編物などを熱処理してかさ(嵩)
高性を与える加工。かさ高加工ともいう。 

bulky finish 

2031 半練り 

セリシンを半ば除去する絹の精練。本練りに対応する用
語で,このほか七分練り,三分練りなどの種類がある。 

half degumming 

2032 漂白, 

さら(晒)し 

繊維に含まれる色素及び有色の不純物を酸化又は還元作
用によって分解除去し,繊維を白くする処理。 

bleaching 

2033 プレセット 

合成繊維織編物に,染色以前の段階で受けたひずみを取
り除き,染色時の収縮及びしわ発生を防ぐために行うヒ
ートセット。 

pre-set 

2034 ホットマーセライ

ジング 

70 ℃以上の高温か性ソーダで行うマーセライズ加工。こ
れによって柔軟な風合のマーセライズ製品が得られる。 

hot mercerization 

2035 本練り 

セリシンを完全に除去して絹本来の風合,光沢,絹鳴り
などの特性を発現させる処理。絹の精練法の一つ。 

degumming 

2036 マーセライズ加工, 

シルケット加工 

綿糸又は綿織編物をか性ソーダの濃厚水溶液中で緊張処
理して,染色性の向上,湿潤強力の増大,絹様の光沢な
どを与える加工。 

mercerization  

2037 湯通し 

織物を温湯に浸せきして製織用ののりを洗い落とし,外
観及び風合を改良する仕上げ加工。絹の場合は,精練浴
に少量の薬剤を入れ,布の表面をきれいにし白度を向上
させる加工。 

boiling off 

2038 湯伸し 

(ゆのし) 

絹織物では,織物に蒸気を当てて布幅を固定しながらし
わを伸ばし,風合を柔らかくする仕上げ。毛織物では,
精練工程での煮じゅう。 

crabbing 

2039 リラックス処理 

織編物を,乾熱,湿熱,熱水などの熱エネルギーと物理
的もみ効果とで,かさ(嵩)高性及びしぼを発現させる
処理。 

relaxation 

2040 ロープ精練 

布のロープ状で行う精練。 

scouring in rope form 

c) 浸染 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3001 あい(藍)染め 

天然あいを用いる主として綿,絹の染色。あいの主成分

indigo dyeing 

background image

10 

L 0207:2005  

はバット染料に属するインジゴ。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3002 アフタークロム法 

羊毛などを酸性媒染染料で染色するとき,染料が染着し
た後にクロム酸塩で処理する方法。 

afterchrome process 

3003 アルカリ染色 

分散染料を用いてアルカリ浴で行うポリエステル繊維の
染色。時間が短縮され,オリゴマー付着によるトラブル
が解消される。 

alkaline dyeing 

3004 異色染め 

混紡,交織などの複合素材を構成している繊維の異なる
色への染め分け。 

multicolor dyeing 

3005 移染 

染着した染料が繊維上の他の部分へ移行する現象。 

migration 

3006 一浴染色, 

同浴染色 

染色性の異なる2種以上の繊維からなる複合素材の一浴
で行う染色。 

one-bath dyeing 

3007 一発率 

総染色回数に対する,色修正なしで完了した染色回数の
比率。 

ratio of right-first-time 

dyeing 

3008 糸染め 

糸の状態での染色。先染めともいう。コーン又はチーズ
で染色する場合とかせ(綛)で染色する場合がある。 

yarn dyeing 

3009 色むら 

繊維上で,本来均一であるべき部分の色相が不均一であ
る現象。 

uneven shade 

3010 ウインス染色 

回転するリールなどによって布を染液中に送り込みなが
ら染色するウインス染色機を使用する染色。 

winch dyeing 

3011 上掛け, 

トッピング 

染色したものの色相が色見本と異なっていた場合に,染
料を加えて色を修正する操作。 

topping 

3012 液流染色 

布をロープ状で染液流に乗せて搬送しながら行う染色。 jet dyeing 

3013 エンディング 

バッチ染色で,布の両反末間又は反末とその他の部分と
で濃度及び/又は色相が異なる染色欠点。 

ending 

3014 オリゴマー除去 

ポリエステル繊維中に含まれるオリゴマーを高温アルカ
リ条件下で溶解して除去する処理。 
なお,アルカリ染色では染色中に除去されやすい。 

oligomer removal 

3015 過還元 

バット染料による染色で,規定のレベル以上に還元反応
が進み,酸化しても元に戻らない現象。濃度の低下及び
染め面の悪化の原因となる。 

over reduction 

3016 かせ染め 

かせの状態で行う糸染め。回転バック,噴射式かせ染め
機,パッケージ染色機などを用いる。 

hank dyeing 

3017 気泡染色 

微細な泡を媒体とする染色。カーペットの連続染色に応
用されている。 

foam dyeing 

3018 キャリアスポット 

キャリア染色のとき, キャリアが水蒸気蒸留され,染色
機の内壁に凝縮し染色物に落下して, その部分だけ濃く
染まったり色が抜けたりする現象。 

carrier spot 

3019 キャリア染色 

キャリアを助剤として用いる染色。高温高圧下で染色す
ると損傷が激しい羊毛,アセテート繊維などとポリエス
テル繊維との複合素材などに用いる。 

carrier dyeing 

3020 吸尽染色 

染料・薬剤を含む染浴に繊維を浸せきし,適正な温度で
行うバッチ式染色。 

exhaustion dyeing 

3021 気流染色 

染液及び染色機内の空気を噴射して布を循環させる低浴
比の浸染。 

aerodynamic jet-dyeing  

3022 均染 

被染物がむらなく均一に染まっている状態。 

level dyeing 

3023 草木染め 

植物から採取した天然の色素を用いて行う染色,又は染
色されたもの。 
 
 

background image

11 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3024 クロス染め試験 

未染色繊維と先に染められた他繊維との混紡織物(片染
め品)などで,未染色繊維を染色するのと同等の条件で
処理したときの,染色繊維の変退色及び未染色繊維への
汚染を評価する試験。 

test for colorfastness to 

cross dyeing  

3025 クロミング 

酸性媒染染料とクロムとの間に錯塩を形成させる処理。
これにはクロム前処理の後,染色する方法(クロム媒染
法)と,染色後クロム処理する方法(アフタークロム法)
とがある。 

chroming 

3026 ケーク染色 

レーヨン長繊維糸の,巻き取られた糸の形状(ケーク)
のままで行う染色。 

cake dyeing 

3027 高温高圧染色 

100 ℃を超える温度で行う染色。ポリエステル繊維のよ
うな難染性繊維を染色するには,高圧下100 ℃を超える
高温が必要で,密閉形の高圧染色機が用いられる。 

high pressure dyeing  

3028 高温染色 

通常の染色温度よりも高温で行う染色。一般に合成繊維
の100 ℃を超える温度での染色であるが,綿の反応染料
による染色では70 ℃以上での染色を指すこともある。 

high temperature dyeing 

3029 恒温染色 

染色浴の温度をあらかじめ染色の最高温度まで昇温させ
た後,被染物を入れ一定温度で行う染色。 

constant temperature 

dyeing 

3030 コーン染色 

多数の穴のあいた円すい状の管に糸を巻き取ったコーン
を染色機内に多数充てん(填)し,染液をコーン内に貫
流させて行う染色。 

cone dyeing 

3031 先染め 

織編以前の状態で行う染色。ばら毛,トウ,スライバー,
トップ,糸などの状態での染色。 

stock dyeing 

3032 差し色, 

シェーディング 

目標色に対して色相,濃度が異なる場合に染料追加及び
/又は部分脱色した後,色修正する操作。 

shading color 

3033 サーモゾル染色 

ポリエステル繊維及びその複合素材に分散染料液をパデ
ィングし,短時間の乾熱処理をすることによってポリエ
ステル繊維に染着させる連続染色。 

thermosol dyeing 

3034 下染め 

複合素材染色の二浴法における最初の染色。また草木染
めでは濃色又は深みのある色相を得るため,同色又は異
色を何度も重ね染めする際の最初の染め。 

bottoming 

3035 ジッガ染色 

布を広げた状態で染液中のガイドロールを通して,2本
のローラ間で交互に巻き取りながら染色するジッガ染色
機を使用する染色。 

jigger dyeing 

3036 絞り染め 

染め残す部分を糸でくくったり,板などで強く絞って物
理的に防染するようにして染料液の中に浸して染める模
様染め。 

tie dyeing 

3037 徐冷 

熱可塑性繊維品の染色で,風合が硬くなったり,しわが
固定しないように, 染色の終わりに徐々に冷却する操
作。 

slow cooling 

3038 浸染 

染色方法のうち,被染物を染液に浸して行う染色。広義
にはバッチ式と連続式とを含むが,狭義にはバッチ式だ
けを指す。 

dyeing 

3039 スキッタリー 

近接する単繊維間,若しくは1本の単繊維内で色の濃さ
及び/又は色相に差が生じた現象。合成繊維又は羊毛で
見られる。 

skitteriness 

3040 製品染め 

縫製品の形にした後に行う染色。消費者に最も近い段階
での染色であるため,クイックレスポンスに対応しやす
い。 

garment dyeing 

background image

12 

L 0207:2005  

3041 染液 

染色を行うために,染料,助剤などを溶解・分散した液。 dyeing liquor 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3042 染色 

