K 8646:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 3
6 試験方法 ························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 水溶状 ························································································································· 3
6.3 エタノール可溶分 ·········································································································· 4
6.4 乾燥減量(105 ℃) ······································································································· 5
6.5 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 5
6.6 酸(CH3COOHとして) ································································································· 5
6.7 塩化物(Cl) ················································································································ 6
6.8 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 7
6.9 重金属(Pbとして) ······································································································ 8
6.10 カルシウム(Ca) ········································································································ 9
6.11 鉄(Fe) ····················································································································· 9
6.12 還元糖(グルコースとして) ························································································· 10
6.13 しゅう酸塩 ················································································································· 12
7 容器······························································································································ 12
8 表示······························································································································ 12
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8646:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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デキストリン水和物(試薬)
Dextrin hydrate (Reagent)
(C6H10O5)n・xH2O
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いるデキストリン水和物について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 6202 化学分析用白金皿
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0117 赤外分光分析方法通則
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
JIS K 8202 塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物(試薬)
JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬)
JIS K 8295 グリセリン(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8364 酢酸カルシウム一水和物(試薬)
JIS K 8371 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8521 しゅう酸アンモニウム一水和物(試薬)
JIS K 8536 (+)-酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8567 硝酸マグネシウム六水和物(試薬)
2
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JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬)
JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
デキストリン水和物は,白からうすい黄の粉末で,水,エタノール及びジエチルエーテルにほとんど溶
けない。
4.2
定性方法
試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117に従って測定すると,波数3 434 cm-1,2 931 cm-1,1 647 cm-1,
1 384 cm-1,1 158 cm-1,1 018 cm-1,860 cm-1及び576 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。試料調製をJIS
K 0117の5.2 b)(錠剤法)によって行い,調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を
図1に示す。
3
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図1−赤外吸収スペクトルの例
注記 図1は,独立行政法人産業技術総合研究所のスペクトルデータベースシステム(SDBS)から引
用したものである。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
水溶状
試験適合
6.2
エタノール可溶分
質量分率 %
1.0以下
6.3
乾燥減量(105 ℃)
質量分率 %
10.0以下
6.4
強熱残分(硫酸塩)
質量分率 %
0.5以下
6.5
酸(CH3COOHとして)
質量分率 %
0.5以下
6.6
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.002以下
6.7
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.02以下
6.8
重金属(Pbとして)
質量分率 %
0.002以下
6.9
カルシウム(Ca)
試験適合
6.10
鉄(Fe)
質量分率 %
0.001以下
6.11
還元糖(グルコースとして) 質量分率 %
5.0以下
6.12
しゅう酸塩
試験適合
6.13
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合する。
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2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mLにする。褐色ガラス
製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液
