K 8726:2014
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 3
6 試験方法························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 総乳酸[CH3CH(OH)COOHとして] ················································································ 3
6.3 水溶状 ························································································································· 5
6.4 強熱残分(硫酸塩として) ······························································································ 6
6.5 塩化物(Cl) ················································································································ 6
6.6 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 7
6.7 重金属(Pbとして) ······································································································ 8
6.8 鉄(Fe) ······················································································································ 9
6.9 アルデヒド ·················································································································· 10
6.10 シアン化合物(CN) ···································································································· 10
6.11 硫酸着色物質 ·············································································································· 12
7 容器······························································································································ 12
8 表示······························································································································ 12
K 8726:2014
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8726:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成26年9月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8726:1994によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8726:2014
乳酸(試薬)
Lactic acid (Reagent)
CH3CH(OH)COOH FW:90.08
序文
この規格は,1953年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1994年に
行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる乳酸について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
JIS K 8202 塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物(試薬)
JIS K 8295 グリセリン(試薬)
JIS K 8318 p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8371 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8443 シアン化カリウム(試薬)
JIS K 8500 N,N-ジメチルホルムアミド(試薬)
2
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8567 硝酸マグネシウム六水和物(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬)
JIS K 8844 ブロモフェノールブルー(試薬)
JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS K 9548 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS Z 8802 pH測定方法
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
乳酸は,無色から僅かに黄色を帯びた透明の粘い液体である。水,エタノール及びジエチルエーテルに
極めて溶けやすい。クロロホルム,石油ベンジン及び二硫化炭素にはほとんど溶けない。密度(20 ℃)は,
約1.2 g/mlである。
乳酸の単量体は,オキシ酸で不斉炭素を一つもち,構造異性体(鏡像異性体:L-乳酸,D-乳酸又はDL-
乳酸)が存在し,乳酸はそれらの混合物である。また,長時間放置すると,単量体の水酸基と,他の単量
体のカルボキシル基が反応して無水物を生成する。乳酸は,通常質量分率10 %程度の無水乳酸を含んでい
る。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 402 cm-1,2 990 cm-1,1 732 cm-1,
1 455cm-1,1 375 cm-1,1 217 cm-1,1 128 cm-1,1 045 cm-1及び637 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。こ
の場合,JIS K 0117の5.3 a)(錠剤法)によって行い,臭化カリウムを錠剤の調製に用いたときの赤外吸
収スペクトルの例を,図1に示す。
3
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1−赤外吸収スペクトルの例
注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のSDBSから引用したものである。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
総乳酸[CH3CH(OH)COOHとして]
質量分率 %
85.0〜92.0
6.2
水溶状
試験適合
6.3
強熱残分(硫酸塩として)
質量分率 %
0.02以下
6.4
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.001以下
6.5
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.005以下
6.6
重金属(Pbとして)
質量分率 ppm
5以下
6.7
鉄(Fe)
質量分率 ppm
5以下
6.8
アルデヒド
試験適合
6.9
シアン化合物(CN)