染料・顔料で繊維などを堅ろうに着色すること。通常,
均一に着色することを染色といい,模様を表すことは特
にな染といって区別する。繊維の形状によって綿(わた)
状で染色するばら染め,糸で染色する糸染め,布で染色
する反染め,縫製品で染色する製品染めなどがある。 

dyeing 

3043 染色速度 

染浴中の染料が繊維に吸尽される速さ。染め足ともいう。 rate of dyeing 

3044 染色プログラム 

染色工程において,時間の経過に対応する温度・薬液注入
などの設定を組み込んだプログラム。染色の自動化に使
用される。 

dyeing program 

3045 染着平衡 

染色工程の最終段階で,染料が液相から繊維相に移行す
る速度と,繊維相から液相に移行する速度とが等しくな
る状態。 

dyeing equilibrium 

3046 染着率 

染色に用いた染料の中で繊維に染着した染料の質量分率

(%)。 

degree of exhaustion 

3047 染浴 

染色に必要な染料・薬剤の所要量を含む,バッチ式染色の
ための浴。 

dye bath 

3048 染めしわ 

布の染色工程で生じるしわ。ロープ状での染色で発生し
やすい。 

wrinkle by dyeing 

3049 染めむら 

均一に染色されていない状態。原因として,染色前の原
料繊維,織編構造,前処理などの不均一,染色工程での
染料の選択,染色条件設定,工程管理などの不適切があ
げられる。 

uneven dyeing 

3050 ターリング 

染色時に染料が分散破壊,塩析などによって凝集・析出
してタール状の物質となる現象。染色布の汚染の原因と
なる。 

tarring 

3051 反染め, 

後染め, 
布染め 

織編物の状態で行う染色。 

piece dyeing 

3052 タンニン媒染 

綿及び絹の染色の際に,染色性を向上させたり,染色堅
ろう度を向上させる目的で行うタンニンを使用する処
理。 

mordanting with tannin 

3053 チーズ染色 

多数の穴のあいた平行ボビンに糸を巻き取ったチーズを
染色機内に多数充てん(填)し,染液をチーズ内に貫流
させて行う染色。コーン形状で染色するコーン染色も含
めて広義にも使用される。 

cheese dyeing 

3054 チッピー染色 

羊毛の染色において,繊維の毛先と根元とで濃度及び/
又は色相差が生じた現象。 

tippy dyeing 

3055 中希 

反染めにおいて両耳部と中央部との間で濃度及び/又は
色相差がある染色欠点。 

listing 

3056 超臨界染色 

超臨界状態の媒体を使用する完全に非水系の染色。 

super critical fluid dyeing 

3057 直接性 

染色において染料が繊維基質に選択的に吸着される性
質。 

substantivity 

3058 低温染色 

通常用いられる染色温度よりも低い温度で行う染色。 

low temperature dyeing 

3059 低浴比染色 

被染物に対する染色液の割合(浴比)の低い染色。通常の
浴比 1:15〜1:20 に対して 1:5〜1:8 程度のものを
いう。 

low liquor ratio dyeing 

3060 テーリング 

パディング法による連続染色で,染色物の長さ方向に濃
度及び/又は色相が連続的に変化していく染色欠点。 

tailing 

3061 同色染め 

複合素材を,その構成繊維が同色になるようにする染色。 solid dyeing 

background image

13 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3062 トウ染色 

合成繊維のトウの状態での染色。一般にはパッケージ染
色機によるバッチ方式で行われる。 

tow dyeing 

3063 トップ染め 

羊毛のトップの状態での染色。品位の高い染色効果が得
られ,また,染色後,種々の色のトップを混ぜて糸にす
ることができることから高級品を対象にした染色に使用
される。 

top dyeing 

3064 二浴染色 

複合素材を染色する場合,それぞれの繊維に応じた染法
で別々に行う染色。 
 

two-bath dyeing 

3065 媒染 

染料が,染めようとする繊維に十分な染着性をもたない
とき,又は,染色堅ろう度を向上させたいときに行う処
理又はその処理を伴う染色。この目的で用いる助剤を媒
染剤といい金属塩などが使用される。染色に先立ち行う
前媒染と染色後に行う後媒染がある。 

mordanting 

3066 パッケージ染色 

ばら毛,トウ,糸などを染色機に充てん(填)して,ポ
ンプで染液を循環させて行う染色。 

package dyeing 

3067 バッチ染色 

非連続的なバッチ式で行う染色。狭義の浸染に相当する。 batch dyeing 

3068 パッドジッグ法 

染液などをパディングしたあとジッガで処理する方法。 pad-jig process  

3069 パッドスチーム染

色 

連続染色の一つで,染液をパディングしたあと蒸熱して
染料を固着する染色。 

pad-steam dyeing 

3070 パッド染色 

拡布状の布に連続的に染料液をパディングし,その後の
処理で染料の固着,ソーピング,水洗及び乾燥を行う染
色。 

pad dyeing 

3071 ばら染め 

ばら毛の状態で行う染色。一般に堅ろう度のよい染料が
使用される。 

loose fiber dyeing 

3072 ピグメント染色 

布に顔料とバインダー樹脂液とをパディングし,キュア
リングによって固着させる染色。 

pigment dyeing 

3073 ピグメントパッド

法 

バット染料,硫化染料など水不溶性染料の水分散液を布
にパディングし,次いで染料を可溶化して固着させる方
法。 

pigment pad process 

3074 ビーム染色 

布又は糸を多孔円筒状のビームに巻き上げ,染液をビー
ムの内から外へ貫流させて行う染色。 

beam dyeing 

3075 表面染着 

染料が糸及び織編物の内部に行きわたらず,繊維表面に
集中して染着する現象。 

surface dyeing  

3076 ブロッキング 

染着座席数が限定されている繊維を,二つ以上の染料を
混合して染色する場合,染料間で染着座席の争奪が行わ
れ,親和力の大きい染料が優先的に染着し,親和力の小
さい染料の染着を阻止する現象。 

blocking 

3077 マフ染色  

糸を円筒中空状に巻き上げたマフを,パッケージ染色機
に充てん(填)して行う染色。 

muff dyeing 

3078 無地染め 

織編物などへの単一色相染色。 

solid dyeing 

3079 むら染め 

染色が均一に行われず,被染物上に濃度及び/又は色相
差が見られる状態。 

uneven dyeing 

3080 ラピッド染色 

ポリエステル繊維などのバッチ式染色において,均染性
を保ちながら染色時間を可能な限り短縮した染色。 

rapid dyeing 

3081 リング染色 

単繊維断面の外側だけがリング状に染色された状態。親
和力の高い染料で染色したとき,初期の段階で起こる現
象。 
 
 

ring dyeing 

background image

14 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3082 連続染色  

布などに連続的に行う染色。染料及び薬剤を含浸付与さ
せたあと蒸熱又は乾熱で処理して染料を固着させる染
色。 

continuous dyeing 

3083 

ロープ状染色  

織編物をロープ状で行う染色。一般には液流染色機又は
ウインスが用いられる。 

rope dyeing 

3084 

ロープマーク  

ロープ状で精練・染色を行うときに生じるたて方向のし
わ。 

rope mark 

3085 綿染め 

(わたぞめ) 

綿(わた)の状態で行う染色。通常パッケージ染色機が
用いられる。 

loose stock dyeing 

d) な(捺)染 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4001 アルカリ防抜染 

アルカリによって分解したり,染着が阻止される染料を
用いる防抜染。主として分散染料によるポリエステル繊
維の防抜染に利用される。 

alkali discharge-resist style 

4002 アンダークロス 

ローラな染において,な染布からしみ出してくる色のり
を吸収し,裏面への汚染を防止するための布。 

undercloth 

4003 一相な(捺)染 

染料及びその発色・固着に必要なすべての薬剤を含む色
のりを印なつして発色させるな染。 

one-phase printing 

4004 糸な染 

糸の状態でのな染。かせ又はたて糸を引きそろえた整経
状態で行う。 

yarn printing 

4005 糸目 

友禅染めにおける輪郭及び細線。 

fine line 

4006 色のり 

染料,顔料などの色材及び必要な薬剤を含むな染用のり。 color paste 

4007 インクジェットプ

リント 

コンピュータ制御によって必要なインクを吐出し,繊維
上に描画するな染。インクの吐出方式として,連続方式
と,オンデマンド方式とがあり,更に,後者には,ピエ
ゾ方式とサーマル方式とがある。 

ink jet printing 

4008 印なつ(捺) 

