K 8568:2011
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法 ························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 純度[Mn(NO3)2・6H2O] ································································································· 3
6.3 水溶状 ························································································································· 5
6.4 pH(50 g/l,25 ℃) ······································································································· 6
6.5 塩化物(Cl) ················································································································ 6
6.6 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 7
6.7 ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn),鉄(Fe)及び
ニッケル(Ni) ·············································································································· 7
6.8 銅(Cu),カルシウム(Ca)及び鉛(Pb) ········································································ 11
7 容器······························································································································ 13
8 表示······························································································································ 13
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8568:1992は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成23年12月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS K 8568:1992によることができる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格
JIS
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硝酸マンガン(II)六水和物(試薬)
Manganese (II) nitrate hexahydrate(Reagent)
Mn(NO3)2・6H2O FW:287.04
序文
この規格は,1966年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に
行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる硝酸マンガン(II)六水和物について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0970 プッシュボタン式液体用微量体積計
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8121 塩化カリウム(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8152 塩化ニッケル(II)六水和物(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
2
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JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)
JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬)
JIS K 8736 エリオクロムブラックT(試薬)
JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS K 8995 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
JIS K 9502 L(+)−アスコルビン酸(試薬)
JIS Z 8802 pH測定方法
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
硝酸マンガン(II)六水和物は,淡紅色の結晶で,約26 ℃以上では液体となる。水に極めて溶けやすく,
エタノールに溶けやすい。
4.2
定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水200 mlを加えて溶かす(A液)。A液10 mlに硫酸10 mlを加え冷却した後,硫酸鉄(II)
溶液(100 g/l)10 mlを積層させると,二つの液の境界面に褐色の輪帯が現れる。
b) A液10 mlに硫酸(1+5)10 ml及び過よう素酸カリウム溶液(飽和)1 mlを加えて加熱すると,過マ
ンガン酸の紫赤が現れる。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
3
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表1−品質
項目
規格値
試験方法
純度[Mn(NO3)2・6H2O] 質量分率 %
98.0以上
6.2
水溶状
試験適合
6.3
pH(50 g/l,25 ℃)
質量分率 %
3.0〜4.5
6.4
塩化物(Cl)
質量分率 %
0.001以下
6.5
硫酸塩(SO4)
質量分率 %
0.002以下
6.6
ナトリウム(Na)
質量分率 %
0.005以下
6.7
カリウム(K)
質量分率 %
0.002以下
6.7
銅(Cu)
質量分率 ppm
5以下
6.8
マグネシウム(Mg)
質量分率 %
0.005以下
6.7
カルシウム(Ca)
質量分率 %
0.005以下
6.8
亜鉛(Zn)
質量分率 %
0.001以下
6.7
鉛(Pb)
質量分率 %
0.001以下
6.8
鉄(Fe)
質量分率 ppm
5以下
6.7
ニッケル(Ni)
質量分率 %
0.002以下
6.7
6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
純度[Mn(NO3)2・6H2O]
純度[Mn(NO3) 2・6H2O]の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) L(+)−アスコルビン酸 JIS K 9502に規定するもの。
2) アンモニア性塩化アンモニウム溶液 JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム7 gにJIS K 8085に
規定するアンモニア水(質量分率28.0〜30.0 %)57 ml及び水を加えて溶かし,水で100 mlにする。
ポリエチレン製瓶などに密栓して保存する。
3) エリオクロムブラックT希釈粉末 JIS K 8736に規定するエリオクロムブラックT 0.10 g及びJIS K
8150に規定する塩化ナトリウム10 gを混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
4) 塩酸(1+3) JIS K 8180に規定する塩酸の体積1と水の体積3とを混合する。
5) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す
る。
6) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして
100 mlにする。ポリエチレン製瓶などに保存する。
7) 0.1 mol/l亜鉛溶液(Zn:6.538 g/l) 0.1 mol/l亜鉛溶液の調製及び計算は,次による。
