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K 8486:2007  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 一般事項 ························································································································· 1 

4 種類······························································································································· 2 

5 性質······························································································································· 2 

5.1 性状 ···························································································································· 2 

5.2 定性方法 ······················································································································ 2 

6 品質······························································································································· 3 

7 試験及び検査方法 ············································································································· 3 

7.1 試験及び検査方法の条件並びに結果 ··················································································· 3 

7.2 純度(C10H8N2) ············································································································ 3 

7.3 エタノール溶状 ············································································································· 3 

7.4 融点 ···························································································································· 3 

7.5 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 3 

7.6 鉄分析適合性 ················································································································ 3 

8 記録······························································································································· 4 

9 容器······························································································································· 4 

10 表示 ····························································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 5 

K 8486:2007  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬

協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 8486:1995は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護の対象になっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格    

JIS 

K 8486:2007 

2,2ʼ-ビピリジル(試薬) 

2,2ʼ-Bipyridyl (Reagent) 

C10H8N2 FW:156.18 

序文 

この規格は,1987年に第1版として発行されたISO 6353-3,Reagents for chemical analysis−Part 3: 

Specifications−Second seriesを基に作成した日本工業規格であるが,対応国際規格の規定の一部に市場の実

態を反映していない部分があるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,試薬として用いる2,2ʼ-ビピリジルについて規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6353-3:1987,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示

す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

一般事項 

試験及び検査方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。 

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K 8486:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

種類 

種類は,特級とする。 

性質 

5.1 

性状 

2,2ʼ-ビピリジルは,白色〜極めてうすい黄色又は極めてうすい紅色の結晶で,エタノール及びジエチル

エーテルに溶けやすく,水にやや溶けにくい。 

5.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数1 580 cm−1,1 452 cm−1,1 041 cm−1,

758 cm−1及び 621 cm−1付近に主な吸収を認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.3(粉体)a)(錠

剤法)による。赤外吸収スペクトルの一例を,図1に示す。 

図1−赤外吸収スペクトルの一例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

品質 

品質は,箇条7によって試験及び検査をしたとき,表1に適合しなければならない。 

表1−品質 

項目 

規格値 

純度(C10H8N2) 

質量分率 % 99.5 以上  

エタノール溶状 

試験適合 

融点 

℃ 

69.5〜72.0 

強熱残分(硫酸塩) 

質量分率 % 0.05 以下 

鉄分析適合性 

試験適合 

試験及び検査方法 

7.1 

試験及び検査方法の条件並びに結果 

試験及び検査方法の環境は,JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は,

必要に応じて実施する。また,表1で規定する各品質項目の試験及び検査は,次の各試験及び検査方法に

よって行い,得られる測定値の計算方法及び規格値に対する判定は,JIS K 8001の3.5(測定値)による。 

7.2 

純度(C10H8N2) 

試料0.3 gを0.1 mgのけたまではかりとり,JIS K 8355に規定する酢酸50 mlを加えて溶かす。0.1 mol/l

過塩素酸(酢酸溶媒)でJIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって滴定する。この場合,指示電極には

ガラス電極,参照電極には塩化銀電極を用いる。 

別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。 

この場合,0.1 mol/l過塩素酸(酢酸溶媒)1 mlは,0.015 618 g C10H8N2に相当する。 

7.3 

エタノール溶状 

エタノール溶状は,JIS K 8001の5.2(溶状)による。この場合,試料1 g,JIS K 8102に規定する特級

のエタノール(95)を用い,濁りの程度の適合限度標準はJIS K 8001の5.2(1)(濁りの程度の適合限度

標準)(a)(澄明)を用いる。 

7.4 

融点 

融点は,JIS K 8001の5.4(融点及び溶融範囲)による。 

7.5 

強熱残分(硫酸塩) 

強熱残分は,JIS K 0067の4.4.4(操作)(4)(第4法 硫酸塩として強熱する方法)による。この場合,

試料1 g,JIS K 8951に規定する硫酸0.5 mlを用いる。 

7.6 

鉄分析適合性 

溶液の調製,操作及び判定は,次による。 

a) 試料溶液 試料0.10 gにJIS K 8102に規定する特級のエタノール(95)を加えて溶かして100 mlに

する。 

b) 測定溶液 鉄標準液(Fe:0.01 mg/ml)5.0 ml及び酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)3mlに酢酸(1+2)

