K 8728:2011
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 3
4.1 性状 ···························································································································· 3
4.2 定性方法 ······················································································································ 3
5 品質······························································································································· 3
6 試験方法 ························································································································· 4
6.1 一般事項 ······················································································································ 4
6.2 水溶状 ························································································································· 4
6.3 エタノール可溶分 ·········································································································· 4
6.4 比旋光度 []20
D
α ··············································································································· 5
6.5 乾燥減量(80 ℃)·········································································································· 6
6.6 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 6
6.7 pH(50 g/l,25 ℃) ········································································································ 6
6.8 窒素化合物(Nとして)·································································································· 6
6.9 重金属(Pbとして) ····································································································· 10
6.10 鉄(Fe) ···················································································································· 11
6.11 デキストリン及びでんぷん ···························································································· 12
7 容器······························································································································ 13
8 表示······························································································································ 13
K 8728:2011
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これに
よって,JIS K 8728:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成23年12月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS K 8728:1994によることができる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格
JIS
K 8728:2011
ラクトース一水和物(試薬)
Lactose monohydrate(Reagent)
C12H22O11・H2O FW:360.31
O
OH
H
O
H
H
OH
H
OH
CH2OH
O
H
H
OH
H
OH
H
OH
CH2OH
H
H2O
H
序文
この規格は,1953年に制定され,その後6回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1994年に
行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるラクトース一水和物1) について規定する。
注1) 化学名:(2S,3R,4R,5S,6R)-6-(ヒドロキシメチル)-5-((2S,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒド
ロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4-トリオー
ル一水和物
別名:乳糖
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0063 化学製品の旋光度測定方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8034 アセトン(試薬)
2
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JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
JIS K 8202 塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物(試薬)
JIS K 8295 グリセリン(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8371 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8392 サリチル酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8638 チオ硫酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8780 ピロガロール(試薬)
JIS K 8798 フェノール(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8920 よう素(試薬)
JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤
JIS Z 8802 pH測定方法
3
種類
種類は,特級とする。
3
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4
性質
4.1
性状
ラクトース一水和物は,白い結晶性粉末で,水に溶けやすく,エタノール,ジエチルエーテル及びクロ
ロホルムにほとんど溶けない。
4.2 定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数2 900 cm−1,1 429 cm−1,1 340 cm−1,
1 117 cm−1,1 072 cm−1,1 035 cm−1,876 cm−1,776 cm−1,633 cm−1及び606 cm−1付近に主な吸収ピーク
を認める。この場合,試料調製はJIS K 0117の5.3(粉体)のa)(錠剤法)による。錠剤の調製に臭化カ
リウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。
図1−赤外吸収スペクトルの例
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
水溶状
試験適合
6.2
エタノール可溶分
質量分率 %
0.2以下
6.3
比旋光度[]20
D
α
°(度)
+52.2〜+52.8
6.4
乾燥減量(80 ℃)
質量分率 %
0.5以下
6.5
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.05以下
6.6
pH(50 g/l,25 ℃)
4.0〜6.0
6.7
窒素化合物(Nとして)
質量分率 %
0.005以下
6.8
重金属(Pbとして)
質量分率 ppm
5以下
6.9
鉄(Fe)
質量分率 ppm
5以下
6.10
デキストリン及びでんぷん
試験適合
6.11
500
4
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6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す
る。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。溶液は,褐
色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液
3.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要
な場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市
