K 8937
:2015
(1)
目 次
ページ
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
種類
2
4
性質
2
5
品質
2
6
試験方法
2
6.1
一般事項
2
6.2
留分(80 ℃〜110 ℃)
2
6.3
不揮発物
2
6.4
酸(H
2
SO
4
として)
2
6.5
硫化物及び還元性物質
5
6.6
硫酸着色物質
5
6.7
銅腐食試験
7
7
容器
7
8
表示
7
K 8937
:2015
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8937:1994 は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成 27 年 9 月 19 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ
ーク表示認証において,JIS K 8937:1994 によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格
JIS
K
8937
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リグロイン(試薬)
Ligroin (Reagent)
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるリグロインについて規定する。
警告 1 リグロインは引火性があるので火気に注意し,また,有害なので,換気のよい場所で試料を
取り扱い,蒸気の吸入,及び皮膚・粘膜に付着しないようにする。
警告 2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)
,MSDS(化学物質等安全データシ
ート:JIS Z 7250−2012 年に廃止され,JIS Z 7253 に移行。JIS Z 7250:2010 に従ってよい猶
予期間は 2016 年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健康に対する適切な措
置をとらなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS H 3100
銅及び銅合金の板並びに条
JIS K 0050
化学分析方法通則
JIS K 0066
化学製品の蒸留試験方法
JIS K 0067
化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 1107
窒素
JIS K 2513
石油製品−銅板腐食試験方法
JIS K 8001
試薬試験方法通則
JIS K 8005
容量分析用標準物質
JIS K 8085
アンモニア水(試薬)
JIS K 8101
エタノール(99.5)
(試薬)
JIS K 8102
エタノール(95)
(試薬)
JIS K 8103
ジエチルエーテル(試薬)
JIS K 8129
塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
JIS K 8142
塩化鉄(III)六水和物(試薬)
JIS K 8180
塩酸(試薬)
JIS K 8550
硝酸銀(試薬)
JIS K 8574
水酸化カリウム(試薬)
2
K 8937
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JIS K 8576
水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603
ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8842
ブロモチモールブルー(試薬)
JIS K 8844
ブロモフェノールブルー(試薬)
JIS K 8951
硫酸(試薬)
JIS K 9007
りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS R 3505
ガラス製体積計
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
リグロインは,主成分が炭素数 7〜8(C7〜C8)の炭化水素の混合物であり,無色の揮発性の液体で特
異な臭いがある。エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,水にほとんど溶けない。密度は,
0.68 g/mL〜0.75 g/mL である。
5
品質
品質は,箇条 6 によって試験したとき,
表 1 に適合しなければならない。
表 1−品質
項目
規格値
試験方法
留分(80 ℃〜110 ℃) 体積分率 %
90 以上
6.2
不揮発物
質量分率 %
0.001 以下
6.3
酸(H
2
SO
4
として)
質量分率 ppm 5 以下
6.4
硫化物及び還元性物質
試験適合
6.5
硫酸着色物質
試験適合
6.6
銅腐食試験
試験適合
6.7
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。
6.2
留分(80 ℃〜110 ℃)
留分は,JIS K 0066 の
附属書(B 法による方法)による。
6.3
不揮発物
不揮発物の試験方法は,JIS K 0067 の 4.3.4 (1)(第 1 法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場
合,試料 100 g(139.9 mL)をはかりとり,蒸発させる容器に適量ずつ入れて,残分は 0.1 mg の桁までは
かる。
6.4
酸(H
2
SO
4
として)
酸(H
2
SO
4
として)の試験方法は,次による。
a)
ガス及び試験用溶液類 ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1)
窒素 JIS K 1107 に規定するもの。
3
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2)
水酸化カリウム溶液(250 g/L)
(必要な場合に用いる。
) JIS K 8574 に規定する水酸化カリウム 29.4
g を水に溶かして 100 mL にする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
3)
二酸化炭素を除いた水 次のいずれか,又はそれらを組み合わせたものを用い,使用時に調製する。
3.1)
水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/L)を入れたもの,又はソーダ石灰管(JIS K 8603 に規定するソーダ石灰を入れ
た管)を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却したもの。
3.2)
水をフラスコに入れ,水の中に JIS K 1107 に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。
3.3)
二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて,水から二酸化炭素を除いたもの。
3.4) 18
MΩ・cm 以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,JIS K 1107 に規定する窒素を通じた三角フ
