K 8756:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
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1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 性質······························································································································· 1
4.1 性状 ···························································································································· 1
4.2 定性方法 ······················································································································ 1
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法 ························································································································· 2
6.1 一般事項 ······················································································································ 2
6.2 純度(C16H32O2)(GC) ·································································································· 2
6.3 融点 ···························································································································· 3
6.4 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 3
6.5 酸価 ···························································································································· 3
6.6 よう素価 ······················································································································ 3
7 容器······························································································································· 4
8 表示······························································································································· 4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8756:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成27年9月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8756:1994によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
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パルミチン酸(試薬)
Palmitic acid (Reagent)
CH3(CH2)14COOH FW:256.42
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるパルミチン酸1)について規定する。
注1) 化学名:ヘキサデカン酸
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0064 化学製品の融点及び溶融範囲測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0070 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方
法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 9701 ヘプタン(試薬)
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
パルミチン酸は,白い結晶性粉末又はフレーク状,若しくは粒状で,ジエチルエーテルに溶けやすく,
エタノールにやや溶けやすく,水にほとんど溶けない。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数2 953 cm-1,2 917 cm-1,2 849 cm-1,
1 702 cm-1,1 472 cm-1,1 464 cm-1,1 411 cm-1,1 295 cm-1,941 cm-1及び720 cm-1付近に主な吸収ピークを
認める。試料調製をJIS K 0117の5.2 b)(錠剤法)によって行い,調製に臭化カリウムを用いたときの赤
外吸収スペクトルの例を図1に示す。
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図1−赤外吸収スペクトルの例
注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のスペクトルデータベースシステム(SDBS)から引
用したものである。
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品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度(C16H32O2)(GC) 質量分率 %
95.0以上
6.2
融点
℃
60〜64
6.3
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.01以下
6.4
酸価
216〜221
6.5
よう素価
1.5以下
6.6
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
純度(C16H32O2)(GC)
純度(C16H32O2)(GC)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) ヘプタン JIS K 9701に規定するもの。
2) 三ふっ化ほう素メタノール錯体・メタノール溶液 三ふっ化ほう素として質量分率14 %〜15 %を含
有するメタノール溶液で,ガスクロマトグラフ分析が可能なもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) マイクロシリンジ又は試料導入装置 少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導
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入するもの。
2) ガスクロマトグラフ 装置の構成は,JIS K 0114に規定するもの。
c) 分析条件 分析条件は,次による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても
よい。
1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器
2) 固定相液体名 ポリエチレングリコール
3) 固定相液体の膜厚 0.25 μm
4) カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ 材質:石英ガラス,内径:0.25 mm,長さ:30 m
5) 設定温度 カラム槽 230 ℃
試料気化室 280 ℃
検出器槽 250 ℃
6) キャリヤーガスの種類及び流量 ガス:ヘリウム,流量:1.33 mL/min
7) 試料溶液の導入方式 スプリット注入法(スプリット比 1:100)
8) 試料溶液の導入量 1.0 μL
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製 試料0.1 gをコニカルビーカー50 mLなどにはかりとり,三ふっ化ほう素メタノー
ル錯体・メタノール溶液5 mLを加え,水浴中で溶かし,更に5〜10分間加熱し蒸発乾固する。冷
却後,水10 mLを加える。さらに,ヘプタン4 mLを加えて混合し,放置した後,その上層(ヘプ
タン相)を用いる。
2) 試料溶液の導入及び記録 試料溶液をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグ
ラフに導入してクロマトグラムを記録する。
なお,あらかじめ,ヘプタン,メタノール及びパルミチン酸メチルの保持時間を確認しておく。
3) ピーク面積の測定 クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(データ処理ソフ
ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。
e) 定量法 各成分(ヘプタン及びメタノールを除く。)のピーク面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積
百分率法)によって純度(C16H32O2)(GC)を算出する。
6.3
融点
融点の試験方法は,JIS K 0064の3.(融点測定方法)による。ただし,目視による方法の場合には,試
料はできるだけ低温で溶融し,両端の開いた毛管中に約10 mmの高さになるように吸い上げる。毛管から
試料が流出しないように保ち,10 ℃以下で24時間放置後,又は氷上に少なくとも2時間放置後,毛管中
の試料を温度計の水銀球の中央の位置に取り付ける。融点は,毛管中の試料が浮上するときの温度とする。
6.4
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
試料10 gをはかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸約0.2 mLを用い,(500±50)℃で強熱する。
6.5
酸価
酸価の試験方法は,JIS K 0070の3.(酸価)による。この場合,試料1.0 gを1 mgの桁まではかりとる。
6.6
よう素価
よう素価の試験方法は,JIS K 0070の6.(よう素価)による。この場合,試料2.0 gを1 mgの桁までは
かりとる。
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容器
容器は,気密容器とする。
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表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“パルミチン酸”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号