サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

K 9552:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 3 

6 試験方法 ························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 吸光度(0.04 g/L,440 nm)(乾燥後) ··············································································· 3 

6.3 乾燥減量 ······················································································································ 5 

6.4 鋭敏度 ························································································································· 5 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 7 

K 9552:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 9552:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 9552:2015 

メチルチモールブルー(試薬) 

Methylthymol blue (Reagent) 

C37HnN2NamO13S(n+m=44,m=1又は4) 

FW:778.80(m=1)又は844.74(m=4) 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるメチルチモールブルー1)について規定する。 

注1) メチルチモールブルーには,一ナトリウム塩及び四ナトリウム塩がある。それぞれに対応した化

学名を次に示す。 

化学名(一ナトリウム塩の場合):2-[[2-メチル-3-[[ビス(カルボキシメチル)アミノ]メチル]-4-

オキソ-5-イソプロピル-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン][2-メチル-3-[[ビス(カルボキシメチ

ル)アミノ]メチル]-4-ヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル]メチル]ベンゼン(スルホン酸ナトリウ

ム) 

化学名(四ナトリウム塩の場合):3,3-ビス[5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチル-3-[[N,N-ビ

ス[(ソジオオキシカルボニル)メチル]アミノ]メチル]フェニル]-3H-2,1-ベンゾオキサチオール1,1-

ジオキシド 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引

用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

K 9552:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬) 

JIS K 8736 エリオクロムブラックT(試薬) 

JIS K 8844 ブロモフェノールブルー(試薬) 

JIS K 8891 メタノール(試薬) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

メチルチモールブルーは,黄みの黒から,緑みの黒の粉末で,水に溶けやすく,エタノールに極めて溶け

にくく,ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。水溶液の色は,酸性で黄,アルカリ性では青系統である。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 427 cm-1,2 959 cm-1,1 629 cm-1,

1 409 cm-1,1 321 cm-1,1 222 cm-1,1 187 cm-1,1 139 cm-1,1 019 cm-1,914 cm-1,702 cm-1,616 cm-1及び554 

cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製はJIS K 0117の5.3(粉体)のa)(錠剤法)によ

る。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。試料には,四ナトリ

ウム塩のメチルチモールブルーを用いた。 

background image

K 9552:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のスペクトルデータベースシステム(SDBS)から引

用したものである。 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

吸光度(0.04 g/L,440 nm)(乾燥後) 

0.40以上 

6.2 

乾燥減量 

質量分率 % 

10.0以下 

6.3 

鋭敏度 

試験適合 

6.4 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

吸光度(0.04 g/L,440 nm)(乾燥後) 

吸光度(0.04 g/L,440 nm)(乾燥後)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 水酸化カリウム溶液(250 g/L)(必要な場合に用いる。) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 

gを水に溶かして100 mLにする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

2) ブロモフェノールブルー溶液 JIS K 8844に規定するブロモフェノールブルー0.10 gをJIS K 8102に

規定するエタノール(95)50 mLに溶かし,水で100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 0.01 mol/L 塩酸 0.1 mol/L 塩酸のファクターから計算した必要な体積を全量フラスコ500 mLに正

確にとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。 

4) 0.1 mol/L 塩酸(HCl:3.646 g/L) 0.1 mol/L塩酸の調製,標定及び計算は,次による。 

K 9552:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1) 調製 JIS K 8180に規定する塩酸(特級)9 mLをとり,水を加えて1 000 mLとし,混合した後,

気密容器に入れて保存する。 

4.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを

用い,次のとおり行う。 

4.2.1) 認証標準物質2)の炭酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

4.2.2) 容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で乾燥

する。 

4.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム0.12 g〜0.16 gを0.1 mgの桁まではかり

とり,コニカルビーカー200 mLなどに移し,水20 mLを加えて溶かす。指示薬としてブロモフェ

ノールブルー溶液数滴を加え,4.1)で調製した0.1 mol/L 塩酸で滴定する。この場合,終点付近で

煮沸して二酸化炭素を除き,冷却した後,引き続き滴定を行う。終点は,液の色が青紫から青み

の緑になる点とする。 

注2) 認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合セン

ター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準物質

生産者がある。 

4.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

99

2

005

.0

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.1 mol/L 塩酸のファクター 

m: はかりとった炭酸ナトリウムの質量(g) 

