K 9047:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 3
4 性質······························································································································· 3
4.1 性状 ···························································································································· 3
4.2 定性方法 ······················································································································ 3
5 品質······························································································································· 3
6 試験方法························································································································· 4
6.1 一般事項 ······················································································································ 4
6.2 純度(C5H9NO4) ·········································································································· 4
6.3 希塩酸溶状 ··················································································································· 6
6.4 比旋光度
20
D]
[α ················································································································ 7
6.5 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 7
6.6 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 7
6.7 塩化物(Cl) ················································································································ 7
6.8 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 8
6.9 重金属(Pbとして) ······································································································ 9
6.10 ひ素(As)················································································································· 10
6.11 鉄(Fe) ···················································································································· 11
6.12 アンモニウム(NH4) ·································································································· 12
6.13 他のアミノ酸 ·············································································································· 16
7 容器······························································································································ 17
8 表示······························································································································ 18
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 9047:1992は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成24年12月20日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS K 9047:1992によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格
JIS
K 9047:2012
L-グルタミン酸(試薬)
L-Glutamic acid (Reagent)
C5H9NO4 FW:147.13
HO
OH
O
O
NH2
序文
この規格は,1952年に制定され,その後6回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1992年に
行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるL-グルタミン酸について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0063 化学製品の旋光度測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8012 亜鉛(試薬)
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8042 アニリン(試薬)
JIS K 8044 三酸化二ひ素(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
2
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JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
JIS K 8202 塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物(試薬)
JIS K 8223 過塩素酸(試薬)
JIS K 8264 ぎ酸(試薬)
JIS K 8295 グリセリン(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8371 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8374 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
JIS K 8432 酸化マグネシウム(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8567 硝酸マグネシウム六水和物(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8580 すず(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8777 ピリジン(試薬)