を加えて,pH3.5〜5.0に調節する。これを全量フラスコ20 mlに水で洗い入れ,塩化ヒドロキシルア

ンモニウム溶液(100 g/l)0.5 mlを加え振り混ぜる。10分間放置後,試料溶液0.50 mlを加え,更に水

を標線まで加えて20〜30 ℃で15分間放置する。 

c) 空試験溶液 全量フラスコ20 mlに酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)を3 ml及び測定溶液のpH調節

に用いた量の酢酸(1+2)を加え,更に塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)0.5 mlを加え

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K 8486:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

て振り混ぜる。10分間放置後,試料溶液2.5 mlを加え,更に水を標線まで加え20〜30 ℃で15分間

放置する。 

d) 対照液 全量フラスコ20 mlに酢酸アンモニウム溶液(250 g/l)3 ml及び測定溶液のpH調節で用いた

量の酢酸(1+2)を加え,更に塩酸ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/l)0.5 mlを加えて振り混

ぜる。10分間放置後,試料溶液0.5 mlを加え,水を標線まで加えて20〜30 ℃で15分間放置する。 

e) 操作 測定溶液及び空試験溶液について,それぞれ対照液を対照として吸収セル(光路長10 mm)を

用い,波長520 nm付近の吸収極大の波長における吸光度を測定する。 

f) 

判定 測定溶液の吸光度は0.32以上,空試験溶液の吸光度は0.01以下である。 

記録 

記録は,JIS K 0050の12.(記録)による。 

容器 

容器は,気密容器とする。 

10 表示 

容器には,次の事項を表示する。 

a) 名称 “2,2ʼ-ビピリジル”及び“試薬”の文字 

b) 種類 

c) 化学式及び式量 

d) 純度 

e) 内容量 

f) 

製造番号 

g) 製造業者名又はその略号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 8486:2007 2,2ʼ-ビピリジル(試薬) 

ISO 6353-3:1987,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−
Second series 

 
(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ)国際
規格番
号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1適用範囲 

試薬として用いる
2,2ʼ-ビピリジルに
ついて規定。 

化学分析用試薬57品
目の仕様について規
定。 

変更 

JISは1品目1規格。 

試薬の規格使用者が各規格を
多く引用しやすくするために
1品目1規格としている。 
 なお,対応国際規格は20年
間以上見直しが行われていな
いことから市場の実態に合わ
ない。国際規格の改正を検討
する予定。 

2引用規格 

3一般事項 

JIS K 8001によ
る。 

― 

― 

追加 

項目を追加。 
 

編集上の差異であり,技術的
な差異ではない。 

4種類 

― 

― 

追加 

種類の項目を追加。 

JISは種類として“特級”だけ
なので,ISO規格と技術的な
差異はない。 

5性質 

― 

― 

追加 

性質の項目を追加。 

一般的な説明事項であり,技
術的な差異はない。 

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K

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6

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0

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K

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ)国際
規格番
号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6品質 

R49.1 

変更 

1) 品質に差異のある項目:

