K 8882:2020
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度(C6H14O6) ············································································································ 3
6.3 水溶状 ························································································································· 4
6.4 融点 ···························································································································· 4
6.5 比旋光度[]20
D
α(ほう酸錯体) ···························································································· 4
6.6 乾燥減量(105 ℃) ········································································································ 5
6.7 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 5
6.8 酸(CH3COOHとして) ································································································· 6
6.9 塩化物(Cl) ················································································································ 7
6.10 硫酸塩(SO4) ············································································································· 7
6.11 鉛(Pb)及び鉄(Fe) ·································································································· 8
6.12 還元糖(マンノースとして) ·························································································· 9
7 容器······························································································································ 10
8 表示······························································································································ 10
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(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を
改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で
ある。これによって,JIS K 8882:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,令和2年8月19日までの間は,産業標準化法第30条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8882:1994を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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D(−)-マンニトール(試薬)
D(-)-Mannitol (Reagent)
C6H14O6 FW:182.17
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるD(−)-マンニトールについて規定する。
注記 別名:マンニット,オスミトール
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 6201 化学分析用白金るつぼ
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0063 化学製品の旋光度測定方法
JIS K 0064 化学製品の融点及び溶融範囲測定方法
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8249 過よう素酸カリウム(試薬)
JIS K 8536 (+)-酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
2
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JIS K 8866 四ほう酸ナトリウム十水和物(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS R 1301 化学分析用磁器るつぼ
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
D(−)-マンニトールは,白い結晶又は結晶性粉末で,水に溶けやすく,グリセリンにやや溶けやすく,
エタノール(99.5)にやや溶けにくい。水溶液の比旋光度[]20
D
αは約−0.5°である。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 280 cm-1,1 418 cm-1,1 077 cm-1,
1 018 cm-1及び878 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.2 b)(錠
剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの例
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
3
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(C6H14O6)
質量分率 %
99.0以上
6.2
水溶状
−
試験適合
6.3
融点
℃
165〜170
6.4
比旋光度[]20
D
α(ほう酸錯体)
°
+22.0〜+25.0
6.5
乾燥減量(105 ℃)
質量分率 %
0.2以下
6.6
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.05以下
6.7
酸(CH3COOHとして)
質量分率 %
0.006以下
6.8
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.003以下
6.9
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.005以下
6.10
鉛(Pb)
質量分率ppm
5以下
6.11
鉄(Fe)
質量分率ppm
5以下
6.11
還元糖(マンノースとして)
質量分率 %
0.05以下
6.12
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
純度(C6H14O6)
純度(C6H14O6)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) よう化カリウム JIS K 8913に規定するもの。
2) 過よう素酸カリウム溶液(2.8 g/L) JIS K 8249に規定する過よう素酸カリウム2.8 gをはかりとり,
水200 mLを加え,JIS K 8951に規定する硫酸20 mLを振り混ぜながら加えて溶かし,冷却後,水
を加えて1 000 mLにしたもの。
3) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gに水10 mLを加えてか
き混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かしたもの。これを約1分間煮沸した後に冷却する。冷所
に保存し,10日以内に使用する。
4) 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物及びJIS K
8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-ブタノールを用い,JIS K
8001のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に従って,調製,標定及び計算したもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