3.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/mL) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 1)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な
場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販
の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の
認証標準液など”という。)。
3.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加え
て溶かし,水を標線まで加えて混合する。
注1) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
3.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 塩化物標準液(Cl:1 mg/mL)10 mLを全量フラスコ1 000 mL
に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準“わずかな微濁”は,次による。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)1.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)参照]にとり,水10 mL,
硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に,水を加えて20 mLとし,振り混ぜて
から15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例
として,容量50 mL,直径約23 mmのもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を30 mL加えて,煮
沸して溶かす。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度を,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面からb)と比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。
試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
6.3
エタノール可溶分
エタノール可溶分の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) シリカゲル JIS Z 0701に規定するもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) ろ紙(5種C) JIS P 3801に規定するもの。
2) 白金皿 JIS H 6202に規定するもの。
3) デシケーター JIS R 3503に規定するもの。
4) 共通すり合わせ還流冷却器付きフラスコ JIS R 3503に規定する共通すり合わせ還流冷却器(球管,
リービッヒなど)を接続したフラスコ。
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5) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
6) 電気定温乾燥器 (105±2)℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ還流冷却器付きフラスコにはかりとり,JIS K 8102
に規定するエタノール(95)20 mLを加え,水浴上で5分間加熱還流を行い,50 ℃まで冷却し,ろ
紙(5種C)を用いてろ過する。
2) そのろ液10 mL(試料量0.5 g)を,105 ℃で乾燥した質量既知の白金皿にとり,水浴上で蒸発乾固
した後,電気定温乾燥器を用いて,恒量になるまで105 ℃で乾燥する。
なお,白金皿は,乾燥剤としてシリカゲルを用いたデシケーターで放冷後,質量を測定する。
6.4
乾燥減量(105 ℃)
乾燥減量(105 ℃)の試験方法は,JIS K 0067の4.1.4 (1)(第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法)に
よる。ただし,試料1.0 gを0.1 mgの桁まではかりとる。
6.5
強熱残分(硫酸塩)
強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,JIS K 0067の4.4.4 (4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)によ
る。この場合,試料1.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mLを加えた後,
強熱する。
6.6
酸(CH3COOHとして)
酸(CH3COOHとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 水酸化カリウム溶液(250 g/L)(必要な場合に用いる。) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4
gを水に溶かして100 mLにする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
2) 二酸化炭素を除いた水 次のいずれか,又はそれらを組み合わせたものを用い,使用時に調製する。
2.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/L)を入れたもの,又はソーダ石灰管(JIS K 8603に規定するソーダ石灰を入れ
た管)を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却したもの。
2.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。
2.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて,二酸化炭素を除いたもの。
2.4) 18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化した水を,JIS K 1107に規定する窒素を通じた三角フラ
スコに泡立てないように採取したもの。ただし,採水後速やかに用いる。
3) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)90 mLに溶かし,水で100 mLにする。
4) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)50 mLに溶かし,水で100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
5) 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:4.000 g/L) 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標
定及び計算は,次による。
5.1) 調製 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gをポリエチレン製気密容器500 mLにはかり
とり,二酸化炭素を除いた水150 mLを加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り4〜5日間放置する。
その液54 mLをポリエチレンなどの樹脂製気密容器1 000 mLにとり,二酸化炭素を除いた水を加
えて1 000 mLとし,混合する(A液)。A液100 mLを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,二酸
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化炭素を除いた水を標線まで加えて混合した後,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に入れ保存
する。必要があれば,ソーダ石灰管(JIS K 8603に規定するソーダ石灰を入れた管)を付けて保
存する。
5.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を用
い,次のとおり行う。
5.2.1) 認証標準物質2)のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