融点,強熱残分。 

2) 追加した項目:鉄分析適

合性。 

3) ISO規格の希塩酸溶状

を,JISはエタノール溶
状に変更。 

ISO規格は,長期間内容の見
直しが行われず,国際市場で
ISO規格品が用いられること
はほとんどない。また,技術
的差異も軽微1)2)3)である。 

7試験及び検査方法 
7.1試験及び検査方
法の条件並びに結
果 

追加 

一般的な試験及び検査方法の
条件並びに結果に関する事項
であり,技術的な差異はない。 

7.2純度(C10H8N2) 電位差滴定法 

R49.2.1 

指示薬による滴定法 

変更 

1) 試料の量を変更。 
2) JISは終点の決定方法を

電位差滴定法に変更。 

JISは,技術的改良から終点決
定方法を変更。ISO規格の見
直し時に,改正提案の検討を
行う予定。 

7.3エタノール溶状 

エタノール(95)
溶状 

R49.2.2 

希塩酸溶状 

変更 

溶媒を変更。 
 

鉄分析適合性の試験に用いる
溶媒を選択し,実用用途の溶
媒に合わせた 
ISO規格の見直し時に,改正
提案の検討を行う予定。 

7.4融点 

融点 

R49.2.3 

融点範囲 

変更 

1) ISO規格の融点範囲を融

点に変更。 

2) JIS K 8001の5.4を引用。 

引用規格では,融点を適用す
ることが明記されている。 
ISO規格の見直し時に,改正
提案の検討を行う予定。 

7.5強熱残分(硫酸
塩) 

強熱温度500 ℃±
50 ℃で1時間の
強熱。 

R49.2.4 

強熱温度650℃±
50 ℃で15分間の強
熱。 

変更 

1) 試薬の量,強熱温度など

を変更。 

2) JIS K 0067を引用。 

JIS K 0067を引用しているの
で強熱温度などに差がある。
技術的な差異は軽微であり,
対策は考慮しない。 

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7

K

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4

8

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2

0

0

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7

K

 8

4

8

6

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0

0

7

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ)国際
規格番
号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7.6鉄分析適合性 

吸光光度法 

追加 

項目を追加 

品質確保のために必要。ISO
規格の見直し時に,改正提案
の検討を行う予定。 

8記録 

― 

― 

追加 

項目を追加。 
 

規格適合性を評価する関係で
必要な項目を追加。 

9容器 

― 

― 

追加 

項目を追加。 
 

10表示 

― 

― 

追加 

項目を追加。 

注1) 理由:軽微な技術的差異。箇条6(品質)の(Ⅳ)欄の1)〜3)は,いずれも一般用途の試薬としては軽微な技術的差異であり,この差が取引上の障害になる可

能性はほとんどない。ISO規格,JISとも品質項目の設定・品質水準の設定は,市場での長い使用実績・経験を踏まえたものである。ISO規格とJISとの質量
分率ppm〜質量分率pptレベルの不純物のごくわずかの差異は,経験上,一般用途の試薬としては実用上差し支えないものと考えられる。 

なお,不純物のごくわずかの差異がどのような影響を及ぼすか,あらゆる用途を想定して検証することは現実的ではない。この(Ⅳ)の1)〜3)の品質項目及び

品質水準が不満足な場合は,通常,JIS試薬,ISO規格試薬とも対応できない。この場合,対応策としては,目的に合致した高純度試薬など特殊用途の試薬を
使用することになる。 

2) ISO試薬規格の状況:ISO規格の試薬は,規格の維持管理が行われていない(規格制定後約20年経過)。このため,ISO規格の内容が現在の市場の要求にこ

たえているかどうかの検討が行われていない(JISとの差)。また,ISO規格の試薬は,我が国だけではなく,国際市場でも商取引がほとんどなく国際規格と
しての存在意義が乏しい。 

3) 今後の対策:注1)及び注2)の理由から,当面,対策を考慮しない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価: ISO 6353-3:1987,MOD 

被引用法規 

食品・添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号) 
放射性医薬品基準(平成8年厚生省告示第242号) 
第十四改正日本薬局方(平成13年厚生労働省告示第111号) 
飼料及び飼料添加物の成分規格(昭和51年農林省令第35号) 

関連する法規 

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K

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4

8

6

2

0

0

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6

2

0

0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

関連する外国規格 

アメリカ Reagent Chemicals ―American Chemical Society Specifications ACS (2000) 
イギリス British Standards BS 6376-3(1989) 
韓国 韓国産業規格(Korean Standards) KS M 8482(1998) KS M ISO 6353-3(2002) 
中国 国家標準(Guojia Biaozhum) GB/T 644(1993) 
チェコ Ceskych Technickych Norem(チェコ技術標準) CN 68-7140(1971) 
フランス Norme Française(フランス標準) NF ISO 6353-3(1988) 
ロシア Gosdarstvennye Standarty(国家標準) GOST 4206(1975) 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。