K 8997:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度(MnSO4・5H2O) ··································································································· 3
6.3 水溶状 ························································································································· 5
6.4 pH(50 g/l,25 ℃) ······································································································· 6
6.5 塩化物(Cl) ················································································································ 6
6.6 ナトリウム(Na)及びカリウム(K)················································································ 7
6.7 銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn),鉛(Pb),鉄(Fe)及び
ニッケル(Ni) ··········································································································· 8
6.8 過マンガン酸還元性物質 ································································································ 13
7 容器······························································································································ 15
8 貯蔵方法························································································································ 15
9 表示······························································································································ 15
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8997:1992は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成24年12月20日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS K 8997:1992によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格
JIS
K 8997:2012
硫酸マンガン(II)五水和物(試薬)
Manganese (II) sulfate pentahydrate (Reagent)
MnSO4・5H2O FW:241.08
序文
この規格は,1950年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1992年に
行われたが,その後の試験・研究開発の進歩などに対応するために改正した。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる硫酸マンガン(II)五水和物について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0970 プッシュボタン式液体用微量体積計
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8121 塩化カリウム(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8152 塩化ニッケル(II)六水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬)
JIS K 8284 くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
JIS K 8377 酢酸ブチル(試薬)
2
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JIS K 8454 N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬)
JIS K 8736 エリオクロムブラックT(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS K 8995 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
JIS K 9005 りん酸(試薬)
JIS K 9502 L(+)-アスコルビン酸(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8802 pH測定方法
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1 性状
硫酸マンガン(II)五水和物は,淡紅色の結晶又は結晶性粉末で,約30 ℃以上で融解する。水に溶けや
すく,エタノールにほとんど溶けない。
4.2 定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水200 mlを加えて溶かす(A液)。A液10 mlに塩化バリウム溶液(100 g/l)1 mlを加える
と白い沈殿が生じる。
b) A液10 mlに硫酸(1+5)10 ml及び過よう素酸カリウム溶液(飽和)1 mlを加えて加熱すると過マン
ガン酸の赤が現れる。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(MnSO4・5H2O)
質量分率 %
99.0 以上
6.2
水溶状
試験適合
6.3
pH(50 g/l,25 ℃)
4.0〜6.5
6.4
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.001 以下
6.5
ナトリウム(Na)
質量分率 %
0.005 以下
6.6
カリウム(K)
質量分率 %
0.002 以下
6.6
銅(Cu)
質量分率 ppm
5 以下
6.7
マグネシウム(Mg)
質量分率 %
0.005 以下
6.7
カルシウム(Ca)
質量分率 %
0.005 以下
6.7
亜鉛(Zn)
質量分率 %
0.001 以下
6.7
鉛(Pb)
質量分率 %
0.001 以下
6.7
鉄(Fe)
質量分率 %
0.001 以下
6.7
ニッケル(Ni)
質量分率 %
0.002 以下
6.7
過マンガン酸還元性物質
試験適合
6.8
6
試験方法
6.1 一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2 純度(MnSO4・5H2O)
純度(MnSO4・5H2O)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) L(+)-アスコルビン酸 JIS K 9502に規定するもの。
2) アンモニア性塩化アンモニウム溶液 JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム7 gにJIS K 8085に
規定するアンモニア水(質量分率28.0〜30.0 %)57 ml及び水を加えて溶かし,水で100 mlにする。
ポリエチレン製瓶などに密栓して保存する。
3) エリオクロムブラックT希釈粉末 JIS K 8736に規定するエリオクロムブラックT 0.10 gにJIS K
8150に規定する塩化ナトリウム10 gを混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
4) 塩酸(1+3) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積3とを混合する。
5) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す
る。
6) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして
100 mlにする。ポリエチレン製瓶などに保存する。
7) 0.1 mol/l 亜鉛溶液(Zn:6.538 g/l) 0.1 mol/l 亜鉛溶液の調製及び計算は,次による。
7.1) 調製 調製は,認証標準物質1)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の亜鉛を用い,次
のとおり行う。
7.1.1) 認証標準物質1)の亜鉛を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
7.1.2) 容量分析用標準物質の亜鉛を用いる場合は,必要量を塩酸(1+3),水,JIS K 8101に規定する
エタノール(99.5)及びJIS K 8103に規定するジエチルエーテルで順次洗った後,直ちに上口デ
シケーター(減圧デシケーター)に入れて,上口デシケーター内圧2.0 kPa以下で数分間保った
後,減圧下で約12時間乾燥する。
4
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7.1.3) 認証標準物質1)又は容量分析用標準物質の亜鉛3.3 gを0.1 mgの桁まではかりとり,共通すり合
わせ冷却管が付けられる三角フラスコ300 mlに移し,水25 ml及び硝酸(1+2)40 mlを加え,
冷却管を付けて水浴上で加熱して溶かす。次に穏やかに煮沸して窒素酸化物を除いた後,放冷し,
全量フラスコ500 mlに移し,溶かすのに使用した三角フラスコ及び冷却管を水洗し,洗液を先
の全量フラスコ500 mlに加え,更に水を標線まで加えて混合した後,気密容器に入れて保存す
る。
注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単位
系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を入手
できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説明書に
従って使用する。
なお,認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標 準
総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証
標準物質生産者がある。
7.2) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
0
269
.3
A
m
f
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l 亜鉛溶液のファクター
m: はかりとった亜鉛の質量(g)
A: 亜鉛の純度(質量分率 %)
3.269 0: 0.1 mol/l 亜鉛溶液500 ml中の亜鉛の相当質量(g)
8) 0.1 mol/l エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.1 mol/l EDTA2Na溶液)
(C10H14O8N2Na2・2H2O:37.22g/l) 0.1 mol/l エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液
(0.1 mol/l EDTA2Na溶液)の調製,標定及び計算は,次による。
8.1) 調製 JIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物38 gをはかり
とり水1 000 mlを加えて溶かした後,ポリエチレン製などの気密容器に入れて保存する。
8.2) 標定 0.1 mol/l 亜鉛溶液25 mlをコニカルビーカー200 mlなどに正確にはかりとる。水75 mlを加
えた後,ビュレットを用いて8.1)で調製した0.1 mol/l EDTA2Na溶液20 mlを加える。次に,水酸
化ナトリウム溶液(100 g/l)でpH 6〜8に調節し,アンモニア性塩化アンモニウム溶液2 ml及び
指示薬としてエリオクロムブラックT希釈粉末0.05 gを加えた後,引き続き同じビュレットの0.1
mol/l EDTA2Na溶液で滴定する。終点は,液の色が赤から青に変わる点とする。
8.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
V
f
f
25
1×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液のファクター
f1: 0.1 mol/l 亜鉛溶液のファクター
V: 滴定に要した0.1 mol/l EDTA2Na溶液の体積(ml)
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料0.6 gを三角フラスコ200 mlなどに0.1 mgの桁まではかりとり,水100 mlを加えて溶かし,ビ
ュレットを用いて,0.1 mol/l EDTA2Na溶液約20 mlを加える。これに,L(+)-アスコルビン酸0.1 g,
アンモニア性塩化アンモニウム溶液10 ml及び指示薬としてエリオクロムブラックT希釈粉末0.05 g
を加え,引き続いて同じビュレットから0.1 mol/l EDTA2Na溶液で滴定する。終点は,液の色が赤か
5
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ら明らかな青に変わる点とする。
c) 計算 純度(MnSO4・5H2O)は,次の式によって算出する。
100
108
024
.0
×
×
×
m
f
V
A=
ここに,
A: 純度(MnSO4・5H2O)(質量分率 %)
V: 滴定に要した0.1 mol/l EDTA2Naの体積(ml)
f: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液のファクター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.024 108: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液1 mlに相当する硫酸マンガン(II)
五水和物の質量を示す換算係数(g/ml)
6.3 水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試薬用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス
製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液
3.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する。(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な
場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販
の標準液を用いる。(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の
認証標準液など”という。)。
3.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
3.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000mlに
正確にはかりとり,水を標線まで混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水10 ml,硝酸(1+2)
1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15分間放置
する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無を確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例
として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし20 mlにする。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又は
側面から観察する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。
6.4 pH(50 g/l,25 ℃)
pH(50 g/l,25 ℃)の試験方法は,次による。
a) 試薬,ガス及び試験用溶液類 試薬,ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
2) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。
3) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml
にする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。