販の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外
の認証標準液など”という。)。
3.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
3.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに
正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水10 ml,硝酸(1+2)
1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15分間放置す
る。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 ml,直径23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし20 mlにする。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又
は側方から観察する。
e) 判定 d) によって操作し,次の1) 及び2) に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。
6.3
エタノール可溶分
エタノール可溶分の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
5
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エタノール(体積分率90 %) JIS K 8101に規定するエタノール(99.5)の体積9と水の体積1と
を混合する。
b) 器具及び装置など 主な器具及び装置などは,次のとおりとする。
1) 蒸発皿 JIS R 3503に規定するもの。
2) 磁製乳鉢 固体を粉砕したり,2種以上の粉末を均一に混合するために乳棒とともに用いる磁製の
鉢。
3) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの。
4) 電気定温乾燥器 105±2 ℃に調節できるもの。
5) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
6) デシケーター 乾燥剤としてJIS Z 0701に規定するシリカゲル(A形1種)を入れた物質を乾燥す
る容器。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料5.0 gを適切な容量のビーカーに0.1 mgの桁まではかりとる。
なお,塊状で溶けにくいものは,磁製乳鉢で粉砕して用いる。
2) エタノール(体積分率90 %)20 mlを加え,30分間振り混ぜ,エタノール(体積分率90 %)で湿し
たろ紙(5種C)を用いてろ過する。
3) あらかじめ105 ℃で恒量にした蒸発皿の質量をはかる(W1 g)。その蒸発皿にろ液10 ml(試料量2.5
g)をとり,水浴上で蒸発乾固する。
4) 電気定温乾燥器で105 ℃で恒量になるまで乾燥して,デシケーター中で放冷後,再び残分を含む蒸
発皿の質量をはかる(W2 g)。
d) 計算 エタノール可溶分は,次の式によって算出する。
100
1
2
×
−
=
m
W
W
A
ここに,
A: エタノール可溶分(質量分率 %)
m: はかりとった試料の質量(g)
W1: 約105 ℃で恒量にした蒸発皿の質量(g)
W2: 約105 ℃で恒量にした残分及び蒸発皿の質量(g)
6.4
比旋光度[]20
D
α
比旋光度[]20D
αの試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類には,次のものを用いる。
アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0〜30.0 %)の体積2に水
の体積3を加え混合し,ポリエチレン製瓶などに保存する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
1) 恒温水槽 15〜25 ℃に調節できるもの(必要な場合に用いる。)。
2) 旋光計 JIS K 0063に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料溶液の調製は,全量フラスコ50 mlに試料5.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,水20 ml及びア
ンモニア水(2+3)0.6 mlを加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。直ちにJIS K 0063の3.4
(操作)を行う。
d) 計算 比旋光度の計算は,測定の結果から得られた旋光度から,JIS K 0063の3.5(計算及び結果の表
6
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示)に準じて行う。
6.5
乾燥減量(80 ℃)
乾燥減量(80 ℃)は,JIS K 0067の4.1.4 (1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。この場
合,試料1 gを0.1 mgの桁まではかりとる。乾燥温度は80 ℃,乾燥時間は3時間とする。
6.6
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)は,JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。この場
合,試料2.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mlを用いる。強熱温度は,
600±50 ℃とする。
6.7
pH(50 g/l,25 ℃)
pH(50 g/l,25 ℃)の試験方法は,次による。
a) 試薬,ガス及び試験用溶液類 試薬,ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
2) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。
3) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml
にする(必要な場合に用いる。)。溶液は,ポリエチレン製瓶などに保存する。
4) 二酸化炭素を除いた水 次の4.1)〜4.4) のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
4.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却
したもの。
4.2) 水をフラスコに入れ,水の中に窒素を15分間以上通じたもの。
4.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。
4.4) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立
てないように採取したもの。
5) pH標準液 pH標準液は,JCSSに基づくpH標準液(第2種以上のもの。),JCSS以外の認証され
たpH標準液又はJIS Z 8802に規定する調製pH標準液のいずれかを用いる。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
1) 恒温水槽 25±0.5 ℃に調節できるもの。
2) pH計 JIS Z 8802に規定する形式II以上の性能のもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,二酸化炭素を除いた水を加えて溶か
し,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。この液を適切な容量のビーカーにとる。
2) pHの測定は,JIS Z 8802の7.2(測定方法)による。この場合,液温25±0.5 ℃の恒温水槽に浸し
た試料溶液の液面上に窒素を流し,かき混ぜながらはかる。
6.8
窒素化合物(Nとして)
窒素化合物(Nとして)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) サリチル酸 JIS K 8392に規定するもの。
2) チオ硫酸ナトリウム JIS K 8638に規定するもの。
7
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3) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
4) 硫酸カリウム JIS K 8962に規定するもの。
5) 硫酸銅(II)五水和物 JIS K 8983に規定するもの。
6) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水60 mlに溶かす。これ
にJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物5 gを加えて溶かし,
水で100 mlにする。
7) 酢酸(1+1) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
8) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量
分率5〜12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でうすめ
る。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
8.1) 有効塩素の定量方法 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率5〜12 %)10 gを0.1 mgの
桁まではかりとり,全量フラスコ200 mlに入れ,水を標線まで加えて混合する。その20 mlを共
通すり合わせ三角フラスコ300 mlに正確にはかりとり,水100 ml,JIS K 8913に規定するよう化
カリウム2 g及び酢酸(1+1)6 mlを加えて栓をして振り混ぜる。約5分間暗所に放置後,指示薬
としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん
溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mlを加える。終点は,液の青が消え
る点とする。
別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
(
)
100
200
20
3
545
003
0
2
1
×
×
×
×
−
=
/
m
f
.
