K 9523:2019
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目 次
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1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度(CH3NO2)(GC)··································································································· 3
6.3 密度(20 ℃) ··············································································································· 4
6.4 屈折率D20
n ····················································································································· 4
6.5 水分 ···························································································································· 4
6.6 不揮発物 ······················································································································ 4
6.7 農薬(有機りん)分析適合性 ··························································································· 4
7 容器······························································································································· 5
8 表示······························································································································· 5
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 9523:2012は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 9523:2012を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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ニトロメタン(試薬)
Nitromethane (Reagent)
CH3NO2 FW:61.04
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適用範囲
この規格は,試薬として用いるニトロメタンについて規定する。
警告1 ニトロメタンは,引火性があるので火気に注意する。また,有害なので,蒸気の吸入,粘膜,
皮膚への付着などを避け,排気に十分注意して取り扱う。
警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして,各自の責任に
おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。
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引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法
JIS K 0062 化学製品の屈折率測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8013 亜鉛粉末(試薬)
JIS K 8019 亜硝酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8197 N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬)
JIS K 8588 アミド硫酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8848 ヘキサン(試薬)
JIS K 8891 メタノール(試薬)
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種類
種類は,特級とする。
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性質
4.1
性状
ニトロメタンは,無色又はごくうすい黄の透明な液体で,特異な臭いがあり,空気中では着色しやすい。
エタノール(99.5)及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,水にやや溶けやすく,水溶液は酸性であ
る。沸点は,約101 ℃である。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数2 926 cm-1,1 564 cm-1,1 378 cm-1,
1 100 cm-1及び659 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.4 a)(液
膜法)による。窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの例
注記 図1は,国立研究開発法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したもので,チャート上に波
数表示を追加している。
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品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(CH3NO2)(GC)
面積分率 %
96.0 以上
6.2
密度(20 ℃)
g/mL
1.135〜1.140
6.3
屈折率
D20
n
−
1.379〜1.384
6.4
水分
質量分率 %
0.2 以下
6.5
不揮発物
質量分率 %
0.005 以下
6.6
農薬(有機りん)分析適合性
−
試験適合
6.7
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試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
純度(CH3NO2)(GC)
純度(CH3NO2)(GC)の試験方法は,次による。
a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) ガスクロマトグラフ 装置の構成は,JIS K 0114に規定するもの。
2) マイクロシリンジ又は試料導入装置 1.0 μL又は使用する装置に適切な量を注入できるもの。
b) 分析条件 分析条件は,次による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用
いてもよい。
1) 検出器の種類 熱伝導度検出器
2) 固定相液体名 ポリエチレングリコール
3) 固定相液体の膜厚 1.0 μm
4) キャピラリーカラムの材質,内径及び長さ キャピラリーカラムの材質,内径及び長さは次による。
・ 材質 石英ガラス
・ 内径 0.53 mm
・ 長さ 15 m
5) 設定温度 カラム槽,試料気化室及び検出器槽の設定温度は次による。
・ カラム槽 50 ℃から,毎分10 ℃の割合で150 ℃まで昇温し,5分間保持する。
・ 試料気化室 200 ℃
・ 検出器槽 250 ℃
6) キャリヤーガスの種類及び流量 ヘリウム,5 mL/min
7) 試料の導入方式 スプリット法(スプリット比 1:20)
8) 試料の導入量 1.0 μL
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料の導入及び記録 試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導
入してクロマトグラムを記録する。
なお,あらかじめ,ニトロメタンの保持時間を確認しておく。
2) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(データ処理ソフ
ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。
d) 定量法 各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度(CH3NO2)
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(GC)を算出する。
6.3
密度(20 ℃)
密度(20 ℃)の試験方法は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)又は7.3(振動式密度計法)による。
6.4
屈折率
D20
n
屈折率D20
nの試験方法は,JIS K 0062による。
6.5
水分
水分の試験方法は,JIS K 0068の6.3(容量滴定法)又は6.4(電量滴定法)による。容量滴定法の場合
は,試料10 g(約8.8 mL)をはかりとり,電量滴定法の場合は,試料1.0 g(約0.88 mL)をはかりとり,
滴定溶媒はJIS K 8891に規定するメタノール又は装置メーカーが推奨するものとする。
6.6
不揮発物
不揮発物の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4(1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場合,
試料40 gをはかりとり,残分は0.1 mgの桁まではかる。
なお,試料は蒸発操作に用いる器具の大きさに合わせ,数回に分割して加えてよい。
6.7
農薬(有機りん)分析適合性
農薬(有機りん)分析適合性の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 亜鉛粉末 JIS K 8013に規定するもの。
2) エタノール(99.5) JIS K 8101に規定するもの。
3) ヘキサン JIS K 8848に規定するもの。
4) 亜硝酸ナトリウム(2.5 g/L) JIS K 8019に規定する亜硝酸ナトリウム2.5 gを水に溶かして1 000 mL
にしたもの。使用時に調製する。
5) アミド硫酸アンモニウム(50 g/L) JIS K 8588に規定するアミド硫酸アンモニウム5.0 gを水に溶
かして100 mLにしたもの。使用時に調製する。
6) 塩酸(1+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積1と水の体積1とを混合したもの。
7) N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液(10 g/L) JIS K 8197に規定するN-1-ナフチルエチレ
ンジアミン二塩酸塩1.0 gを水に溶かして100 mLにしたもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 脱脂綿 脱脂,漂白などの薬品によって処理された綿(純粋なセルロースに近い繊維から成る。)。
2) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
4) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料17.0 gを分液漏斗300 mLにはかりとり,ヘキサン200 mLを加え,30秒間
激しく振り混ぜる。放置後,下層(ニトロメタン相)を捨て,上層(ヘキサン相)100 mLを共通す
り合わせ三角フラスコ200 mLにとる。
2) 空試験溶液として,ヘキサン100 mLを共通すり合わせ三角フラスコ200 mLにとる。
3) 試料溶液及び空試験溶液それぞれに,エタノール(99.5)5 mL,塩酸(1+1)2 mL,水8 mL及び
亜鉛粉末0.5 gを加え,沸騰水浴上でヘキサンがなくなるまで加熱する。放冷後,エタノール(99.5)
10 mLを加え,共通すり合わせ球管冷却器をつけて5分間煮沸する。放冷後,少量の脱脂綿を用い
てろ過し,水6 mLで3回洗浄を行い,全量フラスコ50 mLにろ液と洗液を合わせ,塩酸(1+1)1
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mL及び亜硝酸ナトリウム(2.5 g/L)1 mLを加えて,10分間放置する。さらに,アミド硫酸アンモ
ニウム(50 g/L)1 mLを加えて,10分間放置した後,N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液
(10 g/L)2 mLを加え,水を標線まで加えて混合し,20分間放置する(それぞれX液及びZ液と
する。)。
4) 吸収セル及び分光光度計を用い,波長555 nmにおけるX液の吸光度を,Z液を対照液として,JIS
K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測定する。
d) 判定 X液の吸光度が,0.02以下のとき,“農薬(有機りん)分析適合性:試験適合(規格値)”とす
る。
7
容器
容器は,遮光した気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“ニトロメタン”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造年月又はその略号
i)
製造業者名又はその略号