被な染物に色のりを置く操作。 

printing 

4009 陰ぺい力 

顔料などをな染したときの下地の色を隠す能力。 

hiding power 

4010 裏通り 

主として印なつ時に,染料などが生地の裏面に浸透する
現象。 

penetration 

4011 えい(曳)糸性 

のりなどの粘ちょう(稠)な液体に棒を入れて引き上げた
場合,棒の下から液体が糸をひく性質。 

stringiness 

4012 絵刷り 

彫刻を完了したな染用の型を確認するための試し刷り。 test printing  

4013 エマルションのり 

水,油,乳化剤で調製した元のり。な染の場合,油とし
て通常ターペンを用いる。O/W(水中油滴)形とW/O(油
中水滴)形がある。 

emulsion thickener 

4014 送り 

な染の連続模様における柄の繰返し単位。 

repeat 

4015 送り星 

スクリーンな染において,型合せのためにな染型につけ
る印。 

register mark 

4016 オートスクリーン

な染 

自動化されたスクリーンな染機を用いて行うな染。走行
式スクリーンな染機,フラットスクリーンな染機,ロー
タリスクリーンな染機などが用いられる。 

autoscreen printing 

4017 オーバープリント 

先に地染め又はな染した部分の上に重ねて印なつするな
染。 

over printing 

4018 返しな染 

挿し色として還元剤などを含む色のりを印なつし,その
後可抜性染料を含む色のりで柄部分を覆うように印なつ
して,型際のせん(尖)鋭な柄を得るな染。 
 

resist style 

background image

15 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4019 化学防染 

化学的に染料の固着・発色を妨げる薬剤を用いる防染。
化学防染剤としては,還元剤,酸化剤,酸,アルカリな
どがある。 

chemical resist style 

4020 型合せ 

な染において,色分けされた彫刻型を原図の模様を再現
するように,縦横方向の位置を調整する操作。 

adjusting 

4021 型送り 

手な染,フラットスクリーンな染などで,固定された被
な染布上に型を置いて印なつ後,その型を次の所定位置
に移動させる操作。 

repeating 

4022 型紙 

型染めにおいて,布などに模様をつけるためにその部分
を切り抜いた紙。 

paper stencil 

4023 型紙な染 

型紙を用いて行うな染。 

paper stencil printing 

4024 型際 

な染された柄の輪郭のせん(尖)鋭性。 

pattern contour 

4025 型口 

スクリーンな染において,型送りして連続模様を印なつ

(捺)する場合の接続部分。 

joint 

4026 型枠 

スクリーンしゃ(紗)及び型紙を固定するための枠。 

stencil frame 

4027 柄移り 

印なつ,発色又は洗浄工程などで,な染柄部分の染料・
顔料が,白場部分などに移染する現象。 

4028 還元抜染 

染色した布に還元剤を含む抜染のりを印なつ,スチーミ
ングして,印なつ部分の地色の染料を還元によって分解,
脱色し,柄をつけるな染。 

reduction discharge style 

4029 顔料な染 

顔料とその固着に必要なバインダーを含むな染のりを用
いて印なつ,乾熱処理をすることによって布に柄をつけ
るな染。 

pigment printing 

4030 機械な染 

機械を用いて印なつするな染。手な染に対応する語で,
各種の自動スクリーンな染が登場するまでは,ローラな
染を指していた。 

machine printing 

4031 希釈のり 

色のりの濃度の調整を簡便に行うために作成される希釈
用ののり。 

cut clear 

4032 キレート防抜染  

特定の金属が分散染料と金属キレート化合物を形成し, 
ポリエステル繊維内への拡散が不可能となり染着できな
い性質を利用した防抜染。 

chelate discharge-resist 

style 

4033 挿し色 

着色抜染又は着色防染で,抜染剤又は防染剤に加える染
料又は顔料。また,本友禅では,糸目のりで囲った模様
を色彩する場合にも用いる。 

illumination color 

4034 サーマル方式 

インクジェットプリントの一つの方式で,コンピュータ
信号で発熱体を高温に加熱し,インク内に気泡を形成さ
せその圧力でインクをノズルから吐出させる方式。 

thermal jet system 

4035 酸蒸熱 

酸を噴霧状にして吹き込み,酸性の媒体中で行う蒸熱。 acid steaming 

4036 ジェットプリント 

カーペット用のな染システムでジェットノズルから染液
を噴射後,直ちにスチーミングするデジタルプリント。 

jet printing 

4037 地型 

直接な染において,模様柄の背景となる広い面積部分,
及びその部分を着色するための型。防染・抜染では,そ
の部分を地色という。 

4038 しごきな染 

布を長い板に広げては(貼)り付け,へらを用いて地色
のりを生地全体に均一に付与するな染。 

4039 地染め 

主として抜染用のための、な染前の布の均一な染色。な
染下ともいう。 

ground dyeing 

4040 地張り 

な染前に生地をな染台にピン又は接着剤で固定する操
作。 

fixation 

background image

16 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4041 重色な染 

布に印なつされたな染のりの上に,別の色のりを重ねて
印なつし,二つの色を混合して別の色を表現するな染。 

printing on print 

4042 スクリーンな染 

スクリーン型を用いるな染。ハンドスクリーンな染,フ
ラットスクリーンな染, ロータリスクリーンな染などが
ある。 

screen printing 

4043 スプレー染色 

染液を噴霧して行う染色。ぼかし染め,模様染め,霜降
り染めなどの特殊染めが可能。 

spray dyeing 

4044 スペース染色 

糸の長さ方向に間隔をおいて行う部分染め。かせ,チー
ズ又は布地に編み上げた状態で染色する。ニット・デニ
ット法がその代表例。 

space dyeing 

4045 すり友禅 

友禅板に地張りした布の表面に型紙を置き, 染料溶液を
含ませた丸はけを用いて色をすり込み,模様を染め出す
な染。型紙友禅の一つ。 

4046 着色抜染 

抜染と同時にその部分を異色に着色するな染。着抜とも
いう。 

colored discharge style 

4047 着色防染 

防染と同時にその部分を異色に着色するな染。着防とも
いう。 

colored resist style 

4048 注染 

(ちゅうせん) 

防染のり又はしめ具によって防染し,染液を注ぎ込んで
模様をつけるな染。ゆかた,手ぬぐい,ふろしき,のれ
んなどの染めに使われている。 

4049 直接な染 

顔料又は染料・助剤を含むな染のりを,生地に直接印な
つするな染。防染・抜染に対する語。 

direct printing 

4050 手な染 

手工的に行うな染。一般には手な染台に張った布に,彫
刻されたスクリーン型を置いて手で刷るハンドスクリー
ンな染をいう。 

hand printing 

4051 転写な染 

模様を印刷した紙を布に圧着・加熱し,模様を布に写す
な染。染料を用いる場合には乾式転写と湿式転写とがあ
るが,昇華性のある染料を用いた乾式昇華転写が一般的
である。顔料の場合は固着剤とともに転写させる。 

transfer printing 

4052 特色 

デジタルプリントで用いるカラートナー(色粉)又はイ
ンクで通常使われる黄・マゼンタ・シアン・黒の4色で
は表現できない色域,及び高鮮明性を要求される場合に
特別に用意される色相のトナー及びインク。 

spot color  

4053 トレーシング 

な染用の彫刻フィルム作成の際,原図を分色した上,フ
ィルムに各色ごとのスケッチを行い,焼き付け用分色シ
ートを作る操作。特色分解ともいう。最近ではCADを
使ったコンピュータトレーシングが行われている。 

tracing 

4054 泣き代 

(なきしろ) 

印なつ時にな染のりが泣き出す長さ。な染型の彫刻では
あらかじめ模様から外側への染料の泣き出しを考慮して
面積を小さく彫刻する。 

bleed allowance 

4055 な染, 

プリント 

染料・顔料による繊維などへの着色模様の付与。な染方
式には,直接な染,抜染及び防染がある。 

printing 

4056 な染CAD 

描画デザインを各種の読み取り装置でコンピュータに入
力し,画像処理によってデザインの修正,配置換えなど
の編集を行うシステム。 

CAD for printing 

4057 な染のり 

染料・顔料,こ剤,その他必要な薬剤が調整されている,
な染に使うのり。 
 
 
 

printing paste 

background image

17 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4058 二相な染 

な染のりを布に印なつしたあと発色助剤を上から印なつ
又はパッドし,染料を布上で発色・固着させるな染。ナ
フトール染料,バット染料及び反応染料によるな染で用
いられる。 

two phase printing 

4059 白色抜染 

抜染のうち抜染のりの印なつ部分が純白になるな染。白
抜ともいう。 

white discharge style  

4060 白色防染 

抜染のうち防染のりの印なつ部分が純白になるな染。白
防ともいう。 

white resist style  

4061 抜しょく(蝕)加工, 

オパール加工 

混紡,交織布を構成する繊維の耐薬剤性の差を利用して,
一方の繊維だけを溶解除去して透かし模様を出す加工。 
 
 

burn-out finish 

4062 抜染 

あらかじめ地染めされた布などに抜染のりを印なつ,乾
燥,蒸熱した後,水洗し,地染めした部分の染料を還元・
分解して模様を付けるな染。白色抜染,着色抜染,半抜
染などがある。 

discharge style   

4063 発泡な染 

印なつ部分を隆起させるな染。発泡剤を封じ込めたマイ
クロカプセル粒子をバインダーとともに印なつし,熱処
理することによって印なつ部分を隆起させる。 

foam printing  

4064 ハーフエマルショ

ンのり 

水溶性こ剤と,水溶性エマルションのりとを適量混合し
たのり。エマルションのりに比べ,流動性,エマルショ
ン安定性に優れている。 

half-emulsion paste 

4065 ハンドスクリーン

な染 

スクリーン型を用いて行う手な染。 

hand screen printing 

4066 半抜染 

抜染剤の濃度を少なくすることによって,地染めの濃さ
の半分程度を残す抜染。この他三分抜き,七分抜きなど
がある。 

half-discharge style 

4067 半防染 

防染剤の濃度を少なくすることによって,地染めの濃さ
の半分程度を残す防染。 

half-resist style 

4068 ピエゾ方式 

インクジェットプリントの一つの方式で,コンピュータ
信号で圧電素子を変形させ,その圧力で,インクをノズ
ルから吐出させる方式。 

piezo jet system 

4069 引染め 

ふのりなどで下引き処理した布に,はけ(刷毛)で均一
に又はぼかし状に行う染色。主に友禅染めの地色の染色
に用いられる。 

4070 ビゴロな染 

均一な霜降り糸を作るために行うトップ,スライバーな
どに対する斜めしま(縞)模様のな染。主として羊毛で
行われる。 

vigoreux printing 

4071 フィルムレス彫刻 

な染用彫刻型の作製において,分色フィルム(トレース
フィルム)を用いずに,CADで色分解データを取り,こ
れを電子信号にして直接,彫刻支持体に行う彫刻。 

filmless engraving 

4072 物理防染 

元のりの粘着性を利用し,これに金属酸化物,又は防水
剤を加えたのりを使用する防染。 

mechanical resist style 

4073 フラットスクリー

ンな染 

彫刻したスクリーンを平らな枠張り構造とし,スキージ
によって布に色のりを印なつするな染。 

flat screen printing  

4074 ブロックな染 

木片上に凸型に柄を彫刻し,これに色のりをつけ,クッ
ションの上で印なつする伝統的なな染。 

block printing 

4075 ブロッチな染 

ロールの表面に溝又は網点を彫刻したブロッチローラで
染料及び/又は薬剤を印なつするな染。 
 

bloch printing 

background image

18 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4076 防染, 

先防染 

地色用染料の染着を妨げるような薬剤を含む防染のりを
印なつし,乾燥後,全体を地染め用染料でパディング又
はしごき,スチーミングして発色させるな染。防染部分
は,防染のり中に挿し色が含まれている場合には着色し,
含まれていない場合には白色となる。 