A: 炭酸ナトリウムの純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/L 塩酸の体積(mL) 

0.005 299: 0.1 mol/L 塩酸1 mLに相当する炭酸ナトリウムの質量を示

す換算係数(g/mL) 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。 

2) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.3の残分0.10 gを0.1 mgの桁まではかりとり,全量フラスコ100 mLに移し,

0.01 mol/L 塩酸を加えて溶かし,0.01 mol/L 塩酸を標線まで加えて混合する(A液)(A液は,6.4の

試験にも用いる。)。A液4.0 mL(試料量4.0 mg)を全量フラスコ100 mLに正確にとり,0.01 mol/L 塩

酸を標線まで加えて混合する。 

2) 吸収セルを用い,分光光度計で波長440 nm付近の吸収極大の波長における試料溶液の吸光度を,調

製した0.01 mol/L 塩酸を対照液としてJIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測

定する。 

d) 計算 吸光度(0.04 g/L,440 nm)は,次の式によって算出する。 

m

A

A

10

.0

=

ここに, 

A: 吸光度(0.04 g/L,440 nm) 

Am: 吸光度の測定値 

m: c) 1)ではかりとった試料の量(g) 

0.10: c) 1)で規定されたはかりとり試料量(g) 

K 9552:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3 

乾燥減量 

乾燥減量は,JIS K 0067の4.1.4 (4)(第4法 減圧下で乾燥剤を用いて乾燥する方法)による。この場合,

試料1.0 gを0.1 mgの桁まではかりとる(残分は,6.2の試験に用いる。)。 

6.4 

鋭敏度 

鋭敏度の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) アンモニア性塩化アンモニウム溶液(pH10) JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム7 gにJIS K 

8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %〜25.0 %)57 mL及び水を加えて溶かし,水で100 mL

にする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に密栓して保存する。 

2) エリオクロムブラックT希釈粉末(必要な場合に用いる。) JIS K 8736に規定するエリオクロムブラ

ックT 0.10 g及びJIS K 8150に規定する塩化ナトリウム10 gを混合する。褐色ガラス製瓶に保存す

る。 

3) エリオクロムブラックT溶液(必要な場合に用いる。) JIS K 8736に規定するエリオクロムブラック

T 0.5 gをJIS K 8891に規定するメタノールに溶かして100 mLにする。これにJIS K 8201に規定す

る塩化ヒドロキシルアンモニウム0.5 gを加えて溶かす。褐色ガラス製瓶に保存する。 

4) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合する。 

5) 塩酸(1+2) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積1と水の体積2とを混合する。 

6) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2とを

混合する。 

7) 0.01 mol/L 亜鉛溶液(Zn:0.653 8 g/L) 0.01 mol/L 亜鉛溶液の調製及び計算は,次による。 

7.1) 調製 調製は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の亜鉛を用い,次の

とおり行う。 

7.1.1) 認証標準物質2)の亜鉛を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

7.1.2) 容量分析用標準物質の亜鉛を用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で乾燥する。 

7.1.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質の亜鉛0.33 gを0.1 mgの桁まではかりとり,共通すり合

わせ冷却管が付けられる三角フラスコ200 mLに移し,水25 mL及び硝酸(1+2)25 mLを加え,

冷却管を付けて水浴上で加熱して溶かす。次に,穏やかに煮沸して窒素酸化物を除いた後,放冷

し,全量フラスコ500 mLに移し,溶かすのに使用した三角フラスコ及び冷却管の内部を水洗し,

洗液を先の全量フラスコ500 mLに加え,更に水を標線まで加えて混合した後,気密容器に入れて

保存する。 

7.2) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

0

9

.326

0

1

A

m

f

×

=

ここに, 

f1: 0.01 mol/L 亜鉛溶液のファクター 

m: はかりとった亜鉛の質量(g) 

A: 亜鉛の純度(質量分率 %) 

0.326 90: 0.01 mol/L 亜鉛溶液500 mL中の亜鉛の質量(g) 

8) 0.01 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.01 mol/L EDTA2Na溶液)

(C10H14O8N2Na2・2H2O:3.722 g/L) 0.01 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液の

調製,標定及び計算は,次による。 

K 9552:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.1) 調製 JIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(EDTA2Na)3.8 

gをはかりとり,水1 000 mLを加えて溶かした後,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に入れて保

