K 8976:2017
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度[Ce(SO4)2・4H2O] ·································································································· 3
6.3 希硫酸溶状 ··················································································································· 4
6.4 塩化物(Cl) ················································································································ 5
6.5 りん酸塩(PO4) ··········································································································· 5
6.6 窒素化合物(Nとして)·································································································· 7
6.7 ナトリウム(Na)及びカリウム(K)················································································ 9
6.8 銅(Cu)及び鉛(Pb) ·································································································· 10
6.9 アルミニウム(Al)及び鉄(Fe) ···················································································· 11
7 容器······························································································································ 13
8 表示······························································································································ 13
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8976:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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硫酸セリウム(IV)四水和物(試薬)
Cerium(IV) sulfate tetrahydrate
Ce(SO4)2・4H2O FW:404.30
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる硫酸セリウム(IV)四水和物について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0970 ピストン式ピペット
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8121 塩化カリウム(試薬)
JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8202 塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物(試薬)
JIS K 8255 硫酸カリウムアルミニウム・12水(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8519 しゅう酸二水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8548 硝酸カリウム(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
2
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JIS K 8653 デバルダ合金(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8798 フェノール(試薬)
JIS K 8810 1-ブタノール(試薬)
JIS K 8905 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8978 硫酸鉄(II)七水和物(試薬)
JIS K 8979 硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
硫酸セリウム(IV)四水和物は,黄から赤みの黄の結晶又は結晶性粉末で,水及びエタノール(99.5)
にほとんど溶けない。希硫酸にやや溶けやすい。
4.2
定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料0.5 gをはかりとり,塩酸(2+1)10 mLを加えて溶かす(A液)。A液5 mLに過酸化水素0.5 mL
を加えると液の黄が無色に変わり,これにアンモニア水1 mLを加えると黄赤の沈殿が生じる。
b) A液5 mLに塩化バリウム溶液(100 g/L)1 mLを加えると,白い沈殿が生じる。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
3
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度[Ce(SO4)2・4H2O] 質量分率 %
98.0〜102.5
6.2
希硫酸溶状
−
試験適合
6.3
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.001以下
6.4
りん酸塩(PO4)
質量分率 %
0.01以下
6.5
窒素化合物(Nとして) 質量分率 %
0.002以下
6.6
ナトリウム(Na)
質量分率 %
0.02以下
6.7
カリウム(K)
質量分率 %
0.005以下
6.7
銅(Cu)
質量分率 %
0.001以下
6.8
アルミニウム(Al)
質量分率 %
0.01以下
6.9
鉛(Pb)
質量分率 %
0.001以下
6.8
鉄(Fe)
質量分率 %
0.005以下
6.9
6
試験方法
6.1
一般事項
一般事項は,次による。
a) 試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
b) 使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。
c) 使用する標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準液を,使用用途に合致することを確
認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,使用用途に合致することを確認
して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。
注記1 計量計測トレーサビリティが確保された標準液としては,計量標準供給制度[JCSS(Japan
Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標
準総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST),ドイツ連邦材料試験研究所
(BAM)などが供給する標準液及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された市
販の認証標準液がある。
d) 滴定用溶液の調製及び標定は,JIS K 8001の附属書JA(試験用溶液類の調製方法及び滴定用溶液類の
調製及び標定)による。市販品を用いる場合は,使用用途に合致することを確認する。
