K 8913:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8913:1996は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis−Part 2: Specifications−First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8913には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8913:2006
(2)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(KI) ··················································································································· 2
7.3 水溶状 ························································································································· 3
7.4 乾燥減量(110 ℃) ········································································································ 3
7.5 pH(50 g/l,25 ℃) ······································································································· 3
7.6 塩素化合物及び臭素化合物(Clとして) ············································································ 3
7.7 よう素酸塩又はよう素還元性物質······················································································ 3
7.8 りん酸塩(PO4) ··········································································································· 3
7.9 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 3
7.10 窒素化合物(Nとして) ································································································ 4
7.11 重金属(Pbとして) ····································································································· 4
7.12 ナトリウム(Na) ········································································································ 4
7.13 マグネシウム(Mg) ····································································································· 4
7.14 カルシウム(Ca) ········································································································ 4
7.15 バリウム(Ba) ··········································································································· 4
7.16 ひ素(As)·················································································································· 4
7.17 鉄(Fe) ····················································································································· 5
8. 容器 ······························································································································ 5
9. 表示 ······························································································································ 5
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 6
日本産業規格 JIS
K 8913:2006
よう化カリウム(試薬)
Potassium iodide
KI FW : 166.00
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2:
Specifications−First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるよう化カリウムについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8322 クロロホルム(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 よう化カリウムは,白い結晶又は結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノールにやや
溶けにくい。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
2
K 8913:2006
a) 試料1 gに水200 mlを加えて溶かす(A液)。A液10 mlに塩素水0.05 ml及びシクロヘキサン1 mlを
加えて振り混ぜると,シクロヘキサン相に紫が現れる。
b) A液を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土類金属試験法)による
と紫が現れる。
6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(KI)
質量分率 %
99.5以上
水溶状
試験適合
乾燥減量(110 ℃)
質量分率 %
0.2以下
pH(50 g/l,25 ℃)
6.0〜8.0
塩素化合物及び臭素化合物(Clとして) 質量分率 %
