K 8550:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 8550:1994は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical
analysis−Part 2: Specifications−First seriesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS K 8550には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 8550:2006
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 性質 ······························································································································ 1
5.1 性状 ···························································································································· 1
5.2 定性方法 ······················································································································ 1
6. 品質 ······························································································································ 2
7. 試験方法 ························································································································ 2
7.1 試験条件及び試験結果 ···································································································· 2
7.2 純度(AgNO3) ················································································································· 2
7.3 水溶状 ························································································································· 2
7.4 酸 ······························································································································· 2
7.5 塩化物(Cl) ···················································································································· 2
7.6 硫酸塩(SO4) ·················································································································· 2
7.7 塩酸で沈殿しない物質(硫酸塩)······················································································ 3
7.8 銅(Cu) ························································································································· 3
7.9 鉛(Pb) ·························································································································· 3
7.10 鉄(Fe) ························································································································· 3
8. 容器 ······························································································································ 3
9. 表示 ······························································································································ 3
10. 取扱い上の注意事項 ······································································································· 3
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 8550:2006
硝酸銀(試薬)
Silver nitrate
AgNO3 FW:169.87
序文 この規格は,1983年に第1版として発行されたISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2:
Specifications−First seriesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
1. 適用範囲 この規格は,試薬として用いる硝酸銀について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8723 ニトロベンゼン(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 一般事項 試験方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。
4. 種類 種類は,特級とする。
5. 性質
5.1
性状 硝酸銀は,光沢のある結晶又は白い結晶性粉末で,水に極めて溶けやすく,エタノールにや