resist style 

4077 防抜染, 

後防染 

主としてパディング法で地染め染料を付着させ,その後,
防染のりを印なつし,乾燥後,全体を発色させるな染。
防染部分は,防染のり中に挿し色が含まれている場合に
は着色し,含まれていない場合には白色となる。 

discharge-resist style 

4078 ほぐしな染 

たて糸に対して非常に粗くよこ糸を打ち込んで仮に織っ
た布にな染した後,仮のよこ糸を抜き取りながら正規の
よこ糸を打ち込んでかすり調の織物を得るな染。 

4079 みっちゃ 

な染部分があばた状又はざらついた,はん点状のむら

(斑)になる加工欠点。 

mealy print 

4080 無製版な染 

デザイン情報を,彫刻型を介することなく,コンピュー
タの指令で直接布に印なつするな染法。インクジェット
方式などがある。 

printing without plate 

4081 元のり 

な染用のりに粘ちょう性をもたせるための元となる比較
的高粘度ののり。 

stock paste 

4082 友禅染め 

模様の輪郭に糸目のりを置き,その囲まれた部分を多彩
な染料で染色し,更に,刺しゅう,金彩加工などを施し
た伝統的なな染。 

yuzen printing 

4083 友禅のり 

主として友禅染めに用いる元のり。 

yuzen thickener 

4084 リップル加工 

綿織物に高濃度のか性ソーダを含むのりを印なつし,そ
の部分を収縮させて立体模様を発現させたり,防染のり
を印なつした後,濃厚か性ソーダ液を付与して,印なつ
部分を浮き出させ,さざ波状のサッカー又はクレープ状
のしぼを出す加工。 

ripple finish 

4085 両面な染 

布の表面と裏面とに型合せして同一の模様を同時に両面
に印なつするな染。両面異色な染の場合もある。 

duplex printing 

4086 レーザ彫刻 

ロータリスクリーンの彫刻。スクリーンに塗布された樹
脂皮膜の柄部分を炭酸ガスレーザによって焼き切り彫刻
型を作成する。 

laser engraving 

4087 ろうけつ染め 

ろう又はパラフィンを防染剤に用いた模様染め。 

batik dyeing 

4088 ロータリスクリー

ンな染 

彫刻された円筒形の金属スクリーンを回転させながら布
と接触させ,内部にあるスキージによって色のりを印な
つするな染。 

rotary screen printing 

machine 

4089 ローラな染 

彫刻されたな染ロールを,回転する大きなプレッシャー
ボール(太鼓)の周りに配置し,太鼓の上を走行する布に
圧着しながら,な染ロールを回転させ,色のりを印なつ
するな染。 

roller printing machine 

4090 ワックスプリント    綿布にロジン(松やに)を印なつし,インジゴで染色後,

ロジンの部分をか(掻)き落とし,その上に行うな染。 

wax printing 

e) 後工程 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5001 青味付け, 

ブルーイング 

漂白した繊維を更に白く見せるために,紫から青色の染
料によって行う極淡色染め。一般に,蛍光増白剤を併用
する。 

blueing 

background image

19 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5002 あざみ起毛 

あざみの果穂(かほ)を乾燥させ,硬くなったかぎ状の
とげ(刺)を用いて生地を引っかくようにして行う起毛。
主として高級紡毛織物に用いる。 
 

teasel raising 

5003 圧縮収縮仕上げ 

主として綿織物などをオーバフィードさせながら蒸気プ
レスを行うことによって密度を高め,防縮性を付与する
仕上げ。 
 

compressive shrinkage  

5004 後処理 

染色した後に行われる処理の総称。染色されたものの堅
ろう度を向上させるための洗浄及び/又はフィックス処
理を指すことが多い。 

aftertreatment 

5005 裏のり付け 

硬さ,重厚感,腰,強さなどを付与するための,生地の
裏面へののり付け。 

back sizing 

5006 エメリ加工, 

バフ加工 

ロールに巻きつけたエメリ(金剛砂)ペーパによる起毛
加工。合成繊維織編物,綿織物など多方面に用いられる。 

emerizing,buff finish 

5007 エンボス加工 

織物などを,加熱した凹凸のある金属ローラと弾力性の
あるローラの間を通して,凹凸のある模様を付ける加工。 

embossing 

5008 オイリング 

繊維に平滑性,収束性,制電性,湿潤性,柔軟性などを
与えるための,油剤及び界面活性剤の付与。 

oiling 

5009 オーガンジ加工 

薄く透き通ったかたい風合にする加工。綿の場合には,
常温で濃硫酸などを作用させる。 

organdie finish 

5010 かま(釜)蒸じゅ

う 

あな(孔)のあいたロールに生地を巻きつけて,高圧容
器に入れ,減圧にした後,水蒸気を吹き込むセット処理。
羊毛織編物に強いセット効果を与える。 

full decatizing 

5011 カレンダ仕上げ 

種々の回転ロールの間に織物を通して,表面を加圧して
平滑にし,光沢及び種々の風合を与える仕上げ。 

calendering 

5012 擬麻加工 

綿布などに麻のような風合,外観を与える加工。コール
ドマーセライズなどの方法がある。 

imitation linen finish 

5013 起毛 

布面から毛羽をかき出し,毛羽立たせる仕上げ。針金起
毛機, あざみ起毛機,エメリ起毛機などを用いる。 

raising 

5014 キュアリング 

繊維加工剤の重縮合,繊維との結合などの反応を促進す
るための加熱処理。 

curing 

5015 クリア仕上げ 

毛織物の表面を毛焼き又はせん(剪)毛して,織物組織
の表面をはっきり表す仕上げ。 

clear finish 

5016 クロリンリテンシ

ョン 

アミノ系樹脂剤による樹脂加工製品を次亜塩素酸塩で漂
白したときの樹脂中の塩素の残留。 

chlorine retention 

5017 ケミカルブリーチ

アウト 

ジーンズなどの縫製品を,次亜塩素酸ソーダなどを用い
てワッシャで処理し不均一に脱色させ,着古して色あせ
た,ソフト感のあるものにする加工。 

chemical bleach-out 

5018 仕上げ 

染色加工工程の中で染色以降の工程及び付加価値を高め
る特殊工程。 

finish 

5019 修整 

生機(きばた)の糸欠点(太糸,スラブ糸など)及び織
編欠点(糸切れ部分など)を修理し,糸の結び目を表か
ら裏側に移したりする工程。仕上げ補修では,ちり(塵)
取り,インクなどを用いて小さな色修整などを行う。 

mending 

5020 柔軟仕上げ 

糸又は織編物を柔軟化する仕上げ。機械的に柔軟化する
方法と柔軟剤によって繊維間及び繊維表面の摩擦係数を
低下させる方法とがある。 
 

softening 

background image

20 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5021 シュライナ加工 

無数の平行な細線を印刻した金属ロールをもつシュライ
ナカレンダに織物を通して組織を平滑にし, 絹のような
光沢を付与する加工。 

schreiner finish 

5022 シュランク仕上げ 

毛織物の仕上げ工程のほぼ最終にたて方向に引き延ばさ
れたひずみを取り,緩和収縮をできるだけ小さくする仕
上げ。縫製前のスポンジングと同じ意味で使用すること
もある。 
 

shrunk finish 

5023 蒸じゅう, 

デカタイジング 

布及びラッピングロスを多孔シリンダに巻き取り,蒸気
による加熱と空気による冷却とを行って,布の安定性,
光沢及び風合を改良する仕上げ。フルデカタイジング[か
ま(釜)蒸じゅう機],セミデカタイジング(常圧蒸じゅう
機),連続蒸じゅう機などを用いる。毛織物の仕上げにお
けるほぼ最後の工程。 

decatizing 

5024 植毛, 

フロック加工, 
電着加工 

布,プラスチック製品などの表面に,細くて短い繊維を
静電気及び接着剤によって毛羽状に植え付ける加工。 

flock finish 

5025 針布起毛 

(しんぷきもう) 