0.01以下
よう素酸塩又はよう素還元性物質
試験適合
りん酸塩(PO4)
質量分率 %
0.001以下
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.001以下
窒素化合物(Nとして)
質量分率 %
0.001以下
重金属(Pbとして)
質量分率 ppm 5以下
ナトリウム(Na)
質量分率 %
0.02以下
マグネシウム(Mg)
質量分率 %
0.001以下
カルシウム(Ca)
質量分率 %
0.001以下
バリウム(Ba)
質量分率 %
0.001以下
ひ素(As)
質量分率 ppm 0.1以下
鉄(Fe)
質量分率 ppm 3以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は
必要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られ
る計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度(KI) 試験方法は,次のいずれかによる。
a) 第1法(よう素酸カリウム滴定法) 試料0.5 gを0.1 mgのけたまではかりとり,水25 mlを加え溶
かした後,5 ℃以下に冷却する。5 ℃以下に冷却したJIS K 8180に規定する塩酸35 ml及びJIS K 8322
に規定するクロロホルム5 mlを加え,よく振り混ぜながら0.05 mol/lよう素酸カリウム溶液を水相の
よう素の色が消えるまで滴下する。栓をして30秒間激しく振り混ぜて,クロロホルム相のよう素を水
相に移す。次に,1滴を加えるごとに激しく振り混ぜてクロロホルム相の紫が完全に消えるまで滴定
を続ける。この場合,0.05 mol/lよう素酸カリウム溶液1 mlは,0.016 600 gKIに相当する。
b) 第2法(チオシアン酸アンモニウム滴定法)
1) 操作 試料0.5 gを0.1 mgのけたまではかりとり,共通すり合わせ三角フラスコ300 mlに入れる。
水25 mlを加えて溶かし,JIS K 8541に規定する硝酸5 ml,指示薬として硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)
溶液5 ml及び0.1 mol/l硝酸銀溶液35 mlを正確に加え,よく振り混ぜた後,0.1 mol/l チオシアン酸
アンモニウム溶液で逆滴定する。終点は,赤が現れるところまで滴定をする。
別に,同一条件で空試験を行う。
2) 計算
3
K 8913:2006
=
A
100
)
(
600
0.016
1
2
×
×
−
×
m
f
V
V
ここに,
A: 純度(KI)(質量分率%)
V2: 空試験の滴定量(ml)
V1: 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液の滴定
量(ml)
f: 0.1 mol/l チオシアン酸アンモニウム溶液のファ
クター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.016 600: 0.1 mol/l硝酸銀溶液のKI相当量(g)
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
乾燥減量(110 ℃) JIS K 0067の4.1.4(操作)(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)によ
る。この場合,砕いた試料2 gを0.1 mgのけたまではかとり,110 ℃で2時間乾燥する。
7.5
pH(50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gを二酸化炭素を含まない水に溶かして100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)(2)(操作)による。
7.6
塩素化合物及び臭素化合物(Clとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gを三角フラスコ300 mlにとり,水を加えて溶かして100 mlとする。
b) 標準側溶液 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)10 mlを三角フラスコ300 mlにとり,水を加えて100 ml
にする。
c) 操作 JIS K 8001の5.9[塩素化合物及び臭素化合物(Clとして)]による。
7.7 よう素酸塩又はよう素還元性物質
a) よう素酸塩 試料1.0 gを溶存酸素を含まない水20 mlに溶かし,でんぷん溶液1 mlを加えて,約15 ℃
に保ちながら0.5 mol/l硫酸0.3 mlを加えて,1分間放置したとき,液に青が現れないこと。
b) よう素還元性物質 a) の残液が無色の場合,これに,よう素溶液(1) 0.2 mlを加えたとき青が現れ,1
分間放置後も青を保つこと。
注(1) よう素溶液の調製は,0.05 mol/lよう素溶液1.0 mlに水を加えて50 mlにする。
7.8
りん酸塩(PO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに硝酸(1+2)15 mlを加え水浴上で蒸発乾固する。さらに水10 mlを加えて
蒸発乾固する操作をよう素の色がなくなるまで繰り返す。残分に水5 ml及び硫酸(1+5)3 mlを加え
て加熱板上で蒸発乾固し,残分に水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸塩標準液(PO4:0.01 mg/ml)2.0 mlに硝酸(1+2)15 ml及び硫酸(1+5)3 ml
を加えて加熱板上で蒸発乾固する。残分に水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.13[りん酸塩(PO4)](1)(比色法)による。
7.9
硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料4.0 gを水15 mlに溶かし,塩酸(2+1)0.3 mlを加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 試料1.0 gを水10 mlに溶かし,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)3.0 mlを加えて水で
25 mlにする。
4
K 8913:2006
c) 操作 試料側溶液及び標準側溶液それぞれに,JIS K 8102に規定するエタノール(95)(試薬)3 ml
及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 mlを加えよく振り混ぜてから1時間放置した後,それぞれに,チ
オ硫酸ナトリウム溶液(10 g/l)0.5 mlを加えて振り混ぜる。
d) 判定 試料側の濁りは,標準側より濃くないこと。
7.10 窒素化合物(Nとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かして140 mlにする。
b) 標準側溶液 窒素標準液(N:0.01 mg/ml)1.0 mlに水を加えて140 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.12[窒素化合物(Nとして)](4)(蒸留−インドフェノール青法)による。