や溶けにくく,ジエチルエーテルに溶けにくい。
5.2
定性方法 定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液5 mlに硫酸5 mlを加え冷却した後,硫酸鉄(Ⅱ)
溶液(100 g/l) 2 mlを積層させると,二つの液の境界面に褐色の輪帯が現れる。
b) A液5 mlに塩酸(2+1)1 mlを加えると白い沈殿が生じる。
2
K 8550:2006
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6. 品質 品質は,7.によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表 1 品質
項目
規格値
純度(AgNO3)
水溶状
酸
塩化物(Cl)
硫酸塩(SO4)
塩酸で沈殿しない物質(硫酸塩)
銅(Cu)
鉛(Pb)
鉄(Fe)
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 %
質量分率 ppm
質量分率 ppm
質量分率 ppm
99.8以上
試験適合
試験適合
0.001以下
0.002以下
0.01以下
2以下
2以下
2以下
7. 試験方法
7.1
試験条件及び試験結果 JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は
必要に応じ実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験は,次の各試験方法によって行い,得られ
る計算値及び操作結果は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。
7.2
純度(AgNO3) 試料2.5 gを0.1 mgのけたまではかりとり,全量フラスコ250 mlにとる。水を加
えて溶かした後,更に水を標線まで加える。その50 mlを正確にとり,硝酸(1+2)10 ml,硫酸アンモニ
ウム鉄(Ⅲ)溶液5 ml及びJIS K 8723に規定するニトロベンゼン10 mlを加えた後,よく振り混ぜながら
0.1 mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液で滴定する。終点は液の色が褐色となる点とする。この場合,0.1
mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液1 mlは,0.016 987 gのAgNO3に相当する。
7.3
水溶状 JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料は10 g,濁りの程度の適合限度標準は(a)
(澄明)を用いる。
7.4
酸 試料1 gに二酸化炭素を含まない水10 mlを加え,これにメチルレッド溶液1滴を加えたとき,
赤が現れないこと。
7.5
塩化物(Cl) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かし20 mlとし,これに硝酸(1+2)5 mlを加える。この場合,
標準側溶液のろ過が終了してから試料側溶液の調製を行う。
b) 標準側溶液 試料2.0 gに水を加えて溶かし10 mlとし,硝酸(1+2)5 mlを加え15分間放置した後,
洗浄ろ紙(5種C)でろ過し,ろ紙を水5 mlで洗浄し,ろ液に洗液を加えたものに塩化物標準液(Cl:
0.01 mg/ml)2.0 mlを加える。
c) 操作 試料側溶液及び標準側溶液に水を加えて30 mlとし,暗所に10分間放置したとき,試料側の濁
りは標準側の濁りより濃くないこと。
7.6
硫酸塩(SO4) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 試料5.0 gに水90 mlを加え沸騰するまで加熱した後,かき混ぜながら塩酸(2+1)5 ml
を加え,更に水浴上で30分間加熱する。冷却後水を加えて100 mlとし,ろ紙(5種C)でろ過し,ろ
液50 ml(試料量2.5 g)に塩化ナトリウム溶液(100 g/l)1 mlを加え,水浴上で蒸発乾固した後,塩
酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
b) 標準側溶液 塩酸(2+1)2.5 mlに塩化ナトリウム溶液(100 g/l)1 mlを加え,水浴上で蒸発乾固し,
硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/ml)5.0 ml,塩酸(2+1)0.3 ml及び水を加えて25 mlにする。
c) 操作 JIS K 8001の5.15[硫酸塩(SO4)](1)(比濁法)(c)による。
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K 8550:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.7
塩酸で沈殿しない物質(硫酸塩) 試料30 gに水250 mlを加え沸騰するまで加熱する。かき混ぜな
がら塩酸(2+1)を少量ずつ沈殿が析出しなくなるまで加えた後,時々かき混ぜながら水浴上で30分間加
熱する。冷却後,ろ紙(5種C)でろ過し,ろ紙及び沈でんを塩酸(1+100)で洗い,ろ液と洗液を合わ
せた後,水を加えて300 mlにする(B液)(B液は7.8の試験にも用いる。)。B液100 ml(試料量10 g)を,
磁性の蒸発皿(あらかじめ恒量にして0.1 mgのけたまで質量をはかる。)に取り,水浴上で蒸発乾固した
後,塩酸(2+1)0.1 ml及び水10 mlを加える(必要ならばろ過を行う。)。更にJIS K 8951に規定する硫
酸を1滴加え,加熱板上で蒸発乾固した後に強熱する。これをデシケーター中で冷却し,再び0.1 mgのけ
たまで質量をはかる。
7.8
銅(Cu) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.7のB液125 ml(試料量12.5 g)をとり,水浴上で約15 mlまで濃縮した後,冷却し,
水を加えて25 mlにする(S液)。S液10 ml(試料量5 g)に水を加え20 mlにする(X液)(X液は,
7.9及び7.10の試験にも用いる。)。
b) 標準側溶液 S液10 mlに銅標準液(Cu:0.01 mg/ml)1.0 ml,鉛標準液(Pb:0.01 mg/ml)1.0 ml,鉄
標準液(Fe:0.01 mg/ml)1.0 ml及び水を加えて20 mlにする(Y液)(Y液は,7.9及び7.10の試験に
も用いる。)。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(原子吸光法)(1)(直接噴霧法)(d)による。
7.9
鉛(Pb) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.8のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.8のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
7.10 鉄(Fe) 溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料側溶液 7.8のX液を用いる。
b) 標準側溶液 7.8のY液を用いる。
