K 8777:2017
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度(C5H5N)(GC) ····································································································· 3
6.3 水溶状 ························································································································· 4
6.4 水分 ···························································································································· 5
6.5 不揮発物 ······················································································································ 5
6.6 塩化物(Cl) ················································································································ 5
6.7 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 5
6.8 アンモニウム(NH4) ····································································································· 6
6.9 銅(Cu)······················································································································ 7
6.10 過マンガン酸還元性物質(Oとして) ·············································································· 7
7 容器······························································································································· 8
8 貯蔵方法························································································································· 8
9 表示······························································································································· 8
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8777:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成29年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8777:2011によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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ピリジン(試薬)
Pyridine
C5H5N FW:79.10
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるピリジンについて規定する。
警告1 ピリジンは,引火性があるので火気に注意する。また,有害なので,蒸気の吸入,粘膜・皮
膚への付着などを避ける。
警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして各自の責任にお
いて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
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JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
ピリジンは,無色透明の液体で特有の不快臭があり,吸湿性である。水,エタノール(99.5)及びジエ
チルエーテルに極めて溶けやすい。密度は約0.98 g/mLで,沸点は約116 ℃である。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 078 cm-1,3 026 cm-1,1 581 cm-1,
1 482 cm-1,1 438 cm-1,1 069 cm-1,1 031 cm-1,991 cm-1,747 cm-1,704 cm-1及び603 cm-1付近に主な吸収
を認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.4 a)(液膜法)による。窓板に臭化カリウムを用いた
ときの赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの一例
注記 図1は,国立研究開発法人産業技術総合研究所のスペクトルデータベースシステム(SDBS)か
ら引用したもので,チャート上に波数表示を追加している。
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品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(C5H5N)(GC)
面積百分率 %
99.5以上
6.2
水溶状
−
試験適合
6.3
水分
質量分率 %
0.1以下
6.4
不揮発物
質量分率 %
0.002以下
6.5
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.001以下
6.6
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.001以下
6.7
アンモニウム(NH4)
質量分率 %
0.002以下
6.8
銅(Cu)
質量分率 ppm
5以下
6.9
過マンガン酸還元性物質(Oとして)
−
試験適合
6.10
6
試験方法
6.1
一般事項
一般事項は,次による。
a) 試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
b) 使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。
c) 使用する標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準液を,使用用途に合致することを確
認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,使用用途に合致することを確認
して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。
注記1 計量計測トレーサビリティが確保された標準液としては,計量標準供給制度[JCSS(Japan
Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標
準総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST),ドイツ連邦材料試験研究所
(BAM)などが供給する標準液及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された市
販の認証標準液がある。
d) 滴定用溶液の調製及び標定は,JIS K 8001の附属書JA(試験用溶液類の調製方法及び滴定用溶液類の
調製及び標定)による。市販品を用いる場合は,使用用途に合致することを確認する。
注記2 計量計測トレーサビリティが確保された滴定用溶液としては,ISO/IEC 17025に基づく認
定試験所が認定の範囲で値付けした市販の滴定用溶液がある。
6.2
純度(C5H5N)(GC)
純度(C5H5N)(GC)の試験方法は,次による。
a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) マイクロシリンジ又は試料導入装置 少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導
入するマイクロシリンジ又は装置。
2) ガスクロマトグラフ 装置の構成は,JIS K 0114に規定するもの。
b) 分析条件 分析条件は,次による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても
よい。
1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器
2) 固定相液体名 ジメチルポリシロキサン
3) 固定相液体の膜厚 2.0 μm(内径1.2 mmの場合)又は5.0 μm(内径0.53 mmの場合)
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4) カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ
ほうけい酸ガラス製,1.2 mm及び40 m
石英ガラス製,0.53 mm及び30 m
5) 設定温度 カラム槽 内径1.2 mmの場合:80 ℃で5分間保持した後,毎分10 ℃の割合で140 ℃
まで昇温して,2分間保持する。
内径0.53 mmの場合:80 ℃で5分間保持した後,毎分5 ℃の割合で140 ℃
まで昇温して,2分間保持する。
試料気化室 200 ℃
検出器槽 200 ℃
6) キャリヤーガスの種類及び流量 ヘリウム 内径1.2 mmの場合:10 mL/min
内径0.53 mmの場合:5 mL/min
7) 試料の導入方式 直接注入法
8) 試料の導入量 0.2 μL
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料の導入及び記録 試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導
入してクロマトグラムを記録する。
なお,あらかじめ,ピリジンの保持時間を確認しておく。
2) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(データ処理ソフ
ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。
d) 定量法 各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度(C5H5N)(GC)
を算出する。