・ 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料0.2 gを全量フラスコ200 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,水約50 mLを加えて溶かし,更
に水を標線まで加えて混合する。
2) 1)の溶液20 mL(試料量0.02 g)を共通すり合わせ三角フラスコ200 mLなどに正確にとり,過よう
素酸カリウム溶液(2.8 g/L)50 mLを正確に加え,沸騰水浴中で15分間加熱する。
3) 冷却後,よう化カリウム2.5 gを加え,栓をして振り混ぜて溶かし,直ちに5分間暗所に放置し,0.1
mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
4) この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。
5) 終点は,液の青が消える点とする(滴定量a mL)。
4
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6) 別に同一条件で空試験を行う(滴定量b mL)。
d) 計算 純度(C6H14O6)は,次の式によって算出する。
(
)
100
200
20
7
821
001
.0
×
×
×
−
×
=
m
f
a
b
A
ここに,
A: 純度(C6H14O6)(質量分率 %)
f: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.001 821 7: 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 1 mLに相当する
C6H14O6の質量を示す換算係数(g/mL)
6.3
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水
を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)
参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に水を加えて
20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて混合し,更に
水を加えて20 mLにする。
2) 試料を溶かした直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の
有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
6.4
融点
融点の試験方法は,JIS K 0064の3.(融点測定方法)による。
6.5
比旋光度[]20
D
α(ほう酸錯体)
比旋光度[]20
D
α(ほう酸錯体)の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次による。
・ 四ほう酸ナトリウム十水和物 JIS K 8866に規定するもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) セル 100 mm又は200 mmのもの。
5
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2) 旋光計 装置の構成は,JIS K 0063に規定するもの。
3) 水浴 6.2 b)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ50 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,四ほう酸ナト
リウム十水和物6.4 g及び水約40 mLを加え,40 ℃〜50 ℃の水浴中で溶かす。
2) 冷却後,時々振り混ぜながら,1時間放置後に,水を標線まで加えて混合し,JIS K 0063の3.4(操
作)に従って旋光度を測定する。
d) 計算 JIS K 0063の3.5(計算及び結果の表示)に従って,比旋光度を算出する。
注記 20 ℃で測定できない場合,次の式によって20 ℃の比旋光度を求めることができる。
[]
[]
(
)
20
031
.0
20
−
×
−
=
t
t
D
D
α
α
ここに,
[]20
D
α: 20 ℃の比旋光度(°)
[]tD
α: t ℃の比旋光度(°)
t: 測定時の液温(℃)
6.6
乾燥減量(105 ℃)
乾燥減量(105 ℃)の試験方法は,次による。
a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 平形はかり瓶 JIS R 3503の付図57に規定するもの又は類似のもので,試料を入れた場合,試料の
厚さが5 mm以下になる容量のもの。
2) デシケーター 乾燥剤としてJIS Z 0701に規定するシリカゲル(A形1種)を入れたもの。
3) 定温乾燥器 105 ℃±2 ℃に調節できるもの。
b) 操作 操作は,次による。
1) 試料1.0 gをあらかじめ恒量にした平形はかり瓶(W0 g)に0.1 mgの桁まではかりとる(W1 g)。こ
の場合,試料量m gは,(W1−W0)gとする。
なお,試料の質量を別途はかり込んでから平形はかり瓶に加えてもよい(m g)。
2) 平形はかり瓶をはかり瓶の蓋をずらすなどし,定温乾燥器に入れ,105 ℃で4時間乾燥する。
3) 乾燥後,平形はかり瓶に蓋をしてデシケーターに入れ,室温まで放冷する。
4) その質量を0.1 mgの桁まではかる(W2 g)。
c) 計算 乾燥減量(105 ℃)は,次の式によって算出する。
100
2
1
×
−
=
m
W
W
A
ここに,
A: 乾燥減量(105 ℃)(質量分率 %)
6.7
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次による。
・ 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) るつぼ JIS R 1301に規定する磁器るつぼ,これと類似の形状の石英るつぼ,又はJIS H 6201に規
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定する白金るつぼ。るつぼの大きさは,試料がその容量の1/3以下になるもの。
2) デシケーター 6.6 a) 2)による。
3) 電気炉又は湿式灰化装置 500 ℃±50 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次による。
なお,排気に注意して行う。
1) 試料4.0 gをあらかじめ恒量としたるつぼ(W3 g)に0.1 mgの桁まではかりとる(W4 g)。この場合,
試料量m gは,(W4−W3)gとする。
なお,試料の質量を別途はかり込んでからるつぼに加えてもよい(m g)。
2) 硫酸3 mLを可能な限り試料全体に行き渡るように加える。
3) 熱板(ホットプレート)上又は湿式灰化装置で硫酸の白いミストが生じなくなるまで加熱する。炭
化が不十分な場合,冷却後に硫酸1 mLを加え,再び硫酸の白いミストが生じなくなり,炭化する
まで加熱する。
なお,炭化の過程で,内部に空間ができ,炭化物がるつぼからあふれそうになる場合,一旦冷却
後,少量の水で炭化物を潤し,清浄なガラス棒で炭化物を潰し,ガラス棒に付着した炭化物を少量
の水でるつぼ内に洗い入れ,加熱して水分を蒸発させてから,操作を続けるとよい。
4) るつぼを電気炉又は湿式灰化装置で,500 ℃±50 ℃で炭化物がなくなるまで強熱する。
5) 電気炉又は湿式灰化装置から取り出したるつぼを速やかにデシケーターに入れる。
なお,強熱後のるつぼをデシケーターに入れるとデシケーター内部の空気が膨張し,デシケータ
ーの蓋が落下しやすいため,蓋をずらして空気を抜くとよい。
6) デシケーター内で放冷後,るつぼを取り出し,0.1 mgの桁まで質量をはかる(W5 g)(残分は,6.11
の試験に用いる。)。
d) 計算 強熱残分(硫酸塩)は,次の式によって算出する。
100
3
5
×
−
=
m
W
W
B
ここに,
B: 強熱残分(硫酸塩)(質量分率 %)
e) 判定 計算して得られた値が規格値以下であるとき,“強熱残分(硫酸塩):質量分率0.05 %以下(規
格値)”とする。
6.8
酸(CH3COOHとして)
酸(CH3COOHとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:2.000 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液10 mLを全
量フラスコ200 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合したもの。
なお,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用い,JIS K
8001のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って調製,標定及び計算する。
2) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。
3) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをはかりとり,JIS
K 8102に規定するエタノール(95)90 mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ メスピペット又はミクロビュレット 最小目盛0.01 mLのもの。
