K 9005:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 9005:1996は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis―Part 2:Specifications―First seriesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 9005には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 1
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 濃度(H3PO4) ·············································································································· 2
7.3 エタノール溶状 ············································································································· 2
7.4 揮発性酸(CH3COOHとして) ························································································ 2
7.5 塩化物(Cl) ················································································································ 2
7.6 硝酸塩 ························································································································· 2
7.7 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 3
7.8 ナトリウム(Na) ·········································································································· 3
7.9 カリウム(K) ·············································································································· 3
7.10 銅(Cu) ···················································································································· 3
7.11 亜鉛(Zn) ················································································································· 3
7.12 カドミウム(Cd) ········································································································ 3
7.13 鉛(Pb) ···················································································································· 3
7.14 ひ素(As)·················································································································· 3
7.15 マンガン(Mn) ·········································································································· 4
7.16 鉄(Fe) ····················································································································· 4
7.17 ニッケル(Ni) ············································································································ 4
7.18 過マンガン酸還元性物質(H3PO3として) ········································································ 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
K 9005:2006
りん酸(試薬)
Phosphoric acid
H3PO4 FW:98.00
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis―Part
2:Specifications―First series を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるりん酸について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part 2:Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 一般事項 一般試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 りん酸は,無色透明の液体で粘性があり,水及びエタノールに溶けやすい。密度は濃度が質
量分率85 %では約1.69 g/mlである。
5.2
定性方法 試料1 gに水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)約8 mlを加えて中和した後,硝酸銀溶液(20
g/l)1 mlを加えると,黄色の沈殿が生じ,これに硝酸(1+2)1 ml又はアンモニア水(2+3)5 mlを加え
ると,沈殿は溶ける。
6. 品質 品質は,7. によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
2
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 品質
項目
規格値
濃度(H3PO4)
エタノール溶状
揮発性酸(CH3COOHとして)
塩化物(Cl)
硝酸塩
硫酸塩(SO4)
ナトリウム(Na)
カリウム(K)
銅(Cu)
亜鉛(Zn)
カドミウム(Cd)
鉛(Pb)
ひ素(As)
マンガン(Mn)
鉄(Fe)
ニッケル(Ni)
過マンガン酸還元性物質
(H3PO3として)
質量分率 %
質量分率 %
質量分率ppm
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 %
85.0以上
試験適合
0.001以下
2以下
試験適合
0.002以下
0.01以下
0.005以下
5以下
5以下
5以下
5以下
0.5以下
5以下
5以下
5以下
0.005以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られる
計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
濃度(H3PO4) 試料約1.5 gを0.1 mgのけたまではかりとり,二酸化炭素を含まない水40 mlを加