4) 二酸化炭素を除いた水 次の4.1)〜4.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
4.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却
したもの。
4.2) 水をフラスコに入れ,水の中に窒素を15分間以上通じたもの。
4.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。
4.4) 18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも
の。ただし,採水後速やかに用いる。
5) pH標準液 pH標準液は,JIS Z 8802の箇条7(pH標準液)による。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
1) 恒温水槽 (25±0.5)℃に調節できるもの。
2) pH計 JIS Z 8802に規定する形式II以上の性能のもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,二酸化炭素を除いた水を加えて溶か
し,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。この液を適切な容量のビーカーにとる。
2) pHの測定は,JIS Z 8802の8.2(測定方法)による。この場合,液温(25±0.5)℃の恒温水槽につ
(浸)けた試料溶液の液面上に窒素を流し,かき混ぜながらはかる。
6.5 塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) 6.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 6.3 a) 3.2)による。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし20 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)1.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水
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を加えて20 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え振り混ぜた後15
分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側面から観察して濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.6 ナトリウム(Na)及びカリウム(K)
ナトリウム(Na)及びカリウム(K)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
2) ナトリウム標準液及びカリウム標準液
2.1) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml)及びカリウム標準液(K:1 mg/ml) 次のいずれかのものを
用いる。
2.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
2.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
2.1.3) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml)及びカリウム標準液(K:1 mg/ml)を調製する場合
2.1.3.1) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム2.54 gを全量フラ
スコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶な
どに保存する。
2.1.3.2) カリウム標準液(K:1 mg/ml) JIS K 8121に規定する塩化カリウム1.91 gを全量フラスコ
1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに
保存する。
2.2) ナトリウム標準液(Na:0.1 mg/ml)及びカリウム標準液(K:0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
2.2.1) ナトリウム標準液(Na:0.1 mg/ml) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml)100 mlを全量フラスコ
1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
2.2.2) カリウム標準液(K:0.01 mg/ml) カリウム標準液(K:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000
mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
ナトリウム
Na
589.0
カリウム
K
766.5
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて溶
かし,水を標線まで加え混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて溶
かす。更に,ナトリウム標準液(Na:0.1 mg/ml)1.0 ml,カリウム標準液(K:0.01 mg/ml)4.0 ml
を加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめフレームの状態を最適にしておき,Y液をフレーム中に
噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれ
フレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)を読
み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値(n1)と,Y液の指示値(n2)からX液の指示値(n1)を引いたn2−n1
と比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na):質量分率0.005 %以下(規格値), カ
リウム(K):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
100
000
1
1
2
1
×
×
×
m
n
n
n
B
A
−
=
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
6.7 銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn),鉛(Pb),鉄(Fe)及びニッケル(Ni)
銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn),鉛(Pb),鉄(Fe)及びニッケル(Ni)
の試験方法は,6.7.1(第1法 ICP発光分光分析法)又は6.7.2(第2法 原子吸光法)のいずれかを用い
る。
6.7.1 第1法 ICP発光分光分析法
第1法 ICP発光分光分析法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) イットリウム標準液(Y:1 mg/ml) 硝酸イットリウム六水和物(質量分率99.9 %以上)4.31 gを
全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混
合する。
注記 イットリウム標準液(Y:1 mg/ml)は,ICP発光分光分析法で発光強度を補正するための内
標準物質として添加する。
2) 塩酸(2+1) 6.6 a) 1)による。
3) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
4) 銅標準液,マグネシウム標準液,カルシウム標準液,亜鉛標準液,鉛標準液,鉄標準液及びニッケ
ル標準液
4.1) 銅標準液(Cu:1 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml),
亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml),鉛標準液(Pb:1 mg/ml),鉄標準液(Fe:1 mg/ml)及びニッケル
標準液(Ni:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
9
K 8997:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
4.1.3) 銅標準液(Cu:1 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml),
亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml),鉛標準液(Pb:1 mg/ml),鉄標準液(Fe:1 mg/ml)及びニッケル
標準液(Ni:1 mg/ml)を調製する場合
4.1.3.1) 銅標準液(Cu:1 mg/ml) JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物3.93gを全量フラスコ
1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
4.1.3.2) マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml) JIS K 8995に規定する硫酸マグネシウム七水和物10.1 g
を全量フラスコ1 000 mlにとり,塩酸(2+1)15 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加
えて混合する。
4.1.3.3) カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml) JIS K 8617に規定する炭酸カルシウム2.50 gに水50 ml
及び塩酸(2+1)15 mlを加え,沸騰しない程度に加熱して溶かし,更に二酸化炭素を除き,
冷却する。これを全量フラスコ1 000 mlに移し,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン
製瓶などに保存する。
4.1.3.4) 亜鉛標準液(Za:1 mg/ml) JIS K 8953に規定する硫酸亜鉛七水和物4.40 gを全量フラスコ
1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
4.1.3.5) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 ml
にとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
4.1.3.6) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全
量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて
混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
4.1.3.7) ニッケル標準液(Ni:1 mg/ml) JIS K 8152に規定する塩化ニッケル(II)六水和物4.05 g(質
量分率100 %としての相当量)を全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加
えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
4.2) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:
0.01 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml),鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml),鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)
及びニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
4.2.1) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 銅標準液(Cu:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確
にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
4.2.2) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml)10 mlを全量フ
ラスコ1 000 mlに正確にはかりとり,塩酸(2+1)15 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合
する。
4.2.3) カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml) カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ
1 000 mlに正確にはかりとり,塩酸(2+1)15 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
ポリエチレン製瓶などに保存する。
4.2.4) 亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml) 亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正
確にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
4.2.5) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
4.2.6) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
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K 8997:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に
保存する。褐色ガラス製瓶に保存する。
4.2.7) ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) ニッケル標準液(Ni:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000
mlに正確にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) プッシュボタン式液体用微量体積計 JIS K 0970に規定するもの。
2) ICP発光分光分析装置 JIS K 0116に規定するもの。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を,表3に示す。
表3−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
銅
Cu
324.754
マグネシウム
Mg
280.270
カルシウム
Ca
396.847
亜鉛
Zn
213.857
鉛
Pb
220.353
鉄
Fe
238.204
ニッケル
Ni
221.648
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mlにとり,硝酸(1+2)1 ml及び水30 ml加えて
溶かす。イットリウム標準液(Y:1 mg/ml)50 μl加えて,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,三つの全量フラスコ50 mlに,それぞれに硝酸(1+2)1 ml,イットリウム標
準液(Y:1 mg/ml)50 μl及び水10 mlをとり,プッシュボタン式液体用微量体積計で表4に示す各
標準液の体積を3段階にとり3),水を標線まで加える(Y1液,Y2液及びY3液)。
注3) 1.0 ml以下はプッシュボタン式液体用微量体積計を用い,1.0 mlを超える場合は全量ピペッ
トを用いる。
表4−採取する標準液の体積
標準液
mg/ml
採取量 μl
Y1
Y2
Y3
銅標準液(Cu)
0.01
250
500
1 000
マグネシウム標準液(Mg)
0.01
2 000
5 000
8 000
カルシウム標準液(Ca)
0.01
2 000
5 000
8 000
亜鉛標準液(Zn)
0.01
500
1 000
2 000
鉛標準液(Pb)
0.01
500
1 000
2 000
鉄標準液(Fe)
0.01
500
1 000
2 000
ニッケル標準液(Ni)
0.01
1 000
2 000
4 000
3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ50 mlに硝酸(1+2)1 ml及びイットリウム標準液(Y:1 mg/ml)
50 μlをとり,水を標線まで加えて混合する(Z液)。
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K 8997:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の5.(ICP発光分光分析)による。
5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に
