K 8987:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8987:1995は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis−Part 2: Specifications−First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的な性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用
新案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8987には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8987:2006
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(Na2SO4) ················································································································· 2
7.3 水溶状 ························································································································· 2
7.4 エタノール可溶分 ·········································································································· 2
7.5 強熱減量(600 ℃) ······································································································· 2
7.6 pH(50 g/l,25 ℃) ······································································································· 2
7.7 塩化物(Cl) ···················································································································· 2
7.8 りん酸塩(PO4) ··············································································································· 3
7.9 窒素化合物(Nとして)·································································································· 3
7.10 カリウム(K)················································································································· 3
7.11 銅(Cu) ························································································································ 3
7.12 カルシウム(Ca) ············································································································ 3
7.13 亜鉛(Zn) ····················································································································· 3
7.14 鉛(Pb) ························································································································ 3
7.15 鉄(Fe) ························································································································· 3
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
日本産業規格
JIS
K 8987:2006
硫酸ナトリウム(試薬)
Sodium sulfate
Na2SO4 FW:142.04
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2:
Specifications−First series を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる硫酸ナトリウムについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis―Part 2:Specifications―First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 硫酸ナトリウムは,無色〜白の結晶又は粉末で,吸湿性が強い。水に溶けやすく,エタノー
ル及びジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料0.5 gに水10 mlを加えて溶かし,塩化バリウム溶液(100 g/l) 1 mlを加えると白い沈殿が生じ,そ
れに塩酸(2+1) 2 mlを加えても,沈殿は溶けない。
b) 試料2 gに水20 mlを加えて溶かし,JIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ
土類金属試験法)によると,黄色が現れる。
2
K 8987:2006
6. 品質 品質は,7. によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(Na2SO4)
質量分率 %
99.0 以上
水溶状
試験適合
エタノール可溶分
質量分率 %
0.05 以下
強熱減量(600 ℃)
質量分率 %
0.5 以下
pH(50g/l,25 ℃)
5.0〜8.0
塩化物(Cl)
質量分率 ppm
5 以下
りん酸塩(PO4)
質量分率 %
0.002 以下
窒素化合物(Nとして)
質量分率 ppm
5 以下
カリウム(K)
質量分率 %
0.01 以下
銅(Cu)
質量分率 ppm
2 以下
カルシウム(Ca)
質量分率 %
0.002 以下
亜鉛(Zn)
質量分率 ppm
2 以下
鉛(Pb)
質量分率 ppm
2 以下
鉄(Fe)
質量分率 ppm
5 以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は必
要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られる
計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度(Na2SO4) 試験方法は,次による。
a) 試料溶液 試料3 gを0.1 mgのけたまではかりとり,全量フラスコ250 mlに入れる。水30 mlを加え
て溶かした後,水を標線まで加える。その25 ml(試料量0.3 g)を正確にとる。
b) 操作 JIS K 8001の5.33(イオン交換滴定法)による。この場合,滴定溶液は0.1 mol/l水酸化ナトリ
ウム溶液,指示薬はブロモチモールブルー溶液を用い,終点は,液の色が黄色から緑に変わる点とす
る。この場合,0.1 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 mlは,0.007 102 g Na2SO4に相当する。
備考 試料は吸湿性が強いことから試料のはかりとりは低湿度の試験室で行うなど,試料の取扱い
に注意する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
エタノール可溶分 試料2.0 gをとり,JIS K 8101に規定するエタノール(99.5) 20 mlを加え,時々振
り混ぜながら1時間放置する。JIS K 8101に規定するエタノール(99.5)で潤したろ紙(5種C)でろ過し,
ろ液はあらかじめ恒量にした,0.1 mgのけたまで質量をはかった蒸発皿にとり,水浴上で蒸発乾固した後,
蒸発皿を105±2 ℃で1時間乾燥する。
7.5
強熱減量(600 ℃) JIS K 0067の4.2(強熱減量試験)による。この場合,試料4.0 gを用い,600 ℃
で約60分間強熱する。
7.6
pH(50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gをとり,二酸化炭素を含まない水を加えて溶かし100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)の(2)による。
7.7
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かし20 mlにする。
3
K 8987:2006
b) 標準側溶液 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 1.0 mlをとり,水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物(Cl)](1)(比濁法)(c)による。
7.8
りん酸塩(PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料0.5 gに水を加えて溶かし20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/ml) 1.0 mlをとり,水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩(PO4)](3)(アスコルビン酸還元法)(c)による。
7.9
窒素化合物(Nとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料6.0 gに水を加えて溶かし140 mlにする。
b) 標準側溶液 窒素標準液(N:0.01 mg/ml) 3.0 mlに,水を加えて140 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.12[窒素化合物(Nとして)](4)(蒸留−インドフェノール青法)(e)による。
7.10 カリウム(K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gに水を加え溶かし100 mlにする(S液)。S液10 ml(試料量1 g)に水を加え
て100 mlにする(X液)(X液は,7.12の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 S液10 mlにカリウム標準液(K:0.1 mg/ml) 1.0 ml及びカルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml)