注記2 計量計測トレーサビリティが確保された滴定用溶液としては,ISO/IEC 17025に基づく認
定試験所が認定の範囲で値付けした市販の滴定用溶液がある。
6.2
純度[Ce(SO4)2・4H2O]
純度[Ce(SO4)2・4H2O]の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) フェロイン溶液 JIS K 8978に規定する硫酸鉄(II)七水和物0.70 gをはかりとり,水70 mL及び
JIS K 8202に規定する塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物1.78 gを加えて溶かし,水を加え
100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
2) 硫酸(1+5) 水の体積5を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々に
加える。
3) 0.1 mol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液[Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O:39.21 g/L] JIS K 8979に規定す
る硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物及びJIS K 8951に規定する硫酸を用い,6.1 d)による。
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
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試料1 gを0.1 mgの桁まではかりとり,硫酸(1+5)30 mLを加えて加熱して溶かし,冷却する。
これに指示薬としてフェロイン溶液2滴を加え,0.1 mol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液で滴定する。
終点は,液の色が青緑から黄赤に変わる点とする。
または,光度滴定によって,500 nm〜530 nmで滴定する。終点は,変曲点とする。
c) 計算 純度[Ce(SO4)2・4H2O]は,次の式によって算出する。
100
43
040
.0
×
×
×
=
m
f
V
A
ここに,
A: 純度[Ce(SO4)2・4H2O](質量分率 %)
V: 滴定に要した0.1 mol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液の
体積(mL)
f: 0.1 mol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液のファクター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.040 43: 0.1 mol/L 硫酸アンモニウム鉄(II)溶液1 mLに相当す
るCe(SO4)2・4H2Oの質量を示す換算係数(g/mL)
6.3
希硫酸溶状
希硫酸溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合する。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加
えて100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 硫酸(1+15) 水の体積15を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加える。
4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ
ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[6.3
c)参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20
mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,硫酸(1+15)15 mLを加え,加熱して溶か
し,硫酸(1+15)を加えて20 mLにする。
2) 濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり合わせ平底試験管の
上方又は側方から観察する。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“希硫酸溶状:試験適合”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
5
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6.4
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 4)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 洗浄ろ紙 JIS P 3801に規定するろ紙(5種C)を硝酸(1+2)50 mLずつで2回洗い,更に水50 mL
ずつで2回洗ったもので,その最終洗液20 mLを試験管にとり,硝酸(1+2)l mL及び硝酸銀溶液
(20 g/L)l mLを加えて15分間放置後に6.3 b)(澄明)であることを確認する。澄明でなければ,洗
浄を最初から繰り返す。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gをはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水10 mLを加え,加熱して溶
かした後,冷却する。これに水を加えて50 mLにする(B液)。B液20 mL(試料量0.8 g)を共通
すり合わせ平底試験管にとる。
2) 比較溶液の調製は,B液20 mL(試料量0.8 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,硝酸銀溶液(20
g/L)1 mLを加え,沸騰水浴中で10分間加熱した後,冷却し,洗浄ろ紙(5種C)を用いて共通す
り合わせ平底試験管にろ過した後,ろ紙及び沈殿を水で洗い,ろ液と洗液とを合わせる。
3) 試料溶液には,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加える。また,比較溶液には,塩化物標準液(Cl:0.01
mg/mL)0.8 mLを加える。それぞれに水を加えて30 mLにして振り混ぜた後,15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.5
りん酸塩(PO4)
りん酸塩(PO4)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %〜30.0 %)の体積2と
水の体積3とを混合する。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
2) 塩化すず(II)溶液(りん酸定量用) JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをはかり
とり,JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)60 mLを加えて溶かす(褐色ガラス製瓶に保存す
る。)。この液1 mLをとり,硫酸(1+30)を加えて250 mLにする。使用時に調製する。
3) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
4) 炭酸ナトリウム溶液(100 g/L) JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム10 gをはかりとり,水を加
えて溶かし,水を加えて100 mLにする。
5) 熱しゅう酸溶液(100 g/L) JIS K 8519に規定するしゅう酸二水和物14 gをはかりとり,適量の水
を加え,加熱して溶かし,水を加えて100 mLにする。これを使用時に60 ℃以上に加熱する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用) JIS K 8905に規定する七モリブデン酸六アン
モニウム四水和物10.6 gをはかりとり,水70 mL及びJIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分