存する。 

8.2) 標定 標定は,次のとおり行う。 

0.01 mol/L 亜鉛溶液25 mLをコニカルビーカー200 mLなどに正確にとり,水75 mLを加えて,

アンモニア性塩化アンモニウム溶液(pH10)5 mL及び指示薬としてエリオクロムブラックT希釈

粉末0.02 g〜0.03 g又はエリオクロムブラックT溶液2,3滴を加え,8.1)で調製した0.01 mol/L 

EDTA2Na溶液で滴定する。終点は,液の色が赤から青に変わった点とする。 

8.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

V

f

f

25

=

ここに, 

f: 0.01 mol/L EDTA2Na溶液のファクター 

f1: 0.01 mol/L 亜鉛溶液のファクター 

V: 滴定に要した0.01 mol/L EDTA2Na溶液の体積(mL) 

9) カルシウム溶液(0.01 mol/L) カルシウム標準液(Ca:1 mg/mL)10 mLと水15mLとを混合する。 

なお,カルシウム標準液(Ca:1 mg/mL)は,次のいずれかのものを用いる。 

9.1) 計量標準供給制度[JCSS 3)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した

場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。 

9.2) JCSS以外の認証標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な場

合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販の標準

液を用いる。 

9.3) JIS K 8617に規定する炭酸カルシウム2.50 gに水50 mL及び塩酸(2+1)15 mLを加え,沸騰しな

い程度に加熱して溶かし,さらに二酸化炭素を除き,冷却する。これを全量フラスコ1 000 mLに移

し,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレンなどの樹脂製瓶などに保存する。 

注3) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

10) 0.02 mol/L 水酸化ナトリウム溶液 0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクターから計算した必要

な体積を全量フラスコ500 mLに正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合した後,

ポリエチレンなどの樹脂製瓶などに保存する。使用時に調製する。 

なお,0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,次による。 

10.1) 調製 二酸化炭素を除いた水20 mLをポリエチレンなどの樹脂製瓶100 mLにとり,JIS K 8576に

規定する水酸化ナトリウム36 gを少量ずつ加えて溶かし,栓をして4,5日間放置する。その上澄

み液10 mLをポリエチレンなどの樹脂製瓶1 000 mLにとり,二酸化炭素を除いた水1 000 mLを加

える(B液)。10.2)及び10.3)に従い,B液のファクターを求めた後,B液を全量フラスコ500 mL(ポ

リプロピレンなどの樹脂製のもの)に標線まで入れ,それにファクターが1.000になるように計算

量の二酸化炭素を除いた水を正確に加える。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。加える二酸

化炭素を除いた水の体積は,次の式によって算出する。 

500

)

000

.1

(

×

=f

V

ここに, 

V: 加える水の体積(mL) 

f: 標定によって求められたファクター 

10.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を用い,

次のとおり行う。 

K 9552:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10.2.1) 認証標準物質2)のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

10.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で乾燥する。 

10.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質のアミド硫酸0.4 g〜0.5 gを0.1 mgの桁まではかりコニカ

ルビーカー100 mLに移し,水25 mLを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶

液数滴を加え,B液で滴定する。終点は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。 

10.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

419

019

.0

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積(mL) 

0.019 419: 0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド硫

酸の質量を示す換算係数(g/mL) 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,6.2 c) 1)で調製したA液0.20 mL(試料量0.2 mg)を三角フラスコ200 mLなどに

とり,0.02 mol/L 水酸化ナトリウム溶液100 mLを加える(C液)。白の背景を用いて,三角フラスコ

の上方又は側面からC液の色を観察する。 

2) C液にカルシウム溶液(0.01 mol/L)0.05 mLを加える(D液)。白の背景を用いて,三角フラスコの

上方又は側面からD液の色を観察する。 

3) D液に0.01 mol/L EDTA2Na溶液0.10 mLを加える(E液)。白の背景を用いて,三角フラスコの上方

又は側面からE液の色を観察する。 

c) 判定 b)によって操作し,次の1),2)及び3)に適合するとき,“鋭敏度:試験適合”とする。 

1) C液の色は,ごく僅か青又はほとんど無色となる。 

2) D液の色は,C液の色より青が濃くなる。 

3) E液の色は,無色に変わる。 

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“メチルチモールブルー”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 内容量 

f) 

製造番号 

g) 製造業者名又はその略号