JIS K 8780 ピロガロール(試薬)
JIS K 8798 フェノール(試薬)
JIS K 8810 1-ブタノール(試薬)
JIS K 8870 ニンヒドリン(試薬)
JIS K 8886 無水酢酸(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 9512 N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
3
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3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
L-グルタミン酸は,白い結晶又は結晶性粉末で,水に溶けにくく,エタノール及びジエチルエーテルに
ほとんど溶けない。L-グルタミン酸は,塩酸溶液に溶かすと右旋性を示す。アルカリ性溶液に溶かすと,
旋光度が徐々に変化して平衡状態に達すると左旋性を示す。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数3 060 cm-1,1 643 cm-1,1 516 cm-1,
1 420 cm-1,1 259 cm-1及び539 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製はJIS K 0117の
5.3(粉体)a)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を
図1に示す。
注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。
図1−赤外吸収スペクトルの例
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
4
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(C5H9NO4)
質量分率 %
99.0以上
6.2
希塩酸溶状
試験適合
6.3
比旋光度[α]
°(度)
+31.5〜+32.5
6.4
乾燥減量(105 ℃)
質量分率 %
0.2以下
6.5
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.05以下
6.6
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.02以下
6.7
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.01以下
6.8
重金属(Pbとして)
質量分率 %
0.001以下
6.9
ひ素(As)
質量分率 ppm
1以下
6.10
鉄(Fe)
質量分率 %
0.001以下
6.11
アンモニウム(NH4)
質量分率 %
0.02以下
6.12
他のアミノ酸
試験適合
6.13
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
純度(C5H9NO4)
純度(C5H9NO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ぎ酸(質量分率98 %以上) JIS K 8264に規定するもの。
2) 酢酸(非水滴定用) JIS K 8042に規定するアニリン1 gをJIS K 8355に規定する酢酸で溶かし,
酢酸で100 mlにしたものをA液とする。正確にA液25 mlをとり,0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)
で電位差滴定したときの滴定量をV1 mlとする。また,正確にA液25 mlをとり,酢酸75 mlを加
え0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)で電位差滴定したときの滴定量をV2 mlとする。V2−V1は,0.1 ml
以下である。
なお,酢酸(非水滴定用)の水分測定は,JIS K 0068の6.3.5 a)(直接滴定)による。試料10 g
を用いる。この場合,溶媒はメタノールに代えて,クロロホルムとアルキレンカルボネートとを主
成分とするカールフィッシャー用脱水溶剤40 mlを用いる。
3) 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)(HClO4:10.05 g/l) 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の調製,標定
及び計算は,次による。
3.1) 調製 あらかじめ水分を測定した酢酸(非水滴定用)1 000 gをはかりとる。あらかじめ純度を測
定したJIS K 8223に規定する過塩素酸(質量分率70〜72 %)14 gを加え,次の式によって算出し
たJIS K 8886に規定する無水酢酸a gを加え混合した後,気密容器に入れて保存する。調製後1
時間以上放置したものを用いる。
7.5
5.0
100
14
100
000
1
2
1
×
−
×
+
×
=
W
W
a
ここに,
a: 無水酢酸の質量(g)(水を質量分率0.05 %に調節するた
めの量)
W1: 酢酸(非水滴定用)の水分(質量分率 %)
W2: [100−過塩素酸の濃度(質量分率 %)]から求めた過
塩素酸の水分(質量分率 %)
20
D
5
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0.5: 調製液中の水分(質量分率約0.05 %)を残すための数値
5.7: 水分量を無水酢酸量に換算するための係数
3.2) 標定 標定は,認証標準物質1)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カ
リウムを用い,次のとおり行う。
3.2.1) 認証標準物質1)のフタル酸水素カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
3.2.2) 容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕い
て,120 ℃で約60分間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。
3.2.3) 認証標準物質1)又は容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウム0.5〜0.6 gを0.1 mgの桁までは
かりとり,コニカルビーカー200 mlに移し,酢酸(非水滴定用)50 mlを加え,JIS K 0113の5.
(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス電極,参照電極に銀−塩化銀電極を用いて,3.1)
で調製した0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)で電位差滴定を行う。
別に,酢酸(非水滴定用)50 mlをコニカルビーカー200 mlにはかりとり,同一条件で空試験
を行って滴定量を補正する。
注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単位
系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を入手
できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説明書に
従って使用する。
なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合
センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準
物質生産者がある。
3.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
)
(
422
020
.0
2
1
A
V
V
m
f
×
−
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)のファクター
m: はかりとったフタル酸水素カリウムの質量(g)
A: フタル酸水素カリウムの純度(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の体積(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の体積
(ml)