する。
6) Y1〜Y3液を噴霧し,発光線及び各標準液から作成される検量線の直線性を確認した後,最適な波
長を選択する。
7) Z液,X液,Y1〜Y3液を噴霧し,分析種の発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116の5.8.3(定量法)a)(検量線法)2)(強度比法)によって検量線を作成し,分析種
の含有率を計算する。
f)
判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率5 ppm以下(規
格値),マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格値),カルシウム(Ca):質量分率0.005 %
以下(規格値),亜鉛(Zn):質量分率0.001 %以下(規格値),鉛(Pb):質量分率0.001 %以下(規格
値),鉄(Fe):質量分率0.001 %以下(規格値),ニッケル(Ni):質量分率0.002 %以下”とする。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。
6.7.2 第2法 原子吸光法
第2法 原子吸光法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 酢酸ブチル JIS K 8377に規定するもの。
2) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0〜30.0 %)の体積2と
水の体積3とを混合する。
3) 塩酸(2+1) 6.6 a) 1)による。
4) くえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l) JIS K 8284に規定するくえん酸水素二アンモニウム
10 gを水に溶かして100 mlにする。
5) N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液(10 g/l)[NaDDTC溶液(10 g/l)] JIS K 8454
に規定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトウリム三水和物 1.3 gを水に溶かして100 mlにす
る。使用時に調製する。
6) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
7) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:0.01
mg/ml),亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml),鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml),鉄標準液(Fe:0.01 mg /ml)
及びニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
7.1) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.1)による。
7.2) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.2)による。
7.3) カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.3)による。
7.4) 亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.4)による。
7.5) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.5)による。
7.6) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.6)による。
7.7) ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 4.2.7)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 分液漏斗200 ml JIS R 3503に規定するもの。
2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
3) pH計 6.4 b) 2)による。
12
K 8997:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4) フレーム原子吸光分析装置 JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を,表5に示す。
表5−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
銅
Cu
324.8
マグネシウム
Mg
285.2
カルシウム
Ca
422.7
亜鉛
Zn
213.9
鉛
Pb
283.3
鉄
Fe
248.3
ニッケル
Ni
232.0
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe)の場合
1.1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー200 mlなどにとり,水20 ml及び塩酸(2+1)1 mlを加
えて溶かし,水で80 mlにする。
1.2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー200 mlなどにとり,水20 ml及び塩酸(2+1)1 mlを加
えて溶かし,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml)0.50 ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)1.0 ml,鉄標準液
(Fe:0.01 mg/ml)1.0 ml及び水を加えて80 mlにする。
1.3) 空試験溶液の調製は,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて5 mlにする。
1.4) 試料溶液及び比較溶液に,くえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l)2 mlを加え,pH計を用い
て,アンモニア水(2+3)でpH 5.5に調節し,更にNaDDTC溶液(10 g/l)5 mlを直ちに加え,
水を加えて100 mlにする。
1.5) これらの溶液それぞれを,分液漏斗200 mlに入れ,酢酸ブチル20 mlを加えた後,1分間激しく
振り混ぜ,二層に分かれるまで放置する。この上層(酢酸ブチル相)を分離してとる。試料溶液
からの酢酸ブチル相をX液とし,下層(水相)は保存する。比較溶液からの酢酸ブチル相をY液
とし,下層(水相)は捨てる。
1.6) 試料溶液からの水相を分液漏斗200 mlにとり,酢酸ブチル20 mlを加えて1分間激しく振り混ぜ,
二層に分かれるまで放置して下層(水相)を分離する。この場合の上層(酢酸ブチル相)は捨て
る。再び,水相に酢酸ブチル20 mlを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置して
下層(水相)を分離し,上層(酢酸ブチル相)は捨てる。ここで得た水相に1.3)の空試験溶液を
加え,更にくえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/l)2 mlを加えた後,pH計を用いて,アンモ
ニア水(2+3)でpH 5.5に調節する。更に,NaDDTC溶液(10 g/l)5 mlを直ちに加え,酢酸ブチ
ル20 mlを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置し,上層を分離(酢酸ブチル相)
してZ液とし,空試験に用いる。
1.7) フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめ酢酸ブチルを噴霧してフレームの状態を最適にしてお
き, Y液をフレーム中に噴霧し,表5に示す測定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。
X液,Y液及びZ液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値(n1),
Y液の指示値(n2)及びZ液の指示植(n3)を読み取る。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1.8) 測定結果は,X液の指示値(n1)からZ液の指示値(n3)を引いたn1−n3と,Y液の指示値(n2)
からX液の指示値(n1)を引いたn2−n1とを比較する。
2) マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)の場合
2.1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー200 mlなどにとり,水20 ml及び塩酸(2+1)1 mlを加
