2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 9548-1994
3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン
(試薬)
3-Methyl-1-phenyl-5-pyrazolone
C10H10N2O FW : 174.20
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンについて規定す
る。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンは,次の性質を示す。
(1) 性状 3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンは,白〜うすい黄色の結晶性粉末で,エタノール及び
N,N−ジメチルホルムアミドに溶けやすく,水及びジエチルエーテルに溶けにくい。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数2 620cm-1,1 600cm-1,
1 500cm-1,1 390cm-1,1 310cm-1,1 150cm-1,1 030cm-1及び800cm-1付近に主な吸収を認める。この場
合,試料調製はJIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
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図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
N, N−ジメチルホルムアミド溶状
試験適合
融点
128〜131℃
乾燥減量
1.0%以下
強熱残分(硫酸塩)
0.1%以下
シアン化物分析適合性
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) N, N−ジメチルホルムアミド溶状
試料0.30g+N, N−ジメチルホルムアミド (→20ml) ……澄明[(5)の試験に用いる]。
(2) 融点 128〜131℃
JIS K 8001の5.4による。
(3) 乾燥減量 1.0%以下
JIS K 0067の4.1.4(4)(減圧下で乾燥剤を用いて乾燥する方法)による。試料1.0g(0.1mgのけたま
ではかる)を用いて18時間乾燥し,減量10mg以下。
(4) 強熱残分(硫酸塩) 0.1%以下
JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)(4.2)による。試料1.0g及び硫酸0.5ml
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を用い,残分1mg以下。
(5) シアン化物分析適合性
試料溶液:4−ピリジンカルボン酸(純度99.0%以上)1.5g+水酸化ナトリウム溶液 (40g/l) 20ml→溶
かす→塩酸 (1+10) でpH7.0に調節+(1)の溶液20ml+水 (→100ml)。
試験溶液:シアン化物標準液 (0.01mgCN/ml) 10ml(正確にとる)→全量フラスコ250mlに入れる→水
を標線まで加える→その20ml(正確にとる)→全量フラスコ50mlに入れる。
空試験溶液:水20ml→全量フラスコ50mlに入れる。
操作:①試験溶液,空試験溶液それぞれに,+りん酸塩緩衝液 (pH7.2) (1)10ml+pトルエンスルホン
クロロアミドナトリウム溶液 (10g/l) 0.5ml→栓をして約25℃で5分間放置+試料溶液10ml(正確にと
る)→水を標線まで加える→栓をして振り混ぜる→約25℃で30分間放置。
②吸収セル10mmを用い,波長638nm付近の吸収極大の波長におけるそれぞれの吸光度を水を対照
液として測定……それぞれ0.50以上,0.01以下。
注(1) りん酸塩緩衝液 (pH7.2) の調製 りん酸水素二ナトリウム3.6g+水60ml→りん酸二水素カリウ
ム溶液[りん酸二水素カリウム2.0g+水 (→10ml)]でpH7.2に調節+水 (→100ml)。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 内容量
(5) 製造番号
(6) 製造業者名又はその略号
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
細 川 幹 夫
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
地 崎 修
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
中 村 穣
森田化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会