率28.0 %〜30.0 %)7 mLを加えて加熱しないで溶かし,水を加えて100 mLにする。これをろ過後,
ろ液に水を加えて200 mLにし,硫酸(1+5)10 mLを加える。
七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用)の洗浄は,これを分液漏斗に移し,JIS K 8810
に規定する1-ブタノール30 mLを加え,1〜2分間激しく振り混ぜる。放置後,1-ブタノール相と水
相とを分離する(水相を保存する。)。
洗浄の確認試験は,洗浄操作で分離した1-ブタノール相を硫酸(1+5)15 mLで洗い,硫酸相を
除去する操作を2回行った後,1-ブタノール相に塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)15 mLを加え
て30秒間振り,放置し,1-ブタノール相に青が現れないことを確認する。
なお,確認試験で1-ブタノール相に青が現れた場合は,保存水相の洗浄及び確認試験を繰り返す。
ポリエチレン製瓶などに保存する。
7) 硫酸(1+5) 6.2 a) 2)による。
8) 硫酸(1+30) 水の体積30を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加える。
9) りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 9007に規定するりん酸二水素
カリウム1.43 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混
合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの。
3) 水浴 6.4 b) 3)による。
4) 電気炉 650 ℃±50 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料0.50 gをはかりとり,硝酸(1+2)10 mL及び水50 mLを加えて溶かす。
これにかき混ぜながら熱しゅう酸溶液(100 g/L)10 mLを加え,2時間放置した後,水を加えて100
mLにする。ろ紙(5種C)を用いてろ過し,ろ液50 mL(試料量0.25 g)を蒸発皿にとり,アンモ
ニア水(2+3)で中和する。
2) 比較溶液の調製は,りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/mL)2.5 mLを蒸発皿にとり,硝酸(1+2)5 mL
及び熱しゅう酸溶液(100 g/L)5 mLを加え,アンモニア水(2+3)で中和する。
3) 試料溶液及び比較溶液に,炭酸ナトリウム溶液(100 g/L)0.5 mLを加え,沸騰水浴上で蒸発乾固す
る。さらに,電気炉を用いて650 ℃±50 ℃で強熱し,放冷する。これらに水10 mLを加え,加熱
して溶かし,冷却する。それぞれを硫酸(1+5)で中和した後[濁りがあれば,ろ紙(5種C)で
ろ過して水で洗う。],水で共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて20 mLにする。
4) 試料溶液及び比較溶液に,硫酸(1+5)2.5 mL及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定
量用)1 mLを加えて,振り混ぜて3分間放置する。これに塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)1 mL
を加え,振り混ぜて10分間放置する。
5) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,色を比較する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“りん酸塩(PO4):質量分率0.01 %以下(規格値)”と
する。
試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の青より濃くない。
6.6
窒素化合物(Nとして)
窒素化合物(Nとして)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) デバルダ合金 JIS K 8653に規定するもの。
2) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gをはかりとり,水60 mLを
加えて溶かす。これにJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物
(EDTA2Na)5 gを加えて溶かし,水で100 mLにする。
3) 吸収液 図1に示す受器(H)に,硫酸(1+15)2 mLを入れ,水18 mLを加える[吸収液を入れ
た受器(H)は,試験に必要な数を準備する。]。
なお,硫酸(1+15)の調製は,水の体積15を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する
硫酸の体積1を徐々に加える。
4) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質
量分率5 %〜12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でう
すめる。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
有効塩素の定量方法 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %〜12 %)10 gを全量フ
ラスコ200 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,水を標線まで加えて混合する。その20 mLを共通す
り合わせ三角フラスコ300 mLに正確にとり,水100 mL,JIS K 8913に規定するよう化カリウム2 g
及び酢酸(1+1)6 mLを加えて栓をして振り混ぜる。約5分間暗所に放置後,指示薬としてでんぷ
ん溶液を用い,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん溶液は,終点間
際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。終点は,液の青が消える点とする。
別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
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)
(
2
1
×
×
×
×
−
=
m
f
V
V
A
ここに,
A:次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %〜
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V1:滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(mL)
V2:空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(mL)
f:0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m:はかりとった次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質
量分率5 %〜12 %)の質量(g)
0.003 545 3:0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当するCl
の質量を示す換算係数(g/mL)
なお,酢酸(1+1),でんぷん溶液及び0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,次による。
酢酸(1+1)の調製は,JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
でんぷん溶液の調製は,JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gをはかりと
り,水10 mLを加えてかき混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に冷却する。冷所に保存し,10日以内に使用する。
0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物,
及びJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-ブタノールを用
い,6.1 d)による。
5) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L) 水酸化ナトリウム30.9 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水
を加えて100 mLにする。ポリエチレン製瓶などに保存する。
6) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)18 mLをビーカー200 mLにとる。
冷水中で冷却しながら,JIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更にJIS K
8034に規定するアセトン4 mLを加え,水を加えて100 mLにする。使用時に調製する。
7) 硫酸(1+15) 6.3 a) 3)による。
8) 窒素標準液(N:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,窒素標準液(N:0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 8548に規定する硝酸カリウム7.22 g
を全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液
10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
3) 沸騰石 液体を沸騰させるとき突沸を防ぐために入れる多孔質の小片。
4) 恒温水槽 20 ℃〜25 ℃に調節できるもの。
5) 蒸留装置 例を図1に示す1)。
6) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを蒸留フラスコ500 mLにはかりとり,硫酸(1+15)10 mLを加え,
加熱して溶かし,水を加えて140 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,窒素標準液(N:0.01 mg/mL)2.0 mLを蒸留フラスコ500 mLにとり,硫酸(1
+15)10 mL及び水を加えて140 mLにする。
3) 空試験溶液は,硫酸(1+15)10 mLを蒸留フラスコ500 mLにとり,水を加えて140 mLにする。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,沸騰石2,3粒を入れる。受器Hに吸収液20 mLを入れ,
逆流止めGの先端を浸す。蒸留フラスコAにデバルダ合金1 gを入れ,直ちに蒸留装置に連結する。
これに水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)10 mLを注入漏斗Dから加える。注入漏斗Dを水10 mL
で洗い,すり合わせコックCを閉じる。蒸留して初留約75 mLをとり,水を加えて100 mLにする
(試料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得られた液をY液及び空試験溶液から得られた液
をZ液とする。)。
5) X液10 mL,Y液10 mL及びZ液10 mLをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na
溶液(インドフェノール青法用)1 mL及びナトリウムフェノキシド溶液4 mLを加えてよく振り混
ぜる。これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %)2.5 mLを加え,更に水を加
えて25 mLにし,20 ℃〜25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。
6) X液及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照液とし,吸収セル(光路長10 mm)を
用いて,分光光度計で波長630 nmにおける吸光度を,JIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測
定)によって測定して比較する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“窒素化合物(Nとして):質量分率0.002 %以下(規格
値)”とする。
X液から得られた吸光度は,Y液から得られた吸光度より大きくない。
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
蒸留フラスコ
連結導入管
すり合わせコックK-16
注入漏斗
ケルダール形トラップ球(E':小孔)
球管冷却器
逆流止め
受器(有栓形メスシリンダー100 mL)
共通すり合わせ
共通テーパー球面すり合わせ
押さえばね
図1−蒸留装置の例
注1) 装置の材質は,ほうけい酸ガラス製で,その接続部はすり合わせとするか,又はシリコーンゴ
ムを用いる。シリコーンゴムの場合は,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)に入れて10〜30分間
煮沸し,次に水に入れて30〜60分間煮沸した後,更に水でよく洗ったものを使用する。
6.7
ナトリウム(Na)及びカリウム(K)
ナトリウム(Na)及びカリウム(K)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硫酸(1+15) 6.3 a) 3)による。
2) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナト
リウム2.54 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合
する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエ
チレン製瓶などに保存する。
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3) カリウム標準液(K:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,カリウム標準液(K:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8121に規定する塩化カリウ
ム1.91 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
ポリエチレン製瓶などに保存する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線
まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
ナトリウム(Na)
589.0
カリウム(K)
766.5
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料0.10 gをはかりとり,硫酸(1+15)2 mLを加え,加熱して溶かし,冷却
する。これを水で全量フラスコ20 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料0.10 gをはかりとり,硫酸(1+15)2 mLを加え,加熱して溶かし,冷却
する。これを水で全量フラスコ20 mLに移し,ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/mL)2.0 mL及びカ
リウム標準液(K:0.01 mg/mL)0.50 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2の測定波長付近で吸光度が
最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,吸光度を測定し,X液
の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1と,Y液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na):質量分率0.02 %以下(規格値),
カリウム(K):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
100
000
1
1
2
1
×
×
−
×
=a
n
n
n
B
A
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