V
V
A
ここに,
A: 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率5〜
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)
f: 0.1 mol/ l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとった次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質
量分率5〜12 %)の質量(g)
0.003 545 3: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液1 mlに相当するCl
の質量(g)
9) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして
100 mlにする。ポリエチレン製瓶などに保存する。
10) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定するでんぷん(溶性)1.0 gに水10 mlを加えてかき混ぜながら熱
水200 ml中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に
使用する。
11) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)18 mlをビーカー200 mlにとる。冷
水中で冷却しながらJIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更にJIS K 8034
に規定するアセトン4 mlを加え,水で100 mlにする。使用時に調製する。
12) ピロガロール・水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8780に規定するピロガロール10 gを水酸化ナトリウ
ム溶液(300 g/l)80 mlに溶かし,更に水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)を加えて全量を100 mlにす
8
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る(必要な場合に用いる。)。この溶液は,使用時に調製する。
13) 溶存酸素を除いた水 次の13.1)〜13.5) のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
13.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶にピロガロー
ル・水酸化ナトリウム溶液を入れたものを連結するなどして空気中の酸素を遮り,冷却したもの。
13.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。
13.3) 水から酸素分離膜をもつガス分離管を用いて溶存酸素を除いたもの。
13.4) 水を超音波振動装置で十分に脱気を行ったもの。
13.5) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立
てないように採取したもの。
注記 脱イオン化された水を用いる場合,脱イオン装置によっては酸素を含む場合があるので,
溶存酸素が除かれていることを確認する。
14) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却してかき混ぜながら,硫酸の体積1を徐々に加える。
15) 硫酸(1+15) 水の体積15を冷却してかき混ぜながら,硫酸の体積1を徐々に加える。
16) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液(Na2S2O3・5H2O:24.82 g/l) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の
調製,標定及び計算は,次による。
16.1) 調製 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物26 g及びJIS K 8625に規定する炭酸ナ
トリウム0.2 gをはかりとり,溶存酸素を除いた水1 000 mlを加えて溶かした後,気密容器に入れ
て保存する。調製後2日間放置したものを用いる。
16.2) 標定 標定は,認証標準物質3) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ
ムを用い,次のとおり行う。
16.2.1) 認証標準物質3) のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
16.2.2) 容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,
130 ℃で約2時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。
16.2.3) 認証標準物質3) 又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム0.9〜1.1 gを全量フラスコ250 mlに
0.1 mgの桁まではかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。その25 mlを共
通すり合わせ三角フラスコ200 mlに正確にはかりとり,水100 mlを加える。次に,JIS K 8913
に規定するよう化カリウム2 g及び硫酸(1+1)2 mlを加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜ
て,暗所に5分間放置する。指示薬としてでんぷん溶液を用い,16.1) で調製した液で滴定する。
この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mlを加える。終
点は,液の青が消える点とする。
別に,共通すり合わせ三角フラスコ200 mlに水125 ml及びよう化カリウム2 gをはかりとり,
硫酸(1+1)2 mlを加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に5分間放置し,同一条件
で空試験を行って滴定量を補正する。
注3) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際
単位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物
質を入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,
その説明書に従って使用する。
なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準
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総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認
証標準物質生産者がある。
16.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
(
)100
7
566
003
0
250
25
2
1
A
V
V
.