5.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で乾燥す
る。
5.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質のアミド硫酸0.24 g〜0.29 gを0.1 mgの桁まではかりコ
ニカルビーカー100 mLに移し,水25 mLを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモールブ
ルー溶液数滴を加え,5.1)で調製した0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液
の色が黄から青みの緑に変わる点とする。
注2) 認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合セン
ター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準物質
生産者がある。
5.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
90
7
009
.0
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとったアミド硫酸の質量(g)
A: アミド硫酸の純度(質量分率 %)
V: 滴定に要した0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
0.009 709: 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド
硫酸の質量を示す換算係数(g/mL)
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
メスピペット JIS R 3505に規定するもので,最小目盛が0.1 mLのもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gをコニカルビーカー200 mLなどにはかりとり,水50 mLを加えて混
合し,フェノールフタレイン溶液3滴を加え,メスピペットを用いて0.1 mol/L 水酸化ナトリウム
溶液4.1 mLを加える。
2) コニカルビーカー200 mLなどの液の色を,その上方又は側面から観察する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“酸(CH3COOHとして):質量分率0.5 %以下(規格値)”
とする。
試料溶液は,紅色を保つ。
注記 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLは,0.006 005 g CH3COOHに相当する。
6.7
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.2 a) 1)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.2 a) 2)による。
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3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.2 a) 3.2)による。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
2) ろ紙(5種C) 6.3 b) 1)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料10 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,熱水80 mLを加えて溶かし,
水を加えて100 mLとし,ろ紙(5種C)を用いてろ過する(A液)(A液は6.8,6.10,6.11及び6.13
の試験に用いる。)。A液15 mL(試料量1.5 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて20
mLとする。
2) 比較溶液の調製は,A液5 mL(試料量0.5 g)及び塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)2.0 mLを共通
すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて20 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え振り混ぜた後,
15分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.002 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.8
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにする。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合する。
4) 硫酸塩標準液
4.1) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/mL) 次のいずれかのものを用いる。
4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.2 a) 3.1.1)に準じる。
4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.2 a) 3.1.2)に準じる。
4.1.3) JIS K 8962に規定する硫酸カリウム1.101 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,水を加えて
溶かし,水を標線まで加えて混合する。
4.2) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/mL)10 mLを全量フラスコ1 000 mL
に正確にとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,A液10 mL(試料量1.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,塩酸(2
+1)0.3 mLを加え,水を加えて25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,A液5 mL(試料量0.5 g),硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)10 mL及び塩酸(2
+1)0.3 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて25 mLにする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,30分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.02 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.9
重金属(Pbとして)
重金属(Pbとして)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) 塩酸(2+1) 6.8 a) 3)による。
3) 硝酸(1+2) 6.2 a) 1)による。
4) 硝酸マグネシウム・エタノール溶液 JIS K 8567に規定する硝酸マグネシウム六水和物17 gをJIS K
8102に規定するエタノール(95)に溶かして,100 mLにする。
5) 酢酸ナトリウム溶液(200 g/L) JIS K 8371に規定する酢酸ナトリウム三水和物33.2 gを水に溶か
して100 mLにする。
6) 硫化ナトリウム・グリセリン溶液 JIS K 8295に規定するグリセリン30 mLに水10 mLを加えた溶
液に,JIS K 8949に規定する硫化ナトリウム九水和物5 gを加えて溶かす。放置後,上澄み液を用
いる。この液は,冷所に保存し3か月以内に使用する。
7) 鉛標準液
7.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/mL) 次のいずれかのものを用いる。
7.1.1) JCSSに基づく標準液 6.2 a) 3.1.1)に準じる。
7.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.2 a) 3.1.2)に準じる。
7.1.3) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 mLにはかりとり,硝酸(1+2)
