K 8637:2006
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8637:1996は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis−Part 2:Specifications−First seriesを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8637には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8637:2006
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 1
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(Na2S2O3・5H2O) ······································································································ 2
7.3 水溶状 ························································································································· 2
7.4 pH(50 g/l,25 ℃) ······································································································· 2
7.5 塩化物(Cl) ···················································································································· 2
7.6 硫酸塩及び亜硫酸塩(SO4として) ··················································································· 3
7.7 硫化物(S) ······················································································································ 3
7.8 窒素化合物(Nとして)·································································································· 3
7.9 カリウム(K) ·················································································································· 3
7.10 銅(Cu) ························································································································ 3
7.11 マグネシウム(Mg) ········································································································· 4
7.12 カルシウム(Ca) ············································································································ 4
7.13 鉛(Pb) ························································································································ 4
7.14 鉄(Fe) ························································································································· 4
8. 容器 ······························································································································ 4
9. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
日本産業規格 JIS
K 8637:2006
チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
Sodium thiosulfate pentahydrate
Na2S2O3・5H2O FW:248.19
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part
2:Specifications−First series を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いるチオ硫酸ナトリウム五水和物について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2:Specifications−First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 チオ硫酸ナトリウム五水和物は,無色の結晶で,水に極めて溶けやすく,エタノールにほと
んど溶けない。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液5 mlに硝酸銀溶液(20 g/l) 10 mlを加えると白い沈殿
が生じ,放置すると沈殿は黒に変わる。
b) A液を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土類金属試験法)による
と,黄色が現れる。
6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
2
K 8637:2006
表 1 品質
項目
規格値
純度(Na2S2O3・5H2O)
質量分率 %
99.0 以上
水溶状
試験適合
pH(50 g/l,25 ℃)
6.0〜8.4
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.001 以下
硫酸塩及び亜硫酸塩
(SO4として)
質量分率 %
0.05 以下
硫化物(S)
質量分率 ppm
2.5 以下
窒素化合物(Nとして)
質量分率 %
0.002 以下
カリウム(K)
質量分率 %
0.01 以下
銅(Cu)
質量分率 ppm
5 以下
マグネシウム(Mg)
カルシウム(Ca)
質量分率 %
質量分率 %
0.001 以下
0.002 以下
鉛(Pb)
質量分率 ppm
5 以下
鉄(Fe)
質量分率 ppm
5 以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は,
必要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られ
る計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度(Na2S2O3・5H2O) 操作及び計算は,次による。
a) 操作 試料6.5 gを0.1 mgのけたまではかりとり,全量フラスコ250 mlに入れる。水20 mlを加えて
溶かし,更に水を標線まで加える(B液)。別に,滴定用ビーカー200 mlに0.05 mol/lよう素溶液25 ml
を正確にとり,B液で滴定する。終点間際で液の色がうすい黄色になったときに,指示薬としてでん
ぷん溶液約0.5 mlを加え,引き続きB液で滴定する。終点は,液の色が無色になる点とする。
b) 計算
100
250
25
819
024
0
×
×
×
×
=
V
m
f
.
