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K 8857:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類 ······························································································································ 2 

4 性質 ······························································································································ 2 

4.1 性状 ····························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································· 2 

5 品質 ······························································································································ 3 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································· 3 

6.2 純度(C7H6O)(GC)及びニトロベンゼン(C6H5NO2)(GC) ················································ 3 

6.3 密度(20 ℃) ················································································································ 4 

6.4 屈折率

20

D

n ····················································································································· 4 

6.5 水分 ····························································································································· 4 

6.6 酸(C6H5COOHとして) ································································································· 4 

6.7 塩素化合物(Clとして) ································································································· 6 

7 容器 ······························································································································ 8 

8 表示 ······························································································································ 8 

9 取扱い上の注意事項 ·········································································································· 8 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8857:1992は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成24年12月20日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS

マーク表示認証において,JIS K 8857:1992によることができる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

JIS 

K 8857:2012 

ベンズアルデヒド(試薬) 

Benzaldehyde (Reagent) 

C7H6O  FW:106.12 

序文 

この規格は,1953年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1992年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるベンズアルデヒドについて規定する。 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,MSDS(化学物質等安全データシート)などを参考にして各自の責任に

おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 6202 化学分析用白金皿 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法 

JIS K 0062 化学製品の屈折率測定方法 

JIS K 0068 化学製品の水分測定方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

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JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬) 

JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

ベンズアルデヒドは,無色からうすい黄の液体で,特異なにおいがあり,光を強く屈折する。エタノー

ル及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく,水にはほとんど溶けない。沸点は,約180 ℃である。空気

中で酸化されて安息香酸を生成する。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数2 819 cm-1,2 737 cm-1,1 704 cm-1,

1 597 cm-1,1 456 cm-1,745 cm-1及び688 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS K 0117の

5.4 a)(液膜法)によって行い,窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。 

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品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C7H6O)(GC) 

質量分率 % 

98.0 以上 

6.2 

密度(20 ℃) 

g/ml 

1.041〜1.050 

6.3 

屈折率

20

D

1.542〜1.548 

6.4 

水分 

質量分率 % 

0.3 以下 

6.5 

酸(C6H5COOHとして) 

質量分率 % 

0.5 以下 

6.6 

塩素化合物(Clとして) 

質量分率 % 

0.02 以下 

6.7 

ニトロベンゼン(C6H5NO2)(GC) 

質量分率 % 

0.1 以下 

6.2 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(C7H6O)(GC)及びニトロベンゼン(C6H5NO2)(GC) 

純度(C7H6O)(GC)及びニトロベンゼン(C6H5NO2)(GC)の試験方法は,次による。 

a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) ガスクロマトグラフ JIS K 0114に規定するもの。 

2) マイクロシリンジ又は試料導入装置 少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。 

b) 分析条件 分析条件は,次による。 

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。 

1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器 

2) 固定相液体名 ジメチルポリシロキサン 

3) 固定相液体の膜厚 5 μm 

4) カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ 石英ガラス,0.53 mm,30 m 

5) 設定温度 カラム槽 

100 ℃で2分間保持した後,毎分10 ℃の割合で200 ℃まで昇温して,8分

間保持する。 

試料気化室 

250 ℃ 

検出器槽 

250 ℃ 

6) キャリヤーガスの種類及び流量 ヘリウム,5 ml/min 

7) 試料の導入方式 スプリット注入法(スプリット比 1:50) 

8) 試料の導入量 0.2 μl 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料の導入及び記録 試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。 

なお,あらかじめ,ベンズアルデヒド及びニトロベンゼンの保持時間を確認しておく。 

2) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3(ピーク面積の測定)

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a)(データ処理ソフト又はデータ処理装置を用いる方法)による。 

d) 定量法 各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度(C7H6O)(GC)

及びニトロベンゼン(C6H5NO2)(GC)を算出する。ただし,ニトロベンゼンは感度係数1.35を面積

百分率に乗じて補正する。 

6.3 

密度(20 ℃) 

密度(20 ℃)の試験方法は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)又は7.3(振動式密度計法)による。 

6.4 

屈折率

20

D

屈折率

20

D

nの試験方法は,JIS K 0062による。 

6.5 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 0068の6.3(容量滴定法)又は6.4(電量滴定法)による。ただし,容量滴定

