K 8736:2018
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 1
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 2
6.1 一般事項 ······················································································································ 2
6.2 水溶状 ························································································································· 2
6.3 メタノール溶状 ············································································································· 3
6.4 吸光度(10 mg/L,pH 9.0) ····························································································· 4
6.5 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 4
6.6 強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) ·························································································· 4
6.7 鋭敏度 ························································································································· 4
7 容器······························································································································· 5
8 表示······························································································································· 5
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8736:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成30年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8736:1994によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
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エリオクロムブラックT(試薬)
Eriochrome black T (Reagent)
C20H12N3NaO7S FW:461.39
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるエリオクロムブラックTについて規定する。
注記 別名:C.I.モーダントブラック11
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8121 塩化カリウム(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8863 ほう酸(試薬)
JIS K 8891 メタノール(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
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種類
種類は,特級とする。
2
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性質
4.1
性状
エリオクロムブラックTは,黒い粉末又は小塊で,水及びエタノール(99.5)に溶ける。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 152 cm-1,2 453 cm-1,1 542 cm- 1,
1 450 cm-1,1 318 cm-1,1 069 cm-1,690 cm-1及び545 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料
調製はJIS K 0117の5.3 a)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペク
トルの例を,図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの一例
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
水溶状
−
試験適合
6.2
メタノール溶状
−
試験適合
6.3
吸光度(10 mg/L,pH 9.0)
−
0.40以上
6.4
乾燥減量(105 ℃)
質量分率 %
7.0 %以下
6.5
強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 質量分率 %
15.0〜20.0
6.6
鋭敏度
−
試験適合
6.7
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
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a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,水を加
えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
なお,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)を調製する場合は,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウ
ム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
この液10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“ほとんど澄明”を用いる。
ほとんど澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.5 mLを共通すり合わせ平底
試験管[c)参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,水を
加えて20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
− 共通すり合わせ平底試験管 例えば,容量50 mL,直径約23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料0.100 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,水140 mLを加え,加熱して溶かす。冷却後,全
量フラスコ200 mLに移し,ビーカー200 mLを水20 mLで洗い,洗液を全量フラスコ200 mLに合
わせ,水を標線まで加えて混合する(溶液は6.4の試験に用いる。)。その20 mLを共通すり合わせ
平底試験管にとる。
2) 試料を溶かした直後に濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す
り合わせ平底試験管の上方又は側方から光を当てて観察する。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
6.3
メタノール溶状
メタノール溶状の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) メタノール JIS K 8891に規定するもの。
2) 硝酸(1+2) 6.2 a) 1)による。
3) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.2 a) 2)による。
4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.2 a) 3)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 6.2 b)による。
c) 器具 主な器具は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料0.05 gを三角フラスコ100 mLなどにはかりとり,メタノール100 mLを加え,水浴中で加温し
て溶かす(溶液は6.7の試験に用いる。)。その20 mLを共通すり合わせ平底試験管にとる。
2) 試料を溶かした直後に濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
り合わせ平底試験管の上方又は側方から光を当てて観察する。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“メタノール溶状:試験適合(規格値)”と
する。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
6.4
吸光度(10 mg/L,pH 9.0)
吸光度(10 mg/L,pH 9.0)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
− 緩衝液(pH 9.0) 0.2 mol/L水酸化ナトリウム溶液10.65 mL及び0.1 mol/Lほう酸−0.1 mol/L塩化
カリウム混合溶液50 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混合したもの。
なお,0.2 mol/L水酸化ナトリウム溶液及び0.1 mol/Lほう酸−0.1 mol/L塩化カリウム混合溶液を
調製する場合は,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム,JIS K 8863に規定するほう酸及びJIS K
8121に規定する塩化カリウムを用いて,JIS K 8001の表JA.9(緩衝液調製用溶液の調製)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。
2) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,6.2の溶液10 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,水を標線まで加えて混
合する。その20 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,緩衝液(pH 9.0)10 mLを加え,水を標
線まで加えて混合する。
2) 吸収セルを用い,分光光度計で波長620 nmにおける試料溶液の吸光度を,水を対照液としてJIS K
0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測定する。
d) 判定 c)によって操作し,試料溶液から得られた液の吸光度が,0.40より大きいとき,“吸光度(10 mg/L,
pH9.0):0.40以上(規格値)”とする。
6.5
乾燥減量(105 ℃)
乾燥減量(105 ℃)は,JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この
場合,試料1 gを0.1 mgの桁まではかりとり,4時間乾燥する(残分は,6.6の試験に用いる。)。
6.6
強熱残分(硫酸塩)(乾燥後)
強熱残分(硫酸塩)(乾燥後)は,JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)によ
る。この場合,6.5の残分0.5 gを0.1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mLを加え
て灰化し,放冷する。再び,硫酸0.5 mLを加え灰化した後,600 ℃±50 ℃で強熱する。強熱残分は,0.1
mgの桁まではかる。
6.7
鋭敏度
鋭敏度の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アンモニア性塩化アンモニウム溶液(pH 10) JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム7 gをはか
りとり,JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %〜30.0 %)57 mL及び水を加えて溶
かし,水を加えて100 mLにしたもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に密栓して保存する。
2) 0.01 mol/L亜鉛溶液 認証標準物質又は容量分析用標準物質の亜鉛を用い,JIS K 8001のJA.6.4 a)
4)(0.01 mol/L 亜鉛溶液)に従って調製,標定及び計算する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3) 0.01 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.01 mol/L EDTA2Na溶液) JIS K
8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物を用い,JIS K 8001のJA.6.4
c) 4)(0.01 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液)に従って調製,標定及び計算
する。
b) 器具 主な器具は,次による。
− 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 水10 mL,0.01 mol/L亜鉛溶液0.05 mL及びアンモニア性塩化アンモニウム溶液(pH 10)0.05 mL
を共通すり合わせ平底試験管にとり,6.3の溶液0.05 mLを加え,共通すり合わせ平底試験管の上方
又は側方から色を観察する。
2) 1)の溶液に0.01 mol/L EDTA2Na溶液0.10 mLを加え,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方か
ら色を観察する。
d) 判定 c)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“鋭敏度:試験適合(規格値)”とする。
1) c) 1)によって,溶液にうすい赤紫が現れる。
2) c) 2)によって,溶液にうすい青が現れる。
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容器
容器は,遮光した気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称“エリオクロムブラックT”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号