織編物の表面を針布を巻いたロール(針金起毛機)で引
っかく起毛。 

wire raising 

5026 水中起毛 

セルロース系繊維織物に湿潤状態で研磨ロールを使用し
て行う起毛。繊維が膨潤した状態で起毛するため,繊細
な起毛効果を得る。 

wet sueding 

5027 スエード仕上げ 

布,合成皮革などに細かい起毛を施しスエードに似せる
仕上げ。 

sueding 

5028 スポンジング 

主として毛織物の緩和収縮を小さくするため,縫製の裁
断に入る前にスチーミングし振動を与えて十分収縮させ
る仕上げ。最近ではレーヨン及び/又は合成繊維の織物
もしわ直し及び寸法安定を目的として行われるようにな
ってきた。高級テーラでは,水に浸して自然乾燥するこ
とが一般的でこれもスポンジングの一つ。シュランクと
もいう。 

sponging 

5029 製品洗い 

縫製品に仕上げた状態で洗濯をして,使い古した製品に
見せる処理。主としてジーンズにおいて施されている。 

garment wash 

5030 セーム仕上げ 

ダブルトリコットのような編地を起毛・せん毛して,し
か皮(セーム皮)のような外観・風合を与える仕上げ。
スエード仕上げともいう。 

shammy finish 

5031 増量加工 

絹織物の質量感,厚地感を増しドレープ性などの風合を
改善するための加工。すず(錫)又はタンニンによる増量
が行われていたが,現在ではメタクリルアミドなどを用
いたグラフト重合に代わっている。 

weighting 

5032 脱キャリア 

キャリアを用いて染色した後の,熱処理によるキャリア
の除去。 

carrier removal 

5033 チンツ加工 

綿織物をのり付けした後,カレンダ掛けして強い光沢を
出す加工。 

chintz finish 

5034 つや(艶)消し 

織編物の表面につや消剤を付与して光沢を少なくする加
工。 

delustering 

5035 つや出し 

織物に高圧の熱カレンダ又はペーパプレスで加圧するこ
とによって光沢を与える加工。 
 
 

glazing 

background image

21 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5036 透明加工 

織編物の一部又は全部を半透明化する加工。膨潤剤,溶
解剤などを用いてその部分をゼラチン状化し,繊維の表
面及び内部における光の反射を少なくして透明度を高め
る。 

transparent finish 

5037 ナップ仕上げ 

毛織物を,洗じゅう,縮じゅう,起毛・せん毛して毛足
をそろえた後,小さい玉状の毛羽が無数にある感じにす
る仕上げ。ナッピングともいう。 

napping 

5038 バッキング 

カーペットのパイル糸の抜け防止,歩行性,裁断性など
の向上のために行う裏側への布,樹脂,ゴムなどの接着
又は塗布。 

carpet backing 

5039 パッド・ドライ・

キュアー法 

樹脂を含む液をパディングし,中間乾燥後,乾熱処理を
行い樹脂を固着させる方法。 

pad-dry-cure method 

5040 ビーティング   

布を打って,柔軟性及び光沢を改善する加工。 

beating  

5041 ファイナルセット 

染色工程が終わった布を規格幅及び長さに合わせるとと
もに,布表面の凹凸及び組織のひずみを修正するために
行う仕上げセット。 

final set 

5042 フィックス処理 

直接染料,反応染料,酸性染料などの水溶性染料で染色
後,染料固着剤(フィックス剤)で処理して染料を難溶
性とし,湿潤堅ろう度を向上させる処理。 

fixing treatment 

5043 フェース仕上げ 

毛羽を立たせたのち,せん毛して毛羽を刈りそろえ,更
に,毛羽伏せして光沢のある布面にする仕上げ。 

face finish 

5044 フェルトカレンダ

加工 

加熱した金属ロールとその周囲をエンドレスに回るフェ
ルト織物の間で織物を圧縮し,表面を平滑にして光沢を
与える布の加工。 

felt calendering 

5045 ブラッシング 

ブラッシュローラなどによって織物の表面についている
毛羽及びほこりを払い落としたり,毛並みを整える処理。 

brushing 

5046 フリース仕上げ 

毛羽が布はく(帛)表面を密に覆う起毛仕上げ。合成繊維
織編物の両面を起毛して軽くて触感のよい保温性に優れ
た布を得る加工をいう場合もある。 

fleece finish 

5047 ブリーチアウト 

ジーンズなどの製品を使い古しの感じにするために,漂
白剤を併用する処理。 

bleach-out 

5048 プリーツ加工 

スカート,ブラウスなどにひだをつける加工。 

pleating  

5049 プレス仕上げ  

織物の仕上げ工程において,乾熱又は湿熱を与え圧力を
掛けてしわを取り除き,表面を平滑にする仕上げ。 

pressing 

5050 ペーパプレス仕上

げ 

織物をジグザグ状に折り畳み,その間につや(艶)紙を
入れ,蒸気ボックス又は電熱で加熱しつつ全体に圧力を
掛けて,織物につやを付ける仕上げ。 

papering  

5051 ベロア仕上げ 

毛織編物に対し,洗じゅう,縮じゅう,起毛・せん毛を
行い,布面に豊富に毛羽を出して刈りそろえ,密集した
毛羽が出た外観を与える仕上げ。 

velour finish 

5052 ボンディング加工 

2種類又はそれ以上の異なる布地を張り合わせる加工。
保温性が高く,防寒衣料に用いる。 

bonding finish 

5053 マット仕上げ 

織物を,つやが少ない,光沢のにぶい表面にする仕上げ。 mat finish 

5054 ミルド仕上げ  

毛織物をロープ洗浄し,縮じゅう,起毛・せん毛を行い,
表裏ともに細かい毛羽を残す仕上げ。 

milled finish 

5055 メルトン仕上げ 

縮じゅうによって毛羽を絡み合わせて表面を覆い,地組
織を見えなくする紡毛織物の仕上げ。 

melton finish 

5056 モアレ仕上げ 

織物上に木目状の光沢模様を付与するカレンダ仕上げの
一つ。たて糸が圧迫された部分と圧迫されない部分とで
光の反射に差が生じ木目模様となる仕上げ。 

moare finish 

background image

22 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5057 モス仕上げ 

密度の高い紡毛織物を,毛羽が刈りそろ(揃)えられた
状態にする仕上げ。 

moss finish 

5058 ラミネート加工 

織編物に各種の機能性をもつ布,フィルム,紙などを張
り合わせる加工。 

laminate finish 

5059 ワッシャ加工  

織編物のひずみを取ったり,リラックス処理及び/又は
強ねん(撚)織物のしぼ立てを目的に,ワッシャ機で行
う加工。 

washer treatment 

f) 

機能加工 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6001 ウォッシュ・アン

ド・ウエア加工, 

W&W加工, 
イージーケア加工 

綿及びその混紡製品を洗濯・乾燥後,アイロンを掛けず
に着用できることを目的とした加工。 

wash and wear finish, 
easy-care finish 

6002 ウレタンコーティ

ング 

基布上にポリウレタンの溶液又はエマルションを塗布・
乾燥して,基布の表面に微多孔質の薄膜を形成させ,透
湿防水性を付与する加工。人工皮革などの用途にも使用
される。 

polyurethane coating 

6003 液体アンモニア加

工 

液体アンモニアを用いる綿の改質加工。マーセライズ加工
によく似た効果が得られるが,マーセライズ加工に比べて
光沢,染色性の向上は少ない。一方,強度,防縮性(寸法
安定性),防しわ性,セット性などは大きく向上する。 

liquid ammonia process 

6004 温感変色加工 

繊維に対して,温度によって変色する機能を与える加工。
例えば,温度によって発色が変化する機能性色素と酸性
物質とを有機溶剤に溶解しマイクロカプセルに封入した
ものを樹脂で繊維上に固定する。 

thermochromic finish 

6005 絹鳴り加工 

絹以外の繊維に対して,各種の薬剤処理で絹鳴りに似た
音を発生させる加工。 

scroop finish 

6006 吸汗加工 

疎水性の合成繊維の繊維表面を親水性にして汗の表面拡
散をしやすくする加工。 

sweat absorbent finish 

6007 吸湿加工 

疎水性の合成繊維の繊維表面を親水性にして水蒸気の吸
着を高める加工。 

hygroscopic finish  

6008 吸水加工 

疎水性の合成繊維の繊維表面を親水性にして吸水性を高
める加工。 

water absorbent finish 

6009 銀面仕上げ 

 
 

人工皮革及び合成皮革で,表面を皮革ようの銀面にする
加工。銀付き仕上げともいう。 

grain finish 

6010 形態安定加工 

綿及び綿・ポリエステル混紡衣服に着用と洗濯とを繰り
返しても形態安定性を長期にわたり保持できるような性
能を付与する加工。織物に前処理として液体アンモニア
加工を行い,縫製後ポストキュア法によって樹脂加工す
る方法, 気相でホルムアルデヒド処理する方法などがあ
る。 

shape stabilizing finish 

6011 ケミカルセット 

化学薬剤を使用する織編物のセット加工。例えばモノエ
タノールアミンサルファイトなどの還元剤によって羊毛
のズボン,スカートなどのプリーツセット加工を行う。 

chemical set 

6012 抗菌防臭加工 

繊維上の菌の増殖を抑制し,防臭効果をもたせる加工。 
 
 

antibacterial finish 

background image

23 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6013 抗スナッグ加工, 

スナッギング防止

加工 

長繊維使用の編物, 特に仮よ(撚)り加工糸編物が突起に
引っ掛かって,長繊維が布面上に引き出されることを防
止する加工。 

antisnag finish  

6014 酵素加工, 

バイオウォッシュ

加工 

セルロース分解酵素によって,風合の柔軟化・毛羽除去
などの表面処理を行う加工。 

biological wash 

6015 抗ピル加工 

織編物の表面での摩擦による毛玉(ピル)の発生を防止
する加工。樹脂加工による繊維の固定,ガス焼き,せん
毛による長い毛羽の除去,化学処理による毛羽のぜい化
などがある。 