質量分率 ppm
2以下
6.10
硫酸着色物質
試験適合
6.11
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
総乳酸[CH3CH(OH)COOHとして]
総乳酸[CH3CH(OH)COOHとして]の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
4
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml
にする(必要な場合に用いる。)。高密度ポリエチレンなどの樹脂製の瓶に保存する。
3) 二酸化炭素を除いた水 次の3.1)〜3.4) のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを
用い,使用時に調製する。
3.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却
したもの。
3.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。
3.3) 二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて,水から二酸化炭素を除いたもの。
3.4) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取
したもの。ただし,採水後速やかに用いる。
4) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)90 mlに溶かし,水で100 mlにする。
5) ブロモフェノールブルー溶液 JIS K 8844に規定するブロモフェノールブルー0.10 gをエタノール
(95)50 mlに溶かし,水で100 mlにする。褐色ガラス製の瓶に保存する。
6) 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 g
をポリエチレン製気密容器500 mlにはかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mlを加えて溶かした
後,二酸化炭素を遮り4日間から5日間放置する。その液54 mlを高密度ポリエチレンなどの樹脂
製の気密容器1 000 mlにとり,二酸化炭素を除いた水を加えて1 000 mlとし,混合する。必要であ
れば,ソーダ石灰管を付けて保存する。
注記1 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定
及び計算)r) 1) と同じである。
7) 0.5 mol/l 硫酸(H2SO4:49.04 g/l) 0.5 mol/l 硫酸の調製,標定及び計算は,次による。
注記2 0.5 mol/l 硫酸の調製,標定及び計算は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定
及び計算)y) 1) と同じである。
7.1) 調製 水1 000 mlをビーカーにはかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸30 mlをかき混ぜながら
徐々に加えて放冷した後,気密容器に入れて保存する。
7.2) 標定 標定は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム
を用い,次のとおり行う。
7.2.1) 認証標準物質1) の炭酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
7.2.2) 容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを用いる場合は,試験成績書などに従って乾燥する。
7.2.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムの1.5 g〜1.6 gを0.1 mgの桁まではか
りとり,コニカルビーカー200 mlに移し,水20 mlを加えて溶かす。指示薬としてブロモフェノ
ールブルー溶液数滴を加え,8.1) で調製した0.5 mol/l 硫酸で滴定する。この場合,終点付近で
煮沸して二酸化炭素を除き,冷却した後に滴定を行う。終点は,液の色が青紫から青みの緑にな
る点とする。
注1) 認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合セン
ター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準物質
生産者がある。
5
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
9
9
052
.0
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f: 0.5 mol/l 硫酸のファクター
m: はかりとった炭酸ナトリウムの質量(g)
A: 炭酸ナトリウムの純度(質量分率 %)
V: 滴定に要した0.5 mol/l 硫酸の体積(ml)
0.052 99: 0.5 mol/l 硫酸1 mlに相当する炭酸ナトリウムの質量を
示す換算係数(g/ml)
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
水浴 沸騰水浴として使用することができ,試験管などを浸せきできるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料3.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,コニカルビーカー200 mlなどに入れ,1 mol/l 水酸化ナト
リウム溶液40 mlを正確に加え,水浴中で30分間加熱し,二酸化炭素を遮り冷却する。指示薬として
フェノールフタレイン溶液数滴を加え,0.5 mol/l 硫酸で滴定を行う。終点は,液の紅色が消える点と
する。
別に同一条件で,空試験を行う。
d) 計算 総乳酸[CH3CH(OH)COOHとして]は,次の式によって算出する。
100
)
(
08
090
.0
b
×
×
−
×
=
m
f
V
V
A
ここに,
A: 総乳酸[CH3CH(OH)COOHとして](質量分率 %)
V: 試料の滴定に要した0.5 mol/l 硫酸の体積(ml)
Vb: 空試験の滴定に要した0.5 mol/l 硫酸の体積(ml)
f: 0.5 mol/l 硫酸のファクター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.090 08: 1 mol/l 水酸化ナトリウム溶液1 mlに相当する
CH3CH(OH)COOHの質量を示す換算係数(g/ml)
6.3
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合
する。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。溶液は,褐
色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液
3.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な
場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販
の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の
6
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
認証標準液など”という。)。
3.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
3.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管[c) 参照]にとり,水10 ml,
硝酸(1+2)1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから
15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例