7.1) 調製 調製は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質の亜鉛を用い,次
のとおり行う。
7.1.1) 認証標準物質1) の亜鉛を用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
7.1.2) 容量分析用標準物質の亜鉛を用いる場合は,必要量を塩酸(1+3),水,JIS K 8101に規定する
エタノール(99.5)及びJIS K 8103に規定するジエチルエーテルで順次洗った後,直ちに上口デ
シケーター(減圧デシケーター)に入れて,上口デシケーター内圧2.0 kPa以下で数分間保った
後,減圧下で約12時間乾燥する。
7.1.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質の亜鉛の3.3 gを0.1 mgの桁まではかりとり,共通すり
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合わせ冷却管が付けられる三角フラスコ300 mlに移し,水25 ml及び硝酸(1+2)40 mlを加え,
冷却管を付けて水浴上で加熱して溶かす。次に穏やかに煮沸して窒素酸化物を除いた後,放冷し,
全量フラスコ500 mlに移し,溶かすのに使用した三角フラスコ及び冷却管を水洗し,洗液を先
の全量フラスコ500 mlに加え,更に水を標線まで加えて混合した後,気密容器に入れて保存す
る。
注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際単
位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただしこれらが入手できない場合
には,含有率が明らかな市販の標準物質も用いることができ,その説明書に従って使用
する。
なお,認証標準物質の供給者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合
センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証標準
物質生産者がある。
7.2) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
0
269
.3
A
m
f
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l 亜鉛溶液のファクター
m: はかりとった亜鉛の質量(g)
A: 亜鉛の純度(質量分率 %)
3.269 0: 0.1 mol/l 亜鉛溶液500 ml中の亜鉛の相当質量(g)
8) 0.1 mol/lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(0.1 mol/l EDTA2Na溶液)
(C10H14O8N2Na2・2H2O:37.22g/l) 0.1 mol/lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液の調
製,標定及び計算は,次による。
8.1) 調製 JIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物38 gをはかり
とり,水1 000 mlを加えて溶かした後,ポリエチレン製などの気密容器に入れて保存する。
8.2) 標定 0.1 mol/l亜鉛溶液25 mlをコニカルビーカー200 mlに正確にはかりとる。水75 mlを加えた
後,8.1)で調製した液20 mlをビュレットを用いて加える(このビュレットは,pHを調節した後
の滴定に再び用いる。)。次に,水酸化ナトリウム溶液(100 g/l)でpH 6〜8に調節する。アンモニ
ア性塩化アンモニウム溶液2 ml及び指示薬としてエリオクロムブラックT希釈粉末0.05 gを加え,
8.1)で調製した液で滴定する。終点は,液の色が赤から青に変わる点とする。
8.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
V
f
f
25
1
×
=
ここに,
f1: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液のファクター
f: 0.1 mol/l 亜鉛溶液のファクター
V: 滴定に要した0.1 mol/l EDTA2Na溶液の体積(ml)
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料0.6 gを三角フラスコ200 mlなどに0.1 mgの桁まではかりとり,水100 mlを加えて溶かし,ビ
ュレットを用いて0.1 mol/l EDTA2Na溶液約20 mlを加える。これに,L(+)−アスコルビン酸0.1 g,
アンモニア性塩化アンモニウム溶液10 ml及び指示薬としてエリオクロムブラックT希釈粉末0.05 g
を加え,引き続いて同じビュレットから0.1 mol/l EDTA2Na溶液で滴定する。終点は,液の色が赤か
ら明らかな青に変わる点とする。
5
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c) 計算 純度[Mn(NO3)2・6H2O]は,次の計算式によって算出する。
100
704
028
.0
1×
×
×
=
m
f
V
A
ここに,
A: 純度[Mn(NO3) 2・6H2O](質量分率 %)
V: 滴定に要した0.1 mol/l EDTA2Na溶液の体積(ml)
f1: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液のファクター
m: はかりとった試料の質量(g)
0.028 704: 0.1 mol/l EDTA2Na溶液1 mlのMn(NO3)2・6H2O相当量(g)
6.3
水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gを水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス
製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液
3.1) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) 計量標準供給制度[JCSS 2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な
場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販
の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の
認証標準液など”という。)。
3.1.3) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム1.65 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
3.2) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 塩化物標準液(Cl:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに
正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準(“澄明”)は,次による。
塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)0.2 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水10 ml,硝酸(1+2)
1 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え,更に水を加えて20 mlとし,振り混ぜてから15分間放置
する。
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 ml,直径約23 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし20 mlにする。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を上方又は
側方から観察する。
e) 判定 d)によって操作し,次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めない。
6
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6.4
pH(50 g/l,25 ℃)
pH(50 g/l,25 ℃)の試験方法は,次による。
a) 試薬,ガス及び試験用溶液類 試薬,ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) ソーダ石灰 JIS K 8603に規定するもの(必要な場合に用いる。)。
2) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。