anti-pilling finish 

6016 コーティング 

布などの上への,機能性を付与するゴム,合成樹脂など
の溶液又はエマルションの塗布。 

coating 

6017 樹脂加工 

合成樹脂,初期縮重合物などを用いて行うすべての加工
の総称。セルロース系繊維を対象とした防しわ加工,ウ
ォッシュ・アンド・ウエア加工,各種繊維製品への腰の
付与,硬仕上げ,光沢付与などの加工をいう。 

resin finish 

6018 消臭加工 

繊維が臭気成分に触れることによって不快臭を減少させ
る効果を示す加工。不快臭とは汗臭,加齢臭,排せつ臭,
たばこ臭,生ごみ臭などをいう。 

deodorant finish 

6019 しわ加工 

布に耐久性のあるしわを付与する加工。合成繊維ではそ
の熱可塑性を利用し,セルロース系繊維では樹脂加工剤
による架橋反応を利用する。 

artificial creasing  

6020 親水化加工 

合成繊維に加工剤処理又はグラフト重合によって親水性
を付与する加工。吸水性,吸汗性及び吸湿性を高め着用
時の蒸れを少なくする。 

hydrophilic finish 

6021 ストレッチ加工 

織物を構成する糸に屈曲を与えた後,固定し,主として
よこ方向にストレッチ性を付与する加工。 

stretch finish 

6022 ストーンウォッシ

ュ加工 

ジーンズなどの縫製品を洗い古着に似せるために,軽石
を用いて洗う加工。 

stone washed finish 

6023 スリップ防止加工 

薬剤を用いて織物などのたて糸とよこ糸の滑りを防止す
る加工。コロイダルシリカ, 接着性加工剤などを付与す
る。 

antislip finish 

6024 制菌加工 

繊維上の菌の増殖を抑制する加工。一般用途では,黄色
ぶどう球菌,肺炎かん(桿)菌,大腸菌,緑のう(膿)
菌などを対象としている。 

microbial control finish 

6025 セリシン定着加工 

絹のセリシンを薬剤で処理して絹に固定する加工。手触
りはやや粗硬になるため絹の擬麻加工ともいう。 

sericin fixing 

6026 ソイルリリース加

工,SR加工 

疎水性の合成繊維に対して親水性の化合物を付与し,汚
れても洗濯で除去しやすくする加工。 

soil release finish 

6027 ソイルガード加

工,SG加工 

主としてふっ素系樹脂を用いて,繊維に汚れが付きにく
くする加工。 

soil guard finish 

6028 帯電防止加工, 

制電加工 

繊維上に発生する静電気を減衰させるための加工。高級
アルコール,界面活性剤などの吸湿剤,第4級アンモニ
ウム塩,オキシエチレン基をもつポリマーなどの帯電防
止加工剤を用いる。 

antistatic finish 

6029 低ホルマリン加工 

セルロース系繊維に対する樹脂加工において,遊離ホル
ムアルデヒド濃度が下着類などのホルムアルデヒド規制
値(75 ppm以下)に適合する加工。 

less formaldehyde finish 

6030 電磁波シールド加

工 

電磁波による人体及び機器への影響を減らすため,繊維
を導電性にし微弱な電磁波を吸収する加工。 

electromagnetic wave 

shield finish 

background image

24 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6031 透湿防水加工 

水蒸気の透過性をもつと同時に耐水性を織編物に付与す
る加工。スポーツ衣料に利用されている。 

moisture permeable 

waterproofing 

6032 難燃加工 

繊維を着火又は延焼しにくくする加工。引火の危険性の
ある作業服,カーテン,いす張り地,老人介護衣料,寝
具などに施される。 

flame resistant finish 

6033 ノンホルマリン加

工 

遊離ホルムアルデヒドが出ないような樹脂加工。グリオ
キザール系化合物,ポリカルボン酸系化合物などが用い
られる。 

formaldehyde-nonrelease 

finish 

6034 はっ水加工 

繊維に水をはじく性質を付与する加工。 

water-repellent finish 

6035 はっ水はつ油加工 

繊維品に水をはじく性質と油をはじく性質とを付与する
加工。 

water- and oil-repellent 

finish 

6036 はつ油加工 

繊維品に油をはじく性質を与える加工。 

oil-repellent finish 

6037 パーマネントプレ

ス加工, 

PP加工, 
デュラブルプレス

加工, 

DP加工 

セルロース繊維又はその混紡織物に樹脂加工を応用して
耐久性のあるプリーツ性,ウォッシュ・アンド・ウエア
性を与える加工。加工方法によってポストキュア法とプ
レキュア法とに大別される。 

permanent press, 
durable press  

6038 プレキュア法 

パーマネントプレス加工の一種で,樹脂加工剤溶液に浸
せきし乾燥したセルロース系織物をキュアリングし,縫
製した後,スチームプレス機で更にキュアリングするこ
とによって製品の形態を安定化する方法。 

pre-cure process 

6039 VP加工 

気体のホルムアルデヒドを用いてセルロース繊維内に架
橋結合を作り形態を安定化させる加工。 

vapor-phase process 

6040 防炎加工 

繊維に炎が接したとき,燃え広がるのを防ぐ加工。繊維
製品の種類,用途及び使用場所によって消防法,建築基
準法などによる難燃規制がある。 

flame proof finish 

6041 防汚加工 

繊維を汚れにくくしたり,汚れても落ちやすくする加工。 soil resistant finish 

6042 防かび加工 

繊維上に,臭気及びだに増殖の原因になるかびが発生し
ないようにする加工。 

fungus resistant finish 

6043 芳香加工 

繊維に芳香を付与する加工。芳香性物質をマイクロカプ
セルに封じ込め,繊維製品に付与する方法などがある。 

perfumed finish 

6044 防縮加工 

織編物に,洗濯,熱水処理などで収縮しないようにする
加工。 

shrink resistant finish 

6045 防しわ加工 

織編物に,樹脂加工などでしわがつきにくくする加工。 crease resistant finish 

6046 防水加工 

織編物に,水を通りにくくする加工。 

waterproofing  

6047 防だに加工 

織編物にだにの忌避剤を付着させたり,織物の通気性を
低下させ,だにが身体に近づかないようにする加工。 

tickproofing 

6048 防虫加工 

羊毛などたん白繊維に対し防虫性を与える加工。 

mothproofing 

6049 防風加工 

織編物の組織の改良及び樹脂加工によってその通気性を
低下させ,風を通りにくくする加工。 

windbreak finish  

6050 防蚊加工 

(ぼうぶんかこう) 

織編物に蚊の忌避剤を付着させ,蚊が身体に近づくのを
防止する加工。 

antimosquito finish  

6051 防融加工 

織編物に熱による溶融を防止する性質を付与する加工。
合成繊維製品がたばこの火及びスライディング時の摩擦
熱で溶融し穴があく現象を防止するために行う。 
 
 
 

antimelt finish 

background image

25 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6052 ポストキュア法 

パーマネントプレス加工法の一種で,セルロース系織物
に樹脂加工剤液を含浸させ乾燥後縫製し,プレスで型を
つけた後,キュアリングを行い繊維内に架橋を形成し,
形態を安定化させる加工法。 

post-curing process 

6053 無電解めっき 

繊維などの不良導体に対し還元剤と触媒とを用いて,銅,
ニッケルなどの金属をめっきする加工。電磁波シールド
材に用いられる。化学めっきともいう。 

electroless plating 

6054 UVカット加工 

織編物に紫外線吸収剤を含浸又は付着させ,紫外線を遮
断して皮膚を守る加工。 

UV cut finish 

g) 染料・薬剤 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7001 アミラーゼ 

でんぷんなどを加水分解する酵素。たて糸にでんぷんを
使用した織物ののり抜きに用いられる。 

amylase 

7002 アルギン酸ソーダ 

海草類から採れる多糖類のソーダ塩。増粘剤として,な
染又は連続染色に用いられる。 

sodium alginate 

7003 異種二官能型反応

染料 

分子中に反応性の異なる2種の反応基をもつ反応染料。
固着率が高く,染色の再現性がよい,染色後の排水の着
色度が少ない。 

hetero-bifunctional 

reactive dye 

7004 インジゴ 

あい(藍)の葉及び茎から得られるバット染料の一種で,
現在では,ほとんどが化学合成によって得られている。
ジーンズ用のたて糸染め,手工芸品の染色などに使用さ
れている。 

indigo 

7005 塩基性染料 

水溶性染料のうち染料イオンが陽イオンに解離する染
料。このうち,古いタイプのものは雑貨の染色及びイン
クに使用され,新しいタイプでアクリル繊維の染色に適
するものを特にカチオン染料という。 

basic dye 

7006 架橋剤 

鎖状高分子と架橋反応し,三次元構造を作る化合物。例
えば,セルロース繊維の水酸基と反応して,防縮・防し
わ性を与える樹脂加工剤がある。 

crosslinking agent 

7007 加工天然ガム 

天然ガムを精製し,エステル化又はエーテル化で改質し,
水溶性を高め,こ化しやすくしたガム。な染のりに使用
される。 

modified natural gum 

7008 加工でんぷん 

でんぷんをばい(焙)焼,加水分解,エステル化,エー
テル化,アルファ化などによって改質し,水溶性を高め,
こ化しやすくしたでんぷん誘導体。な染のりに使用され
る。 

