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K 8780:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 種類······························································································································· 2 

4 性質······························································································································· 2 

4.1 性状 ···························································································································· 2 

4.2 定性方法 ······················································································································ 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 一般事項 ······················································································································ 3 

6.2 純度(C6H6O3)(GC) ···································································································· 3 

6.3 水溶状 ························································································································· 4 

6.4 エタノール溶状 ············································································································· 5 

6.5 融点 ···························································································································· 5 

6.6 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 5 

6.7 塩化物(Cl) ················································································································ 5 

6.8 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 6 

6.9 鉛(Pb)及び鉄(Fe) ···································································································· 6 

7 容器······························································································································· 7 

8 表示······························································································································· 8 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8780:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 8780:1994を適用してもよい。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 8780:2019 

ピロガロール(試薬) 

Pyrogallol (Reagent) 

  C6H6O3  FW:126.11

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるピロガロールについて規定する。 

警告1 ピロガロールは有害であり,粘膜,皮膚及び目に付着しないように注意する。また,粉じん

の吸入に注意し,排気に十分注意して取り扱う。 

警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので

はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして,各自の責任に

おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

注記 別名:1,2,3-ベンゼントリオール,1,2,3-トリヒドロキシベンゼン,焦性没食子酸 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0064 化学製品の融点及び溶融範囲測定方法 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0117 赤外分光分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬) 

JIS K 8777 ピリジン(試薬) 

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JIS K 8886 無水酢酸(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬) 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

4.1 

性状 

ピロガロールは,白又はほとんど白の結晶又は結晶性粉末で,水,エタノール(99.5)及びジエチルエ

ーテルに溶けやすい。熱すると初めは溶け,次に昇華する。空気及び光によって酸化され,次第に褐色に

変わる。 

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1 621 cm-1,1 488 cm-1,1 322 cm-1,

1 242 cm-1,1 192 cm-1,1 002 cm-1,764 cm-1及び707 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料

調製は,JIS K 0117の5.2 b)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペ

クトルの例を図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの例 

品質 

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

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表1−品質 

項目 

規格値 

試験方法 

純度(C6H6O3)(GC) 

面積分率 % 

99.0 以上 

6.2 

水溶状 

− 

試験適合 

6.3 

エタノール溶状 

− 

試験適合 

6.4 

融点 

℃ 

130〜136 

6.5 

強熱残分(硫酸塩) 

質量分率 % 

0.03 以下 

6.6 

塩化物(Cl) 

質量分率 % 

0.002 以下 

6.7 

硫酸塩(SO4) 

質量分率 % 

0.005 以下 

6.8 

鉛(Pb) 

質量分率 ppm 

5 以下 

6.9 

鉄(Fe) 

質量分率 % 

0.001 以下 

6.9 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。 

6.2 

純度(C6H6O3)(GC) 

純度(C6H6O3)(GC)の試験方法は,次による。 

a) 試薬 試薬は,次のものを用いる。 

1) アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

2) 無水酢酸 JIS K 8886に規定するもの。 

3) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。 

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。 

1) マイクロシリンジ又は試料導入装置 0.2 μL又は使用する装置に適切な量を注入できるもの。 

2) ガスクロマトグラフ 装置の構成は,JIS K 0114に規定するもの。 

c) 分析条件 分析条件は,次による。 

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても

よい。 

1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器 

2) 固定相液体名 メチルシリコーン系,又は同等の分離能をもつもの。 

3) 固定相液体の膜厚 2.0 μm(内径1.2 mmの場合)又は5.0 μm(内径0.53 mmの場合) 

4) キャピラリーカラムの材質,内径及び長さ 材質,内径及び長さの組合せは次による。 

・ ほうけい酸ガラス,1.2 mm及び40 m 

・ 石英ガラス,0.53 mm及び30 m 

5) 設定温度 温度の設定は次による。 

・ キャピラリーカラムの内径が1.2 mmの場合:80 ℃で5分間保持した後,毎分5 ℃の割合で140 ℃

まで昇温して,2分間保持する。 

・ キャピラリーカラムの内径が0.53 mmの場合:60 ℃で5分間保持した後,毎分5 ℃の割合140 ℃

まで昇温して,2分間保持する。 

・ 試料気化室:200 ℃ 

・ 検出器槽:200 ℃ 

6) キャリヤーガスの種類 ヘリウムとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7) キャリヤーガスの流量 キャピラリーカラムの内径とガスの流量との組合せは次による。 

・ 内径が1.2 mmの場合:20 mL/min 

・ 内径が0.53 mmの場合:5 mL/min 

8) 試料の導入方式 直接注入法 

9) 試料の導入量 0.2 μL又は使用する装置に適切な量 

d) 試料の調製(ピロガロール誘導体の調製) 試料1 gを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLなどには

かりとり,ピリジン12 mL及び無水酢酸8 mLを加え,共通すり合わせ球管冷却器を付けて,3時間

加熱する。放冷後,アセトン5 mLを加え沈殿を溶かす。 

e) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料の導入及び記録 試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。 