a: はかりとった試料の質量(g)
6.8
銅(Cu)及び鉛(Pb)
銅(Cu)及び鉛(Pb)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
2) 硫酸(1+15) 6.3 a) 3)による。
3) 銅標準液(Cu:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なお,銅標準液(Cu:0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和
物3.93 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を
標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mL
を加え,更に水を標線まで加えて混合する。
4) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)を調製する場合,JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを
全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mLを加えて溶かし,水を標線まで加えて混
合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mLを加え,更に水
を標線まで加えて混合する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 6.7 b)による。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表3に示す。
表3−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
銅(Cu)
324.8
鉛(Pb)
283.3
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gをはかりとり,硫酸(1+15)14 mLを加え,加熱して溶かし,冷却
する。これを少量の水で全量フラスコ20 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料2.0 gをはかりとり,硫酸(1+15)14 mLを加え,加熱して溶かし,冷却
する。これを少量の水で全量フラスコ20 mLに移し,銅標準液(Cu:0.01 mg/mL)2.0 mL及び鉛標
準液(Pb:0.01 mg/mL)2.0 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表3の測定波長付近で吸光度が
最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,吸光度を測定し,X液
の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1と,Y液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率0.001 %以下(規格値),鉛(Pb):
質量分率0.001 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,6.7 e)の注記によって求めることができる。
6.9
アルミニウム(Al)及び鉄(Fe)
アルミニウム及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合する。
2) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
3) 硫酸(1+15) 6.3 a) 3)による。
4) アルミニウム標準液(Al:0.1 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,アルミニウム標準液(Al:0.1 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8255に規定する硫酸カリ
12
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ウムアルミニウム・12水17.6 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,塩酸(2+1)15 mL及び水
を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液100 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確に
とり,塩酸(2+1)15 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保
存する。
5) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム
鉄(III)12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶
かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1
+2)25 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもの。
2) ICP発光分光分析装置 装置の構成は,JIS K 0116に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表4に示す。
表4−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
アルミニウム(Al)
396.153
鉄(Fe)
238.204
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料0.50 gをはかりとり,硫酸(1+15)10 mLを加え,加熱して溶かし,冷却
する。これを水で全量フラスコ20 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 試料0.50 gを三つはかりとり,硫酸(1+15)10 mLを加え,加熱して溶かし,冷却する。それぞれ
を水で全量フラスコ20 mLに移し,アルミニウム標準液(Al:0.1 mg/mL)及び鉄標準液(Fe:0.01
mg/mL)をピストン式ピペットで表5に示す各標準液の体積を3段階加え,水を標線まで加えて混
合する(それぞれY1液,Y2液及びY3液とする。)。
表5−採取する標準液の体積
標準液
mg/mL
採取量 μL
Y1
Y2
Y3
アルミニウム標準液(Al)
0.1
400
500
600
鉄標準液(Fe)
0.01
1 500
2 500
3 500
3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ20 mLに硫酸(1+15)10 mLをとり,水を標線まで加えて混合
する(Z液)。
4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の箇条4(ICP発光分光分析)による。
5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に
する。
6) 同一分析種ごとに複数波長を選択し,Y1液,Y2液及びY3液を用いて,関係線を作成し,関係線
のy切片が低く,感度及び直線性が良好な波長を選択する。この条件を満たせない場合,分析結果
13
K 8976:2017
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に対する影響(定量限界,再現精度)を考慮して選択する。
7) Z液,X液,Y1液,Y2液及びY3液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116の4.7.3 b)(標準添加法)によって,発光強度と濃度との関係線を作成し,横軸(濃
度)の切片から分析種の含有率を求める。
f)
判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“アルミニウム(Al):質量分率0.01 %以下(規格値),
鉄(Fe):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“硫酸セリウム(IV)四水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号