0.020 422: 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)1 mlに相当するフタル酸
水素カリウムの質量を示す換算係数(g/ml)
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
電位差滴定装置 JIS K 0113に規定するもの。指示電極にガラス電極を,参照電極に銀−塩化銀電
極を用いる。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料0.2 gを0.1 mgの桁まではかりとり,ぎ酸(質量分率98 %以上)6 mlを加えて溶かす。これに
酢酸(非水滴定用)50 mlを加え,0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)で電位差滴定を行う。
別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
d) 計算 計算は,次の式による。
100
)
(
713
014
.0
2
1
×
×
−
×
=
m
f
V
V
A
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
A: 純度(C5H9NO4)(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)の体積
(ml)
V2: 空試験の滴定に要した0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)
の体積(ml)
f: 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)のファクター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.014 713: 0.1 mol/l 過塩素酸(酢酸溶媒)1 mlに相当するC5H9NO4
の質量を示す換算係数(g/ml)
6.3
希塩酸溶状
希塩酸溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(1+10) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積10とを混合する。
2) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す
る。
3) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス
製瓶に保存する。
4) 塩化物標準液
4.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
4.1.1) 計量標準供給制度[JCSS2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
4.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な
場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販
の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の
認証標準液など”という。)。
4.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
4.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水10 ml,硝酸(1+2)
1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15分間放置
する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無を確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例
として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(1+10)を加えて溶かし,
塩酸(1+10)を加えて20 mlにする。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり
7
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合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“希塩酸溶状:試験適合”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。
6.4
比旋光度
20
D]
[α
比旋光度
20
D]
[αの試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
塩酸(1+5) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積5とを混合する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
1) 恒温水槽 15〜25 ℃に調節できるもの(必要な場合に用いる。)。
2) 旋光計 JIS K 0063に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,全量フラスコ50 mlに試料2.5 gを0.1 mgの桁まではかりとり,塩酸(1+5)
40 mlを加えて溶かし,塩酸(1+5)を標線まで加えて混合する。
2) 直ちにJIS K 0063の3.4(操作)を行う。ただし,測定は液温15〜25 ℃で行い,測定後,直ちに液
温tを測定する。
d) 計算 溶液の温度t ℃の比旋光度はJIS K 0063の3.5(計算及び結果の表示)によって算出し,次の
式によって温度補正を行い20 ℃の比旋光度に換算する。
)
20
(
07
.0
]
[
]
[
D
20
D
t
t
−
×
−
=α
α
ここに,
20
D]
[α: 20 ℃における,L-グルタミン酸塩酸溶液の比旋光度
(ナトリウムD線)
t
D]
[α: t ℃における,L-グルタミン酸塩酸溶液の比旋光度
(ナトリウムD線)
t: L-グルタミン酸塩酸溶液の測定温度(℃)
−0.07: 温度係数[°(度)/℃]
6.5
乾燥減量(105 ℃)
乾燥減量(105 ℃)は,JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。ただ
し,この場合,試料1 gを0.1 mgの桁まではかりとり,105 ℃で3時間乾燥する。
6.6
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)によ
る。ただし,この場合,試料2 gを0.1 mgの桁まではかりとり,強熱温度は,(600±50)℃とする。
6.7
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 2)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) 6.3 a) 3)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 6.3 a) 4.2)による。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料0.50 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水15 ml及び硝酸(1+2)5 ml
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を加えて溶かし,水で25 mlにする。その5 ml(試料量0.10 g)を共通すり合わせ平底試験管にと
り,水で20 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)2.0 ml及び硝酸(1+2)1 mlを共通すり合わせ
平底試験管にとり,水で20 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)4 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加えて振り混ぜた後
15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.02 %以下(規格値)”とする。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.8