A
ここに,
A: 純度(Na2S2O3・5H2O)(質量分率%)
m: はかりとった試料の質量(g)
V: B液の滴定量(ml)
f: 0.05 mol/lよう素溶液のファクター
0.024 819: 0.05 mol/lよう素溶液1 mlのNa2S2O3・5H2O相当質量(g)
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は2 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
pH(50 g/l,25 ℃) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料5.0 gに二酸化炭素を含まない水を加えて溶かし100 mlにする。
b) 操作 JIS K 8001の5.5(pH)(2)による。
7.5
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水10 ml,水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) 5 ml及びJIS K 8230に規定する過
酸化水素5 mlを加え,水浴上(1)で蒸発乾固した後,水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 水10 ml,水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) 5 ml及びJIS K 8230に規定する過酸化水素5 ml
3
K 8637:2006
を加え,水浴上(1)で蒸発乾固した後,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 1.0 ml及び水を加えて20 mlにす
る。
c) 操作 JIS K 8001の5.7[塩化物(Cl)](1)(比濁法)による。
注(1) 水浴の水にはイオン交換水又は蒸留水を用いる。
7.6
硫酸塩及び亜硫酸塩(SO4として) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かし50 mlにする。その5 ml(試料量0.1 g)をとり,薄い黄
色になるまで0.05 mol/lよう素溶液を滴下する。次に,塩酸(2+1) 0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 水5 mlに試料側で用いた量の0.05 mol/lよう素溶液を加え,薄い黄色になるまで水浴上
で蒸発する。次に,塩酸(2+1) 0.3 ml,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 5.0 ml及び水を加えて25 mlに
する。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)による。
7.7
硫化物(S) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かし10 mlにする。
b) 標準側溶液 硫化物標準液(S:0.01 mg/ml) 0.50 mlに水を加えて10 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.17[硫化物(S)](3)(操作)による。
7.8
窒素化合物(Nとして) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料3.0 gに水20 mlを加えて溶かした後,硫酸(1+1) 10 mlを加えて5分間煮沸する。
冷却後,水を加えて50 mlにし,洗浄ろ紙(2)を用いてろ過する。初めのろ液約10 mlは捨て,次のろ
液25 ml(試料量1.5 g)をとり,中和するまで水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)を加え,更に水を加えて
140 mlにする。
b) 標準側溶液 試料1.0 gに窒素標準液(N:0.01 mg/ml) 4.0 ml及び水20 mlを加えて溶かした後,硫酸(1
+1) 10 mlを加えて5分間煮沸する。冷却後,水を加えて50 mlにし,洗浄ろ紙(2)を用いてろ過する。
初めのろ液約10 mlは捨て,次のろ液25 ml(試料量0.5 g)をとり,中和するまで水酸化ナトリウム
溶液(100 g/l)を加え,更に水を加えて140 mlにする。
注(2) ろ紙(5種C)を硫酸(1+5) 50 mlずつで2回洗い,更に水50 mlずつで2回洗ったもの。
c) 操作 JIS K 8001の5.12[窒素化合物(Nとして)](4)(蒸留−インドフェノール青法)による。
7.9
カリウム(K) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水を加えて溶かし100 mlにする(X液)。
b) 標準側溶液 試料1.0 gにカリウム標準液(K:0.1 mg/ml) 1.0 ml及び水を加えて溶かし100 mlにする(Y
液)。
c) 操作 JIS K 8001の5.30(炎光光度法)による。
7.10 銅(Cu) 溶液の調製及び操作(3)は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに水50 ml及び酢酸(1+2) 10 mlを加え溶かし,更に水を加えて80 mlにする。
b) 標準側溶液 試料5.0 gに水50 ml及び酢酸(1+2) 10 mlを加えて溶かし,銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 2.5
ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 2.5 ml及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 2.5 mlを加え,更に水を加えて80
mlにする。
c) 空試験用溶液 酢酸(1+2) 10 ml。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(2)(抽出液噴霧法)(d) による。ただし,pH調節にアンモニ
ア水(2+3)又は酢酸(1+2)を用いる(操作の途中で得られるX液,Y液及びZ液は,7.13及び7.14の
試験にも用いる。)。
4
K 8637:2006
注(3) 硫黄が析出しやすいので,溶液の調製及び操作は手早く行う。
7.11 マグネシウム(Mg) 溶液の調製及び操作(3)は,次による。
a) 試料側溶液 試料4.0 gに水を加えて溶かし100 mlにする(X液)(X液は,7.12の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 試料4.0 gに,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) 4.0 ml,カルシウム標準液(Ca:0.01
mg/ml) 8.0 ml及び水を加えて溶かし100 mlにする(Y液)(Y液は,7.12の試験にも用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.12 カルシウム(Ca) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.11のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.11のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.13 鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.10のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
7.14 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.10のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.10のY液を用いる。
c) 空試験用溶液 7.10のZ液を用いる。
