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K 9524:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度(C22H18As2N4O14S2)(乾燥物換算) ············································································ 3 

6.3 吸光度(16 mg/L,540 nm)(乾燥物換算) ········································································· 5 

6.4 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 5 

6.5 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 5 

6.6 カルシウム(Ca) ·········································································································· 6 

6.7 鋭敏度 ························································································································· 7 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 7 

K 9524:2016  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 9524:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 9524:2016 

アルセナゾIII(試薬) 

Arsenazo III (Reagent) 

C22H18As2N4O14S2   FW:776.37 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるアルセナゾIII 1) について規定する。 

注1) 化学名:2,7-(ビス(2-アルソノフェニルアゾ))-1,8-ジヒドロキシナフタレン-3,6-ジスルホン酸 

警告1 アルセナゾIIIは,有毒で吸引,皮膚などへの付着に注意する。また,燃焼によって有害なガ

スを発生する。 

警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート),MSDS(化学物質等安全データシ

ート:JIS Z 7250は2012年に廃止され,JIS Z 7253に移行。JIS Z 7250:2010に従ってよい猶

予期間は2016年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健康に対する適切な措

置をとらなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬) 

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JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 9551 過塩素酸バリウム(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

アルセナゾIIIは,暗い緑又は紫の結晶又は粉末で,水にやや溶けにくく,エタノール(99.5)及びジエ

チルエーテルにほとんど溶けない。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数1 570 cm-1,1 490 cm-1,1 210 cm-1,

1 180 cm-1,1 040 cm-1,770 cm-1及び660 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS K 0117の

5.2 b)(錠剤法)によって行い,調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

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表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C22H18As2N4O14S2) 
(乾燥物換算) 

質量分率 % 

97.0〜103.0 

6.2 

吸光度(16 mg/L,540 nm) 
(乾燥物換算) 

0.50以上 

6.3 

乾燥減量(105 ℃) 

質量分率 % 

5.0以下 

6.4 

強熱残分(硫酸塩) 

質量分率 % 

1.0以下 

6.5 

カルシウム(Ca) 

質量分率 % 

0.1以下 

6.6 

鋭敏度 

試験適合 

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。 

6.2 

純度(C22H18As2N4O14S2)(乾燥物換算) 

純度(C22H18As2N4O14S2)(乾燥物換算)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及

び計算は,次による。 

1.1) 調製 調製は,次のいずれかによる。 

1.1.1) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム(質量分率100 %として)40 gを,ポリエチレンなどの

樹脂製容器にはかりとり,JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)に規定する二酸化炭素

を除いた水100 mLを加えて溶かし,冷却後,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に移し,一昼

夜以上放置する。その液をポリエチレンなどの樹脂製容器1 000 mLに移し,二酸化炭素を除い

た水を加えて1 000 mLとし,混合する。この液は,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に保存

する。 

1.1.2) 高純度水酸化ナトリウム溶液又は半導体用水酸化ナトリウム溶液を質量分率100 %として40 g

となる量をはかりとり,二酸化炭素を除いた水1 000 mLに溶かし,その液を約1時間かくはん

(攪拌)する(必要があれば,約24時間放置後,0.2 μmのフィルターでろ過する。)。この液は,

ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に保存する。 

1.1.3) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gをポリエチレンなどの樹脂製気密容器500 mLに

はかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mLを加えて溶かした後,一昼夜以上放置する。その液

5.4 mLをポリエチレンなどの樹脂製気密容器1 000 mLにとり,二酸化炭素を除いた水を加えて

1 000 mLとし,混合する。この液は,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に保存する。 

1.2) 標定 認証標準物質のアミド硫酸の必要量を認証書に記載の条件で,又は容量分析用標準物質の

アミド硫酸の必要量を試験成績書若しくは添付文書に記載された乾燥条件で,乾燥する。その2.4 

g〜2.6 gを0.1 mgの桁まではかりとり,コニカルビーカー100 mLなどに移し,水25 mLを加えて

溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶液数滴を加え,1.1) で調製した1 mol/L 水酸

化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液の色が黄から青みの緑に変わる点とする。または,JIS 

K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス電極,参照電極に銀−塩化銀電極を

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用いて,1.1) で調製した1 mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定を行う。終点は変曲点とする。 

1.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

09

097

.0

1

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f1: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積

(mL) 

0.097 09: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド

硫酸の質量を示す換算係数(g/mL) 

2) 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(4.00 g/L) 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定及び計

算は,次による。 

2.1) 調製 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液10 mLをポリエチレンなどの樹脂製全量フラスコ100 mLに

正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加え,混合する。この液は,ポリエチレンなどの

樹脂製気密容器に保存する。 

2.2) 標定 認証標準物質のアミド硫酸の必要量を認証書に記載の条件で,又は容量分析用標準物質の

アミド硫酸の必要量を試験成績書若しくは添付文書に記載された乾燥条件で,乾燥する。その0.24 

g〜0.26 gを0.1 mgの桁まではかりとり,コニカルビーカー100 mLなどに移し,水25 mLを加え

て溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶液数滴を加え,2.1) で調製した0.1 mol/L 水

酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液の色が黄から青みの緑に変わる点とする。または,

JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス電極,参照電極に銀−塩化銀電

極又は指示電極と参照電極を組み合わせた複合電極を用いて,2.1) で調製した0.1 mol/L水酸化ナ

トリウム溶液で滴定を行う。終点は変曲点とする。 

2.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

709

009

.0

A

V

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積

(mL) 

0.009 709: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド

硫酸の質量を示す換算係数(g/mL) 

b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。 

自動滴定装置 最小滴定量が0.005 mL以下のもので,1 mVの電位差を読み取れる電位差計をもつ

装置。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

試料0.25 g〜0.28 gをビーカー100 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,水50 mLを加えて溶かし,