として,容量50 ml,直径約23 mmのもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料10 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし,水で20 ml
にする。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb) と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通す
り合わせ平底試験管の上方又は側面から観察する。
e) 判定 d) によって操作し,次の1) 及び2) に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b) の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物はほとんど認めない。
6.4
強熱残分(硫酸塩として)
強熱残分(硫酸塩として)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)
による。ただし,試料5.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mlを加える。
6.5
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %〜30.0 %)の体積2
と水の体積3とを混合する。
2) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1) による。
3) 硝酸銀溶液(20 g/l) 6.3 a) 2) による。
4) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 6.3 a) 3.2) による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
2) pH試験紙 pHの測定に用いる,ろ紙に酸塩基指示薬を染み込ませた試験紙。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料12.0 gをビーカー100 mlなどにはかりとり,水10 mlを加えて溶かし,pH
試験紙を用いてアンモニア水(2+3)で中和し,冷却し,水を加えて60 mlにする(A液,6.6及び
6.8の試験にも用いる。)。A液10 ml(試料量2.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水
7
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を加えて20 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,試料の中和に用いた量のアンモニア水(2+3)を水浴上で蒸発乾固し,水で60
mlにする(B液,6.6及び6.8の試験にも用いる。)。A液5 ml(試料量1.0 g),B液10 ml及び塩化
物標準液(Cl:0.01 mg/ml)1.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて20 mlに
する。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え振り混ぜた後,15
分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.6
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/l) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mlにする。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
4) 硫酸塩標準液
4.1) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1) に準じる。
4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2) に準じる。
4.1.3) JIS K 8962に規定する硫酸カリウム1.81 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
4.2) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,6.5) c) 1) のA液10 ml(試料量2.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩
酸(2+1)0.3 mlを加え,水で25 m1にする。
2) 比較溶液の調製は,6.5) c) 1) のA液5 ml(試料量1.0 g)及び6.5 c) 2) のB液5 mlを共通すり合わ
せ平底試験管にとり,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 ml及び塩酸(2+1)0.3 mlを加え,水
で25 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 ml及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 m1を加えて振
り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.005 %以下(規格値)”と
8
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
する。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.7
重金属(Pbとして)
重金属(Pbとして)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3) による。
3) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1) による(必要な場合に用いる)。
4) 硝酸マグネシウム・エタノール溶液 JIS K 8567に規定する硝酸マグネシウム六水和物17 gをJIS K
8102に規定するエタノール(95)に溶かして,エタノール(95)で100 mlにする。
5) 酢酸ナトリウム溶液(200 g/l) JIS K 8371に規定する酢酸ナトリウム三水和物33.2 gを水に溶か
して100 mlにする。
6) 硫化ナトリウム・グリセリン溶液 JIS K 8295に規定するグリセリン30 mlに水10 mlを加えた溶
液にJIS K 8949に規定する硫化ナトリウム九水和物5 gを加えて溶かす。放置後,上澄み液を用い
る。冷所に保存し,3か月以内に使用する。
7) 鉛標準液
7.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
7.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1) に準じる。
7.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2) に準じる。
7.1.3) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)1 ml及
び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
7.2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
はかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置などは,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
2) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの(必要ならば用いる。)。
3) pH試験紙 6.5 b) 2) による。
4) 石英ガラス製蒸発皿 材質が石英ガラス製の蒸発皿。
5) 電気炉 (600±50)℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gを石英ガラス製蒸発皿にとり,硝酸マグネシウム・エタノール溶液