/
m
f
×
−
×
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)
A: よう素酸カリウムの純度(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)
0.003 566 7: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液1 mlに相当するよう
素酸カリウムの質量(g)
17) アンモニア性窒素標準液
17.1) アンモニア性窒素標準液(N:1 mg/ml) JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム3.82 g(質量分
率100 %としての相当質量)を全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで
加えて混合する。
17.2) アンモニア性窒素標準液(N:0.01 mg/ml) アンモニア性窒素標準液(N:1 mg/ml)10 mlを全量
フラスコ1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c) による。
3) 沸騰石 液体を沸騰させるとき突沸を防ぐために入れる多孔質の小片。
4) 恒温水槽 20〜25 ℃に調節できるもの。
5) 蒸留装置 例を図2に示す。
6) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料0.50 gをとり,サリチル酸0.1 g及び硫酸15 mlを冷却し
ながら加えて溶かし,30分間放置する。これに,チオ硫酸ナトリウム0.2 g,硫酸銅(II)五水和物
0.5 g及び硫酸カリウム10.0 gを加え,うすい緑になるまで徐々に加熱し,冷却後,水100 mlを加
える。
2) 比較溶液の調製は,蒸留フラスコAにアンモニア性窒素標準液(N:0.01 mg/ml)2.5 mlをとり,サ
リチル酸0.1 g及び硫酸15 mlを冷却しながら加えて溶かし,以下,1) の試料溶液と同一操作を行う。
3) 空試験溶液は,蒸留フラスコAにサリチル酸0.1 g及び硫酸15 mlを冷却しながら加えて溶かし,以
下,1)の試料溶液と同一操作を行う。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,沸騰石2〜3粒を入れる。受器Hに吸収液[硫酸(1+15)
2 mlに水18 mlを加える。]を入れ,逆流止めGの先端を浸し,直ちに蒸留装置に連結する。これ
に水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)80 mlを注入漏斗Dから加える。注入漏斗Dを水10 mlで洗い,
すり合わせコックCを閉じる。加熱して蒸留し,初留約75 mlをとり,水を加えて100 mlにする(試
料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得られた液をY液及び空試験溶液から得られた液をZ
液とする。)。
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5) X液10 ml,Y液10 ml及びZ液10 mlをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na溶
液(インドフェノール青法用)1 ml及びナトリウムフェノキシド溶液4 mlを加えてよく振り混ぜる。
これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率約1 %)2.5 mlを加え,更に水を加えて25 ml
にし,20〜25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。
6) X液及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照液とし,吸収セルを用いて,分光光度
計で波長630 nm付近の吸収極大の波長における吸光度をJIS K 0115の6.(特定波長における吸収
の測定)によって測定して比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“窒素化合物(Nとして):質量分率0.005 %以下(規格
値)”とする。
X液から得られた液の吸光度は,Y液から得られた液の吸光度より大きくない。
単位 mm
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:
蒸留フラスコ500 ml
連結導入管
すり合わせコックK-16
注入漏斗
ケルダール形トラップ球(E':小孔)
球管冷却器300 mm
逆流止め(約50 ml)
受器(有栓形メスシリンダー100 ml)
共通すり合わせ
共通テーパー球面すり合わせ
押さえばね
ヒーター
図2−蒸留装置の例
6.9 重金属(Pbとして)
重金属(Pbとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
2) 酢酸ナトリウム溶液(200 g/l) JIS K 8371に規定する酢酸ナトリウム三水和物33.2 gを水に溶かし
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て100 mlにする。
3) 硝酸(1+2) 6.2 a) 1) による(必要な場合に用いる。)。
4) 硫化ナトリウム・グリセリン溶液 JIS K 8295に規定するグリセリン30 mlに水10 mlを加えた溶
液にJIS K 8949に規定する硫化ナトリウム九水和物5 gを加えて溶かす。放置後,上澄み液を用い
る。冷所に保存し,3か月以内に使用する。
5) 鉛標準液
5.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
5.1.1) JCSSに基づく標準液 6.2 a) 3.1.1) に準じる。
5.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.2 a) 3.1.2) に準じる。
5.1.3) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)1 ml及
び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
5.2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確には
かりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.2 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水15 mlを加え温めて溶かし,
更に水を加えて25 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)1.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加
えて25 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,塩酸(2+1)0.5 mlを加えた後,酢酸ナトリウム溶液(200 g/l)でpH約