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/l) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mlにする。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
4) 硫酸塩標準液
4.1) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1)に準じる。
4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2)に準じる。
4.1.3) JIS K 8962に規定する硫酸カリウム1.81 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
4.2) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料0.50 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)1.0 ml及び水を
加えて溶かし,水で25 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,塩酸(2+1)1.0 ml及び硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 mlを共通すり合
わせ平底試験管にとり,水で25 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 ml及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 mlを加えて振
り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.01 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
9
K 9047:2012
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6.9
重金属(Pbとして)
重金属(Pbとして)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) 塩酸(2+1) 6.8 a) 3)による。
3) 硝酸(1+2) 6.3 a) 2)による(必要な場合に用いる。)。
4) 硝酸マグネシウム・エタノール溶液 JIS K 8567に規定する硝酸マグネシウム六水和物17 gをJIS K
8102に規定するエタノール(95)に溶かし,100 mlにする。
5) 酢酸ナトリウム溶液(200 g/l) JIS K 8371に規定する酢酸ナトリウム三水和物33.2 gを水に溶か
して100 mlにする。
6) 硫化ナトリウム・グリセリン溶液 JIS K 8295に規定するグリセリン30 mlに水10 mlを加えた溶
液にJIS K 8949に規定する硫化ナトリウム九水和物5 gを加えて溶かす。放置後,上澄み液を用い
る。冷所に保存し,3か月以内に使用する。
7) 鉛標準液
7.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
7.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1)に準じる。
7.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2)に準じる。
7.1.3) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)1 ml及
び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
7.2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
はかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 蒸発皿 JIS R 3503に規定するもので,材質が石英ガラス製のもの。
3) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
4) pH試験紙 pHの測定に用いる,ろ紙に酸塩基指示薬をしみこませた試験紙。
5) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
6) 電気炉 600±50 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを蒸発皿にとり,硝酸マグネシウム・エタノール溶液10 mlを加え,
よくかき混ぜる。
2) 比較溶液の調製は,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)2.0 mlを蒸発皿にとり,硝酸マグネシウム・エタノ
ール溶液10 mlを加える。
3) 試料溶液及び比較溶液を点火,燃焼し,炭化した後,放冷する。次に硫酸1 ml を加え,加熱板上
で白煙が出なくなるまで加熱し,600±50 ℃の電気炉で強熱,灰化した後,放冷する。塩酸(2+1)
2 ml及び水10 mlを加え,水浴上で加熱して溶かし,冷却後[必要ならばろ紙(5種C)を用いて
ろ過し,水で洗い,ろ液と洗液とを合わせる。]共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて20 ml
にする(試料溶液から得られた液をX液,及び比較溶液から得られた液をY液とする。)。
4) X液及びY液に酢酸ナトリウム溶液(200 g/l)を加えてpH 約3.5に調節し,水を加えて30 mlにし,
硫化ナトリウム・グリセリン溶液0.05 mlを加え,5分間放置する。
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5) 白の背景を用いて,X液及びY液から得られた液を,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面か
ら観察して,暗色を比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“重金属(Pbとして):質量分率0.001 %以下(規格値)”
とする。
X液から得られた液の色は,Y液から得られた液の暗色より濃くない。
6.10 ひ素(As)
ひ素(As)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 亜鉛(ひ素分析用) JIS K 8012に規定する粒径150〜1 400 μmのもの。
2) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。
3) N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀・ピリジン溶液(AgDDTC・ピリジン溶液) JIS K 9512に規
定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀0.5 gをピリジンに溶かし,ピリジンで100 mlにする。
褐色ガラス製瓶に保存する。
4) 塩化すず(II)溶液(ジエチルジチオカルバミド酸銀法用)[塩化すず(II)溶液(AgDDTC法用)]
JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)に
溶かし,塩酸(ひ素分析用)で100 mlにする。小粒のJIS K 8580に規定する粒状のすず2〜3個を
加えて保存し,使用時に水で10倍にうすめる。褐色ガラス製瓶に保存する。
5) 塩酸(ひ素分析用)(1+1) 塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積1とを混合する。
6) 塩酸(ひ素分析用)(1+3) 塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積3とを混合する(必要な場合
に用いる。)。
7) 酢酸鉛(II)溶液(100 g/l) JIS K 8374に規定する酢酸鉛(II)三水和物11.6 gを水に溶かして100
mlにした後,JIS K 8355に規定する酢酸0.1 mlを加える。
8) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして
100 mlにする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。
9) よう化カリウム溶液(200 g/l) JIS K 8913に規定するよう化カリウム20 gを水に溶かして100 ml
にする。使用時に調製する。
10) ひ素標準液
10.1) ひ素標準液(As:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
10.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1)に準じる。
10.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2)に準じる。
10.1.3) JIS K 8044に規定する三酸化二ひ素1.32 gに水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)6 mlを加えて溶か
し,水500 mlを加える。塩酸(ひ素分析用)(1+3)でpH 3〜5に調節した後,水で全量フラス
コ1 000 mlに移し,水を標線まで加えて混合する。
10.2) ひ素標準液(As:0.001 mg/ml) ひ素標準液(As:1 mg/ml)25 mlを全量フラスコ250 mlに正
確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。その10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確には
かりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの(必
要な場合に用いる。)。
2) ひ素試験装置 例を図2に示す。
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3) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料3.0 gを水素化ひ素発生瓶100 mlにとり,水20 mlを加える。
2) 比較溶液の調製は,ひ素標準液(As:0.001 mg/ml)3.0 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlにとり,
水20 mlを加える。
3) 空試験溶液の調製は,水20 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlにとる(空試験溶液は,吸光度を測定す
る場合に調製する。)。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,塩酸(ひ素分析用)(1+1)5 mlを加えて溶かし,水で40 ml
にする。これらによう化カリウム溶液(200 g/l)15 ml及び塩化すず(II)溶液(AgDDTC法用)5 ml
を加えて振り混ぜ,10分間放置する。次に亜鉛(ひ素分析用)(粒径150〜1 400 μmのもの)3 gを
加え,直ちに水素化ひ素発生瓶100 mlと導管B(あらかじめ水素化ひ素吸収管CにAgDDTC・ピ
リジン溶液5 mlを入れ,導管Bと水素化ひ素吸収管Cとを連結しておく。)とを連結する。水素化
ひ素発生瓶100 mlを約25 ℃の水中で約1時間放置した後,水素化ひ素吸収管Cを離しピリジンを
5 mlの標線まで加える。
5) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を水素化ひ素吸収管Cの上方
又は側面から観察して赤を比較する。
なお,必要があれば吸収セルを用い,分光光度計で波長510 nm付近の吸収極大の波長における吸
光度を,空試験用溶液からのAgDDTC・ピリジン溶液を対照液として,JIS K 0115の6.(特定波長
における吸収の測定)によって測定する。
d) 判定 c)によって操作し,次の1)又は2)に適合するとき,“ひ素(As):質量分率1 ppm以下(規格値)”
とする。
1) 試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の赤より濃くない。
2) 試料溶液から得られた液の吸光度は,比較溶液から得られた液の吸光度より大きくない。
単位 mm
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
水素化ひ素発生瓶100 ml
導管
水素化ひ素吸収管
ゴム栓又はすり合わせ
酢酸鉛(II)溶液(100 g/l)で
湿したガラスウール
40 mlの標線
5 mlの標線
図2−ひ素試験装置の例
6.11 鉄(Fe)
鉄(Fe)の試験方法は,次による。
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a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム10 gを水に溶かして100 mlにする。
2) 塩酸(2+1) 6.8 a) 3)による。
3) 酢酸アンモニウム溶液(250 g/l) JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム25 gを水に溶かして100
mlにする。
4) 1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l) JIS K 8202に規定する塩化1,10-フェナントロリニウム一水和
物0.28 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
5) 鉄(III)標準液
5.1) 鉄(III)標準液(Fe:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
5.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1)に準じる。
5.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2)に準じる。
5.1.3) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,
塩酸(2+1)3 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存
する。
5.2) 鉄(III)標準液(Fe:0.01 mg/ml) 鉄(III)標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000
mlに正確にはかりとり,塩酸(2+1)3 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラ
ス製瓶に保存する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)1 ml及び水を加
えて溶かし15 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,鉄(III)標準液(Fe:0.01 mg/ml)1.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,
塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて15 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)1 mlを加えて,5分間放
置した後,1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l)1 ml,酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)5 ml及び水
を加えて25 mlとし,20〜30 ℃で15分間放置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,黄みの赤を比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“鉄(Fe):質量分率0.001 %以下(規格値)”とする。
試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の黄みの赤より濃くない。
6.12 アンモニウム(NH4)
アンモニウム(NH4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 酸化マグネシウム JIS K 8432に規定するもの。
2) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水60 mlに溶かす。これ
にJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物5 gを加えて溶かし,
水で100 mlにする。
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3) 吸収液 図3の受器Hに硫酸(1+15)2 mlに水18 mlを加える。
なお,吸収液を調製した受器Hは,試験に必要な数を準備する。
4) 酢酸(1+1) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
5) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質
量分率5〜12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でうす
める。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
5.1) 有効塩素の定量方法 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率5〜12 %)10 gを0.1mgの
桁まではかりとり,全量フラスコ200 mlに移し,水を標線まで加えて混合する。その20 mlを共
通すり合わせ三角フラスコ300 mlに正確にはかりとり,水100 ml,JIS K 8913に規定するよう化
カリウム2 g及び酢酸(1+1)6 mlを加えて栓をして振り混ぜる。約5分間暗所に放置後,指示薬
としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん
溶液は,終点間際で液の色がうすい黄色になったときに約0.5 mlを加える。終点は,液の青が消
える点とする。
別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
100
200
/
20
3
545
003
.0
)
(
2
1
×
×
×
×
−
=
m
f
V
V
A
ここに,
A: 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率5〜
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(ml)
f: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとった次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素
質量分率5〜12 %)の質量(g)
0.003 545 3: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液1 ml に相当する
Clの質量を示す換算係数(g/ml)
6) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして
100 mlにする。ポリエチレン製瓶などに保存する。
7) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定するでんぷん(溶性)1.0 gに水 10 mlを加えてかき混ぜながら熱
水200 ml中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に
使用する。
8) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)18 mlをビーカー200 mlにとる。冷
水中で冷却しながらJIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更にJIS K 8034
に規定するアセトン4 mlを加え,水で100 mlにする。使用時に調製する。
9) ピロガロール・水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8780に規定するピロガロール10 gを水酸化ナトリウ
ム溶液(300 g/l)80 mlに溶かし,更に水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)を加えて全量を100 mlにす
る(必要な場合に用いる。)。この溶液は使用時に調製する。
10) 溶存酸素を除いた水 次の10.1)〜10.5)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
10.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶にピロガロー
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ル・水酸化ナトリウム溶液を入れたものを連結するなどして空気中の酸素を遮り,冷却したもの。
10.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。
10.3) 水から酸素分離膜をもつガス分離管を用いて溶存酸素を除いたもの。
10.4) 水を超音波振動装置で十分に脱気を行ったもの。
10.5) 18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも
の。ただし,採水後速やかに用いる。
注記 脱イオン化された水を用いる場合,脱イオン装置によっては酸素を含む場合がある。
11) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加える。
12) 硫酸(1+15) 水の体積15を冷却してかき混ぜながら,硫酸の体積1を徐々に加える。
13) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液(Na2S2O3・5H2O:24.82 g/l) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶
液の調製,標定及び計算は,次による。
13.1) 調製 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物26 g及びJIS K 8625に規定する炭酸ナ
トリウム0.2 gをはかりとり,溶存酸素を除いた水1 000 mlを加えて溶かした後,気密容器に入
れて保存する。調製後2日間放置したものを用いる。
13.2) 標定 標定は,認証標準物質1)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ
ムを用い,次のとおり行う。
13.2.1) 認証標準物質1)のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
13.2.2) 容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,
130 ℃で約2時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。
13.2.3) 認証標準物質1)又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム0.9〜1.1 gを全量フラスコ250 ml
に0.1 mgの桁まではかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。その25 ml
を共通すり合わせ三角フラスコ200 mlに正確にはかりとり,水100 mlを加える。次に,よう
化カリウム2 g及び硫酸(1+1)2 mlを加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に5
分間放置する。指示薬としてでんぷん溶液を用い,13.1)で調製した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウ
ム溶液で滴定する。この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに
約0.5 mlを加える。終点は,液の青が消える点とする。
別に,共通すり合わせ三角フラスコ200 mlに水125 ml及びよう化カリウム2 gをはかりとり,
硫酸(1+1)2 mlを加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に5分間放置し,同一条
件で空試験を行って滴定量を補正する。
13.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