10 mlを加えて,よくかき混ぜて溶かす。
2) 比較溶液の調製は,石英ガラス製蒸発皿に鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)2.0 ml及び硝酸マグネシウム・
エタノール溶液10 mlをとる。
3) 試料溶液及び比較溶液を点火,燃焼し,炭化した後,放冷する。次に,硫酸1 mlを入れ徐々に加熱
し,(600±50)℃の電気炉で強熱,灰化した後,放冷する。塩酸(2+1)2 ml及び水10 mlを加え,
水浴上で加熱して溶かした後,冷却する。必要ならばろ紙(5種C)を用いてろ過し,水で洗い,
ろ液と洗液とを合わせる。それぞれの液を共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて20 mlに
する(試料溶液及び比較溶液から得られた液を,それぞれX液及びY液とする。)。
4) X液及びY液を,酢酸ナトリウム溶液(200 g/l)でpH試験紙を用いてpH約3.5に調節し,水を加
9
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
えて30 mlにする。硫化ナトリウム・グリセリン溶液0.05 mlを加え5分間放置する。
5) 白の背景を用いて,X液及びY液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験管の上方
又は側面から観察して暗色を比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“重金属(Pbとして):質量分率5 ppm以下(規格値)”
とする。
X液から得られた液の色は,Y液から得られた液の暗色より濃くない。
6.8
鉄(Fe)
鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム10 gを水に溶かして100 mlにする。
2) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3) による。
3) 酢酸アンモニウム溶液(250 g/l) JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム25 gを水に溶かして100
mlにする。
4) 1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l) JIS K 8202に規定する塩化1,10-フェナントロリニウム一水和
物0.28 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
5) 鉄標準液
5.1) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
5.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1) に準じる。
5.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2) に準じる。
5.1.3) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,
塩酸(2+1)3 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存
する。
5.2) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確には
かりとり,塩酸(2+1)3 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存
する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,6.5) c) 1) のA液15 ml(試料量3.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にはかりと
り,塩酸(2+1)1 mlを加えて,水で20 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,6.5) c) 1) のA液5 ml(試料量1.0 g)及び6.5) c) 2) のB液10 mlを共通すり合
わせ平底試験管にはかりとり,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)1.0 ml及び塩酸(2+1)1 mlを加え,水
で20 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)1 mlを加えて,5分間放
置した後,1,10-フェナントロリン溶液(2 g/l)1 ml,酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)5 ml及び水
を加えて25 mlとし,20 ℃〜30 ℃で15分間放置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,黄みの赤を比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“鉄(Fe):質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
10
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試料溶液から得られた液の黄みの赤は,比較溶液から得られた液の黄みの赤より濃くない。
6.9
アルデヒド
アルデヒドの試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アンモニア水(2+3) 6.5 a) 1) による。
2) トーレン溶液 JIS K 8550に規定する硝酸銀1 gにアンモニア水(1+1)10 mlを加え,水酸化ナト
リウム溶液(100 g/l)10 mlを加えて溶かす。この溶液は,分解して爆発することがあるため保存し
てはならない。
2.1) アンモニア水(1+1) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %〜30.0 %)の体積1
と水の体積1とを混合する。
2.2) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして
100 mlにする。ポリエチレンなどの樹脂製の瓶などに保存する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
2) pH試験紙 6.5 b) 2) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水5 mlで溶かし,アン
モニア水(2+3)でpH試験紙を用いて中和し,トーレン溶液2 mlを加える。
2) 白の背景を用いて,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面から試料溶液の色を,5分間観察す
る。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“アルデヒド:試験適合”とする。
試料溶液の示す液の色は,5分間以内に薄い灰色にはならない。
6.10 シアン化合物(CN)
シアン化合物(CN)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 酢酸(1+2) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積2とを混合する。
2) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) 6.9 a) 2.2) による。
3) p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液(10 g/l) JIS K 8318に規定するp-トルエンスル
ホンクロロアミドナトリウム三水和物1.25 g(有効塩素 質量分率12.5 %としての相当量)を水に溶
かして,水で100 mlにする。使用時に調製する。
なお,有効塩素は,次の式(1)によって求める。
有効塩素(質量分率 %)=
69
.
281
45
.