3.5に調節し,水を加えて30 mlにする。硫化ナトリウム・グリセリン溶液0.05 mlを加え5分間放
置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側方から観察して暗色を比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“重金属(Pbとして):質量分率5 ppm以下(規格値)”
とする。
試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の色より暗くない。
6.10 鉄(Fe)
鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニウ
ム10 gを水に溶かして100 mlにする。
2) 塩酸(2+1) 6.9 a) 1) による。
3) 酢酸アンモニウム溶液(250 g/l) JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム25 gを水に溶かして100 ml
にする。
4) 1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l) JIS K 8202に規定する塩化1,10-フェナントロリニウム一水和
物0.28 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
5) 鉄(III)標準液
5.1) 鉄(III)標準液(Fe:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
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5.1.1) JCSSに基づく標準液 6.2 a) 3.1.1) に準じる。
5.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.2 a) 3.1.2) に準じる。
5.1.3) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,
塩酸(2+1)3 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存
する。
5.2) 鉄(III)標準液(Fe:0.01 mg/ml) 鉄(III)標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,塩酸(2+1)3 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス
製瓶に保存する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.2 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)1 ml及び水を加
えて15 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,鉄(III)標準液(Fe:0.01 mg/ml)1.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,
塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて15 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)1 mlを加えて,5分間放
置後,1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l)1 ml,酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)5 ml及び水を加
えて25 mlとし,20〜30 ℃で15分間放置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側面から観察して黄みの赤を比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“鉄(Fe):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の黄みの赤より濃くない。
6.11 デキストリン及びでんぷん
デキストリン及びでんぷんの試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(1+10) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積10とを混合する。
2) でんぷん溶液 6.8 a) 10) による。
3) 0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液 6.8 a) 16) による。
4) 0.05 mol/l よう素溶液(I:12.69 g/l) 0.05 mol/lよう素溶液の調製,標定及び計算は,次による。
4.1) 調製 JIS K 8913に規定するよう化カリウム40 gをはかりとり,水25 ml及びJIS K 8920に規定
するよう素13 gを加えて溶かした後,水を加えて1 000 mlとする。これに塩酸3滴を加えて混合
した後,遮光した気密容器に入れて暗所に保存する。
4.2) 標定 4.1) で調製した液25 mlをコニカルビーカー200 mlに正確にはかりとり,塩酸(1+10)1 ml
を加える。指示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。こ
の場合,でんぷん溶液は,終点近くで液の色がうすい黄になったときに約0.5 mlを加える。終点
は,液の青が消える点とする。
4.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
25
1
V
f
f
×
=
ここに,
f1: 0.05 mol/l よう素溶液のファクター
13
K 8728:2011
f: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
V: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体積(ml)
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c) による。
2) メスピペット JIS R 3505に規定する最小目盛が0.01 mlのもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水15 ml及び0.05 mol/l よう素
溶液0.05 mlをメスピペットを用いて加える。ただし,0.05 mol/l よう素溶液のファクターが1.00
でない場合は,加える体積を補正する。
2) 白の背景を用いて,試料溶液を,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“デキストリン及びでんぷん:試験適合”とする。
試料溶液は,赤,紫又は青にならない。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本産業規格番号
b) 名称 “ラクトース一水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号