える。約15 ℃に保ちながら,1 mol/l水酸化ナトリウム溶液を用い,JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)
によって電位差滴定を行う。この場合,指示電極はガラス電極,参照電極は塩化銀電極を用いる。
別に,同一条件で空試験を行って補正する。この場合,1 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 mlは,0.049 00 g
H3PO4に相当する。
7.3
エタノール溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料4 ml,溶媒はJIS K8101に規定
するエタノール(99.5)を用いる。濁りの程度の適合限度標準は(a) (澄明)を用いる。
7.4
揮発性酸(CH3COOHとして) 試料約60 gを0.1 mgのけたまではかりとり,二酸化炭素を含まな
い水75 mlを加え蒸留する。初留50 mlにフェノールフタレイン溶液3滴,0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液
0.1 mlを加えたとき,液の色はうすい紅色から紅色であること。この場合,0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶
液1 mlは,0.006 005 g CH3COOHに相当する。
7.5
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに硝酸(1+2)10 ml及び水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)1.0 mlに硝酸(1+2)10 ml及び水を加えて20 mlにす
る。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物(Cl)](1)(比濁法)(c)による。
7.6
硝酸塩 試料6 gに水を加えて20 mlにする。インジゴカルミン溶液(1.8 g/l)0.05 mlを加え,更に
JIS K8951に規定する硫酸10 mlを振り混ぜながら徐々に加えて10分間放置したとき,青を保つこと(N O3
として約質量分率5 ppm以下。)。
3
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.7
硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 硫酸標準液(SO4:0.01 mg/ml)4.0 mlに塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにす
る。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](4)(種晶添加比濁法)(c)による。
7.8
ナトリウム(Na) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて100 mlにする(X液)(X液は,7.9の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料1.0 gにナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml)10 ml,カリウム標準液(K:0.01 mg/ml)
5 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)(Y液は,7.9の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.30(炎光光度法)による。
7.9
カリウム(K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.8のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.8のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.30による。
7.10 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料20 gに水を加えて100 mlにする(X液)(X液は,7.11,7.12,7.13,7.15,7.16及
び7.17の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料20 gに銅標準液(Cu:0.01 mg/ml)10 ml,亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml)10 ml,カ
ドミウム標準液(Cd:0.01 mg/ml)10 ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)10 ml,マンガン標準液(Mn:
0.01 mg/ml)10 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)10 ml,ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml)10 ml及び
水を加えて100 mlにする(Y液)(Y液は,7.11,7.12,7.13,7.15,7.16及び7.17の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.11 亜鉛(Zn) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1) (d)による。
7.12 カドミウム(Cd) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1) (d)による。
7.13 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1) (d)による。
7.14 ひ素(As) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料6.0 gを水素化ひ素発生瓶100 mlに入れ,水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 ひ素標準液(As:0.001 mg/ml)3.0 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlに入れ,水を加えて
20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.19[ひ素(As)](3) [N,N−ジエチルジチオカルバミド酸銀法(AgDDTC法)]
(e)による。
4
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.15 マンガン(Mn) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1) (d)による。
7.16 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1) (d)による。
7.17 ニッケル(Ni) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31 (1) (d)による。
7.18 過マンガン酸還元性物質(H3PO3として) 試料17 g(10 ml)に水10 ml及び0.02 mol/l過マンガン
酸カリウム溶液0.20 mlを加え煮沸し始めるまで加熱し,水浴上で10分間放置したとき紅色を保つこと。
参考 0.02 mol/l過マンガン酸カリウム溶液1 mlは,0.004 100 g H3PO3に相当する。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“りん酸”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 濃度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号
5
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 9005:2006 りん酸(試薬)