3) 水酸化カリウム溶液(250 g/l) JIS K 8574に規定する水酸化カリウム29.4 gを水に溶かして100 ml
にする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。
4) 二酸化炭素を除いた水 次の4.1)〜4.4)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
4.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶に水酸化カリ
ウム溶液(250 g/l)を入れたもの,又はソーダ石灰管を連結して空気中の二酸化炭素を遮り,冷却
したもの。
4.2) 水をフラスコに入れ,水の中に窒素を15分間以上通じたもの。
4.3) 水から二酸化炭素分離膜をもつガス分離管を用いて二酸化炭素を除いたもの。
4.4) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立
てないように採取したもの。
5) pH標準液 pH標準液は,JCSSに基づくpH標準液(第2種以上のもの),JCSS以外の認証された
pH標準液又はJIS Z 8802に規定する調製pH標準液のいずれかを用いる。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
1) 恒温水槽 25±0.5 ℃に調節できるもの。
2) pH計 JIS Z 8802に規定する形式II以上の性能のもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,二酸化炭素を除いた水を加えて溶か
し,二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。この液を適切な容量のビーカーにとる。
2) pHの測定は,JIS Z 8802の7.2(測定方法)による。この場合,液温25±0.5 ℃の恒温水槽につ(浸)
けた試料溶液の液面上に窒素を流し,かき混ぜながらはかる。
6.5
塩化物(Cl)
塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/l) 6.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml) 6.3 a) 3.2)による。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水を加えて溶かし20 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/ml)1.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,水
を加えて20 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 ml及び硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加え振り混ぜた後15
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分間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管
の上方又は側方から観察して濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“塩化物(Cl):質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.6
硫酸塩(SO4)
硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/l) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mlにする。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
4) 硫酸塩標準液
4.1) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
4.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
4.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
4.1.3) JIS K 8962に規定する硫酸カリウム1.81 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,
水を標線まで加えて混合する。
4.2) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml) 硫酸塩標準液(SO4:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを共通すり合わせ平底試験管にとり,水15 mlを加えて溶かし,塩酸
(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)4.0 mlを共通すり合わせ平底試験管にとり,
塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 ml及び塩化バリウム溶液(100 g/l)2 mlを加えて振
り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側面から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“硫酸塩(SO4):質量分率0.002 %以下(規格値)”とす
る。
試料溶液から得られた液の濁りは,比較溶液から得られた液の白濁より濃くない。
6.7
ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn),鉄(Fe)及びニッケル(Ni)
ナトリウム(Na),カリウム(K),マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn),鉄(Fe)及びニッケル(Ni)の試
験方法は,6.7.1(第1法 ICP発光分光分析法)又は6.7.2(第2法 フレーム原子吸光法)のいずれかを
用いる。
なお,表2は分析種と試験方法との対応を示している。
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表2−試験方法と分析種との対応表
分析種
試験方法
ナトリウム(Na),
マグネシウム(Mg),
亜鉛(Zn),
ニッケル(Ni)
6.7.1(第1法 ICP発光分光分析法)
又は
6.7.2(第2法 フレーム原子吸光法)
カリウム(K),
鉄(Fe)
6.7.2(第2法 フレーム原子吸光法)
6.7.1
第1法 ICP発光分光分析法
ICP発光分光分析法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3)による。
2) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
3) ナトリウム標準液,マグネシウム標準液,亜鉛標準液及びニッケル標準液
3.1) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml)
及びニッケル標準液(Ni:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
3.1.3) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml)
及びニッケル標準液(Ni:1 mg/ml)を調製する場合
3.1.3.1) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml) JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム2.54 gを全量フラス
コ1 000 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶など
に保存する。
3.1.3.2) マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml) JIS K 8995に規定する硫酸マグネシウム七水和物10.1 g
を全量フラスコ1 000 mlにとり,塩酸(2+1)15 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加
えて混合する。
3.1.3.3) 亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml) JIS K 8953に規定する硫酸亜鉛七水和物4.40 gを全量フラスコ
1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
3.1.3.4) ニッケル標準液(Ni:1 mg/ml) JIS K 8152に規定する塩化ニッケル(II)六水和物4.05 g(質