なお,あらかじめ,ピロガロール誘導体の保持時間を確認しておく。 

2) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(データ処理ソフ

ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。 

f) 

定量法 JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって,純度(C6H6O3)(GC)の含有量を算出する。 

6.3 

水溶状 

水溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合したもの。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L)  JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加

えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。 

3) 溶存酸素を除いた水 JIS K 8001の5.8 d)(溶存酸素を除いた水)による。 

4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ

ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。 

澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)

参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20 mL

とし,振り混ぜてから15分間放置する。 

c) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,溶存酸素を除いた水を加

えて溶かし,溶存酸素を除いた水を加えて20 mLにする。 

2) 試料溶液は,試料を溶かした直後に濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の

有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。 

e) 判定 次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.4 

エタノール溶状 

エタノール溶状の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。 

3) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。 

4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 4)による。 

b) 濁りの程度の適合限度標準 6.3 b)による。 

c) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,エタノール(95)を加え

て溶かし,エタノール(95)で20 mLにする。 

2) 試料を溶かした直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の

有無を上方又は側方から観察する。 

e) 判定 次の1)及び2)に適合するとき,“エタノール溶状:試験適合(規格値)”とする。 

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。 

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。 

6.5 

融点 

融点の試験方法は,JIS K 0064の3.(融点測定方法)による。 

6.6 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。

この場合,試料20 gをはかりとる。JIS K 8951に規定する硫酸1.0 mLを用い,強熱温度は,500 ℃±50 ℃

とする。強熱残分は,0.1 mgの桁まではかる。残分は,6.9の試験に用いる。 

なお,強熱残分(硫酸塩)に用いる容器の容量に応じて,試料10 gと硫酸0.5 mLとの組合せで2回行

うなどの前処理を行ってよい。 

6.7 

塩化物(Cl) 

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。 

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。 

3) 溶存酸素を除いた水 6.3 a) 3)による。 

4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 4)による。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,硝酸(1+2)3 mLを加

えて溶かし,溶存酸素を除いた水を加えて25 mLにする。 

2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)2.0 mL及び硝酸(1+2)3 mLを共通すり合わ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

せ平底試験管にとり,溶存酸素を除いた水を加えて25 mLにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,15分間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物

(Cl):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。 

6.8 

硫酸塩(SO4) 

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。 

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。 

2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gをはかりとり,

水を加えて溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。 

3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。 

4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム

1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。

この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。 

b) 器具 主な器具は,次による。 

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。 

c) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,塩酸(2+1)0.3 mL及

び水を加えて溶かし,水を加えて25 mLにする。 

2) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)5.0 mLをとり,

塩酸(2+1)0.3 mLを加え,水を加えて25 mLにする。 

3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて

振り混ぜた後,1時間放置する。 

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。 

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩

(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。 

6.9 

鉛(Pb)及び鉄(Fe) 

鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。 

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。 

1) 塩酸(2+1) 6.8 a) 3)による。 

2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

なお,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 g

を全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで

加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mL及び水

を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。 

3) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム

鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて

溶かし,水を標線まで加えて混合する。この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸

(1+2)25 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。 

b) 装置 主な装置は,次による。 

1) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。 

2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。 

c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。 

表2−分析種の測定波長の例 

分析種 

測定波長 nm 

鉛(Pb) 

283.3 

鉄(Fe) 

248.3 

d) 操作 操作は,次のとおり行う。 

1) 6.6の残分(試料量20 g)に塩酸(2+1)5 mLを加え,沸騰水浴上でほとんど蒸発乾固する。水10 

mLを加えて溶かし,全量フラスコ100 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(A液)。 

2) 試料溶液の調製は,A液25 mL(試料量5.0 g)を全量フラスコ50 mLにとり,塩酸(2+1)1 mL

を加え,水を標線まで加えて混合する(X液)。 

3) 比較溶液の調製は,A液25 mL(試料量5.0 g)を全量フラスコ50 mLにとり,鉛標準液(Pb:0.01 

mg/mL)2.5 mL,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)5.0 mL及び塩酸(2+1)1 mLを加え,水を標線まで

加えて混合する(Y液)。 

4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2に示す測

定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ

ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。 

5) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。 

e) 判定 n1が,n2−n1より大きくないとき,“鉛(Pb):質量分率5 ppm以下(規格値),鉄(Fe):質量

分率0.001 %以下(規格値)”とする。 

注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。 

なお,含有率(質量分率 %)に104を乗じると,含有率(質量分率 ppm)に変換される。 

100

000

1

1

2

1

×

×

×

=a

n

n

n

B

A

ここに, 

A: 分析種の含有率(質量分率 %) 

B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg) 

a: X液に含まれる試料の質量(g) 

容器 

容器は,気密容器とする。 

K 8780:2019  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 日本工業規格番号 

b) 名称“ピロガロール”及び“試薬”の文字 

c) 種類 

d) 化学式及び式量 

e) 純度 

f) 

内容量 

g) 製造番号 

h) 製造業者名又はその略号