c) 操作 JIS K 8001の5.31(1)(d)による。
8. 容器 容器は,遮光した気密容器とする。
9. 表示 容器には,次の事項を表示する。
a) 名称 “硝酸銀”及び“試薬”の文字
b) 種類
c) 化学式及び式量
d) 純度
e) 内容量
f)
製造番号
g) 製造業者名又はその略号
10. 取扱い上の注意事項 硝酸銀は劇物なので,粘膜及び皮膚に付着しないようにする。
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K 8550:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 8550:2006 硝酸銀(試薬)
ISO 6353-2:1983,化学分析用試薬−第2部:仕様−第1シリーズ
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用
範囲
試薬として用いる硝酸銀に
ついて規定。
1
化学分析用試薬40品
目の仕様について規
定。
MOD/変更
JISは1品目1規格。 試薬の規格使用者が各規格を多く引用
しやすくするために1品目1規格として
いる。
なお,対応国際規格は20年以上見直し
が行われていないため市場の実態に合
わない。国際規格の改正提案を検討す
る。
2. 引用
規格
JIS K 8001
JIS K 8723
JIS K 8951
1
ISO 6353-1
MOD/変更
ISO規格1件を削除
し,JISを追加・引用,
基本的には同等内容。
該当する対比項目を参照。
3. 一般
事項
JIS K 8001による。
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JIS K 8001を引用。
編集上の差異であり,技術的な差異では
ない。
4. 種類
−
−
MOD/追加
種類の項目を追加。
JISは種類として“特級”だけなので,
ISO規格と技術的な差異はない。
5. 性質
−
−
MOD/追加
硝酸銀の性質の項を追
加。
一般的な説明事項であり,技術的な差異
はない。
6. 品質
R28.1
MOD/変更
1) 変更した項目:銅,
鉛及び鉄
2) 追加した項目:水
溶状及び酸
ISO規格は,長期間内容の見直しが行わ
れず国際市場でISO規格品が用いられ
ることはほとんどない。また,技術的差
異も軽微である(1)(2)(3) 。
2
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:
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.試験方
法
7.1 試験
条件及び
試験結果
R28.2
−
MOD/追加
一般的な試験条件及び試験結果に関す
る事項であり,技術的な差異はない。
7.2純度
(AgNO3)
ビュレットによる滴定。
R28.2.1
電位差滴定
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の
量を一部変更。
2) ISO規格は水銀・
硫酸水銀電極を使
用のため,JISは
有害な水銀を使用
しない方法に変
更。
ISO規格の水銀・硫酸水銀電極は環境・
安全上,変更が必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検討
を行う予定。
7.3水溶
状
−
−
MOD/追加
項目を追加。
JISとして必要。
ISO規格の見直し時に,改正提案の検討
を行う予定。
7.4酸
−
−
MOD/追加
項目を追加。
7.5塩化
物(Cl)
比濁法
R28.2.2
比濁法
MOD/変更
試料の量,試薬の量,
操作を一部変更。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われて
いないことから実績のある従来のJIS
法を踏襲。技術的な差異は軽微であり,
対策は考慮しない。
7.6硫酸
塩(SO4)
比濁法
R28.2.3
種晶添加比濁法
MOD/変更
1) 試料の量及び試薬
の量を一部変更。
2) JIS K 8001の5.15
を引用。
7.7塩酸
で沈殿し
ない物質
(硫酸
塩)
重量法
R28.2.5
重量法
MOD/変更
試料の量,試薬の量及
び操作を一部変更。
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は側線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.8 銅
(Cu)
原子吸光法
R28.2.4
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の
量及び操作を一部
変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
JISは,定期的に見直しを行っている
が,ISO規格は,長年見直しが行われて
いないことから実績のある従来のJIS
法を踏襲。技術的な差異は軽微であり,
対策は考慮しない。
7.9 鉛
(Pb)
原子吸光法
R28.2.4
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の
量及び操作を一部
変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
7.10 鉄
(Fe)
原子吸光法
R28.2.4
原子吸光法
MOD/変更
1) 試料の量,試薬の
量及び操作を一部
変更。
2) JIS K 8001の5.31
を引用。
8. 容器
−
MOD/追加
項目を追加
規格適合性を評価する関係で必要な項
目を追加。
9. 表示
−
MOD/追加
項目を追加
10.取扱
い上の注
意事項
−
MOD/追加
項目を追加
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注(1) 理由:軽微な技術的差異。6.品質の(Ⅳ)欄の1) 〜2)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可能性はほとん
どない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量分率ppm〜質量
分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。
なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。(Ⅳ)の1) 〜2)の品質項目及び品質水
準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的にあった高純度試薬など特殊用途の試薬を使用するこ
とになる。
(2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこたえ
ているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格としての存
在意義が乏しい。
(3) 今後の対策:(1)及び(2)の理由から,当面,対策を考慮しない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
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