2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 9704-1994
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−
1,3−プロパンジオール(試薬)
2-Amino-2-hydroxymethyl-1, 3-propanediol
C4H11NO3 FW : 121.14
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオー
ル(1)について規定する。
注(1) 別名:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0113 電位差・電流,電量,カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールは,次の性質を示す。
(1) 性状 2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールは,白〜うすい黄の結晶又は結晶
性粉末で,水に溶けやすく,エタノール及びジエチルエーテルに溶けにくい。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 350cm−1,1 590cm−1,
1 290cm−1,1 090cm−1,1 020cm−1,980cm−1及び630cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料
調製はJIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を,図1に示す。
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K 9704-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
99.0%以上
水溶状
試験適合
融点
169〜173℃
乾燥減量
0.5%以下
強熱残分(硫酸塩)
0.05%以下
pH (0.1mol/l, 25℃)
10.0〜10.8
塩化物 (CI)
0.001%以下
硫酸塩 (SO4)
0.001%以下
銅 (Cu)
5ppm以下
鉛 (Pb)
5ppm以下
鉄 (Fe)
5ppm以下
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 99.0%以上
試料2g(0.1mgのけたまではかる)+二酸化炭素を含まない水50ml→1mol/l塩酸を用い,JIS K 0113
の5.(電位差滴定方法)を行う。
1mol/l塩酸1mlは,0.121 14g H2NC (CH2OH) 3に相当する。
(2) 水溶状 試料2g+水 (→20ml) ……ほとんど澄明以内。
(3) 融点 169〜173℃
JIS K 8001の5.4(融点及び溶融範囲)による。
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K 9704-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 乾燥減量 (105℃) 0.5%以下
JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。
試料1g(0.1mgのけたまではかる)を用いて105℃で2時間乾燥し,減量5mg以下。
(5) 強熱残分(硫酸塩) 0.05%以下
JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
試料2.0gを用い,減量1mg以下。
(6) pH(0.1mol/l溶液,25℃) 10.0〜10.8
試料溶液 試料1.21g+水 (→100ml) 。
操作 JIS K 8001の5.5 (pH) による。
(7) 塩化物 (Cl) 0.001%以下
試料側溶液 試料1.0g+硝酸 (1+2) 5ml+水 (→20ml) 。
標準側溶液 塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 1.0ml+硝酸 (1+2) 5ml+水 (→20ml) 。
操作 JIS K 8001の5.7(1)(比濁法)による。
(8) 硫酸塩 (SO4) 0.001%以下
試料側溶液 試料5g+水10ml+塩酸 (2+1) 6ml→水浴上蒸発乾固+塩酸 (2+1) 0.3ml+水 (→
25ml) 。
標準測溶液 塩酸 (2+1) 6ml→水浴上蒸発乾固+硫酸塩標準液 (0.01mgSO4/ml) 5.0ml+塩酸 (2+1)
0.3ml+水 (→25ml) 。
操作 JIS K 8001の5.15(1)(比濁法)による。
(9) 銅 (Cu) 5ppm以下
試料側溶液 試料10g+水30ml→溶解+塩酸 (2+1) 12ml+水 (→100ml) (X液)[(10)及び(11)の試
験にも用いる]。
標準側溶液 試料10g+水30ml→溶解+塩酸 (2+1) 12ml+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 5.0ml+鉛標準
液 (0.01mgPb/ml) 5.0ml+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 5.0ml+水 (→100ml) (Y液)[(10)及び(11)の試験に
も用いる]。
操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長324.7nm。
(10) 鉛 (Pb) 5ppm以下
試料側溶液 (9)のX液。
標準側溶液 (9)のY液。
操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長283.3nm。
(11) 鉄 (Fe) 5ppm以下
試料側溶液 (9)のX液。
標準側溶液 (9)のY液。
操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長248.3nm。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール”及び“試薬”の文字
(2) 種類
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K 9704-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
細 川 幹 夫
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
地 崎 修
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味男
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
中 村 穣
森田化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会