法の場合は,試料5.0 g(4.8 ml)をはかりとり,ピリジン-エチレングリコール混合液(ピリジンの体積5

とエチレングリコールの体積1とを混合する。)12 mlとする。電量滴定法の場合は,試料0.5 g(0.5 ml)

をはかりとる。 

6.6 

酸(C6H5COOHとして) 

酸(C6H5COOHとして)の試験方法は,次による。 

a) 試薬,ガス及び試験用溶液類 試薬,ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの。 

3) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。 

4) 塩酸(0.05 mol/l) JIS K 8180に規定する塩酸9 mlをはかりとり,水で100 mlにする。その10 ml

をはかりとり,水で200 mlにする。 

5) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml

にする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。 

6) 二酸化炭素を除いた水 次の6.1)〜6.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。 

6.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ

ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却

したもの。 

6.2) 水をフラスコに入れ,水の中に窒素を15分間以上通じたもの。 

6.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。 

6.4) 18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも

の。ただし,採水後速やかに用いる。 

7) pH 6.8の緩衝液(りん酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) pH 6.8の緩衝液(りん酸

二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液)の調製は,次による。 

7.1) 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液 JIS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム(pH標準液

用)6.80 g(質量分率100 %としての相当質量)を全量フラスコ500 mlに入れ,適量の二酸化炭素

を除いた水で溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ほうけい酸ガラス製瓶,

ポリエチレン製瓶などに保存する。 

7.2) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

及び計算は,次による。 

7.2.1) 調製 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gをポリエチレン製などの気密容器500 ml

にはかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mlを加えて溶かした後,ソーダ石灰管を連結して空

気中の二酸化炭素を遮り4〜5日間放置する。その上澄み液54 mlをポリエチレン製などの気密

容器1 000 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水を加えて1 000 mlとし,混合した後,ソー

ダ石灰管を付けて保存する。 

7.2.2) 標定 標定は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を

用い,次のとおり行う。 

7.2.2.1) 認証標準物質1) のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。 

7.2.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いた後,上口

デシケーター(減圧デシケーター)に入れ,上口デシケーター内圧2.0 kPa以下で約48時間乾

燥する。 

7.2.2.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質のアミド硫酸2.4〜2.6 gを0.1 mgの桁まではかりとっ

てコニカルビーカー100 mlに移し,水25 mlを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモー

ルブルー溶液数滴を加え,7.2.1)で調製した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,

液の色が黄から青みの緑になる点とする。 

注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単

位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物質を

入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,その説

明書に従って使用する。 

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総

合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標

準物質生産者がある。 

7.2.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。 

100

09

097

0

A

V

.

m

f

×

×

=

ここに, 

f: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとったアミド硫酸の質量(g) 

A: アミド硫酸の純度(質量分率 %) 

V: 滴定に要した1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

0.097 09: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当するアミド硫酸

の質量を示す換算係数(g/ml) 

7.3) 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:8.00 g/l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液200 mlを全量

フラスコ1 000 ml(ポリプロピレン製などのもの)に正確にはかりとり,二酸化炭素を除いた水を

標線まで入れ,それにファクターが1.000になるように計算した量の二酸化炭素を除いた水を正確

に加えて混合し,ソーダ石灰管を付けてポリエチレン製などの気密容器に入れる。加える二酸化

炭素を除いた水の体積は,次の式によって算出する。 

(

)

000

1

000

.1

×

=f

V

ここに, 

V: 加える二酸化炭素を除いた水の体積(ml) 

f: 標定によって求められた1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の

ファクター 

7.4) pH 6.8の緩衝液の調製 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液50 ml及び0.2 mol/l 水酸化ナトリウ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ム溶液11.82 mlを全量フラスコ100 mlに入れ,水を標線まで加えて混合する。ほうけい酸ガラス

製瓶,ポリエチレン製瓶などに保存する。 

8) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをエタノール(95)

50 mlに溶かし,水で100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。 

9) 0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:2.00 g /l) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液10 mlを全量

フラスコ200 mlに正確にはかりとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。使用時に

調製し,ポリエチレン製などの気密容器に入れる。ファクターは,1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の

ファクターを用いる。 

b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。 

メスピペット JIS R 3505に規定する最小目盛0.01 mlのもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,あらかじめ窒素を約2分間通じて空気を置換した共通すり合わせ三角フラスコ