7.11 重金属(Pbとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料8 gを水20 mlに溶かし,塩酸(2+1)24 mlとJIS K 8230に規定する過酸化水素
16 mlを加え水浴上で蒸発乾固する。さらに水10 mlを加え蒸発乾固する操作をよう素の色がなくなる
まで繰り返す。残分に水を加えて40 mlにする(B液)(B液は,7.17の試験にも用いる。)。B液15 ml
(試料量3 g)に水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1)6 mlとJIS K 8230に規定する過酸化水素4 mlとを水浴上で蒸発乾固した
後,B液5.0 ml(試料量1 g),鉛標準液(Pb:0.01 mg /ml)1.0 ml及び水を加えて20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.24[重金属(Pbとして)](2)(分液硫化ナトリウム法)による。
7.12 ナトリウム(Na) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gを水に溶かして100 mlにする(S液)。S液10 ml(試料量0.1 g)をとり,水
を加えて100 mlにする(X液)。
b) 標準側溶液 S液10 mlにナトリウム標準液(Na:0.01mg /ml)2.0 ml及び水を加えて100 mlにする(Y
液)。
c) 操作 JIS K 8001の5.30(炎光光度法)(3)(操作)による。
7.13 マグネシウム(Mg) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gを水に溶かして100 mlにする(X液)(X液は,7.14の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料2.0 gを水10 mlに溶かしてマグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml)2.0 ml,カルシ
ウム標準液(Ca:0.01 mg /ml)2.0 ml及び水を加えて100 mlにする(Y液)(Y液は,7.14の試験に
も用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.14 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.13のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.13のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.15 バリウム(Ba) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料6.0 gを水10 mlに溶かし,塩酸(2+1)6 ml及び硝酸(1+2)9 mlを加え加熱板上
で蒸発乾固する。冷却した後,塩酸(2+1)3 ml及び硝酸(1+2)4 mlを加えて再び加熱板上で蒸発
乾固する。冷却した後,残分を水に溶かして30 mlにする(C液)。C液15 ml(試料量3 g)に水を加
えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1)3 mlと硝酸(1+2)4 mlとを加熱板上で蒸発乾固する。冷却した後,C液
5.0ml(試料量1g)にバリウム標準液(Ba:0.01 mg/ml)2.0 mlを加えて水で25 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.20[バリウム(Ba)](2)(クロム酸バリウム法)による。
5
K 8913:2006
7.16 ひ素(As) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料10 gを水素化ひ素発生瓶100 mlに入れ,水を加えて溶かし20 mlにする。
b) 標準側溶液 ひ素標準液(As:0.001 mg/ml)1.0 mlを水素化ひ素発生瓶100 mlに入れ,水を加えて
20 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.19[ひ素(As)](3)[N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀法(AgDDTC法)]
(e)による。
7.17 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のB液10 ml(試料量2 g)に塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて15 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1)6 ml及びJIS K 8230に規定する過酸化水素4 mlを水浴上で蒸発乾固する。
冷却した後,鉄標準液(Fe:0.01mg /ml)0.6 ml及び塩酸(2+1)1 mlを加え,更に水を加えて15 ml
にする。
c) 操作 JIS K 8001の5.22[鉄(Fe)](2)(1,10−フェナントロリン法)による。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称 “よう化カリウム”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号
6
K 8913:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8913:2006 よう化カリウム(試薬)
ISO 6353-2:1983,化学分析用試薬―第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1.適用範囲
試薬として用いるよ
う化カリウムについ
て規定。
1
化学分析用試薬40品
目の仕様について規
定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く
引用しやすくするために1品目1
規格としている。
なお,対応国際規格は20年以上
見直しをされておらず,市場の実態
に合わない。国際規格の改正を検討
する。
2. 引用規格
JIS K 0067
JIS K 8001
JIS K 8102
JIS K 8180
JIS K 8230
JIS K 8322
JIS K 8541
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格1件を削除し,JISを追
加・引用,基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3.一般事項
JIS K 8001による。
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を追加。
編集上の差異であり,技術的な差異
はない。
4. 種類
−
−
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなの
で,ISO規格と技術的な差異はな
い。
5. 性質
−
−
MOD/追加
よう化カリウムの性質の項目を
追加。
一般的な説明事項であり,技術的な
差異はない。
2
K
8
9
1
3
:
2
0
0
6
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K 8913:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