modified starch 

7009 加工ローカストビ

ーンガム 

いなご豆から採れるローカストビーンガムをエステル化
又はエーテル化によって改質し,水溶性を高め,こ化し
やすくしたガム。な染のりに使用される。 

modified locust bean gum 

7010 カタラーゼ 

過酸化水素を分解する酵素。綿繊維品の漂白後の水洗回
数,時間の短縮などの目的に使用される。 

catalase 

7011 カチオン染料 

塩基性染料のうち,アクリル繊維の染色に適し,堅ろう
度の高い染料。 

cationic dye 

7012 緩染剤 

染料の吸着が速すぎてむら染めになりやすい場合に染料
の吸着速度を遅くして,均染性を向上させることのでき
る助剤。 

retarder 

7013 鑑別染料 

多種属の染料からなる混合物で,これで染色することに
よって被検繊維が識別できる染料。 

dye for discrimination 

background image

26 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7014 顔料 

水に不溶で,繊維に対して親和性のない有色の微粒子。
これを繊維に適用するにはバインダーといわれる接着剤
が必要。 

pigment 

7015 キャリア 

ポリエステル繊維などの繊維分子間力を弱め,ガラス転
移点を下げて, 染料が繊維内部に拡散しやすくする染色
助剤。 

carrier  

7016 均染型酸性染料 

酸性染料のうちで分子量が比較的小さく移染性のよい染
料。均染性に優れるが湿潤堅ろう度が低い。毛織物の反
染めに使用される。 
 

leveling type acid dye 

7017 均染剤 

均一に染めるために染浴中に添加する染色助剤。緩染作
用によって均染を得るものと,移染によって均染を得る
ものとがある。 

leveling agent 

7018 金属イオン封鎖剤, 

キレート剤 

溶液中の金属イオンとキレート結合して不活性化させる
薬剤。染色全般のほか,綿の精練漂白などに使用される。 

sequestering agent 

7019 金属錯塩染料, 

含金染料, 
含金属染料 

染料分子と,銅,クロム,コバルト,ニッケルなどの金
属原子とが錯塩の形で配位結合している染料。染色性及
び光堅ろう度に優れる。セルロース繊維用として金属錯
塩直接染料・金属錯塩反応染料,羊毛・ナイロン用とし
て金属錯塩酸性染料がある。 

metal complex dye 

7020 グアガム 

一年草の豆科の植物グアの種子から得られるガム。な染
用のりに用いられる。 

guar gum 

7021 顕色剤 

ナフトール染料のジアゾ成分。ベースとソルトがある。
ベースはジアゾ化し得る芳香族アミン塩酸塩で,染色す
る際にジアゾ化する。ソルトはあらかじめジアゾ化し,
安定な化合物としたもの。 

developer 

7022 こ剤 

な染において染料・顔料液のしみ出しを防止するために
使用する増粘剤。 

thickening agent 

7023 酸化染料 

繊維に染料中間物をあらかじめ付着させた後,適切な酸
化剤によって繊維上で重合又は縮合反応を行うことによ
って合成される染料。 

oxidation dye, 

7024 酸性染料 

水溶性で染料イオンがアニオンに解離する染料のうち,
酸性浴で羊毛,絹,ナイロンなどに染着し,セルロース
繊維にほとんど染着性のない染料。 

acid dye 

7025 酸性媒染染料, 

クロム染料 

酸性染料としての染色性をもち,染着後重クロム酸カリ
ウム又は重クロム酸ナトリウムで処理して発色する染
料。光堅ろう度及び湿潤堅ろう度に優れ,主として羊毛
の濃色の染色に使用される。 

acid mordant dye, 
chrome dye 

7026 CMC 

カルボキシメチルセルロースの略称。適切なエーテル化
度のものは水溶性で,な染用こ剤として用いられる。 

carboxymethyl cellulose 

7027 消泡剤 

破泡剤及び抑泡剤の総称。特殊な界面活性剤,シリコー
ン油などからなり,染色加工工程中で発生する有害な泡
を消すために用いられる。 

antifoaming agent 

7028 セルラーゼ 

セルロースを分解する性質をもつ酵素。セルロース系繊
維を減量化し織編物に自然な柔軟性の風合を与えること
ができる。 

cellulase 

7029 繊維保護剤 

染色中の繊維の変質及びぜい(脆)化を防止する目的で
用いる薬剤。 

fiber protective agent 

7030 洗浄剤 

繊維などの表面に付着した汚れを除去して清浄にする目
的で用いる界面活性剤。 

detergent 

background image

27 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7031 染色助剤 

染色を行うときに用いる染料以外の薬剤。酸,アルカリ,
酸化剤,還元剤,緩染剤,促染剤,均染剤,媒染剤,顕
色剤,染料固着剤,乳化剤,分散剤,染料溶解剤,繊維
保護剤,消泡剤などがある。 

dyeing assistant auxiliaries 

7032 染料 

水などの媒体に溶解又は分散し,繊維などに親和性があ
って吸着され,ほぼ満足できる堅ろう性をもつ色材。 

dyestuff 

7033 染料固着剤 

染色物及びな染物に適用し,その湿潤堅ろう度を向上さ
せる薬剤。フィックス剤ともいう。 

dye-fixing agent 

7034 促染剤 

染色の促進又は染着率の増大を目的に染浴に添加する助
剤。 

accelerator 

7035 多官能形反応染料 

染料分子中に複数の反応基をもつ反応染料。反応基を複
数もつことから繊維と反応する確率が増加し,固着率が
向上,排水中の着色負荷が減少する。 

polyfunctional reactive dye 

7036 直接染料 

直線形に近い分子構造をもち,セルロースと水素結合及
び疎水結合によって結合できるように親和性をもたせた
アニオン性染料。通常,綿,レーヨンなどの染色に用い
られる。媒染又は下づけなどの前処理なしで直接染色で
きるのでその名がある。 

direct dye 

7037 天然染料 

植物,昆虫などから採取する染料。植物から採る染料に
はあい(藍),紅花など,昆虫から採る染料には五倍子,
コチニールなどがある。 

natural dye 

7038 ナフトール染料, 

アゾイック染料 

繊維に,下づけ剤と顕色剤とを別個に付与し,繊維上で
水に不溶性のアゾ色素を合成し染色する染料。主として
セルロース系繊維の染色に用いられる。 

naphthol dye, 
azoic dye 

7039 乳化剤 

水と油との界面に吸着して,界面張力を下げ,エマルシ
ョンの安定な形成に寄与する界面活性剤。 

emulsifying agent 

7040 ハイドロサルファ

イト 

亜ジチオン酸ナトリウムの俗称。還元性をもち,バット
染料の染色,絹・羊毛の漂白,抜染,脱色などに用いら
れる。 

sodium hydrosulfite 

7041 バインダー 

顔料な染における顔料と繊維との結合剤,不織布の強度
を高めるための繊維同士の接着剤,植毛加工におけるパ
イルと基布の固着剤などの総称。 

binder 

7042 バット染料, 

建染染料 

水に不溶性であるが,アルカリ及びハイドロサルファイ
ト還元浴で水に可溶のロイコ体をつくり,セルロース系
繊維に染着し,その後の酸化処理によって元の不溶性と
なる染料。 

vat dye 

7043 反応染料 

分子中に反応基をもち,繊維中の官能基と共有結合を形
成することによって染着する洗濯堅ろう度に優れた染
料。セルロース繊維及び/又はポリアミド繊維の染色に
使用される。 

reactive dye 

7044 PVA 

ポリビニルアルコールの略称。ポリ酢酸ビニルをけん化
して得られる側鎖に水酸基をもつ水溶性高分子化合物。
たて糸のり剤に使われ,ビニロンの原料にもなる。 

poly (vinyl alcohol) 

7045 ピグメントレジン

カラー 

顔料を合成樹脂などによって繊維表面に接着又は固着さ
せるために調合された着色材料。顔料な染などに用いる。 

pigment resin color 

7046 プロテアーゼ 

たん白質の分解酵素。絹の精練,羊毛及び絹の改質に用
いられる。 

protease 

7047 分散剤 

水などの分散媒に固体状の物質を微粒子状に安定に分散
させる作用がある薬剤。 
 

dispersing agent 

background image

28 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7048 分散染料 

水に難溶性であり,水に分散した状態で用いられ、アセ
テート繊維,ポリエステル繊維などの疎水性繊維に親和
性のある染料。 

disperse dye 

7049 ペクチナーゼ 

ペクチンを分解する酵素。木綿の精練に用いられる。 

pectinase 

7050 ペルオキシダーゼ 

過酸化水素を水素受容体として種々の物質の酸化を触媒
する酵素。繊維表面に付着している未固着反応染料の除
去などに用いられる。 

peroxydase 

7051 ミネラルターペン 

石油系の溶剤。な染の分野では顔料樹脂エマルションの
り又はハーフエマルションのり調製用の溶剤として用い
られる。ミネラルスピリットともいう。 
 

mineral turpentine 

7052 ミリング形酸性染

料 

酸性染料の中で,染料の分子量が比較的大きく,湿潤堅
ろう度に優れる染料。主として羊毛の先染めに使用され
る。 

milling acid dye 

7053 ユニオン染料 

2種以上の繊維からなる複合素材用の配合染料。成分繊
維のそれぞれに適した染料があらかじめ配合してあり,
染色を容易にする。 

union dye 

7054 浴中柔軟剤 

染浴に添加して加工中の布の擦れ,あたりを防ぐ柔軟剤。 dyebath lubricant 

7055 硫化染料 

水不溶性染料であるが,硫化ソーダで還元することによ
って水に可溶となりセルロース繊維に染着し,その後の
酸化処理で不溶性となる染料。 

sulfur dye  

h) 染色堅ろう度 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8001 汗堅ろう度 

染色物の汗に対する耐性。変退色と白布汚染で評価され
る。試験法は,参考として,JIS L 0848参照。 

colorfastness to 

perspiration 

8002 ガス退色 

空気中に含まれる不純ガスによる退色。主として酸化窒
素ガスが問題となるが,酸化硫黄ガス及びオゾンの影響
も無視できない。 

color fading by gases 

8003 カーボンアーク灯

光堅ろう度 

染色物のカーボンアーク灯光照射に対する耐性。変退色
で評価される。試験法は,参考として,JIS L 0842参照。 

colorfastness to carbon arc 

8004 キセノンアーク灯

光堅ろう度 

染色物のキセノンアーク灯光照射に対する耐性。変退色
で評価される。試験法は,参考として,JIS L 0843参照。 

colorfastness to xenon arc 

8005 グレースケール 

染色堅ろう度試験で試験片の変退色及び,添付白布への
汚染の程度を視覚判定するための色票。定められた9段
階の尺度をもつ。変退色用と汚染用とがある。 

grey scale 

8006 湿潤堅ろう度 

染色堅ろう度試験のうち水,汗,洗濯など湿潤時の堅ろ
う度。試験方法は,参考として,JIS L 0844,JIS L 0845,
JIS L 0846,JIS L 0847及びJIS L 0848参照。 