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c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLなどにはかりとり,二酸化炭
素を除いた水50 mL及びフェノールフタレイン溶液3滴を速やかに加え,0.05 mol/L 水酸化ナトリ
ウム溶液0.10 mLをメスピペット又はミクロビュレットを用いて加えて混合する。
2) 液の色を観察する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の色が,赤を示すとき,“酸(CH3COOHとして):質量分率0.006 %以
下(規格値)”とする。
注記 0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLは,0.003 002 5 g CH3COOHに相当する。
6.9
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 3)による。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水10 mL及び硝酸(1+
2)5 mLを加えて溶かし,更に水を加えて25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)3.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,
硝酸(1+2)5 mLを加え,水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物
(Cl):質量分率0.003 %以下(規格値)”とする。
6.10 硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,塩酸(2+1)0.3 mL及
び水を加えて溶かし,更に水で25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)5.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,
8
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塩酸(2+1)0.3 mL及び水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLをそれぞ
れ加えて振り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩
(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
6.11
鉛(Pb)及び鉄(Fe)
鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 塩酸(2+1) 6.10 a) 3)による。
2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
3) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
2) 水浴 6.2 b)による。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
分析種
測定波長 nm
鉛(Pb)
283.3
鉄(Fe)
248.3
d) 操作 操作は,次による。
なお,有害な塩化水素ガスが発生するため,排気に注意して行う。
1) 試料溶液の調製は,6.7の残分(試料量4.0 g)に塩酸(2+1)5 mLを加え,沸騰水浴上でほとんど
蒸発乾固する。水10 mLを加えて溶かし,全量フラスコ50 mLに移し,更に水を標線まで加えて混
合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,塩酸(2+1)5 mLをビーカー50 mLなどにとり,沸騰水浴上でほとんど蒸発乾
固する。水10 mLを加えて溶かし,全量フラスコ50 mLに移す。鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)2.0 mL
及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)2.0 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2の測定波
長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレーム
中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値n2とを比較する。
e) 判定 n1が,n2より大きくないとき,“鉛(Pb):質量分率5 ppm以下(規格値),鉄(Fe):質量分率
5 ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。
9
K 8882:2020
6
2
1
10
000
1
×
×
×
=a
n
n
B
A
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 ppm)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
a: X液に含まれる試料の質量(g)
6.12
還元糖(マンノースとして)
還元糖(マンノースとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 3,5-ジニトロサリチル酸溶液(10 g/L) 3,5-ジニトロサリチル酸(純度が,質量分率98.0 %以上の
もの)1.0 gをはかりとり,水酸化ナトリウム溶液(80 g/L)20 mL及び水50 mLを加えて溶かし,
JIS K 8536に規定する(+)-酒石酸ナトリウムカリウム四水和物30 gを加えて溶かし,水を加えて100
mLにしたもの。
なお,水酸化ナトリウム溶液(80 g/L)の調製は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム8.25 g
をはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を加えて100 mLにする。
2) マンノース標準液(C6H12O6:1 mg/mL) マンノース(GC純度が体積分率98.0 %以上のもの)1.00
gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を加えて1 000 mLにする。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 水浴 6.2 b)による。
3) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。
4) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料0.5 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水1 mLを加えて溶かす。
2) 比較溶液の調製は,試料0.5 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水0.75 mL及びマンノー
ス標準液(C6H12O6:1 mg/mL)0.25 mLを加えて溶かす。
3) 空試験溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に水1 mLをとる。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液それぞれに,3,5-ジニトロサリチル酸溶液(10 g/L)1.0 mLを加
え,沸騰水浴中で10分間加熱する。
5) 冷却後,試料溶液,比較溶液及び空試験溶液それぞれに次の操作を行う。全量フラスコ10 mLに移
し,少量の水で共通すり合わせ平底試験管を洗い,全量フラスコに合わせ,水を標線まで加え混合
し,10分間放置する。
6) 試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液は,空試験溶液から得られた液を対照液とし,吸
収セルを用いて,分光光度計で波長540 nmにおける吸光度をJIS K 0115の6.(特定波長における
吸収の測定)によって測定し,比較する(試料溶液及び比較溶液の吸光度をそれぞれn1及びn2とす
る。)。
d) 判定 n1が,n2−n1より大きくないとき“還元糖(マンノースとして):質量分率0.05 %以下”(規格
値)とする。
注記 還元糖(マンノースとして)の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を
求めることができる。
10
K 8882:2020
100
000
1
1
2
1
×
×
−
×
=m
n
n
n
B
A
ここに,
A: 還元糖(マンノースとして)の含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中のマンノースの質量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) この規格の番号
b) 名称“D(−)-マンニトール”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号