100 mlにエタノール(95)20 ml及び二酸化炭素を除いた水20 mlを速やかに加え,ブロモチモール

ブルー溶液2滴を加え,窒素を液面に通じながらメスピペットを用いて液の色が中間色2) になるま

で0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液又は塩酸(0.05 mol/l)で中和し,試料1.0 g(0.96 ml)を加え,

共通すり合わせ三角フラスコの上方又は側面から液を観察する。 

2) 試料溶液が中間色から酸性側の色(黄)の場合は,窒素を液面に通じながらメスピペットを用いて

0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液0.82 mlを加えて,共通すり合わせ三角フラスコの上方又は側面か

ら試料溶液から得られた液を観察する。ただし,0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクターが

1.00でない場合は,加える体積を補正する。 

注2) 共通すり合わせ三角フラスコ100 mlにpH 6.8の緩衝液約40 mlをはかりとり,ブロモチモー

ルブルー溶液2滴を加えたときの緑。 

d) 判定 c)によって操作し,次の1)又は2)に適合するとき,“酸(C6H5COOHとして):質量分率0.5 %

以下(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の色は,中間色からアルカリ性色(青)になる。 

2) 試料溶液から得られた液の色は,中間色からアルカリ性色(青)になる。 

注記 酸(C6H5COOHとして)の含有率(質量分率 %)は,次の式によって計算する。 

100

106

006

.0

×

×

×

=

m

f

V

A

ここに, 

A: 酸(C6H5COOHとして)の含有率(質量分率 %) 

V: 0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の体積(ml) 

f: 0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液のファクター 

m: はかりとった試料の質量(g) 

0.006 106: 0.05 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当する

C6H5COOHの質量を示す換算係数(g/ml) 

6.7 

塩素化合物(Clとして) 

塩素化合物(Clとして)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸 JIS K 8541に規定する質量分率60〜61 %のもの。 

2) 硝酸(1+2) 硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合する。 

3) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。溶液は,褐

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

色ガラス瓶に保存する。 

4) 炭酸ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム10 gを水に溶かして100 ml

にする。 

5) 塩化物標準液 

5.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。 

5.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 3)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し

た場合に用い,適切な方法で希釈して使用する。 

5.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な

場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液が入手できない場合

は,市販の標準液を用いる。 

5.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。 

注3) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。 

5.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml

に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。 

1) 白金皿 JIS H 6202に規定するもの。 

2) 共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで目盛のあるもの。例と

して,容量50 ml,直径23 mmのもの。 

3) 洗浄ろ紙(5種C) 

JIS P 3801に規定するろ紙(5種Cなど)を硝酸(1+2)50 mlずつで2回洗

い,更に水50 mlずつで2回洗ったもので,その最終洗液20 mlを共通すり合わせ平底試験管には

かりとり,硝酸(1+2)1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加えて15分間放置後に“澄明[JIS K 

8001のJB.2.2 b) 1)参照]”であることを確認する。必要があれば,洗浄を繰り返す。 

4) 電気炉 (650±50)℃に調節できるもの。 

5) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるものであって,熱

媒体がイオン交換水など塩化物の試験に影響を与えないもの。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料0.1 gを白金皿にはかりとり,水10 mlを加えて溶かす。 

2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)2.0 mlを白金皿にはかりとり,水10 mlを加え

る。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,炭酸ナトリウム溶液(100 g/l)5 mlを入れ,イオン交換水などを熱媒体

として用いた水浴上で蒸発乾固した後,塩化物の汚染のない電気炉を用いて徐々に加熱し,更に炭

化,強熱して放冷する。これに水15 ml及び硝酸3 mlを加え,かき混ぜながら水浴上で加熱し,放

冷する。この溶液を洗浄ろ紙を用いて共通すり合わせ平底試験管にろ過した後,洗浄ろ紙を水5 ml

で洗浄し,ろ液を入れた共通すり合わせ平底試験管に洗液を合わせ,水を加えて25 mlにする。硝

酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え振り混ぜた後,15分間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩素化合物:0.02 %以下(規格値)”とする。 

試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。 

K 8857:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称 “ベンズアルデヒド”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造年月又はその略号 

i) 

製造業者名又はその略号 

取扱い上の注意事項 

ベンズアルデヒドは,引火性が強いので火気を避け,また,有害なので,蒸気の吸入,粘膜・皮膚への

付着などを避ける。