量分率100 %としての相当量)を全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を
加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
3.2) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:
0.01 mg/ml)及びニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
3.2.1) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml) ナトリウム標準液(Na:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ
1 000 mlに正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
3.2.2) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml)10 mlを全量フラ
スコ1 000 mlに正確にはかりとり,塩酸(2+1)15 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合す
る。
3.2.3) 亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml) 亜鉛標準液(Zn:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正
確にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
9
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3.2.4) ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) ニッケル標準液(Ni:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000
mlに正確にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) プッシュボタン式液体用微量体積計 JIS K 0970に規定するもの。
2) ICP発光分光分析装置 JIS K 0116に規定するもの。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表3に示す。
表3−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
ナトリウム
Na
589.592
マグネシウム
Mg
279.553
亜鉛
Zn
213.857
ニッケル
Ni
221.648
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mlにとり,硝酸(1+2)1 ml及び水を加えて溶か
し,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 3個の全量フラスコ50 mlを準備する。それぞれに試料1.0 g,硝酸(1+2)1 ml及びプッシュボタ
ン式液体用微量体積計で表4に示す各標準液の体積を3段階にとり,水を標線まで加えて混合する
(Y1液,Y2液及びY3液)。
表4−採取する標準液の体積
標準液
mg/ml
採取量 μl
Y1
Y2
Y3
ナトリウム標準液(Na)
0.01
2500
5 000
10 000
マグネシウム標準液(Mg)
0.01
2500
5 000
10 000
亜鉛標準液(Zn)
0.01
500
1 000
2 000
ニッケル標準液(Ni)
0.01
1000
2 000
4 000
3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ50 mlに硝酸(1+2)1 mlをとり,水を標線まで加えて混合す
る(Z液)。
4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の5.(ICP発光分光分析)による。
5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に
する。測定波長は,表3に示す。
6) Z液,X液,Y1液,Y2液及びY3液を噴霧し,発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116の5.8.3(定量法)のb)(標準添加法)によって検量線を作成し,分析種の含有率を
計算する。
f)
判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na):質量分率0.005 %
以下(規格値),マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格値),亜鉛(Zn):質量分率0.001 %
以下(規格値),ニッケル(Ni):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。
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6.7.2
第2法 フレーム原子吸光法
フレーム原子吸光法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3)による。
2) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
3) カリウム標準液及び鉄標準液
3.1) カリウム標準液(K:1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
3.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
3.1.3) カリウム標準液(K:1 mg/ml)及び鉄標準液(Fe:1 mg/ml)を調製する場合
3.1.3.1) カリウム標準液(K:1 mg/ml) JIS K 8121に規定する塩化カリウム1.91 gを全量フラスコ1 000
mlにとり,水を加えて溶かし,更に水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保
存する。
3.1.3.2) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全
量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて
混合する。褐色ガラス製瓶に保存する。
4) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml),カリウム標準液(K:0.01 mg/ml),マグネシウム標準液(Mg:
0.01 mg/ml),亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml),鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)及びニッケル標準液(Ni:
0.01 mg/ml) 次のものを用いる。
4.1) ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 3.2.1)による。
4.2) カリウム標準液(K:0.01 mg/ml) カリウム標準液(K:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 ml
に正確にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製瓶などに保存する。
4.3) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 3.2.2)による。
4.4) 亜鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 3.2.3)による。
4.5) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確には
かりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス製瓶に保存
する。
4.6) ニッケル標準液(Ni:0.01 mg/ml) 6.7.1 a) 3.2.4)による。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表5に示す。
表5−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
ナトリウム
Na
589.0
カリウム
K
766.5
マグネシウム Mg
285.2
亜鉛
Zn
213.9
鉄
Fe
248.3
ニッケル
Ni
232.0