6. 品質
R25.1
MOD/変更
1) 品質に差異のある項目:よう
素酸塩及びよう素還元性物
質,硫酸塩,ナトリウム及び
鉄。
2) 追加した項目:水溶状,乾燥
減量及びバリウム。
ISO規格は,長期間内容の見直しが
行われず,国際市場でISO規格品
が用いられることはほとんどない。
また,技術的差異も軽微(1)(2)(3)であ
る。
−
R25.2
試験溶液の調製
MOD/変更
JISは,試験方法の該当項目ごと
に規定。
編集上の差異であり,技術的な差異
は軽微。
7. 試験方法
7.1試験条件及
び試験結果
R25.3
MOD/追加
項目を追加。
一般的な試験条件及び試験結果に
関する事項であり,技術的な差異は
ない。
7.2純度(KI) 第1法(よう素酸カリ
ウム滴定法)
第2法(チオシアン酸
アンモニウム滴定法)
R25.3.1
チオシアン酸カリウ
ム滴定法
MOD/選択
1) 従来のJIS法とISO規格と
の方法を選択できるように
した。
2) 計算式を追加。
実績のある従来のJISの方法も使
用可能とした。
ISO規格の見直し時に,改正提案の
検討を行う予定。
7.3 水溶状
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,提案の検討
を行う予定。
7.4 乾燥減量
(110 ℃)
−
−
MOD/追加
項目を追加。
7.5 pH
(50 g/l,25 ℃)
溶液濃度はg/lで規
定。
R25.3.2
溶液濃度は質量分
率%で規定。
MOD/変更
1) ISO規格は溶液濃度を質量
分率%で規定,JISは溶液濃
度をg/lで規定。
2) JIS K 8001の5.5を引用。
JISは操作性から溶液濃度をg/lで
規定。ISO規格の見直し時に,改正
提案の検討を行う予定。
2
K
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1
3
:
2
0
0
6
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(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7.6塩素化合物
及び臭素化合物
(Clとして)
比濁法
R25.3.3
比濁法
MOD/変更
試薬,操作などを変更。
JISは,定期的に見直しを行
っているが,ISO規格は,長
年見直しが行われていないこ
とから実績のある従来のJIS
法を踏襲。技術的な差異は軽
微であり,対策は考慮しない。
7.7 よう素酸塩
又はよう素還元
性物質
よう素酸塩の試験に続い
てよう素還元性物質を試
験。
R25.3.4
R25.3.13
よう素酸塩及び還元
性物質を別に試験。
MOD/変更
1) ISO規格は項目を分けている
が,JISの項目と同様である。
2) 試料量などを変更。
7.8 りん酸塩
(PO4)
比色法
R25.3.5
抽出比色法
MOD/変更
1) JISは前処理操作により妨害
物質を除去。ISO規格は抽出
により妨害物質を除去。
2) JIS K 8001の5.13を引用。
7.9
硫酸塩
(SO4)
比濁法
R25.3.6
種晶添加比濁法
MOD/変更
1) 試料量などを変更。
7.10 窒素化合
物(Nとして)
蒸留−インドフェノール
青法
R25.3.7
蒸留−ネスラー法
MOD/変更
1) ISO規格は蒸留−ネスラー
法,JISは蒸留−インドフェ
ノール青法。JISは有害性の
少ない試薬に変更。
2) JIS K 8001の5.12を引用。
ISO規格のネスラー法は環
境・安全上,変更が必要。ISO
規格の見直し時に,改正提案
の検討を行う予定。
7.11 重金属(Pb
として)
比色法(分液硫化ナトリ
ウム法)
R25.3.9
比色法(硫化水素又は
硫化水素水を使用)
MOD/変更
1) 試薬など変更。
2) JIS K 8001の5.24を引用。
JISは,定期的に見直しを行
っているが,ISO規格は,長
年見直しが行われていないこ
とから実績のある従来のJIS
法を踏襲。技術的な差異は軽
微であり,対策は考慮しない。
7.12ナトリウム
(Na)
炎光光度法
R25.3.12
炎光光度法
MOD/変更
1) 標準液量などを変更。
2) JIS K 8001の5.30を引用。
2
K
8
9
1
3
:
2
0
0
6
9
K 8913:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの
評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.13マグネシ
ウム(Mg)
原子吸光法
R25.3.11
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料量などを変更。
2) JIS K 8001の5.31を引用。
JISは,定期的に見直しを行っ
ているが,ISO規格は,長年見
直しが行われていないことか
ら実績のある従来のJIS法を踏
襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.14カルシウ
ム(Ca)
原子吸光法
R25.3.11
原子吸光法
MOD/変更
7.15バリウム
(Ba)
クロム酸バリウム法
−
−
MOD/追加
項目を追加
JISとして必要。ISO規格の見
直し時に,改正提案の検討を行
う予定。
7.16ひ素(As) AgDDTC法
R25.3.8
AgDDTC法
MOD/変更
1) 試薬量などを変更。
2) JIS K 8001の5.19を引用。
JISは,定期的に見直しを行っ
ているが,ISO規格は,長年見
直しが行われていないことか
ら実績のある従来のJIS法を踏
襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.17鉄(Fe)
1,10−フェナントロリン法
R25.3.10
1,10−フェナント
ロリン法
MOD/変更
1) 標準液量など変更。
2) JIS K 8001の5.22を引用。
8.容器
−
−
MOD/追加
項目を追加
規格適合性を評価する関係で
必要な項目を追加。
9.表示
−
−
MOD/追加
項目を追加
2
K
8
9
1
3
:
2
0
0
6
10
K 8913:2006
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほとん
どない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質量分
率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。 (Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品質水
準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用すること
になる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての存
在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
考1.
項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
― MOD/選択……… 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
K
8
9
1
3
:
2
0
0
6