2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 9545-1994
ビス(3−メチル−1−フェニル−
5−ピラゾロン)(試薬)
Bis (3-methyl-1-phenyl-5-pyrazolone)
C20H18N4O2 FW : 346.39
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるビス(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)(1)につい
て規定する。
注(1) 別名:3,3ʼ−ジメチル−1,1ʼ−ジフェニル−4,4ʼ−ビ(5−ピラゾロン)
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 ビス(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)は,次の性質を示す。
(1) 性状 ビス(3−メチル+フェニル−5−ピラゾロン)は,白〜うすい黄色の結晶性粉末で,水にほと
んど溶けない。水酸化ナトリウム溶液に溶ける。融点は約310℃である。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1 600cm−1,1 500cm−1,
1 410cm−1,1 310cm−1,830cm−1,750cm−1及び710cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調
製は,JIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
2
K 9545-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
97.0%以上
N,N−ジメチルホルムアミド溶状
試験適合
強熱残分(硫酸塩)
0.1%以下
シアン化物分析適合性
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 97.0%以上
試料0.5g(0.1mgのけたまではかる)+N, N−ジメチルホルムアミド100m1→温めて溶かす→冷却
→0.1mol/lナトリウムメトキシド・ベンゼン溶液を用いJIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって
電位差滴定を行う。
なお,指示電極にはガラス電極,参照電極には塩化銀電極を用いる。
別に同条件で空試験を行って滴定量を補正する。
0.1 mol/lナトリウムメトキシド・ベンゼン溶液1mlは,0.034 639gC20H18N4O2に相当する。
(2) N, N−ジメチルホルムアミド溶状
試料0.1g+N, N−ジメチルホルムアミド (→20ml) →温める……澄明。
(3) 強熱残分(硫酸塩) 0.1%以下
3
K 9545-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)(4.2)による。試料1.0g及び硫酸0.5ml
を用い,残分1mg以下。
(4) シアン化物分析適合性
試料溶液:試料20mg+3−メチル−フェニル−5−ピラゾロン250mg+N, N−ジメチルホルムアミド
20ml→温めて溶かす→冷却+ピリジン20ml+水80ml。
測定溶液:シアン化物標準液 (0.01mgCN/ml) 1.0ml→全量フラスコ10mlに入れる→水を標線まで加
える→その1.0ml (0.001mgCN/ml) +りん酸塩緩衝液 (pH6.8) (2) 2.0ml+p−トルエンスルホンクロロ
アミドナトリウム溶液 (0.3g/l) (3) 0.3ml→密栓をして緩く振り混ぜる→5分間放置+試料溶液3.0ml→
密栓をして緩く混ぜる→25℃で30分間放置。
操作:吸収セル10mmを用い,620nm付近の吸収極大の波長における測定溶液の吸光度を水を対照
液として測定(測定値a)→更に25℃で60分間放置→再び測定(測定値b)……吸光度の減少率6%
以下。
計算:次の式によって吸光度の減少率 (%) を求める。
100
(%)
×
−
=bb
a
減少率
注(2) りん酸塩緩衝液 (pH6.8) の調製 りん酸二水素カリウム3.40g+りん酸水素二ナトリウム3.55g
+水 (→1 000m1)。
(3) p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液 (0.3g/l) の調製 p−トルエンスルホンクロ
ロアミドナトリウム三水和物1.25g+水 (→100ml) →その3.0ml+水 (→100ml)。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “ビス(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
4
K 9545-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
細 川 幹 夫
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
地 崎 修
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
中 村 穣
森田化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会