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d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて溶
かし,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,ナトリウム標準液(Na:0.01 mg/ml)
10 ml,カリウム標準液(K:0.01 mg/ml)4.0 ml,マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml)10 ml,亜
鉛標準液(Zn:0.01 mg/ml)2.0 ml,鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)1.0 ml,ニッケル標準液(Ni:0.01
mg/ml)4.0 ml,塩酸(2+1)1 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ100 mlに塩酸(2+1)1 mlをとり,水を標線まで加えて混合す
る(Z液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表5に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸
光度を測定し,X液の指示値(n1),Y液の指示値(n2)及びZ液の指示値(n3)を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いたn1−n3とY液の指示値からX液の指示値を
引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“ナトリウム(Na):質量分率0.005 %以下(規格値),
カリウム(K):質量分率0.002 %以下(規格値),マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格
値),亜鉛(Zn):質量分率0.001 %以下(規格値),鉄(Fe):質量分率5 ppm以下(規格値),ニッケ
ル(Ni):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
n1−n3は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
なお,含有率を質量分率 ppmに換算する場合は,Aに10 000を乗じる。
100
000
1
1
2
3
1
×
×
−
−
×
=m
n
n
n
n
B
A
ここに,
A: 分析種の含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
6.8
銅(Cu),カルシウム(Ca)及び鉛(Pb)
銅(Cu),カルシウム(Ca)及び鉛(Pb)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.6 a) 3)による。
2) 硝酸(1+2) 6.2 a) 5)による。
3) 銅標準液,カルシウム標準液及び鉛標準液
3.1) 銅標準液(Cu:1 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml)及び鉛標準液(Pb:1 mg/ml) 次
のいずれかのものを用いる。
3.1.1) JCSSに基づく標準液 6.3 a) 3.1.1)に準じる。
3.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.3 a) 3.1.2)に準じる。
3.1.3) 銅標準液(Cu:1 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml)及び鉛標準液(Pb:1 mg/ml) を
調製する場合
3.1.3.1) 銅標準液(Cu:1 mg/ml) JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物3.93 gを全量フラスコ
12
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1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
3.1.3.2) カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml) JIS K 8617に規定する炭酸カルシウム2.50 gに水50 ml及
び塩酸(2+1)15 mlを加え,沸騰しない程度に加熱して溶かし,更に二酸化炭素を除き,冷
却する。これを全量フラスコ1 000 mlに移し,水を標線まで加えて混合する。ポリエチレン製
瓶などに保存する。
3.1.3.3) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 ml
にとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
3.2) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml),カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml)及び鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)
次のものを用いる。
3.2.1) 銅標準液(Cu:0.01 mg/ml) 銅標準液(Cu:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
3.2.2) カルシウム標準液(Ca:0.01 mg/ml) カルシウム標準液(Ca:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ
1 000 mlに正確にはかりとり,塩酸(2+1)15 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
ポリエチレン製瓶などに保存する。
3.2.3) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) プッシュボタン式液体用微量体積計 6.7.1 b) 1)による。
2) ICP発光分光分析装置 6.7.1 b) 2)による。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表6に示す。
表6−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
銅
Cu
324.754
カルシウム
Ca
396.847
鉛
Pb
217.000
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mlにとり,硝酸(1+2)1 ml及び水を加えて溶か
し,標線まで加えて混合する。
2) 3個の全量フラスコ50 mlを準備する。それぞれに硝酸(1+2)1 ml及びプッシュボタン式液体用
微量体積計で表7に示す各標準液の体積を3段階にとり,水を標線まで加えて混合する(Y1液,
Y2液及びY3液)。
表7−採取する標準液の体積
標準液
mg/ml
採取量 μl
Y1
Y2
Y3
銅標準液(Cu)
0.01
250
500
1000
カルシウム標準液(Ca)
0.01
2500
5000
10000
鉛標準液(Pb)
0.01
500
1000
2000
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3) 空試験溶液の調製は,全量フラスコ50 mlに硝酸(1+2)1 mlをとり,水を標線まで加えて混合す
る(Z液)。
4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116の5.(ICP発光分光分析)による。
5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に
する。測定波長は,表6に示す。
6) Z液,X液,Y1液,Y2液及びY3液を噴霧し,発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116の5.8.3(定量法)のb)(標準添加法)によって検量線を作成し,分析種の含有率を
計算する。
なお,含有率(質量分率 %)を質量分率 ppmに換算する必要がある場合は,含有率(質量分率 %)
に10 000を乗じる。
f)
判定 d)によって操作し,e)によって計算し,次に適合するとき,“銅(Cu):質量分率5 ppm以下(規
格値),カルシウム(Ca):質量分率0.005 %以下(規格値),鉛(Pb):質量分率0.001 %以下(規格値)”
とする。
計算して得られた含有率が,規格値を満足している。
7
容器
容器は,気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本産業規格番号
b) 名称 “硝酸マンガン(II)六水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号