1 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
7.2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) 鉛標準液(Pb:1 mg/mL)10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確に
とり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
2) 石英ガラス製蒸発皿 蒸発皿で,その材質が石英ガラス製のもの。
3) ろ紙(5種C)(必要な場合に用いる。) 6.3 b) 1)による。
4) pH試験紙 pHの測定に用いる,ろ紙に酸塩基指示薬をしみ込ませた試験紙。
5) 水浴 6.3 b) 5)による。
6) 電気炉 (600±50)℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを石英ガラス製蒸発皿にはかりとり,硝酸マグネシウム・エタノール
溶液10 mLを加え,よくかき混ぜる。
2) 比較溶液の調製は,鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)2.0 mLを石英ガラス製蒸発皿にとり,硝酸マグネ
シウム・エタノール溶液10 mLを加える。
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3) 試料溶液及び比較溶液を点火,燃焼し,炭化した後,放冷する。次に,硫酸1 mLを入れ徐々に加
熱し,(600±50)℃の電気炉で強熱,灰化した後,放冷する。塩酸(2+1)2 mL及び水10 mLを加
え,水浴上で加熱して溶かした後,冷却し[必要ならばろ紙(5種C)を用いてろ過し,水で洗い,
ろ液と洗液とを合わせる。],共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて20 mLにする。
4) それぞれの液に,酢酸ナトリウム溶液(200 g/L)で,pH試験紙を用いてpH約3.5に調節し,水を
加えて30 mLにする。さらに,硫化ナトリウム・グリセリン溶液0.05 mLを加え5分間放置する。
5) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られた液(5分間放置後の液)を共通すり合わせ
平底試験管の上方又は側面から観察して暗色を比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“重金属(Pbとして):質量分率0.002 %以下(規格値)”
とする。
試料溶液から得られた液の暗色は,比較溶液から得られた液の暗色より濃くない。
6.10 カルシウム(Ca)
カルシウム(Ca)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 酢酸(1+1) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
2) しゅう酸アンモニウム溶液(40 g/L) JIS K 8521に規定するしゅう酸アンモニウム一水和物4.6 g
を水に溶かして,100 mLにする。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.2 a) 3.2)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準“微濁”は,6.2 b)による。この場合,塩化物
標準液(Cl:0.01 mg/mL)6 mLを用いる。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,A液10 mL(試料量1.0 g),水10 mL,酢酸(1+1)0.2 mL及びしゅう酸アン
モニウム溶液(40 g/L)1 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,混合する。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度を,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面からb)と比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“カルシウム(Ca):試験適合”とする。
試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
6.11 鉄(Fe)
鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/L) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム10 gを水に溶かして100 mLにする。
2) 塩酸(2+1) 6.8 a) 3)による。
3) 酢酸アンモニウム溶液(250 g/L) JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム25 gを水に溶かして100
mLにする。
4) 1,10-フェナントロリン溶液(2 g/L) JIS K 8202に規定する塩化1,10-フェナントロリニウム一水和
物0.28 gを水に溶かして100 mLにする。
5) 鉄標準液
5.1) 鉄標準液(Fe:1 mg/mL) 次のいずれかのものを用いる。
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5.1.1) JCSSに基づく標準液 6.2 a) 3.1.1)に準じる。
5.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.2 a) 3.1.2)に準じる。
5.1.3) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mLにはかり
とり,塩酸(2+1)3 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
5.2) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) 鉄標準液(Fe:1 mg/mL)10 mLを全量フラスコ1 000 mLに正確に
とり,塩酸(2+1)3 mLを加え,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,A液10 mL(試料量1.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2+1)
1 mL及び水を加えて溶かし,水を加えて15 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)1.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸
(2+1)1 mL及び水を加えて15 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/L)1 mLを加えて,5分間放
置後,1,10-フェナントロリン溶液(2 g/L)1 mL,酢酸アンモニウム溶液(250 g/L)5 mL及び水を
加えて25 mLとし,20 ℃〜30 ℃で15分間放置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側面から観察して黄みの赤を比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“鉄(Fe):質量分率0.001 %以下(規格値)”とする。
試料溶液から得られた液の黄みの赤は,比較溶液から得られた液の黄みの赤より濃くない。
6.12 還元糖(グルコースとして)
還元糖(グルコースとして)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) フェーリング溶液 JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物34.66 gを水に溶かして500 mLに
する(B液)。JIS K 8536に規定する(+)-酒石酸ナトリウムカリウム四水和物173 g及びJIS K 8576
に規定する水酸化ナトリウム50 gを水に溶かして500 mLにする(C液)。B液はポリエチレン製瓶
などに保存する。使用時にB液及びC液の等量を混合する。
2) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々に
加える。
3) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水15 gをと
り,水40 mLを加えて溶かし,硫酸(1+1)40 mLを加えて冷却後,水を加えて100 mLにする。
