K 8899:2019
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度(CH2ClCOOH)(乾燥後) ······················································································· 3
6.3 水溶状 ························································································································· 4
6.4 融点 ···························································································································· 4
6.5 乾燥減量 ······················································································································ 4
6.6 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 4
6.7 塩化物(Cl) ················································································································ 4
6.8 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5
6.9 鉛(Pb)及び鉄(Fe) ···································································································· 6
6.10 硫酸着色物質 ··············································································································· 7
7 容器······························································································································· 7
8 表示······························································································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8899:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8899:1994を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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クロロ酢酸(試薬)
Chloroacetic acid (Reagent)
CH2ClCOOH FW:94.50
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適用範囲
この規格は,試薬として用いるクロロ酢酸について規定する。
警告1 クロロ酢酸は劇物で,腐食性が強いため,粘膜,皮膚及び目に付着しないように注意する。
また,強く加熱される場合,腐食性で爆発性の蒸気・空気混合気が生じるため,蒸気の吸入
に注意し,排気に十分注意して取り扱う。
警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして,各自の責任に
おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。
注記 別名:モノクロロ酢酸
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0064 化学製品の融点及び溶融範囲測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0117 赤外分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
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JIS K 8920 よう素(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
クロロ酢酸は,刺激臭のある無色から白色の結晶,粉末又はフレークで,潮解性があり,また,腐食性
がある。水に極めて溶けやすく,エタノール(99.5)及びジエチルエーテルに溶けやすい。その水溶液は,
強酸性である。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1 734 cm-1,1 409 cm-1,1 211 cm-1
及び794 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.3 a)(錠剤法)によ
る。錠剤の調製に塩化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの例
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品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(CH2ClCOOH)(乾燥後)
質量分率 %
99.0以上
6.2
水溶状
−
試験適合
6.3
融点
℃
60.0〜65.0
6.4
乾燥減量
質量分率 %
1.0以下
6.5
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.005以下
6.6
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.003以下
6.7
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.005以下
6.8
鉛(Pb)
質量分率 ppm
5以下
6.9
鉄(Fe)
質量分率 ppm
1以下
6.9
硫酸着色物質
−
試験適合
6.10
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
純度(CH2ClCOOH)(乾燥後)
純度(CH2ClCOOH)(乾燥後)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをはかりとり,JIS
K 8102に規定するエタノール(95)90 mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。
2) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用
い,JIS K 8001のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って,調製,標定及び計算す
る。
b) 装置 主な装置は,次による。
・ 自動滴定装置(必要な場合に用いる。) 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のも
の。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 6.5の残分2.0 gをコニカルビーカー200 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,水50 mLを加えて
溶かす。
2) 次のいずれかの方法で滴定する。
2.1) 指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。
終点は,液のうすい紅色が30秒間持続する点とする。
2.2) JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示薬を用いず,指示電極にガラス電極,参照電
極に銀−塩化銀電極を用いて,又は同等の性能をもつ複合電極などを用いて1 mol/L 水酸化ナト
リウム溶液で滴定を行う。この場合,終点は,変曲点とする。
d) 計算 純度(CH2ClCOOH)(乾燥後)は,次の式によって算出する。
100
50
094
.0
×
×
×
=
m
f
a
A
ここに,
A: 純度(CH2ClCOOH)(乾燥後)(質量分率 %)
a: 滴定量(mL)
f: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
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m: はかりとった試料の質量(g)
0.094 50: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当する
CH2ClCOOHの質量を示す換算係数(g/mL)
6.3
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加
えて100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ
ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)
参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20 mL
とし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水を
加えて20 mLにする。
2) 試料溶液は,試料を溶かした直後に濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物
の有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 次の1) 及び2) に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
6.4
融点
融点の試験方法は,JIS K 0064の3.(融点測定方法)による。
6.5
乾燥減量
乾燥減量の試験方法は,JIS K 0067の4.1.4 (2)(第2法 大気圧下で乾燥剤を用いて乾燥する方法)に
よる。この場合,試料3.0 gを用い,残分は,6.2の試験に用いる。
6.6
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)によ
る。この場合,試料20 gをはかりとる。JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mLを用い,強熱温度は,500 ℃±
50 ℃とする。強熱残分は,0.1 mgの桁まではかる。残分は,6.9の試験に用いる。
6.7
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1) による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2) による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 3) による。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 mL及び硝酸(1+
2)7 mLを加えて溶かし,水を加えて20 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)3.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,
硝酸(1+2)7 mLを加え,水を加えて20 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物
(Cl):質量分率0.003 %以下(規格値)”とする。
6.8
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム
1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)0.3 mLを加え,
水を加えて25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)5.0 mLをとり,
塩酸(2+1)0.3 mLを加え,水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩
(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
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6.9
鉛(Pb)及び鉄(Fe)
鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.8 a) 3) による。
2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 g
を全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで
加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mL及び水
を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。
3) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム
鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて
溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸
(1+2)25 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
鉛(Pb)
283.3
鉄(Fe)
248.3
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 6.6の残分(試料量20 g)に塩酸(2+1)5 mLを加え,沸騰水浴上でほとんど蒸発乾固する。水10
mLを加えて溶かし,全量フラスコ100 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(A液)。
2) 試料溶液の調製は,A液40 mL(試料量8 g)を全量フラスコ50 mLにとり,水を標線まで加えて混
合する(X液)。
3) 比較溶液の調製は,A液40 mL(試料量8 g)を全量フラスコ50 mLにとり,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)
4.0 mL及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)0.8 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 n1が,n2−n1より大きくないとき,“鉛(Pb):質量分率5 ppm以下(規格値),鉄(Fe):質量
分率1 ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
1
2
1
10
000
1
×
×
−
×
=m
n
n
n
B
A
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 ppm)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m: X液に含まれる試料の質量(g)
6.10
硫酸着色物質
硫酸着色物質の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) 0.005 mol/L よう素溶液 JIS K 8913に規定するよう化カリウム,JIS K 8920に規定するよう素及び
JIS K 8180に規定する塩酸(特級)を用い,JIS K 8001のJA.6.5 f) 1)(0.005 mol/L よう素溶液)に
従って調製する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
2) 水浴 6.9 b) 2) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,硫酸10 mLを加え,水
浴中80 ℃で10分間加熱する。
2) 比較溶液の調製は,0.005 mol/L よう素溶液0.5 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加え
て10 mLにする。
3) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,色を比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の色が,比較溶液から得られた液の黄より濃くないとき,“硫酸着色物
質:試験適合(規格値)”とする。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“クロロ酢酸”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造年月又はその略号
i)
製造業者名又はその略号