2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8721-1995
p−ニトロフェノール(試薬)
p−Nitrophenol
C6H5NO3 FW : 139.11
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるp−ニトロフェノールについて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 p−ニトロフェノールは,次の性質を示す。
(1) 性状 p−ニトロフェノールは,うすい黄色の結晶性粉末で,エタノール及びジエチルエーテルに溶け
やすく,水に溶けにくい。
(2) 定性方法 試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 330cm-1,1 590cm-1,
1 500cm-1,1 330cm-1,1 220cm-1,1 110cm-1,850cm-1及び760cm-1付近に主な吸収を認める。この場合,
試料調整はJIS K 0117の6.2(1)(錠剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
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図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度 (GC)
99.0%以上
エタノール溶状
試験適合
融点
113〜116℃
変色範囲 (pH)
(ごくうすい黄色)pH4.8
〜pH7.6(黄色)
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 (GC) 99.0%以上
JIS K 8001の5.32(ガスクロマトグラフ法)による。
(a) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器
(b) 試料溶液の調製 試料1g+アセトン(→10ml)。
(c) 分析条件
カラム充てん剤 粒径180〜250μmのけい藻土を担体に用い,それにシリコーン系固定相液体を
10%含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。
参考 担体としてのけい藻土には,クロモソルブW,シマライトWなどがあり,また,シリコーン
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系固定相液体にはシリコーンSE−30などがある。
カラム用管の内径及び長さ 2〜4mm, 2〜3m
設定温度 カラム槽
160〜200℃
試料気化室 260〜300℃
検出器槽
260〜300℃
キャリヤーガスの種類及び流量 窒素又はヘリウム,40〜60ml/min
試料溶液注入量 2μl
(2) エタノール溶状
試料0.5g+エタノール (95) (→20ml)……澄明。
(3) 融点 113〜116℃
JIS K 8001の5.4(融点及び溶融範囲)による。
(4) 変色範囲 (pH)
JIS K 8001の5.28(変色範囲)のpH4.8,6.2及び7.6の緩衝液10mlずつをそれぞれ試験管に入れる
+試料溶液(1)0.3ml……それぞれ,ごくうすい黄色,うすい黄色及び黄色になる。
注(1) 試料溶液の調製 試料0.25g+二酸化炭素を含まない水(→100ml)。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “p−ニトロフェノール”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会