K 8594:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法 ························································································································· 2
6.1 一般事項 ······················································································································ 2
6.2 留分(50 ℃〜80 ℃) ···································································································· 2
6.3 水分 ···························································································································· 2
6.4 不揮発物 ······················································································································ 2
6.5 酸(HClとして) ·········································································································· 3
6.6 硫化物及び還元性物質 ···································································································· 5
6.7 油脂 ···························································································································· 6
6.8 硫酸着色物質 ················································································································ 6
7 容器······························································································································· 7
8 表示······························································································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8594:1996は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成27年9月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8594:1996によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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石油ベンジン(試薬)
Petroleum benzine (Reagent)
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる石油ベンジンについて規定する。
警告1 石油ベンジンは引火性が強いので火気を避け,また,有害なので蒸気を吸入しないようにし,
皮膚・粘膜に付着しないようにする。
警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート),MSDS(化学物質等安全データシ
ート:JIS Z 7250−2012年に廃止され,JIS Z 7253に移行。JIS Z 7250:2010に従ってよい猶
予期間は2016年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健康に対する適切な措
置をとらなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0066 化学製品の蒸留試験方法
JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8129 塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
JIS K 8142 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
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JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬)
JIS K 8844 ブロモフェノールブルー(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
石油ベンジンは,主成分がヘキサン,イソヘキサンなどの炭素数5〜6(C5〜C6)の脂肪族飽和炭化水
素の混合物であり,無色の揮発性の液体で特異な臭いがあり,エタノール及びジエチルエーテルに極めて
溶けやすく,水にほとんど溶けない。密度は,約0.7 g/mLである。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
留分(50 ℃〜80 ℃)
体積分率 %
90以上
6.2
水分
質量分率 %
0.05以下
6.3
不揮発物
質量分率 %
0.001以下
6.4
酸(HClとして)
質量分率ppm
5以下
6.5
硫化物及び還元性物質
試験適合
6.6
油脂
試験適合
6.7
硫酸着色物質
試験適合
6.8
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
留分(50 ℃〜80 ℃)
留分は,JIS K 0066の附属書(B法による方法)による。
6.3
水分
水分の試験方法は,JIS K 0068の6.3(容量滴定法)又は6.4(電量滴定法)による。容量滴定法の場合,
試料10 g(14.2 mL)をはかりとり,滴定溶媒は,メタノールとする。電量滴定法の場合は,試料1.0 g(1.4
mL)をとる。
6.4
不揮発物
不揮発物の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4 (1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。この場
合,試料100 g(142.9 mL)をはかりとり,蒸発させる容器に適量ずつ入れて,残分は0.1 mgの桁までは
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かる。
6.5
酸(HClとして)
酸(HClとして)の試験方法は,次による。
a) ガス及び試験用溶液類 ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。
2) 水酸化カリウム溶液(250 g/L)(必要な場合に用いる。) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4
gを水に溶かして100 mLにする。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
3) 二酸化炭素を除いた水 次のいずれか,又はそれらを組み合わせたものを用い,使用時に調製する。
3.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口に時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/L)を入れたもの,又はソーダ石灰管(JIS K 8603に規定するソーダ石灰を入れ
た管)を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却したもの。
3.2) 水をフラスコに入れ,水の中に窒素を15分間以上通じたもの。
3.3) 二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて,水から二酸化炭素を除いたもの。
3.4) 製造直後の18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに
泡立てないように採取したもの。
4) pH 6.8の緩衝液 0.1 mol/Lりん酸二水素カリウム溶液50 mL及び0.2 mol/L水酸化ナトリウム溶液
11.82 mLを全量フラスコ100 mLに正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加え混合する。
4.1) 0.1 mol/L りん酸二水素カリウム溶液 JIS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム(pH標準液
用)6.80 g(質量分率100 %としての相当質量)を全量フラスコ500 mLに入れ,適量の二酸化炭
素を除いた水で溶かし,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。ほうけい酸ガラス製
瓶,又はポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
4.2) 0.2 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:8.00 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液20 mLを正確
に全量フラスコ100 mL(ポリプロピレン製などのもの)にとり,二酸化炭素を除いた水を標線ま
で入れ,ファクターが1.000になるように計算量の二酸化炭素を除いた水を正確に加える。
4.2.1) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標
定及び計算は,次による。
4.2.1.1) 調製 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gを,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器
500 mLにはかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mLを加えて溶かした後,二酸化炭素を遮り
4〜5日間放置する。その上澄み液54 mLを,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器1 000 mLに
とり,二酸化炭素を除いた水を加えて1 000 mLとし,混合する。保存が必要な場合,ソーダ石
灰管(JIS K 8603に規定するソーダ石灰を入れた管)を付けて保存する。
4.2.1.2) 標定 標定は,認証標準物質1)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を
用い,次のとおり行う。
4.2.1.2.1) 認証標準物質1)のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
4.2.1.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,試験成績書などに従って乾燥する。
4.2.1.2.3) 認証標準物質1)又は容量分析用標準物質のアミド硫酸2.4 g〜2.6 gを0.1 mgの桁まではかりコ
ニカルビーカー100 mLに移し,水25 mLを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチモール
ブルー溶液数滴を加え,4.2.1.1)で調製した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点
は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。
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注1) 認証標準物質を供給する者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合
センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証
標準物質生産者がある。
4.2.1.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
09
097
.0
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとったアミド硫酸の質量(g)
A: アミド硫酸の純度(質量分率 %)
V: 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積(mL)
0.097 09: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド硫
酸の質量を示す換算係数(g/mL)
5) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)50 mLに溶かし,水で100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
6) ブロモフェノールブルー溶液 JIS K 8844に規定するブロモフェノールブルー0.10 gをJIS K 8102
に規定するエタノール(95)50 mLに溶かし,水で100 mLにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
7) 0.05 mol/L 塩酸(HCl:1.823 g/L) 1 mol/L 塩酸10 mLを全量フラスコ200 mLに正確にとり,水を
標線まで加えて混合した後,気密容器に入れて保存する。ファクターは,1 mol/L 塩酸のファクタ
ーをそのまま用いる。
7.1) 1 mol/L塩酸(HCl:36.46 g/L) 1 mol/L 塩酸の調製,標定及び計算は,次による。
7.1.1) 調製 JIS K 8180に規定する塩酸90 mLをとり,水を加えて1 000 mLとし,混合した後,気密
容器に入れて保存する。
7.1.2) 標定 標定は,認証標準物質1)又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム
を用い,次のとおり行う。
7.1.2.1) 認証標準物質1)の炭酸ナトリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
7.1.2.2) 容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを用いる場合は,必要量を白金るつぼに入れ,試験成績
書などに記載された方法で乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。
7.1.2.3) 認証標準物質1)又は容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム1.3 g〜1.4 gを0.1 mgの桁まではか
りとり,コニカルビーカー200 mLに移し,水20 mLを加えて溶かす。指示薬としてブロモフ
ェノールブルー溶液数滴を加え,7.1.1)で調製した1 mol/L 塩酸で滴定する。この場合,終点付
近で煮沸して二酸化炭素を除き,冷却した後,引き続き滴定を行う。終点は,液の色が青紫か
ら青みの緑になる点とする。
7.1.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
99
052
.0
A
V
m
f
×
×
=
ここに,
f: 1 mol/L 塩酸のファクター
m: はかりとった炭酸ナトリウムの質量(g)
A: 炭酸ナトリウムの純度(質量分率 %)
V: 滴定に要した1 mol/L 塩酸の体積(mL)
0.052 99: 1 mol/L 塩酸1 mLに相当する炭酸ナトリウムの質量を示
す換算係数(g/mL)
8) 0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH: 2.00 g/L) 4.2.1)の1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液10 mL
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を全量フラスコ200 mLに正確にとり,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合した後,ポリ
エチレンなどの樹脂製気密容器に入れる。使用時に調製する。
なお,ファクターは,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクターを用いる。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
メスピペット又はミクロビュレット JIS R 3505に規定する最小目盛0.01 mLのもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,あらかじめ窒素を約200 mL/minの流量で約2分間通じて,空気を置換した分液
