2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8572-1992
水銀(試薬)
Mercury
Hg
AW : 200.59
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる水銀について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 水銀は,次の性質を示す。
性状 水銀は,光輝のある銀白色の液体で,常温で徐々に揮散する。密度は,約13.6g/mlである。
5. 品質 品質は,6.試験方法によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
99.5%以上
硝酸溶状
試験適合
不揮発分
5ppm以下
銅 (Cu)
0.5ppm以下
亜鉛 (Zn)
0.5ppm以下
鉛 (Pb)
0.5ppm以下
鉄 (Fe)
0.5ppm以下
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 99.5%以上
試料1g(0.1mgのけたまではかる)+硝酸 (1+2) 10ml→溶解→水浴中で液が無色になるまで加熱→冷
却→全量フラスコ500mlに入れる→水を標線まで加える→その25ml(試料量0.05g)(正確に)+ヘ
キサメチレンテトラミン3g→溶解→0.01mol/lEDTA2Na溶液で滴定(指示薬:キシレノールオレンジ
溶液。終点は,液の色が青紫から黄色に変わる点)。
0.01mol/lEDTA2Na溶液1mlは,0.002 005 9gHgに相当する。
(2) 硝酸溶状
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K 8572-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
試料5g+硝酸 (1+2) (→20ml) →加熱溶解→冷却……澄明。
(3) 不揮発分 5ppm以下
試料200g→磁器るつぼにとる→図1のA減圧蒸留器に入れる。約7kPaの減圧下約260℃で蒸留(乾
固するまで)……残分1mg以下[(4)の試験にも用いる]。
図1 減圧蒸留装置の一例
(4) 銅 (Cu) 0.5ppm以下
試料側溶液:(3)の残分(試料量200g)+硝酸 (1+2) 5ml→溶解→全量フラスコ50mlに入れる→水を
標線まで加える(S液)。
S液10ml→全量フラスコ25mlに入れる→水を標線まで加える(X液)。
標準側溶液:S液10ml(試料量40g)→全量フラスコ25mlに入れる+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 2.0 ml
+亜鉛標準液 (0.01mgZn/ml) 2.0ml+鉛標準液 (0.01mgPb/ml) 2.0ml鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 2.0 ml→水
を標線まで加える(Y液)。
操作:JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長324.7nm[X液及びY
液は,(5),(6)及び(7)の試験にも用いる]。
(5) 亜鉛 (Zn) 0.5ppm以下
試料側溶液:(4)のX液。
標準側溶液:(4)のY液。
操作:JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長213.9nm。
(6) 鉛 (Pb) 0.5ppm以下
試料側溶液:(4)のX液。
標準側溶液:(4)のY液。
操作:JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長283.3nm。
(7) 鉄 (Fe) 0.5ppm以下
試料側溶液:(4)のX液。
標準側溶液:(4)のY液。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
操作:JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長248.3nm。
7. 容器:気密容器とする。
8. 表示:容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “水銀”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 元素記号及び原子量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
参考 取扱い上の注意事項 水銀は毒物なので,蒸気の吸入や経口摂取を避ける。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
化学分析部会試薬・標準液専門委員会構成表
氏名
所属
(委員会長)
並 木 博
横浜国立大学教授
坂 東 一 彦
通商産業省機械情報産業局
細 川 幹 夫
通商産業省基礎産業局
地 崎 修
工業技術院標準部
久保田 正 明
工業技術院化学技術研究所
喜多川 忍
通商産業省通商産業検査所
寺 尾 允 男
厚生省国立衛生試験所
中 西 淳 男
社団法人日本化学会
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
芝 山 正
関東化学株式会杜
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
中 村 穣
森田化学工業株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
坂 本 勉
株式会社オルガノメインテナンスサービス
飯 島 宏 淳
財団法人化学品検査協会
川 瀬 晃
セイコー電子工業株式会社
西 川 光 一
日本化学工業協会
山 口 直 治
社団法人日本環境測定分析協会
中 村 靖
日本鉱業株式会社
(事務局)
田 坂 勝 芳
工業技術院標準部繊維化学規格課
山 本 健 一
工業技術院標準部繊維化学規格課