ラスコに泡立てないように採取したもの。ただし,採水後速やかに用いる。
4) pH 6.8
の緩衝液 0.1 mol/L りん酸二水素カリウム溶液 50 mL 及び 0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液
11.82 mL を全量フラスコ 100 mL に正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。
4.1) 0.1 mol/L
りん酸二水素カリウム溶液 JIS K 9007 に規定するりん酸二水素カリウム(pH 標準液
用)6.80 g(質量分率 100 %としての相当質量)を全量フラスコ 500 mL にはかりとり,適量の二
酸化炭素を除いた水で溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ほうけい酸ガ
ラス製瓶,又はポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
4.2) 0.2 mol/L
水酸化ナトリウム溶液(NaOH:8.000 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液 10 mL を全
量フラスコ 500 mL に正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで入れて混合する。ファクター
は,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクターを用いる。
4.2.1) 1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標
定及び計算は,次による。
4.2.1.1)
調製 JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 165 g をポリエチレンなどの樹脂製気密容器
500 mL にはかりとり,二酸化炭素を除いた水 150 mL を加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り
4〜5 日間放置する。その上澄み液 54 mL をポリエチレンなどの樹脂製気密容器 1 000 mL にと
り,二酸化炭素を除いた水を加えて 1 000 mL とし,混合する。必要があれば,ソーダ石灰管[a)
3.1)
参照]を付けて保存する。
4.2.1.2)
標定 標定は,認証標準物質
1)
又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を
用い,次のとおり行う。
4.2.1.2.1)
認証標準物質
1)
のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
4.2.1.2.2)
容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で乾燥
する。
4.2.1.2.3)
認証標準物質
1)
又は容量分析用標準物質のアミド硫酸 2.4 g〜2.6 g を 0.1 mg の桁まではかりコ
ニカルビーカー100 mL に移し,水 25 mL を加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモール
ブルー溶液数滴を加え,4.2.1.1)で調製した 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点
は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。
注
1)
認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合
センター(NMIJ)
,米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証
標準物質生産者がある。
4.2.1.3)
計算 ファクターは,次の式によって算出する。
4
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100
09
097
.
0
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f
:
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液のファクター
m
:
はかりとったアミド硫酸の質量(
g
)
A
:
アミド硫酸の純度(質量分率
%
)
V
:
滴定に要した
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液の体積(
mL
)
0.097 09
:
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液
1 mL
に相当するアミド硫
酸の質量を示す換算係数(
g/mL
)
5)
ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー
0.10 g
を JIS K 8102 に規
定するエタノール(
95
)
50 mL
に溶かし,水で
100 mL
にする。褐色ガラス製瓶に保存する。
6)
ブロモフェノールブルー溶液 JIS K 8844 に規定するブロモフェノールブルー
0.10 g
を JIS K 8102
に規定するエタノール(
95
)
50 mL
に溶かし,水で
100 mL
にする。褐色ガラス製瓶に保存する。
7)
0.02 mol/L
塩酸(
HCl
:
0.729 2 g/L
)
1 mol/L
塩酸
10 mL
を全量フラスコ
500 mL
に正確にとり,水
を標線まで加えて混合した後,気密容器に入れて保存する。ファクターは,
1 mol/L
塩酸のファク
ターをそのまま用いる。
7.1)
1 mol/L
塩酸(
HCl
:
36.46 g/L
)
1 mol/L
塩酸の調製,標定及び計算は,次による。
7.1.1)
調製 JIS K 8180 に規定する塩酸(特級)
90 mL
をとり,水を加えて
1 000 mL
とし,混合した
後,気密容器に入れて保存する。
7.1.2)
標定 標定は,認証標準物質
1)
又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム
を用い,次のとおり行う。
7.1.2.1)
認証標準物質
1)
の炭酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
7.1.2.2)
容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で乾
燥する。
7.1.2.3)
認証標準物質
1)
又は容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム
1.3 g
〜
1.4 g
を
0.1 mg
の桁まではか
りとり,コニカルビーカー
200 mL
に移し,水
20 mL
を加えて溶かす。指示薬としてブロモフ
ェノールブルー溶液数滴を加え,7.1.1)で調製した
1 mol/L
塩酸で滴定する。この場合,終点付
近で煮沸して二酸化炭素を除き,冷却した後,引き続き滴定を行う。終点は,液の色が青紫か
ら青みの緑になる点とする。
7.1.3)
計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
99
052
.
