2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8658-1996
でんぷん(試薬)
Starch
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるでんぷんについて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 でんぷんは,次の性質を示す。
(1) 性状 でんぷんは,白い光沢のある粉末で,水及びエタノールにほとんど溶けない。光学顕微鏡で見
ると,その形状は不同で,円形,だ円形又は多角形など基源植物による固有の形状を示し,大きさは
3〜100μmで一定しない。
(2) 定性方法 試料0.1gに水10mlを加えて加熱するとのり状となり,冷却後水200mlを加えて振り混ぜ
た液10mlに0.05mol/lよう素溶液1滴を加えると,液の色は濃い青になる。
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
液性
試験適合
乾燥減量 (105℃)
15%以下
強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 1.0%以下
鉄 (Fe)
0.002%以下
鋭敏度
試験適合
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 液性
試料1g+水50ml→加熱して溶かす→冷却……リトマス紙に中性。
(2) 乾燥減量 (105℃) 15%以下
JIS K 0067の4.1.4(1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)による。試料2g(0.1mgのけたまでは
かる)を用い,減量0.30g以下[残分は(3)の試験に用いる]。
(3) 強熱残分(硫酸塩)(乾燥後) 1.0%以下
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K 8658-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 0067の4.4.4(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。
(2)の残分1gを用い,残分10mg以下[残分は(4)の試験に用いる]。
(4) 鉄 (Fe) 0.002%以下
試料側溶液:(3)の残分(試料量1g)+塩酸 (2+1) 1ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸 (2+1) 2ml+水 (→
30ml) →その15ml(試料量0.5g)+水 (→15ml)。
標準側溶液:鉄 (III) 標準液 (0.01mgFe3+/ml) 1.0ml+塩酸 (2+1) 1ml+水 (→15ml)。
操作:JIS K 8001の5.22(2)(1,10−フェナントロリン法)による。
(5) 鋭敏度
試料0.5g+水約80ml→かき混ぜながら約1分間煮沸→冷却+水 (→100ml) →その1ml+水20ml→約
15℃に保つ+2.5mmol/lよう素溶液(1)0.1ml……液の色は濃い青になる。
注(1) 2.5mmol/lよう素溶液の調製 0.05mol/lよう素溶液50ml(正確にとる)→全量フラスコ1 000ml
に入れる→水を標線まで加える。
7. 容器 密閉容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “でんぷん”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 基源植物名(2)
(4) 内容量
(5) 製造番号
(6) 製造業者名又はその略号
注(2) “とうもろこし”,“ばれいしょ”などとする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
岡 林 哲 夫
工業技術院標準部繊維化学規格課
札 川 紀 子
物質工学工業技術研究所計測化学部
高 橋 孝 一
通商産業検査所検査部検査業務課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
森 崎 謙 一
社団法人日本化学工業協会
嶋 貫 孝
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
坂 本 勉
財団法人日本規格協会
高 田 芳 矩
財団法人日本分析センター
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
鈴 木 正 信
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会