えて溶かし,水で80 mlにする(X液)。
2.2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー200 mlなどにとり,水20 ml及び塩酸(2+1)1 mlを加
えて溶かし,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml)5.0 ml,カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml)
5.0 ml,亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml)1.0 ml,ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml)2.0 mlをとり,
水で80 mlにする(Y液)。
2.3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表5に示す測定波長付近で吸
光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光
度を測定し,X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)を読み取る。
2.4) 測定結果は,X液の指示値(n1)と,Y液の指示値(n2)からX液の指示値(n1)を引いたn2−n1
とを比較する。
e) 判定 d) 1)によって操作し,次の1)に適合するとき,“銅(Cu):質量分率5 ppm以下(規格値),鉛
(Pb):質量分率0.001 %以下(規格値),鉄(Fe):質量分率0.001 %以下(規格値)”とし,又はd) 2)
によって操作し,次の2)に適合するとき,“マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格値),
カルシウム(Ca):質量分率0.005 %以下(規格値),亜鉛(Zn):質量分率0.001 %以下(規格値),ニ
ッケル(Ni):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
1) n1−n3は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
なお,質量分率 ppmを求める場合,得られた含有率Aに10 000を乗じる。
100
000
1
1
2
3
1
×
×
×
m
n
n
n
n
B
A
−
−
=
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
2) n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,6.6 e) 1)の注記に準じて求めることができる。
6.8 過マンガン酸還元性物質
過マンガン酸還元性物質の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) りん酸 JIS K 9005に規定するもの。
3) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却し,かき混ぜながら,硫酸の体積1を徐々に加える。
4) 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:3.161 g/l) 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液
の調製,標定及び計算は,次による。
4.1) 調製 JIS K 8247に規定する過マンガン酸カリウム3.2 gをビーカー 2 000 mlにはかりとり,水1
050 mlを加えて1〜2時間穏やかに煮沸した後,約18時間暗所に放置する。その上澄み液をJIS R
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K 8997:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3503に規定するブフナー漏斗形ガラスろ過器(17G4又は25G4)を用いてろ過する。この場合,
ブフナー漏斗形ガラスろ過器は,ろ過の前後に水洗はしない。約30分間水蒸気洗浄した褐色の気
密容器に保存する。
4.2) 標定 標定は,認証標準物質1)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリ
ウムを用い,次のとおり行う。
4.2.1) 認証標準物質1)のしゅう酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
4.2.2) 容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウムを用いる場合は,必要量を200 ℃で約60分乾燥した
後,デシケーターに入れて放冷する。
4.2.3) 認証標準物質1)又は容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウム0.20〜0.24 gを0.1 mgの桁までは
かりとり,コニカルビーカー500 mlに移し,水200 mlを加えて溶かす。硫酸(1+1)20 mlを加
え,液温を25〜30 ℃にし,緩くかき混ぜながら4.1)で調製した0.02 mol/l 過マンガン酸カリウ
ム溶液を,滴定所要量の約2 ml手前までビュレットのコックを全開にして加え,液の紅色が消
えるまで放置する。次に,50〜60 ℃に加熱し,引き続き滴定する。終点は,液のうすい紅色が
約30秒間残る点とする。
別に,コニカルビーカー500 mlに水200 ml及び硫酸(1+1)20 mlをはかりとり,50〜60 ℃
に加熱し,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
4.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
)
(
700
006
.0
2
1
A
V
V
m
f
×
×
−
=
ここに,
f: 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液のファクター
m: はかりとったしゅう酸ナトリウムの質量(g)
A: しゅう酸ナトリウムの純度(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液の体
積(ml)
V2: 空試験に要した0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液の
体積(ml)
0.006 700: 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液1 mlに相当するし
ゅう酸ナトリウムの質量を示す換算係数(g/ml)
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ三角フラスコ JIS R 3503に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,共通すり合わせ三角フラスコなどに水200 mlをとり,りん酸3 ml加えて,混
合しながら硫酸3 mlを注意して加え,溶液が僅かに微紅色を保つまで0.02 mol/l 過マンガン酸カリ
ウム溶液を加え,更に試料16.0 gを入れ,溶かす。
2) 試料溶液に,0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液0.1 mlを加えて栓をして振り混ぜ,1分間放置す
る。ただし,0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液のファクターが1.00でない場合は,加える体積
を補正する。
3) 白の背景を用いて,試料溶液の色を共通すり合わせ三角フラスコなどの上方又は側面から試料溶液
を観察する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“過マンガン酸還元性物質:試験適合”とする。
試料溶液から得られた液の色は,紅色を保つ。
注記 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液1 mlは,0.000 800 g Oに相当する。
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K 8997:2012
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
貯蔵方法
製品の入った容器は,25 ℃以下で貯蔵する。
9
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称 “硫酸マンガン(II)五水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造年月又はその略号
i)
製造業者名又はその略号