0
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f
:
1 mol/L
塩酸のファクター
m
:
はかりとった炭酸ナトリウムの質量(
g
)
A
:
炭酸ナトリウムの純度(質量分率
%
)
V
:
滴定に要した
1 mol/L
塩酸の体積(
mL
)
0.052 99
:
1 mol/L
塩酸
1 mL
に相当する炭酸ナトリウムの質量を示
す換算係数(
g/mL
)
8)
0.05 mol/L
水酸化ナトリウム溶液(
NaOH
:
2.00 g/L
)
4.2.1)
の
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液
10 mL
を全量フラスコ
200 mL
に正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合した後,ポリ
エチレンなどの樹脂製気密容器に入れる。使用時に調製する。
なお,ファクターは,
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液のファクターを用いる。
b)
器具 主な器具は,次のとおりとする。
5
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メスピペット又はマイクロビュレット JIS R 3505 に規定する最小目盛
0.01 mL
のもの。
c)
操作 操作は,次のとおり行う。
1)
試料溶液の調製は,あらかじめ窒素を約
200 mL/min
の流量で約
2
分間通じて,空気を置換した分液
漏斗
100 mL
に,
二酸化炭素を除いた水
25 mL
及びブロモチモールブルー溶液
3
滴を速やかに加え,
液面に窒素を通じながら,
0.02 mol/L
塩酸又は
0.2 mol/L
水酸化ナトリウム溶液を液の色が中間色
2)
になるまでメスピペット又はマイクロビュレットを用いて加える。直ちに試料
50 g
(
69.9 mL
)を
加え,
2
分間激しく振り混ぜ,あらかじめ窒素を
2
分間通じて空気を置換した三角フラスコ
100 mL
などに下層(水相)を移す。
注
2)
pH
6.8
の緩衝液約
25 mL
を共通すり合わせ三角フラスコ
100 mL
に入れてブロモチモールブ
ルー溶液
3
滴を加えたときの色。
2)
分離した水相の表面に,窒素を流しながら
0.05 mol/L
水酸化ナトリウム溶液
0.10 mL
を加え,液の
色を観察する。
0.05 mol/L
水酸化ナトリウム溶液のファクターが
1.00
でない場合は,加える体積を
補正する。
d)
判定 c)によって操作し,次に適合するとき, 酸(
H
2
SO
4
として)
:質量分率
5 ppm
以下(規格値)
とする。
試料溶液から得られた水相の色は,中間色からアルカリ性側の色(青)を示す。
注記
0.05
mol/L
水酸化ナトリウム溶液
1 mL
は,
0.002 452 0 g H
2
SO
4
に相当する。
6.5
硫化物及び還元性物質
硫化物及び還元性物質の試験方法は,次による。
a)
試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1)
アンモニア水 JIS K 8085 に規定する質量分率
25.0 %
〜
27.9 %
のもの。
2)
エタノール(99.5)
JIS K 8101
に規定するもの。
3)
硝酸銀溶液(20 g/L)
JIS K 8550
に規定する硝酸銀
2 g
を水に溶かして
100 mL
にする。溶液は,褐
色ガラス製瓶に保存する。
b)
器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例
として,容量
50 mL
,直径約
23 mm
のもの。
c)
操作 操作は,次のとおり行う。
1)
試料溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管にアンモニア水
1 mL
,エタノール(
99.5
)
5 mL
及び
硝酸銀溶液(
20 g/L
)
0.5 mL
をとり,混合したものに,試料
5 mL
を加えて振り混ぜる。光を遮り(遮
光して)約
50
℃で
5
分間温める。
2)
白の背景を用いて,試料溶液の色を,共通すり合わせ平底試験管の側面から観察する。
d)
判定 c)によって操作し,次に適合するとき, 硫化物及び還元性物質:試験適合 とする。
試料溶液には,褐色が現れない。
6.6
硫酸着色物質
硫酸着色物質の試験方法は,次による。
a)
試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1)
塩酸(1+39)
JIS K 8180
に規定する塩酸(特級)の体積
1
と水の体積
39
とを混合する。
2)
ブロモチモールブルー溶液 6.4 a) 5)による。
3)
硫酸[質量分率(95±0.5)%]
硫酸[質量分率(
95
±
0.5
)
%
]の調製は,あらかじめ JIS K 8951
6
K 8937
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に規定する硫酸の純度を求める。希釈が必要な場合は,計算量の水をとり,注意して徐々に加えて
硫酸濃度を質量分率(
95
±
0.5
)
%
に調節する。
硫酸の純度 共通すり合わせ三角フラスコ
100 mL
の質量を
0.1 mg
の桁まではかり,JIS K 8951
に規定する硫酸
1.0 g