d) 操作 JIS K 8001の5.31(2)(d)③による。
8. 容器 容器は,気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称“チオ硫酸ナトリウム五水和物”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号
5
K 8637:2006
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8637:2006 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
ISO 6353-2:1983, 化学分析用試薬―第2部:仕様―第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範
囲
試薬として用いるチオ硫
酸ナトリウム五水和物に
ついて規定。
1
化学分析用試薬40品
目の仕様について規
定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。
試薬の規格使用者が各規格を多く引用
しやすくするために1品目1規格とし
ている。
なお,対応国際規格は20年間以上見
直しが行われていないため市場の実態
に合わない。国際規格の改正提案を検
討する。
2. 引用規
格
JIS K 8001
JIS K 8230
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格1件を削除
し,JISを追加・引用,
基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般事
項
JIS K 8001による。
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異で
はない。
4. 種類
−
−
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
−
−
MOD/追加
チオ硫酸ナトリウム
五水和物の性質の項
を追加。
一般的な説明事項であり,技術的な差
異はない。
2
K
8
6
3
7
:
2
0
0
6
6
K 8637:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
6. 品質
R36.1
MOD/変更
1) 品質に差異のある
項目:塩化物,硫
酸塩及び亜硫酸
塩,窒素化合物及
びカルシウム
2) 追加した項目:水
溶状,カリウム及
び銅
ISO規格は,長期間内容の見直しが行
われず国際市場でISO規格品が用いら
れることはほとんどない。また,技術
的差異も軽微(1)(2)(3)である。
7. 試験方
法
7.1試験条
件及び試
験結果
R36.2
−
MOD/追加
項目を追加。
一般的な試験条件及び試験結果に関す
る事項であり,技術的な差異はない。
7.2純度
(Na2S2O3・
5H2O)
滴定法
R36.2.1
滴定法
MOD/変更
1) 試料の量,調製液
量などを変更。
2) よう素溶液で試料
溶液を滴定する方
法から試料溶液で
よう素溶液を滴定
する方法に変更。
実績のある従来のJISの方法を踏襲。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
7.3水溶状
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検
討を行う予定。
2
K
8
6
3
7
:
2
0
0
6
7
K 8637:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.4 pH
(50
g/l,25℃)
溶液濃度はg/lで規定。
R 36.2.2
溶液濃度は質量分
率%で規定。
MOD/変更
1) ISO規格は溶液濃
度を質量分率で規
定,JISは溶液濃
度をg/l で規定。
2) JIS K 8001の5.5
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.5塩化物
(Cl)
比濁法
R36.2.3
比濁法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬な
どを変更。
2) JIS K 8001の5.7
を引用。
7.6硫酸塩
及び亜硫
酸塩
(SO4とし
て)
比濁法
R36.2.4
種晶添加比濁法
MOD/変更
1) 種晶添加比濁法を
比濁法に変更。
2) JIS K 8001の5.15
を引用。
7.7硫化物
(S)
比濁法
R36.2.5
比濁法
MOD/変更
1) 調製液の量を変
更。
2) JIS K 8001の5.17
を引用。
7.8窒素化
合物
(Nとし
て)
蒸留−インドフェノール
青法
R36.2.6
蒸留−ネスラー法
MOD/変更
1) 試料の量,調製液
の量などを変更。
2) 蒸留−ネスラー法
を蒸留−インドフ
ェノール青法に変
更。
3) JIS K 8001の5.12
を引用。
ISO規格のネスラー法は環境・安全上,
変更が必要。ISO規格の見直し時に,
改正提案の検討を行う予定。
2
K
8
6
3
7
:
2
0
0
6
8
K 8637:2006
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.9カリウ
ム(K)
炎光光度法
−
−
MOD/追加
項目を追加。
これまでの実績からJISとして必要。
ISO規格の見直し時に,追加提案の検
討を行う予定。
7.10銅(Cu) 原子吸光法
−
−
MOD/追加
項目を追加。
7.11マグネ
シウ
ム(Mg)
原子吸光法
R36.2.7
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量などを変
更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われ
ていないことから実績のある従来の
JIS法を踏襲。技術的な差異は軽微であ
り,対策は考慮しない。
7.12カルシ
ウム
(Ca)
原子吸光法
R36.2.7
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量などを変
更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
7.13鉛(Pb)
原子吸光法
R36.2.7
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料量,試薬の量,
抽出用溶剤などを
変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
7.14鉄(Fe)
原子吸光法
R36.2.7
原子吸光法
MOD/変更
8. 容器
−
−
MOD/追加
項目を追加。
規格適合性を評価する関係で必要な項
目を追加。
9. 表示
−
−
MOD/追加
項目を追加。
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1)〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほと
んどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質
量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。 (Ⅳ)の1)〜2)の品質項目及び品
質水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的に合致した高純度試薬など特殊用途の試薬を
使用することになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての
存在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
2
K
8
6
3
7
:
2
0
0
6
9
K 8637:2006
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
K
8
6
3
7
:
2
0
0
6