2.0 mlを加え,更に水を加えて100 mlにする。(Y液)(Y液は,7.12の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.30(炎光光度法)(3)による。
7.11 銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに塩酸(2+1) 1 ml及び水を加えて溶かし80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料5.0 gに銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 1.0 ml,亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml) 1.0 ml,鉛標
準液(Pb:0.01 mg/ml) 1.0 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 2.5 ml及び塩酸(2+1) 1 mlを加え,更に水を加
えて溶かし80 mlにする。
c) 空試験溶液 塩酸(2+1) 1 mlに水を加えて5 mlにする。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d)による。(操作の途中で得られるX液,
Y液及びZ液は,7.13,7.14,及び7.15の試験にも用いる。)。
7.12 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d) による。
7.13 亜鉛(Zn) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d) ③による。
7.14 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d) ③による。
7.15 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
4
K 8987:2006
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 空試験溶液 7.11のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d) ③による。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“硫酸ナトリウム”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造年月又はその略号
h) 製造業者名又はその略号
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K 8987:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8987:2006 硫酸ナトリウム(試薬)
ISO 6353-2:1983, 化学分析用試薬―第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲
試薬として用いる硫
酸ナトリウムについ
て規定。
1
化学分析用試薬40
品目の仕様につい
て規定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く引用
しやすくするために1品目1規格とし
ている。
なお,対応国際規格は20年以上見直し
がされていないため市場の実態に合わ
ない。国際規格の改正を検討する。
2. 引用規格
JIS K 0067
JIS K 8001
JIS K 8101
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格1件を削除し,JIS
を追加・引用,基本的には
同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事項
JIS K 8001による。
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。
4. 種類
−
−
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
−
−
MOD/追加
硫酸ナトリウムの性質の
項を追加。
一般的な説明事項であり,技術的差異
はない。
6. 品質
R35.1
MOD/変更
1) 品質に差異のある項
目:塩化物,カルシウ
ム,鉄。
2) ISO規格の重金属を
JISは銅,鉛に変更。
3) 追加した項目:水溶状,
エタノール可溶分,亜
鉛。
ISO規格は,長期間内容の見直しが行
われず国際市場でISO規格品が用いら
れることはほとんどない。
また,技術的差異も軽微(1)(2)(3)である。
2
K
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:
2
0
0
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
−
R35.2
試験溶液の調製方
法。
MOD/変更
JISは,試験方法の該当項
目で個別に規定。
編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。
7.試験方法
7.1試験条件
及び試験結
果
R35.3
MOD/変更
一般的な試験条件及び試験結果に関す
る事項であり,技術的な差異はない。
7.2純度
(Na2SO4)
陽イオン交換滴定法
R35.3.1
陰イオン交換滴定
法
MOD/変更
陰イオン交換滴定法を陽
イオン交換滴定法に変更。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.3水溶状
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.4エタノー
ル可溶分
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.5強熱減量
(600 ℃)
600 ℃で60分間の強
熱加熱。
R35.3.1
0
600 ℃で恒量にな
るまで加熱。
MOD/変更
1) 試料量などを変更。
2) JIS K 0067を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.6 pH
(50g/l,25℃)
溶液濃度はg/l で規
定。
R35.3.2
溶液濃度は質量分
率で規定。
MOD/変更
1) ISO規格は溶液濃度を
質量分率で規定,JIS
は溶液濃度をg/lで規
定。
2) JIS K 8001の5.5を引
用。
JISは操作性から溶液濃度をg/l で規
定。ISO規格の見直し時に,改正提案
の検討を行う予定。
2
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:
2
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.7塩化物
(Cl)
比濁法
R35.3.3
比濁法
MOD/変更
1) 標準液量などを変更。
2) JIS K 8001の5.7を引
用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。なお,技術的な差異は軽
微であり,対策は考慮しない。
7.8りん酸塩
(PO4)
アスコルビン酸還元
法
R35.3.4
抽出比色法
MOD/変更
1) 試料量,試薬などを変
更。
2) JIS K 8001の5.13を引
用。
7.9窒素化合
物(Nとして)
蒸留−インドフェノ
ール青法
R35.3.5
蒸留−ネスラー法
MOD/変更
1) ISO規格は蒸留−ネス
ラー法,JISは蒸留−
インドフェノール青
法。JISは有害性の少
ない試薬に変更。
2) JIS K 8001の5.12を引
用。
ISO規格のネスラー法は環境・安全上,
変更が必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.10カリウム
(K)
炎光光度法
R35.3.9
炎光光度法
MOD/変更
1) 試料量,試薬など変更。
2) JIS K 8001の5.30を引
用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.11銅(Cu)
原子吸光法
R35.3.7
比濁法
MOD/変更
1) ISO規格の重金属を
JISは鉛,銅を対象に
して試験。
2) JIS K 8001の5.31を引
用。
使用者によって具体的な情報を提供す
るためにJISとして必要。ISO規格の見
直し時に,追加提案の検討を行う予定。
2
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:
2
0
0
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.12カルシウ
ム(Ca)
原子吸光法
R35.3.6
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料量などを変更。
2) JIS K 8001の5.31を引
用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.13亜鉛(Zn) 原子吸光法
―
MOD/追加
試験項目を追加
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討を
行う予定。
7.14鉛(Pb)
原子吸光法
R35.3.7
比濁法
MOD/変更
1) ISO規格の重金属を
JISは鉛,銅を対象に
して試験。
2) ISO規格は比濁法。JIS
は原子吸光法。
3) JIS K 8001の5.31を引
用。
国際的に広く普及している方法に変
更。ISO規格の見直し時に,追加提案
の検討を行う予定。
7.15鉄(Fe)
原子吸光法
R35.3.8
比色法
MOD/変更
1) 比色法を原子吸光法に
変更。
2) JIS K 8001の5.31を引
用。
8.容器
―
MOD/追加
項目を追加
規格適合性を評価する関係で必要な項
目を追加。
9.表示
―
MOD/追加
項目を追加
2
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:
2
0
0
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注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜3)は,いずれも一般用途の試薬として軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほとん
どない。ISO規格,JIS規格とも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜
質量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えのないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。(Ⅳ)の1)〜3) の品質項目及び品質
水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった。高純度試薬など特殊用途の試薬を使用す
ることになる
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引きがほとんどなく,国際規格とし
ての存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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9
8
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0
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