を入れ,再び
0.1 mg
の桁まで質量をはかる。共通すり合わせ三角フラスコを
冷却しながら水
20 mL
を徐々に加える。ブロモチモールブルー溶液数滴を加え,
1 mol/L
水酸化ナ
トリウム溶液で滴定する。終点は液の色が黄から青みの緑に変わる点とする。
硫酸の純度は,次の式によって算出する。
100
04
0.049
1
2
×
−
×
×
=
m
m
f
V
A
ここに,
A
:
硫酸の純度(
H
2
SO
4
)
(質量分率
%
)
V
:
滴定に要した
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液の体積(
mL
)
f
:
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液のファクター
m
2
:
試料を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質量(
g
)
m
1
:
共通すり合わせ三角フラスコの質量(
g
)
0.049 04
:
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液
1 mL
に相当する
H
2
SO
4
の質
量を示す換算係数(
g/mL
)
4)
1 mol/L
水酸化ナトリウム溶液(
NaOH
:
40.00 g/L
)
6.4 a) 4.2.1)
による。
5)
比色原液 比色原液の調製は,次による。
5.1)
塩化コバルト(II)比色原液 JIS K 8129 に規定する塩化コバルト(
II
)六水和物
59.5 g
(質量分
率
100 %
としての相当質量)をビーカー
1 000 mL
にはかりとり,塩酸(
1
+
39
)を加えて溶かし,
全量フラスコ
1 000 mL
に移し,更に塩酸(
1
+
39
)を標線まで加えて混合する。
5.2)
塩化鉄(III)比色原液 JIS K 8142 に規定する塩化鉄(
III
)六水和物
45.0 g
(質量分率
100 %
とし
ての相当質量)をビーカー
1 000 mL
にはかりとり,塩酸(
1
+
39
)を加えて溶かし,全量フラスコ
1 000 mL
に移し,更に塩酸(
1
+
39
)を標線まで加えて混合する。
b)
着色の程度の適合限度標準 着色の程度の適合限度標準 比色標準液
H
は,次による。
表 2 に示す割合によって比色標準液
H 5.0 mL
を共通すり合わせ平底試験管に調製する。
表 2−硫酸着色物質試験用比色標準液 H
単位 mL
比色標準液
の記号
比色原液
塩化コバルト(II)
塩化鉄(III)
水
H 0.2 1.5 3.3
c)
器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.5 b)による。
d)
操作 操作は,次のとおり行う。
1)
試料溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に試料
5 mL
を入れ,約
10
℃に冷却する。振り混ぜ
ながら,約
10
℃に冷却した硫酸[質量分率(
95
±
0.5
)
%
]
5 mL
を,
30
℃を超えないように注意
して徐々に加え,約
10
℃に冷却し,約
10
℃で
15
分間放置する。
2)
白の背景を用いて,試料溶液から得られた下層(硫酸相)の色を,共通すり合わせ平底試験管の側
面から観察して比較する。
e)
判定 d)によって操作し,次に適合するとき, 硫酸着色物質:試験適合 とする。
試料溶液から得られた下層(硫酸相)の色は,比色標準液
H
の色より濃くない。
7
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6.7
銅腐食試験
銅腐食試験の試験方法は,次による。
a)
試薬 試薬は,次のものを用いる。
1)
エタノール(99.5)
JIS K 8101
に規定するもの。
2)
ジエチルエーテル JIS K 8103 に規定するもの。
3)
銅板 JIS H 3100 の
C1100P
,
C1201P
又は
C1220P
の長さ約
75 mm
,幅約
12.5 mm
,厚さ
1.5 mm
〜
3.0 mm
のものを用いる。
b)
器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1)
共通すり合わせ平底試験管 6.5 b)による。
2)
水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c)
操作 操作は,次のとおり行う。
1)
銅板の準備は,JIS K 2513 の 8.(試験の準備)による。
2)
試料
40 mL
を共通すり合わせ平底試験管にとり,新しく磨いた銅板を浸し,共通すり合わせ平底試
験管の口をコルクで軽く閉じ,
50
℃の水浴中で
3
時間温める。銅板を取り出し,ジエチルエーテル
で洗浄し,続いてエタノール(
99.5
)で洗浄する。
3)
別の新しく磨いた銅板の表面の色と,浸せきし洗浄した銅板の表面の色とを比較する。
d)
判定 c)によって操作し,次に適合するとき, 硫酸着色物質:試験適合 とする。
浸せきし洗浄した銅板の表面の色は,新しく磨いた銅板の表面の色とほとんど変わらない。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a)
日本工業規格番号
b)
名称
リグロイン
及び
試薬
の文字
c)
種類
d)
内容量
e)
製造番号
f)
製造業者名又はその略号