漏斗100 mLに二酸化炭素を除いた水25 mL及びブロモチモールブルー溶液3滴を速やかに加え,
液面に窒素を通じながら,0.05 mol/L 塩酸又は0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液を液の色が中間色
2)になるまでメスピペット又はミクロビュレットを用いて加える。直ちに試料50 g(78.1 mL)を加
え,2分間激しく振り混ぜ,下層(水相)の色を観察する。
2) 下層(水相)の色が,中間色からアルカリ性側の色(青)を現す場合は,操作を終了する。
3) 下層(水相)の色が,中間色から酸性側(黄)を現す場合は,あらかじめ窒素を約200 mL/minの流
量で約2分間通じて,空気を置換した分液漏斗100 mLに下層(水相)を移し,液面に窒素を通じ
ながら,0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液0.13 mLを加え,下層(水相)の色を観察する。
注2) pH 6.8の緩衝液約25 mLを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLに入れてブロモチモールブ
ルー溶液3滴を加えたときの色。
d) 判定 c)によって操作し,次の1)又は2)に適合するとき,“酸(HClとして):質量分率5 ppm以下(規
格値)”とする。
1) 操作2)によって得られた試料溶液の下層(水相)の色は,中間色からアルカリ性側の色(青)を示
す。
2) 操作3)によって得られた試料溶液の下層(水相)の色は,中間色からアルカリ性側の色(青)を示
す。
注記 0.05 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLは,0.001 823 g HClに相当する。
6.6
硫化物及び還元性物質
硫化物及び還元性物質の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アンモニア水 JIS K 8085に規定する質量分率25.0 %〜27.9 %のもの。
2) エタノール(99.5) JIS K 8101に規定するもの。
3) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mLにする。溶液は,褐
色ガラス製瓶に保存する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 濁り,ごみなどの有無が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例
として,容量50 mL,直径約23 mmのもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管にアンモニア水1 mL,エタノール(99.5)5 mL及び
硝酸銀溶液(20 g/L)0.5 mLをとって混合したものに,試料5 mLを加えて振り混ぜる。光を遮り(遮
光して)約50 ℃で5分間加熱する。
2) 白の背景を用いて,試料溶液の色を,共通すり合わせ平底試験管の側面から観察する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫化物及び還元性物質:試験適合”とする。
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試料溶液に,褐色が現れない。
6.7
油脂
油脂の試験方法は,次による。
a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) ガラス製丸底蒸発皿 JIS R 3503に規定するもの。
2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料の調製は,ガラス製丸底蒸発皿に試料10 mLをとり,水浴上で徐々に加熱し,揮散させる。
2) 白の背景を用いて,ガラス製丸底蒸発皿の底及び側面を観察する。
c) 判定 b)によって操作し,次に適合するとき,“油脂:試験適合”とする。
ガラス製丸底蒸発皿に,油状のしみが残っていない。
6.8
硫酸着色物質
硫酸着色物質の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(1+39) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積39とを混合する。
2) ブロモチモールブルー溶液 6.5 a) 5)による。
3) 硫酸[質量分率(95±0.5)%] 硫酸[質量分率(95±0.5)%]の調製は,あらかじめJIS K 8951
に規定する硫酸の純度を求める。希釈が必要な場合は,計算量の水をとり,注意して徐々に加えて
硫酸濃度を質量分率(95±0.5)%に調節する。
硫酸の純度 共通すり合わせ三角フラスコ100 mLの質量を0.1 mgの桁まではかり,JIS K 8951
に規定する硫酸1.0 gを入れ,再び0.1 mgの桁まで質量をはかる。共通すり合わせ三角フラスコを
冷却しながら水20 mLを徐々に加える。ブロモチモールブルー溶液数滴を加え,1 mol/L 水酸化ナ
トリウム溶液で滴定する。終点は液の色が黄から青みの緑に変わる点とする。
硫酸の純度は,次の式によって算出する。
100
04
0.049
1
2
×
−
×
×
=
m
m
f
V
A
ここに,
A: 硫酸の純度(H2SO4)(質量分率 %)
V: 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積(mL)
f: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m2: 試料を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)
m1: 共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)
0.049 04: 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するH2SO4の質
量を示す換算係数(g/mL)
4) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH:40.00 g/L) 6.5 a) 4.2.1)による。
5) 比色原液 比色原液の調製は,次による。
5.1) 塩化コバルト(II)比色原液 JIS K 8129に規定する塩化コバルト(II)六水和物59.5 g(質量分
率100 %としての相当質量)をビーカー1 000 mLにはかりとり,塩酸(1+39)を加えて溶かし,
全量フラスコ1 000 mLに移し,更に塩酸(1+39)を標線まで加えて混合する。
5.2) 塩化鉄(III)比色原液 JIS K 8142に規定する塩化鉄(III)六水和物45.0 g(質量分率100 %とし
ての相当質量)をビーカー1 000 mLにはかりとり,塩酸(1+39)を加えて溶かし,全量フラスコ
1 000 mLに移し,更に塩酸(1+39)を標線まで加えて混合する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3) 硫酸銅(II)比色原液 JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物62.4 g(質量分率100 % とし
ての相当質量)をビーカー1 000 mLにはかりとり,塩酸(1+39)を加えて溶かし,全量フラスコ
1 000 mLに移し,更に塩酸(1+39)を標線まで加えて混合する。
b) 着色の程度の適合限度標準 着色の程度の適合限度標準“比色標準液A”は,次による。
表2に示す割合によって比色標準液A 5.0 mLを共通すり合わせ平底試験管に調製する。
表2−硫酸着色物質試験用比色標準液A
単位 mL
比色標準液
の記号
比色原液
水
塩化コバルト(II)
塩化鉄(III)
硫酸銅(II)
A
0.1
0.4
0.1
4.4
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.6 b)による。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に試料5 mLを入れ,約10 ℃に冷却する。振り混ぜ
ながら,約10 ℃に冷却した硫酸[質量分率(95±0.5)%]5 mLを,30 ℃を超えないように注意
して徐々に加え,約10 ℃に冷却し,約10 ℃で15分間放置する。
2) 白の背景を用いて,試料溶液から得られた下層(硫酸相)の色を,共通すり合わせ平底試験管の側
面から観察して比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸着色物質:試験適合”とする。
試料溶液から得られた下層(硫酸相)の色は,比色標準液Aの色より濃くない。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格番号
b) 名称 “石油ベンジン”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 内容量
e) 製造番号
f)
製造業者名又はその略号