2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8556-1995
硝酸二アンモニウムセリウム (Ⅳ) (試薬)
Diammonium cerium (IV) nitrate
Ce (NH4)2 (NO3)6
FW : 548.22
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる硝酸二アンモニウムセリウム (IV) について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 8001による。
3. 種類 特級
4. 性質 硝酸二アンモニウムセリウム (IV) は,次の性質を示す。
(1) 性状 硝酸二アンモニウムセリウム (IV) は,だいだい色の結晶で,潮解性があり,水に溶けやすく,
エタノールにやや溶けやすい。
(2) 定性方法
(a) 試料1gに水20mlを加えて溶かす(A液)。A液5mlに硫酸5mlを加え,硫酸鉄 (II) 溶液 (100g/l) 5ml
を積層させると,二つの液の境界面に褐色の輪帯が現れる。
(b) A液5mlに水酸化ナトリウム溶液 (300g/l) 3mlを加えるとうすい黄色の沈殿が生じ,加熱するとア
ンモニアが発生する。
(c) A液5mlに塩酸 (2+1) 1ml及び過酸化水素1mlを加えると液は無色に変わり,これにアンモニア水
(2+3) 5mlを加えると,赤褐色の沈殿が生じる。
5. 品質 品質は,6.によって試験し,表1に適合しなければならない。
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K 8556-1995
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表1 品質
項目
規格値
純度
95.0%以上
水溶状
試験適合
塩化物 (Cl)
0.001%以下
硫酸塩 (SO4)
0.005%以下
ナトリウム (Na)
0.05%以下
カリウム (K)
0.05%以下
銅 (Cu)
0.002%以下
鉛 (Pb)
0.002%以下
鉄 (Fe)
0.002%以下
6. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(1) 純度 95.0%以上
試料2g(0.1mgのけたまではかる)+水50ml+硫酸10ml→0.1mol/l硫酸二アンモニウム鉄 (II) 溶
液で滴定(指示薬:フェロイン溶液。終点は液の色が青緑から黄赤に変わる点)。
0.1mol/l硫酸ニアンモニウム鉄 (II) 溶液1mlは,0.054 82gCe (NH4)2 (NO3)6に相当する。
(2) 水溶状
試料2g+水 (→20ml) ……澄明。
(3) 塩化物 (Cl) 0.001%以下
試料側溶液:試料1.0g+水15ml+過酸化水素0.2ml+水 (→20ml)。
標準側溶液:塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 1.0ml+水15ml+過酸化水素0.2ml+水 (→20ml)。
操作:JIS K 8001の5.7(1)(比濁法)による。
(4) 硫酸塩 (SO4) 0.005%以下
試料側溶液:試料1.0g+水10ml+塩酸5ml→水浴上で蒸発乾固+塩酸5ml→水浴上で蒸発乾固+水
10ml+塩酸 (2+1) 0.3ml→[必要ならばろ過→水洗→(ろ液+洗液)]+水 (→25ml)。
標準側溶液:塩酸10ml→水浴上で蒸発乾固+水10ml+塩酸 (2+1) 0.3ml+硫酸塩標準液
(0.01mgSO4/ml) 5.0ml+水 (→25ml)。
操作:JIS K 8001の5.15(1)(比濁法)による。
(5) ナトリウム (Na) 0.05%以下
試料側溶液:試料0.10g+水 (→100ml) (X液)[(6)の試験にも用いる]。
標準側溶液:試料0.10g+ナトリウム標準液 (0.01mgNa/ml) 5.0ml+カリウム標準液 (0.01mgK/ml)
5.0ml+水 (→100ml) (Y液)[(6)の試験にも用いる]。
操作:JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。測定波長589.0nm。
(6) カリウム (K) 0.05%以下
試料側溶液:(5)のX液。
標準側溶液:(5)のY液。
操作:JIS K 8005の5.31(1)(d)による。測定波長766.5nm。
(7) 銅 (Cu) 0.002%以下
試料側溶液:試料5g+硝酸 (1+2) 1ml+水 (→100ml) (X液)[(8)及び(9)の試験にも用いる]。
標準側溶液:試料5g+硝酸 (1+2) 1ml+銅標準液 (0.01mgCu/ml) 10ml+鉛標準液 (0.01mgPb/ml)
10ml+鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 10ml+水 (→100ml) (Y液)[(8)及び(9)の試験にも用いる]。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
操作:JIS K 8005の5.31(1)(d)による。測定波長324.7nm。
(8) 鉛 (Pb) 0.002%以下
試料側溶液:(7)のX液。
標準側溶液:(7)のY液。
操作:JIS K 8005の5.31(1)(d)による。測定波長283.3nm。
(9) 鉄 (Fe) 0.002%以下
試料側溶液:(7)のX液。
標準側溶液:(7)のY液。
操作:JIS K 8005の5.31(1)(d)による。測定波長248.3nm。
7. 容器 気密容器とする。
8. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “硫酸二アンモニウムセリウム (IV)”及び“試薬”の文字
(2) 種類
(3) 化学式,式量
(4) 品質(純度)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造年月又はその略号
(8) 製造業者名又はその略号
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K 8556-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
久保田 正 明
物質工学工業技術研究所計測化学部
地 崎 修
通商産業省基礎産業局生物化学産業課
津 田 博
通商産業省機械情報産業局計量行政室
倉 剛 進
工業技術院標準部繊維化学規格課
喜多川 忍
通商産業検査所化学部化学標準課
野々村 誠
都立工業技術センター無機化学部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
石 橋 無味雄
厚生省国立衛生試験所
川 瀬 晃
社団法人日本分析化学会
柳 瀬 斉 彦
社団法人日本化学工業協会
藤 貫 正
社団法人日本分析化学会
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
鶴 田 利 行
硫酸協会
中 村 靖
日本鉱業協会
大 槻 孝
社団法人日本鉄鋼協会
日 暮 喜八郎
第一化学薬品株式会社
北 田 佳 伸
和光純薬工業株式会社
飯 岡 寛 一
柳島製薬株式会社
高 野 虞美子
東京化成工業株式会社
飛 田 和 彦
米山化学工業株式会社
山 岡 宏
片山化学工業株式会社
山 田 和 夫
関東化学株式会社
(事務局)
平 井 信 次
日本試薬連合会