2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K9042-1996
テトラブロモフェノールフタレイン
エチルエステルカリウム(試薬)
Tetrabromophenolphthalein ethylester potassium salt
C22H13Br4KO4 FW : 700.06
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるテトラブロモフェノールフタレインエチルエステルカリウ
ムについて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 テトラブロモフェノールフタレインエチルエステルカリウムは,次の性質を示す。
(1) 性状 テトラブロモフェノールフタレインエチルエステルカリウムは,暗い緑の結晶性粉末又は紫み
の青の粉末である。エタノールに溶けやすく,水にやや溶けにくい。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルを,JIS K 0117によって測定すると,波数1 720cm−1,1 540cm
−1,1 410cm−1,1 300cm−1,1 270cm−1,960cm−1及び720cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,
試料調製は,JIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を,図1に示す。
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K9042-1996
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図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
エタノール溶状
試験適合
吸光度 (5mg/l, pH5.8)
0.44以上
変色範囲 (pH)
(黄緑)3.4−5.4(青紫)
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) エタノール溶状
試料0.10g(0.1mgのけたまではかる)→全量フラスコ100mlにとる→エタノール (95) を加えて溶
かす→エタノール (95) を標線まで加える(A液)[(2)及び(3)の試験にも用いる]。
A液20ml……ほとんど澄明以内。
(2) 吸光度 (5mg/l, pH5.8) 0.44以上
(a) 操作 (1)のA液5ml(正確にとる)→全量フラスコ100mlに入れる→JIS K 8001の5.28(変色範囲)
の緩衝液 (pH5.8) を標線まで加える→その10ml(正確にとる)→全量フラスコ100mlに入れる→緩
衝液 (pH5.8) を標線まで加える→約5分間放置→吸収セル(光路長10mm)を用い波長593nm付近
の吸収極大の波長における吸光度を,緩衡液 (pH5.8) を対照液として測定。
(b) 計算
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S
A
E
10
.0
×
=
ここに,
E: 吸光度 (5mg/l, pH5.8)
S: はかりとった試料の質量 (g)
A: 測定した吸光度
0.10: (1)の規定試料量 (g)
(3) 変色範囲 (pH)
JIS K 8001の5.28(1)のpH3.4, pH4.4及びpH5.4の緩衝液10mlずつをそれぞれ試験管に入れる+(1)
のA液0.05ml…それぞれ黄緑,青及び青紫が現れる。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “テトラブロモフェノールフタレインエチルエステルカリウム”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 内容量
(5) 製造番号
(6) 製造業者名又はその略号
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
岡 林 哲 夫
工業技術院標準部繊維化学規格課
札 川 紀 子
物質工学工業技術研究所計測化学部
高 橋 孝 一
通商産業検査所検査部検査業務課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
森 崎 謙 一
社団法人日本化学工業協会
嶋 貫 孝
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
坂 本 勉
財団法人日本規格協会
高 田 芳 矩
財団法人日本分析センター
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
鈴 木 正 信
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会