2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8830-1995
ウラニン(試薬)
Uranine
C20H10Na2O5 FW : 376.28
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるウラニン(1)について規定する。
注(1) 化学名:フルオレセインナトリウム
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 ウラニンは,次の性質を示す。
(1) 性状 ウラニンは,金属光沢のある緑の塊又は赤褐色の粉末で,吸湿性があり,水に溶けやすく,エ
タノールにやや溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
(2) 定性方法
(a) 試料0.1gに水20mlを加えて溶かす。この液を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ
金属及びアルカリ土類金属試験法)によると,黄色が現れる。
(b) 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1 640cm-1,1 580cm-1,1 510cm-1,
1 460cm-1,1 330cm-1,1 170cm-1,1 110cm-1及び840cm-1付近に主な吸収を認める。この場合,試料
調製はJIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
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K 8830-1995
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図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
水溶状
試験適合
エタノール不溶分
1.0%以下
吸光度 (3mg/l, pH7.0)
0.45以上
乾燥減量 (105℃)
7.0%以下
強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 35.0〜40.5%
塩化物 (Cl)
0.1%以下
亜鉛 (Zn)
0.05%以下
鋭敏度
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 水溶状
試料0.10g+水 (→20ml) ……澄明(A液)[(6)の試験に用いる]。
(2) エタノール不溶分 1.0%以下
試料1.0g→JIS K 8001の5.3(不溶分)(2)による。この場合,エタノール (95) 50mlを用い,残分
10mg以下。
(3) 吸光度 (3mg/l, pH7.0) 0.45以上
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試料30mg(0.1mgのけたまではかる)を全量フラスコ100mlに入れる→水を標線まで加える→その
1ml(正確にとる)を全量フラスコ100mlに入れる+JIS K 8001の5.28[変色範囲(指示薬)](1)の緩
衝液 (pH7.0) 10ml→水を標線まで加える→吸収セル(光路長10mm)を用い,波長490nm付近の吸収
極大の波長における吸光度を水を対照液として測定→0.45以上。
(4) 乾燥減量 (105℃) 7.0%以下
JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この場合,試料1.0g(0.1mg
のけたまではかる)を用い,105℃で4時間乾燥し,減量70mg以下[残分は(5)の試験に用いる]。
(5) 強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 35.0〜40.5%
(4)の残分0.40g(0.1mgのけたまではかる)→加熱板上で徐々に加熱→炭化“→放冷+硫酸0.5ml→
徐々に加熱→灰化”(2回繰り返す)→強熱→デシケーター中で放冷……残分140〜162mg。
(6) 塩化物 (Cl) 0.1%以下
試料側溶液:(1)のA液20ml+硝酸 (1+2) 10ml→加熱→冷却+水 (→50ml) →5℃以下に冷却してとき
どき振り混ぜながら1時間放置→洗浄ろ紙(5種C)を用いてろ過→ろ液(B液)。
B液20ml(試料量0.04g)をとる。
標準側溶液:B液20ml+硝酸銀溶液 (20g/l) 1ml→水浴中で10分間加熱→冷却→洗浄ろ紙(5種C)を
用いてろ過→水5mlで洗う→(ろ液+洗液)。
操作:JIS K 8001の5.7(2)[比濁法(着色試料の場合)]による。この場合,塩化物標準液 (0.01mg Cl/ml)
4.0mlを用いる。
(7) 亜鉛 (Zn) 0.05%以下
試料側溶液:試料1.0g→白金皿に入れる+硝酸マグネシウム・エタノール溶液10ml→点火→燃焼→炭
化→放冷+硫酸1ml→徐々に加熱→強熱灰化→放冷+塩酸3ml→水浴上で加熱して溶かす→冷却→[必
要ならばろ紙(5種C)でろ過→水で洗う→(ろ液+洗液)]+水 (→100ml) (C液)。
C液10ml(試料量0.1g)+水 (→100ml) (X液)。
標準側溶液:C液10ml+亜鉛標準液 (0.01mg Zn/ml) 5.0ml+水 (→100ml) (Y液)。
空試験溶液:硝酸マグネシウム・エタノール溶液10ml→白金皿に入れる→点火→燃焼→炭化→放冷+
硫酸1ml→徐々に加熱→強熱灰化→放冷+塩酸3ml→水浴上で加熱して溶かす→冷却→[必要ならば
ろ紙(5種C)でろ過→水で洗う→(ろ液+洗液)]+水 (→100ml) (D液)。
D液10ml+水 (→100ml) (Z液)。
操作:JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長213.9nm。
(8) 鋭敏度
試料溶液:試料50mg+水 (→500ml) →その5ml+水 (→500ml) (E液)。
臭素溶液:0.25mol/l臭素溶液5ml+硫酸 (1+5) 10ml+水 (→100ml) →直ちに栓をして穏やかに振り
混ぜる→その10ml+水 (→100ml) (F液)。
操作:E液10ml+F液0.5ml+炭酸ナトリウム溶液 (100g/l) 0.05ml……[E液10ml+炭酸ナトリウム溶
液 (100g/l) 0.05ml]の色に比べて明らかに赤が現れる。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “ウラニン”及び“試薬”の文字
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 内容量
(5) 製造番号
(6) 製造年月又はその略号
(7) 製造業者名又はその略号
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会