0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液で,JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス

電極,参照電極に銀−塩化銀電極又は指示電極と参照電極を組み合わせた複合電極を用いて滴定する。

終点は,1段目の変曲点とする。 

d) 計算 純度(C22H18As2N4O14S2)(乾燥物換算)は,次の式によって算出する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

100

1

409

019

.0

×

×

×

×

=

C

m

f

V

A

ここに, 

A: 純度(C22H18As2N4O14S2)(質量分率 %)(乾燥物換算) 

V: 滴定に要した0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積

(mL) 

f: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

C: 6.4で得られた乾燥減量(質量分率 %) 

0.019 409: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当する

C22H18As2N4O14S2の質量を示す換算係数(g/mL) 

6.3 

吸光度(16 mg/L,540 nm)(乾燥物換算) 

吸光度(16 mg/L,540 nm)(乾燥物換算)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) 6.2 a) 1) による。 

2) 1 mol/L 塩酸(HCl:36.46 g/L) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)90 mLをとり,水を加えて1 000 

mLとし,混合した後,気密容器に入れて保存する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。 

2) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料0.08 gを全量フラスコ100 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,1 mol/L水酸化ナトリウム溶液

1.0 mLを加え,水を標線まで加え混合する(A液)(6.7の試験にも用いる。)。 

2) A液2 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,1 mol/L塩酸10 mLを加え,水を標線まで加え混

合する。 

3) 吸収セル10 mmを用いて,波長540 nmにおける吸光度を,水を対照液として,JIS K 0115の6.(特

定波長における吸収の測定)によって測定する。 

d) 計算 吸光度(16 mg/L,540 nm)(乾燥物換算)は,次の式によって算出する。 

(

)

100

100

08

.0

C

S

B

E

×

×

=

ここに, 

E: 吸光度(16 mg/L,540 nm)(乾燥物換算) 

B: 波長540 nmにおける測定された吸光度 

S: はかりとった試料の質量(g) 

C: 6.4で得られた乾燥減量(質量分率 %) 

6.4 

乾燥減量(105 ℃) 

乾燥減量の試験方法は,JIS K 0067の4.1.4 (1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この

場合,試料1.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,3時間乾燥する。 

6.5 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)によ

る。ただし,試料1.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mLを加えた後,強

熱する。 

K 9524:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.6 

カルシウム(Ca) 

カルシウム(Ca)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合する。 

2) カルシウム標準液(Ca:1 mg/mL) 次のいずれかのものを用いる。 

2.1) 計量標準供給制度[JCSS 2)]に基づく標準液で,使用目的に合致した場合に用い,必要な場合は,

適切な方法で希釈して使用する。 

2.2) JCSS以外の認証標準液で,使用目的に合致した場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈し

て使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販の標準液を用いる。 

2.3) JIS K 8617に規定する炭酸カルシウム2.50 gをはかりとり,水50 mL及び塩酸(2+1)15 mLを

加え,沸騰しない程度に加熱して溶かし,更に二酸化炭素を除き,冷却する。これを全量フラス

コ1 000 mLに移し,水を標線まで加えて混合する。カルシウム系の可塑剤を含まないポリエチレ

ンなどの樹脂製瓶に保存する。 

注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

3) カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/mL) カルシウム標準液(Ca:1 mg/mL)10 mLを全量フラスコ1 000 

mLに正確にとり,塩酸(2+1)15 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。カルシウム系

の可塑剤を含まないポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。 

b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。 

フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.5 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線

まで加えて混合する(S液)。S液10 mLを全量フラスコ100 mLにとり,塩酸(2+1)1 mLを加え,

水を標線まで加えて混合する(X液)。 

2) 比較溶液の調製は,S液10 mLを全量フラスコ100 mLにとり,塩酸(2+1)1 mL及びカルシウム

標準液(Ca:0.01 mg/mL)10 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。 

3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,測定波長422.7 nm付近で吸光度

が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,カルシウムの吸光度

を測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。 

4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。 

d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“カルシウム(Ca):質量分率0.1 %以下(規格値)”と

する。 

n1は,n2−n1より大きくない。 

注記 カルシウムの含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。 

100

000

1

50

10

1

2

1

×

×

×

×

=

m

n

n

n

B

A

ここに, 

A: カルシウムの含有率(質量分率 %) 

B: 用いた標準液中のカルシウムの質量(mg) 

m: はかりとった試料の質量(g) 

K 9524:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.7 

鋭敏度 

鋭敏度の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

2) 0.01 mol/L過塩素酸バリウム溶液 JIS K 9551に規定する過塩素酸バリウム0.34 gを全量フラスコ

100 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

3) 0.01 mol/L 硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8987に規定する硫酸ナトリウム0.14 gを全量フラスコ100 

mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

b) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 共通すり合わせ三角フラスコ200 mLなどに水20 mL及びアセトン80 mLを入れ,6.3のA液1.0 mL

及び0.01 mol/L硫酸ナトリウム溶液0.05 mLを加え混合し,試料溶液の色を,共通すり合わせ三角

フラスコの側面から観察する。 

2) 1) の試料溶液に0.01 mol/L過塩素酸バリウム溶液0.10 mLを加え混合し,試料溶液の色を,共通す

り合わせ三角フラスコの側面から観察する。 

c) 判定 b) によって操作し,次に適合するとき,“鋭敏度:試験適合”とする。 

1) b) 1) を行うと,液の色は赤みの紫である。 

2) b) 2) を行うと,液の色は青みの紫である。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“アルセナゾIII”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号