)
(
7
566
003
.0
250
/
25
2
1
A
V
V
m
f
×
−
×
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)
A: よう素酸カリウムの純度(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(ml)
0.003 566 7: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液1 mlに相当するよ
う素酸カリウムの質量を示す換算係数(g/ml)
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14) アンモニウム標準液
14.1) アンモニウム標準液(NH4:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
14.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 4.1.1)に準じる。
14.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 4.1.2)に準じる。
14.1.3) JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム2.97 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶
かし,水を標線まで加えて混合する。
14.2) アンモニウム標準液(NH4:0.01 mg/ml) アンモニウム標準液(NH4:1 mg/ml)10 mlを全量フ
ラスコ1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 吸収セル 6.10 b) 1)による。
2) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
3) 沸騰石 液体を沸騰させるとき突沸を防ぐためにいれる多孔質の小片。
4) 恒温水槽 20〜25 ℃に調節できるもの。
5) 蒸留装置 例を図3に示す。
6) 分光光度計 6.10 b) 3)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料0.50 g及び酸化マグネシウム2 gをとり,水約140 mlを
加える。
2) 比較溶液の調製は,蒸留フラスコAにアンモニウム標準液(NH4:0.01 mg/ml)10 ml及び酸化マグ
ネシウム2 gをとり,水約140 mlを加える。
3) 空試験溶液は,蒸留フラスコAに酸化マグネシウム2 gをとり,水約140 mlを加える。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に沸騰石2〜3粒を入れる。a) 3)で調製した吸収液の入った受器
Hに逆流止めGの先端を浸し,蒸留装置に連結する。加熱蒸留して初留約75 mlをとり,水を加え
て100 mlにする(試料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得られた液をY液及び空試験溶
液から得られた液をZ液とする。)。
5) X液10 ml,Y液10 ml及びZ液10 mlをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na溶
液(インドフェノール青法用)1 ml及びナトリウムフェノキシド溶液4 mlを加えてよく振り混ぜる。
これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率約1 %)2.5 mlを加え,更に水を加えて25 ml
にし,20〜25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。
6) X液及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照液とし,吸収セルを用いて,分光光度
計で波長630 nm付近の吸収極大の波長における吸光度を,JIS K 0115の6.(特定波長における吸収
の測定)によって測定して比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“アンモニウム(NH4):質量分率0.02 %以下(規格値)”
とする。
X液から得られた液の吸光度は,Y液から得られた液の吸光度より大きくない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:
蒸留フラスコ500 ml
連結導入管
すり合わせコックK-16
注入漏斗
ケルダール形トラップ球(E':小孔)
球管冷却器300 mm
逆流止め(約50 ml)
受器(有栓形メスシリンダー100 ml)
共通すり合わせ
共通テーパー球面すり合わせ
押さえばね
ヒーター
図3−蒸留装置の例
6.13 他のアミノ酸
他のアミノ酸の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(1+10) 6.3 a) 1)による。
2) ニンヒドリン・アセトン溶液(発色液) JIS K 8870に規定するニンヒドリン2 gをJIS K 8034に
規定するアセトンに溶かしてアセトンで100 mlにする。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 薄層板 50〜200 mm×200 mmの平滑で均一な厚さのガラス板に,固定相基材を0.2〜0.3 mmの均
一な厚さに塗布したもの。
なお,薄層板は,市販の既製品も使用することができる。
2) 展開容器 例を図4に示す。
3) マイクロシリンジ,マイクロピペットなど 少量の定容量の溶液をはかりとる体積計。
4) ろ紙 JIS P 3801に規定するもの。
5) 乾燥器 試験温度に対して±2 ℃以内に調節できるもの。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図4−展開容器の例
c) 分析条件
1) 固定相基材の種類 薄層クロマトグラフ用シリカゲル
2) 展開溶媒 JIS K 8810に規定する1-ブタノール120 ml,水60 ml及びJIS K 8355に規定する酢酸
60 mlを混合する。
3) 展開距離 約10 cm
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料0.20 gを全量フラスコ50 mlにとり,塩酸(1+10)を加えて溶かし,塩酸
(1+10)を標線まで加えて混合する。
2) 薄層板の下端から約20 mm上の位置を原線とし,原線上の左右両端から少なくとも10 mm離れた
位置に試料溶液0.005 ml(試料量20 μg)をマイクロシリンジ,マイクロピペットなどを用いて10 mm
以上の間隔で2〜6 mmの円形状にスポットし,乾燥する。
3) 展開容器の内壁に沿ってろ紙を巻き,ろ紙を展開溶媒で湿し,更に展開溶媒を約10 mmの深さに入
れ,展開容器を密閉した後,室温で約1時間放置して展開溶媒の蒸気を飽和させる。
4) これに薄層板を器壁に触れないように入れ,容器を密閉し,室温で放置して展開させる。
5) 展開溶媒の先端が原線から約10 cmの距離まで上昇したとき,薄層板を取り出し,直ちに溶媒の先
端の位置に印を付けて風乾後,100 ℃で30分間乾燥し,放冷する。これに発色液を噴霧し,80 ℃
で10分間加熱して発色させ,スポットの位置,数などを調べる。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“他のアミノ酸:試験適合”とする。
発色液を噴霧した薄層板は,主スポット以外のスポットを認めない。
注記 移動率(Rf)を求める場合は,次の式によって算出する。
b
a
Rf=
ここに,
Rf: 移動率
a: 原線からスポットの中心までの距離(mm)
b: 原線から溶媒先端までの距離(mm)
なお,L-グルタミン酸のRf値は,約0.4である。
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容器
容器は,気密容器とする。
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表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称 “L-グルタミン酸”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号