ISO 6353-2:1983, 化学分析用試薬―第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲
試薬として用いるりん酸
について規定。
1
化学分析用試薬40品
目の仕様について規
定。
MOD/変更 JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多
く引用しやすくするために1品
目1規格としている。
なお,対応国際規格は20年以
上見直しが行われていないため
市場の実態に合わない。国際規
格の改正を検討する。
2. 引用規格
JIS K 0113
JIS K 8001
JIS K 8101
JIS K 8951
1
ISO 6353-1
MOD/変更 ISO規格1件を削除し,JISを追
加・引用,基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事項
JIS K 8001による。
―
―
MOD/追加 項目を追加
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な
差異ではない。
4. 種類
―
―
MOD/追加 種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけな
ので,ISO規格と技術的な差異
はない。
5. 性質
―
―
MOD/追加 りん酸の性質の項を追加。
一般的な説明事項であり,技術
的な差異はない。
6. 品質
R22.1
MOD/変更 1) 品質に差異のある項目:揮
発性酸,塩化物,硫酸塩,
ナトリウム,亜鉛,鉛,ひ
素及び鉄。
2) 追加した項目:エタノール
溶状,硝酸塩及び過マンガ
ン酸還元性物質。
ISO規格は,長期間内容の見直
しが行われず国際市場でISO規
格品が用いられることはほとん
どない。また,技術的差異も軽
微(1)(2)(3)である。
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
5
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
6
6
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.試験方法
7.1 試験条件
及び試験結果
R22.2
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果
に関する事項であり,技術的な
差異はない。
7.2 濃度
(H3PO4)
電位差滴定法
R22.2.1
指示薬による滴定法。 MOD/変更 1) ISO規格は指示薬で終点を
規定。JISは電位差で終点を
規定。
2) JIS K 0113の5.を引用。
実績のある従来のJISの方法を
踏襲。
ISO規格の見直し時に,改正提
案の検討を行う予定。
7.3エタノー
ル溶状
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JISとして必要。ISO規格の見直
し時に,改正提案の検討を行う
予定。
7.4揮発性酸
アルカリ滴定法
R22.2.7
アルカリ滴定法
MOD/変更 試薬の量,計算法などを変更。
ISO規格はH+ミリモルで規定。
JISはCH3COOH質量分率%で
規定。
JISは,定期的に見直しを行って
いるが,ISO規格は,長年見直
しが行われていないことから実
績のある従来のJIS法を踏襲。
技術的な差異は軽微であり,対
策は考慮しない。
7.5塩化物
(Cl)
比濁法
R22.2.2
比濁法
MOD/変更 試薬溶液濃度,標準液の量など
を変更。
JIS K 8001の5.7を引用。
7.6硝酸塩
インジゴカルミン法
―
―
MOD/追加 項目を追加。
JISとして必要。ISO規格の見直
し時に,改正提案の検討を行う
予定。
7.7硫酸塩
(SO4)
種晶添加比濁法
R22.2.3
種晶添加比濁法
MOD/変更 1) 試薬溶液濃度,標準液の量
などを変更。
2) JIS K 8001の5.15を引用。
JISは,定期的に見直しを行って
いるが,ISO規格は,長年見直
しが行われていないことから実
績のある従来のJIS法を踏襲。
技術的な差異は軽微であり,対
策は考慮しない。
7.8ナトリウ
ム(Na)
炎光光度法
R22.2.6
炎光光度法
MOD/変更 1) 試料の量,標準液の量など
を変更。
2) JIS K 8001の5.30を引用。
7.9カリウム
(K)
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
6
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
5
7
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.10銅(Cu)
原子吸光法
R22.2.5
原子吸光法
MOD/変更 1) 試料の量,標準液の量など
を変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用
JISは,定期的に見直しを行って
いるが,ISO規格は,長年見直
しが行われていないことから実
績のある従来のJIS法を踏襲。
技術的な差異は軽微であり,対
策は考慮しない。
7.11亜鉛(Zn)
7.12カドミウム(Cd)
7.13鉛(Pb)
7.14ひ素(As)
AgDDTC法
R22.2.4
AgDDTC法
MOD/変更
1) 試料の量,標準液の量など
を変更。
2) JIS K 8001の5.19を引用。
JISは,定期的に見直しを行って
いるが,ISO規格は,長年見直
しが行われていないことから実
績のある従来のJIS法を踏襲。
技術的な差異は軽微であり,対
策は考慮しない。
7.15マンガン(Mn) 原子吸光法
R22.2.5
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量,標準液の量など
を変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
7.16鉄(Fe)
7.17ニッケル(Ni)
7.18過マンガン酸
還元性物質(H3PO3
として)
直接法
―
―
MOD/追加 項目を追加
JISとして必要。ISO規格の見直
し時に,改正提案の検討を行う
予定。
8.容器
―
―
MOD/追加 項目を追加
規格適合性を評価する関係で必
要な項目を追加。
9.表示
―
―
MOD/追加 項目を追加
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほと
んどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質
量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。(Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品質
水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用する
ことになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求に応え
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての
存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
5
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
6
8
K 9005:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD/追加・・・・・・・・・国際規格の規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更・・・・・・・・・国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD ・・・・・・・・・・・・国際規格を修正している。
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
6
2
K
9
0
0
5
:
2
0
0
5