2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8565-1995
硝酸バリウム(試薬)
Barium nitrate
Ba (NO3) 2 FW : 261.34
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる硝酸バリウムについて規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 硝酸バリウムは,次の性質を示す。
(1) 性状 硝酸バリウムは,白い結晶で水にやや溶けやすく,エタノールにほとんど溶けない。
(2) 定性方法
(a) 試料0.5gに水20mlを加えて溶かす(A液)。A液10mlに硫酸 (1+5) 5mlを加え生じた沈殿をろ過
し,ろ液5mlに硫酸5mlを加え硫酸鉄 (II) 溶液 (100g/l) 2mlを積層させると,二つの液の境界面に
褐色の輪帯が現れる。
(b) A液を用いてJIS K 8001の5.29(炎色試験)(1)(アルカリ金属及びアルカリ土類金属試験法)によ
ると,緑が現れる。
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
表1 品質
項目
規格値
純度
99.0%以上
水溶状
試験適合
pH (50g/l, 25℃)
5.0〜8.0
塩化物 (Cl)
5ppm以下
ナトリウム (Na)
0.01%以下
カリウム (K)
0.01%以下
カルシウム (Ca)
0.01%以下
ストロンチウム (Sr)
0.05%以下
鉛 (Pb)
2ppm以下
鉄 (Fe)
1ppm以下
アンモニウム (NH4)
0.005%以下
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K 8565-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 99.0%以上
試料1.2g(0.1mgのけたまではかる)→全量フラスコ500mlにとる→水を標線まで加える→その25ml
(正確にとる)+水75ml+アンモニア性塩化アンモニウム緩衝液2ml→0.01mol/l EDTA2Na複合溶液
で滴定(指示薬:エリオクロムブラックT溶液。終点は液の色が赤から青に変わる点)。
0.01mol/l EDTA2Na複合溶液1mlは,0.002 613 4gBa (NO3) 2に相当する。
(2) 水溶状
試料1g+水 (→20ml) ……澄明。
(3) pH (50g/l, 25℃) 5.0〜8.0
試料溶液:試料5.0g+二酸化炭素を含まない水 (→100ml)。
操作:JIS K 8001の5.5による。
(4) 塩化物 (Cl) 5ppm以下
試料側溶液:試料1.0g+水 (→20ml)。
標準側溶液:塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 0.50ml+水 (→20ml)。
操作:JIS K 8001の5.7(1)(比濁法)による。
(5) ナトリウム (Na) 0.01%以下
試料側溶液:試料4g+水50ml→沸騰するまで加熱+硫酸 (1+15) 20ml→冷却+水 (→200ml) →3時間
放置→遠心分離→上澄み液約120mlをとる(S液)。S液50ml(試料量1g)+水 (→100ml)(X液)
[(6)の試験にも用いる]。
標準側溶液:S液50ml+ナトリウム標準液 (0.1mgNa/ml) 1.0ml+カリウム標準液 (0.1mgK/ml) 1.0ml
+水 (→100ml)(Y液)[(6)の試験にも用いる]。
操作:JIS K 8001の5.30(炎光光度法)による。測定波長λ1 589.0nm, λ2 580nm。
(6) カリウム (K) 0.01%以下
試料側溶液:(5)のX液。
標準側溶液:(5)のY液。
操作:JIS K 8001の5.30による。測定波長λ1 766.5nm, λ2 760nm。
(7) カルシウム (Ca) 0.01%以下
試料側溶液:試料1.0g+塩酸 (2+1) 3ml+水 (→100ml)(X液)[(8)の試験にも用いる]。
標準側溶液:試料1.0g+塩酸 (2+1) 3ml+カルシウム標準液 (0.1mgCa/ml) 1.0ml+ストロンチウム標
準液 (0.1mgSr/ml) 5.0ml+水 (→100ml)(Y液)[(8)の試験にも用いる]。
操作:JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長422.7nm。
(8) ストロンチウム (Sr) 0.05%以下
試料側溶液:(7)のX液。
標準側溶液:(7)のY液。
操作:JIS K 8001の5.31(1)(d)による。測定波長460.7nm。
(9) 鉛 (Pb) 2ppm以下
試料側溶液:試料10g+塩酸 (2+1) 1ml+水 (→120ml)。
標準側溶液:試料10g+鉛標準液 (0.01mgPb/ml) 2.0ml+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 1.0ml+塩酸 (2+1)
1ml+水 (→120ml)。
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K 8565-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
空試験用溶液:塩酸 (2+1) 1ml+水 (→5ml)。
操作:JIS K 8001の5.31(2)(抽出液噴霧法)(d)による。測定波長283.3nm。[操作の途中で得られる
X液,Y液及びZ液は(10)の試験にも用いる]。
(10) 鉄 (Fe) 1ppm以下
試料側溶液:(9)のX液。
標準側溶液:(9)のY液。
空試験用溶液:(9)のZ液。
操作:JIS K 8001の5.31の(2)(d)③による。測定波長248.3nm。
(11) アンモニウム (NH4) 0.005%以下
試料側溶液:試料0.50g+水 (→140ml)。
標準側溶液:アンモニウム標準液 (0.01mgNH4/ml) 2.5ml+水 (→140ml)。
操作:JIS K 8001の5.11の(6)(蒸留−インドフェノール青法)による。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “硝酸バリウム”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
参考 取扱い上の注意事項 硝酸バリウムは有害なので,粉じんを吸入しないようにし,皮膚・粘膜
に付着しないようにする。
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K 8565-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会