4) 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:3.161 g/L) 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液
の調製,標定及び計算は,次による。
4.1) 調製 JIS K 8247に規定する過マンガン酸カリウム3.2 gをビーカー 2 000 mLにはかりとり,水
1 050 mLを加えて1〜2時間穏やかに煮沸した後,約18時間暗所に放置する。その液をJIS R 3503
に規定するブフナー漏斗形ガラスろ過器(17G4又は25G4)を用いてろ過する。この場合,ブフ
ナー漏斗形ガラスろ過器は,ろ過の前に水洗はしない。熱水などでの洗浄又は加熱した褐色の気
密容器に保存する。
4.2) 標定 標定は,認証標準物質2)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリ
ウムを用い,次のとおり行う。
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4.2.1) 認証標準物質2)のしゅう酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
4.2.2) 容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウムを用いる場合は,試験成績書などに記載された方法で
乾燥する。
4.2.3) 認証標準物質2)又は容量分析用標準物質のしゅう酸ナトリウム0.20 g〜0.24 gを0.1 mgの桁まで
はかりとり,コニカルビーカー500 mLに移し,水200 mLを加えて溶かす。硫酸(1+1)20 mL
を加え,液温を70 ℃に加熱し,緩くかき混ぜながら1)で調製した0.02 mol/L過マンガン酸カリ
ウム溶液を,滴定所要量の約2 mL手前まで加え,液の紅色が消えるまで放置後,引き続き滴定
する。終点は,液のうすい紅色が約15秒間残った点とする。
なお,終点における液温は60 ℃以下にならないことが望ましい。
別に,水200 mL及び硫酸(1+1)20 mLをコニカルビーカー500 mLにはかりとり,70 ℃に
加熱し,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
4.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
(
)100
00
7
006
.0
2
1
A
V
V
m
f
×
×
=
−
ここに,
f: 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液のファクター
m: はかりとったしゅう酸ナトリウムの質量(g)
A: しゅう酸ナトリウムの純度(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液の体
積(mL)
V2: 空試験に要した0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液の
体積(mL)
0.006 700: 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当するし
ゅう酸ナトリウムの質量を示す換算係数(g/mL)
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
1) 洗浄ろ紙(5種C) JIS K 8001の5.8 f) に規定するもの。この場合,ろ紙はJIS P 3801の5種Cを
用いる。
2) ガラスろ過器(1G4) JIS R 3503に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを0.1 mgの桁まではかりとり,水50 mLを加えて,10分間振り混ぜ
た後,洗浄ろ紙(5種C)を用いてろ過を行い,ろ紙を水で洗い,ろ液と洗液のいずれも全量フラ
スコ100 mLに入れ,水を標線まで加えて混合する。
2) その50 mL(試料量1.0 g)を正確にとり,フェーリング溶液50 mLを加え,3分間煮沸後,冷却し,
ガラスろ過器(1G4)でろ過し(沈殿を集める。),洗液がアルカリ性を示さなくなるまで,沈殿を
熱水で洗浄する(ろ液及び洗液は捨てる。)。
3) ガラスろ過器の沈殿を硫酸アンモニウム鉄(III)溶液20 mLを加えかき混ぜて溶かし,ろ過後,ガ
ラスろ過器を水で洗浄する[ろ過器に沈殿が残っているときは,硫酸アンモニウム鉄(III)溶液を
加えて沈殿を溶かし,ろ過を行い,ガラスろ過器を水で洗浄する。]。
4) ろ液と洗液とを合わせて適切な容量のビーカーに移し,0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液で滴
定する。終点は,液が約15秒間うすい紅色を保った点とする。
別に同一条件で空試験を行い,滴定量を補正する。
d) 計算 計算は,次のとおりに行う。
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100
100
/
50
)
(
7
002
003
.0
2
1
×
×
×
−
×
=
m
f
v
v
A
ここに,
A: グルコース(質量分率 %)
m: はかりとったデキストリン水和物の質量(g)
v1: 滴定に要した0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液の
体積(mL)
v2: 空試験に要した0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液
の体積(mL)
f: 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液のファクター
0.003 002 7: 0.02 mol/L 過マンガン酸カリウム溶液1 mLに相当する
グルコースの質量を示す換算係数(g/mL)
e) 判定 c)によって操作し,d)によって得られた含有率が,次に適合するとき,“還元糖(グルコースと
して):質量分率5.0 %以下(規格値)”とする。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。
6.13 しゅう酸塩
しゅう酸塩の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 酢酸(1+2) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積2とを混合する。
2) 酢酸カルシウム溶液(100 g/L) JIS K 8364に規定する酢酸カルシウム一水和物11.1 gを水に溶か
して100 mLにする。使用時に調製する。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.2 a) 3.2)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準“澄明”は,次による。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)参照]にはかりとり,水
10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に水を加えて20 mLとし,振り
混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.2 c)による。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,A液10 mL(試料量1.0 g),水10 mL,酢酸(1+2)0.2 mL及び酢酸カルシウ
ム溶液(100 g/L)1 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,混合後,5分間放置する。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度を,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面からb)と比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“しゅう酸塩:試験適合”とする。
試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称 “デキストリン水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
13
K 8646:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 化学式
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号