35
%×)
純度(質量分率
····················· (1)
4) 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液 JIS K 9548に規定する3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン
0.3 gをJIS K 8500に規定するN,N-ジメチルホルムアミド20 mlに溶かす(A液)。4-ピリジンカル
ボン酸ナトリウム(純度:質量分率99 %以上)2 gを水70 mlに溶かす(B液)。
A液及びB液を合わせて水で100 mlにする。冷暗所に保存し,20日以内に使用する。
5) フェノールフタレイン溶液 6.2 a) 4) による。
6) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをエタノール(95)
50 mlに溶かし,水で100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
11
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7) 緩衝液(pH 7.2)(りん酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液) 0.1 mol/l りん酸二水素カ
リウム溶液50 ml及び0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液18 mlを全量フラスコ100 mlにはかりとり,
二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。
7.1) 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液 JIS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム(pH標準液
用)6.80 g(質量分率100 %としての相当質量)を全量フラスコ500 mlに入れ,適量の二酸化炭素
を除いた水で溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加える。
注記1 0.1 mol/l りん酸二水素カリウム溶液の調製は,JIS K 8001の表JB.6(緩衝液調製用溶
液)と同じである。
7.2) 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液 水30 mlをポリエチレン製瓶100 mlに入れ,JIS K 8576に規定
する水酸化ナトリウム36 gを少量ずつ加えて溶かし,栓をして4〜5日間放置する。その上澄み液
10 mlを高密度ポリエチレンなどの樹脂製瓶1 000 mlにとり,水1 000 mlを加え,C液とする。JIS
K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸の必要量を,試験成績書などに従って乾燥す
る。その0.4 g〜0.5 gを0.1 mgの桁まではかりとり,コニカルビーカー100 mlに移し,水25 ml
を加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブルー溶液数滴を加え,C液で滴定する。終
点は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。C液のファクターを計算した後,C液を全量フ
ラスコ500 ml(ポリプロピレン製など耐塩基性のもの)に標線まで入れ,それにファクターが1.000
になるように計算量の水を正確に加える。加える水の体積は,次の式によって算出する。
500
)
000
.1
(
×
−
=f
V
ここに,
V: 加える水の体積(ml)
f: 標定によって求められたファクター
注記2 0.2 mol/l 水酸化ナトリウム溶液の標定及び計算は,JIS K 8001の表JB.6(緩衝液調製
用溶液)と同じである。
8) シアン化物標準液
注記3 シアン化物標準液を取扱う場合は,局所排気装置の下又はドラフト内で操作を行い,液
のpHを酸性側にしてはならない。
8.1) シアン化物標準液(CN:1 mg/ml) JIS K 8443に規定するシアン化カリウム2.50 g(質量分率
100 %としての相当量)を全量フラスコ1 000 mlにはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を標線
まで加えて混合する。使用時に調製する。
8.2) シアン化物標準液(CN:0.01 mg/ml) シアン化物標準液(CN:1 mg/ml)10 mlを正確に全量フ
ラスコ1 000 mlにはかりとり,水を標線まで加えて混合する。使用時に調製する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
2) pH計 JIS Z 8802に規定する形式II以上のもの。
c) 操作 操作は,局所排気装置の下又はドラフト内で行い,また,取り扱う溶液のpHを酸性側にして
はならない。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水10 mlを加えて溶かし,フェ
ノールフタレイン溶液0.05 mlを加え,水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)で中和し,水で50 mlにす
る(D液)。D液20 ml(試料量2.0 g)をビーカー50 mlなどにとる。
2) 比較溶液の調製は,D液10 ml(試料量1.0 g)及びシアン化物標準液(CN:0.01 mg/ml)0.2 mlを
ビーカー50 mlなどにとり,水で20 mlにする。
12
K 8726:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3) 試料溶液及び比較溶液を,pH計を用いて酢酸(1+2)でpH 7.2に調節し,緩衝液(pH 7.2)10 ml
及びp-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液(10 g/l)0.5 mlを加え,約25 ℃で5分間放
置した後,4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液10 mlを加え,共通すり合わせ平底試験管に移し,
水で50 mlにし,約25 ℃で30分間放置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,青を比較する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“シアン化合物(CN):質量分率2 ppm以下(規格値)”
とする。
試料溶液から得られた液の青は,比較溶液から得られた液の青より濃くない。
6.11 硫酸着色物質
硫酸着色物質の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次のものを用いる。
硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 15 ℃に冷却した硫酸5 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,15 ℃に冷却した試料5 mlを積層
し3),15 ℃で10分間放置する。
注3) 2種類の液体が混合せず,二つの層を形成するように,上部に乗せる液体を静かに入れる。
2) 白の背景を用いて,共通すり合わせ平底試験管の側面から2層の境界面の色を,観察する。
d) 判定 c) によって操作し,次に適合するとき,“硫酸着色物質:試験適合”とする。
試料溶液と硫酸との境界面には,薄い褐色の輪帯が生じない。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称 “乳酸”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 総乳酸
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号