2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8693-1995
p−ナフトールベンゼイン(試薬)
p-Naphtholbenzein
C27H18O2
FW : 374.44
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるp-ナフトールベンゼイン(1)について規定する。
注(1) 化学名:4-[α-(4−ヒドロキシ−1−ナフチル)ベンジリデン]-1 (4H) −ナフタレノン
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 p-ナフトールベンゼインは,次の性質を示す。
(1) 性状 p-ナフトールベンゼインは,赤〜暗い赤の粉末で,エタノールに溶けにくく,ジエチルエーテ
ルに極めて溶けにくく,水にほとんど溶けない。
(2) 定性方法 p−ナフトールベンゼインの赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1
630cm−1,1 600cm−1,1 570cm−1,1 500cm−1,1 330cm−1,1 310cm−1,1 240cm−1,1 180cm−1,1 150cm
−1,840cm−1及び770cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製はJIS K 0117の6.2(1)(錠
剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を図1に示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 赤外吸収スペクトルの一例
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
エタノール溶状
試験適合
酢酸溶状
試験適合
吸光度 (10mg/l, pH12.0)
0.60以上
鋭敏度
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) エタノール溶状
試料0.10g+エタノール (99.5) (→100ml)→その20ml……ほとんど澄明以内[溶液は(4)(a)の試験に用い
る]。
(2) 酢酸溶状
試料0.10g+酢酸 (→50ml) →その20ml……ほとんど澄明以内[溶液は(4)(b)の試験に用いる]。
(3) 吸光度 (10mg/l, pH12.0) 0.60以上
(a) 操作 試料0.02g(0.1mgのけたまではかる)→全量フラスコ100mlに入れる→メタノールを標線ま
で加える→その5ml(正確にとる)→全量フラスコ100mlに入れる→JIS K 8001の5.28[変色範囲
(指示薬)]の緩衝液 (pH12.0) を標線まで加える→吸収セル10mmを用い波長650nm付近の吸収極
大の波長における吸光度を,緩衝液 (pH12.0) を対照液として測定。
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(b) 計算
S
A
E
02
.0
×
=
ここに,
E: 吸光度 (10mg/l, pH12.0)
A: 測定した吸光度
S: はかりとった試料の質量 (g)
(4) 鋭敏度
(a) エタノール (99.5) 25ml+二酸化炭素を含まない水25ml+(1)の溶液0.10ml+0.1mol/l水酸化ナトリウ
ム溶液0.05ml……緑みの青+0.1mol/l塩酸0.05ml……赤みの黄色。
(b) 酢酸50ml+(2)の溶液0.20ml……赤みの黄色+0.1mol/l過塩素酸(酢酸溶媒)0.05ml……緑。
7. 容器 遮光した気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “p−ナフトールベンゼイン”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 内容量
(5) 製造番号
(6) 製造業者名又はその略号
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会