wet colorfastness 

8007 昇華堅ろう度 

染色物の乾熱に対する耐性。変退色と白布汚染で評価さ
れる。加工工程中の昇華については,参考として,JIS L 
0879参照。 乾熱処理に対する染色堅ろう度試験及び貯
蔵中の昇華については,参考として,JIS L 0854参照。 

sublimation colorfastness 

8008 染色堅ろう度 

繊維製品の製造工程又はその後の使用及び保管中の作用
に対する色の耐性。 

colorfastness 

8009 洗濯堅ろう度 

染色物の家庭洗濯及び商業洗濯に対する耐性。変退色と
白布汚染で評価される。参考として,JIS L 0844参照。 

colorfastness to washing 

and laundering 

8010 窒素酸化物堅ろう

度 

染色物のNOxに対する耐性。変退色で評価される。参考
として,JIS L 0855参照。 

colorfastness to nitrogen 

oxides 

background image

29 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8011 添付白布 

堅ろう度試験を行うとき,汚染判定のために試験片に添
付する白布。参考として、JIS L 0803参照。 

standard adjacent fabrics 

8012 ドライクリーニン

グ堅ろう度 

染色物の溶剤洗浄に対する耐性。変退色と白布汚染で評
価される。参考として,JIS L 0860参照。 

colorfastness to dry 

cleaning 

8013 日光堅ろう度 

染色物の日光に対する耐性。変退色で評価される。参考
として,JIS L 0841参照。 
 

colorfastness to light 

8014 光及び汗堅ろう度 

染色物に汗が付着した状態での露光に対する耐性。変退
色で評価される。試験方法は,参考として,JIS L 0888
参照。 
 

colorfastness to light and 

perspiration 

8015 光堅ろう度 

染色物の光に対する耐性。変退色で評価される。自然光
によるものと人工光によるものがある。試験方法は,参
考として,JIS L 0841,JIS L 0842及びJIS L 0843参照。 

colorfastness to light 

8016 複合試験片 

堅ろう度評価のための添付白布をつけた試験片。 

composite specimen 

8017 ブルースケール 

光堅ろう度試験で試験布とともに露光し,試験布の変退
色の程度と比較するための基準となる試料。標準青色染
布ともいう。 

blue scale 

8018 変退色 

繊維に染まっている染料などが光照射,熱処理,湿潤処
理,ガスなどの外的作用によって化学的に分解したり,
物理的に脱落することによって変色又は退色する現象。 

change in color 

8019 ポッティング堅ろ

う度 

染色物の熱湯に対する耐性。変退色と白布汚染で評価さ
れる。試験方法は,参考として,JIS L 0845及び 0875
参照。 

colorfastness to potting 

8020 ホットプレッシン

グ堅ろう度  

染色物のホットプレッシングに対する耐性。変退色と白
布汚染で評価される。試験方法は,参考として,JIS L 
0850参照。 

colorfastness to hot 

pressing 

8021 摩擦堅ろう度 

染色物の摩擦に対する耐性。白布汚染で評価される。試
験方法は,参考として,JIS L 0849参照。 

colorfastness to rubbing 

8022 多繊交織布, 

マルチフアイバー 

JIS L 0803で規定される染色堅ろう度試験用添付白布の
一種で,交織1号〜3号まであり,汚染性を評価するの
に用いられる。 

multifiber test fabrics 

8023 水堅ろう度 

染色物の水に対する耐性。変退色と白布汚染とで評価さ
れる。試験方法は,参考として,JIS L 0846参照。 

color fastness to water 

i) 

環境 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

9001 環境マネジメント

システム, 

EMS 

全体的なマネジメントシステムの一部で,環境方針を作
成し,実施し,達成し,見直しかつ維持するための,組
織の体制,計画活動,責任,慣行,手順,プロセス及び
資源を含むもの(JIS Q 14050参照)。 
参考.環境汚染の予防,廃棄物削減,資源・エネルギー
の削減などの環境保全をテーマにして,その継続的改善
を組織的に推進する経営システム。 

environmental 

management system 

9002 エンドオブパイ

プ, 

EOP 

工場の排水など最終出口を意味する。EOPで排水処理す
るのではなく,工程の改善など発生源での負荷削減が望
ましいなどの使い方をする。 

end of pipe 

9003 オゾン処理 

オゾンの酸化作用を利用した処理。有機物の分解のほか,
殺菌,脱色,脱臭などの効果がある。 

ozone treatment 

background image

30 

L 0207:2005  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

9004 化学的酸素要求量, 

COD 

水中の有機物を過マンガン酸カリなどの酸化剤で分解す
る際に消費される酸素の量。水の有機汚濁度の指標の一
つである。 
 

chemical oxygen demand 

9005 化学物質安全デー

タシート, 

MSDS, 
製品安全シート 

化学物質からなる製品について,名称,物理化学的性状,
有害性の有無及びその程度,万一の事故,体内吸収など
不慮の取扱い事故への対処法などを記載したシート(JIS 
Z 7250参照)。 

material safety data sheet 

9006 活性汚泥処理 

微生物の集合体である活性汚泥の酸化分解及び/又は吸
着作用を利用した,生物学的な排水浄化処理。 

activated sludge treatment 

9007 活性炭処理 

活性炭の有機物吸着能を利用した処理。液体・気体の浄
化及び/又は排水の高度処理として用いられている。 

activated carbon treatment  

9008 凝集剤 

排水処理においてコロイド状の粒子を凝集させる薬剤。
硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩,塩化鉄などの
鉄塩,特殊な高分子化合物などがある。 

coagulant 

9009 凝集沈殿処理 

凝集剤を用いて排水中のコロイド状物質を凝集沈殿させ
る排水処理。 

coagulation-sedimentation 

process 

9010 クリーナプロダク

ションテクノロ
ジー 

原材料の選択,生産方式の改善,製品の設計改善などに
よって,汚染物質の発生及び排出を抑制する製造技術。 

cleaner production 

technology 

9011 クローズドシステ

ム 

生産活動に伴って発生する排水,排ガス,廃棄物などを
回収・有効利用して,これらを工場外に排出させないシ
ステム。 

closed system 

9012 嫌気性生物処理 

酸素のないところに生息する嫌気性微生物を利用して排
水中の有機汚濁物質を分解する排水処理。 

anaerobic biological 

treatment 

9013 好気性生物処理 

溶存酸素が存在するところに生息する好気性微生物を利
用して排水中の有機汚濁物質を分解する排水処理。 

aerobic biological 

treatment 

9014 固液分離処理 

スクリーン,沈降,浮上などの手段によって排水中の懸
濁物質を分離する処理。 

solid-liquid separation 

treatment 

9015 生物化学的酸素要

求量, 

BOD 

水中の好気性微生物が,溶存酸素の存在のもとで水中の
有機物を酸化分解するときに消費する溶存酸素の量。水
の汚濁度の指標の一つである。 

biochemical oxygen 

demand 

9016 ゼロエミッション 

工場の事業活動に伴って排出される廃棄物を新たに原料
として活用しあらゆる廃棄物“ゼロ”を目指す体系。 

zero-emission 

9017 TOC 

水中の有機物に含まれる全炭素量。これを測定すること
によってCOD・BODの値よりも更に正確な有機汚濁度
を知ることができる。 

total organic carbon 

9018 排水着色度 

排水の着色の度合いを評価する数値。測定法としては希
釈倍率法,吸光度測定法などがある。 

degree of 

wastewater-coloring 

9019 ばっ(曝)気処理 

活性汚泥処理において,排水中に空気を送るなどして,
微生物の活動を高め酸化分解を促進させる処理。 

aeration treatment 

9020 PRTR法 

特定化学物質の環境への排出量の把握等,及び管理の改
善の促進に関する法律。各事業所が特定化学物質の大気,
排水,土壌への排出量及び廃棄物などの移動量を把握し
て届出を行い,自らそれら物質を管理する。 

pollutant release and 

transfer register 

9021 膜分離 

排水処理において,水中の微細な浮遊物,コロイド,溶
解性物質などを膜によって分離,除去する操作。 

membrane separation 

 
 

31 

L 0207:2005  

関連規格 JIS L 0841 日光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0843 キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0845 熱湯に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0846 水に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0847 海水に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0850 ホットプレッシングに対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0854 昇華に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0855 窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0860 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0875 ポッティングに対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0879 乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS L 0888 光及び汗に対する染色堅ろう度試験方法 

JIS Q 14050 環境マネジメント−用語 

JIS Z 7250 化学物質等安全データシート(MSDS)−第1部:内容及び項目の順序