6.3
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合する。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加
えて100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ
ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[6.3
c)参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を加えて20
mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 mL,直径約23 mmのもの。
d) 操作 操作は,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて20 mLにする。
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2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又は
側方から観察する。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。
6.4
水分
水分の試験方法は,排気に注意してJIS K 0068の6.3(容量滴定法)又は6.4(電量滴定法)による。
容量滴定法の場合,試料20 g(約20 mL)をはかりとり,溶媒は,メタノールとする。電量滴定の場合,
試料2.0 g(約2.0 mL)をはかりとる。
6.5
不揮発物
不揮発物の試験方法は,排気に注意してJIS K 0067の4.3.4 (1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)
による。この場合,試料50 gをはかりとり,残分は,0.1 mgの桁まではかる。
なお,試料は蒸発操作に用いる器具の大きさに合わせ,数回に分割して加えてよい。残分は,6.9の試験
に用いる。
6.6
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 3)による。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,水を
加えて20 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)2.0 mLをとり,
水を加えて20 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,
15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側方から観察して濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.7
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gをはかりとり,
水を加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。
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3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合する。
4) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
5) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8962に規定する硫酸カリウム
1.81 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,沸騰水浴上で蒸発乾固する。
残分に塩酸(2+1)0.3 mL及び水を加えて溶かし,共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて
25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)4.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,
水10 mL及び塩酸(2+1)0.3 mLを加えて溶かし,水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.8
アンモニウム(NH4)
アンモニウム(NH4)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 0.01 mol/L 塩酸(HCl:0.364 6 g/L)(必要な場合に用いる。) 1 mol/L 塩酸10 mLを全量フラスコ
1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加え,混合する。ファクターは,1 mol/L 塩酸の値を用いる。
なお,1 mol/L 塩酸は,JIS K 8180に規定する塩酸(特級)を用い6.1 d)による。
2) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。
3) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをはかりとり,JIS
K 8102に規定するエタノール(95)90 mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 水浴 6.7 b) 2)による。
c) 操作 操作は,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料2.0 gを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLなどにはかりとり,二酸化炭素を除いた水10 mL
及びフェノールフタレイン溶液0.1 mLを加える。
2) 紅色を示した場合,直ちに0.01 mol/L 塩酸で無色となるまで滴定する。
d) 判定 c)によって操作し,次の1)又は2)に適合するとき,“アンモニウム(NH4):質量分率0.002 %以
下(規格値)”とする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) c) 1)の操作で,試料溶液の色は無色である。
2) c) 2)の操作で,0.01 mol/L 塩酸の滴定量は,0.24 mLを超えない。
6.9
銅(Cu)
銅(Cu)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸 JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)。
2) 銅標準液(Cu:0.1 mg/mL) 6.1 c)による。
なお,銅標準液(Cu:0.1 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和
物3.93 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,水を
標線まで加えて混合する。この液100 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,硝酸(1+2)25 mL
を加え,水を標線まで加えて混合する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
c) 銅(Cu)の測定波長 銅(Cu)の測定波長の例を表2に示す。
表2−銅(Cu)の測定波長の例
元素名
測定波長nm
銅(Cu)
324.8
d) 操作 操作は,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,6.5の残分に硝酸5 mLを加え,加熱して残分を溶かす。全量フラスコ100 mL
に移し,水で洗浄し,洗液を合わせ,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,銅標準液(Cu:0.1 mg/L)2.5 mLを全量フラスコ100 mLにとり,硝酸5 mLを
加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を
測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
n1は,n2より大きくない。
注記 銅(Cu)の含有率(質量分率 ppm)は,次の式によって求めることができる。
6
2
1
10
000
1
×
×
×
=m
n
n
B
A
ここに,
A: 銅(Cu)の含有率(質量分率 ppm)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
6.10
過マンガン酸還元性物質(Oとして)
過マンガン酸還元性物質(Oとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却し,かき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々に
加える。
2) 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:3.161 g/L) JIS K 8247に規定する過マンガン酸
カリウムを用いて,6.1 d)による。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,排気に注意して,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,0.02 mol/L 過マンガン酸
カリウム溶液0.10 mLを加えて振り混ぜ,光を遮り,液温20 ℃±5 ℃で30分間放置する。ただし,
0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液のファクターが1.00でない場合は,加える体積を補正する。
2) 白の背景を用いて,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から試料溶液の色を観察する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“過マンガン酸還元性物質(Oとして):試験適合”(規
格値)とする。
試料溶液の色は,紅色を保つ。
注記 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液1 mLは,0.000 800 0 g(酸素)Oに相当し,操作によ
って紅色を保つ場合,Oとして質量分率 約0.002 %以下である。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
貯蔵方法
製品は,火気に注意し保存する。
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表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“ピリジン”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造年月又はその略号
i)
製造業者名又はその略号