K 8401:2011
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 性質······························································································································· 2
4.1 性状 ···························································································································· 2
4.2 定性方法 ······················································································································ 2
5 品質······························································································································· 2
6 試験方法 ························································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 濃度(TiCl3) ················································································································ 3
6.3 窒素化合物(Nとして)·································································································· 5
6.4 マグネシウム(Mg) ······································································································ 8
6.5 鉛(Pb)及びニッケル(Ni) ··························································································· 9
6.6 鉄(Fe) ····················································································································· 10
7 容器······························································································································ 11
8 表示······························································································································ 11
9 取扱い上の注意事項 ········································································································· 11
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会(JRA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これに
よって,JIS K 8401:1992は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成23年12月21日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS K 8401:1992によることができる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
K 8401:2011
塩化チタン(III)溶液(試薬)
Titanium (III) chloride solution(Reagent)
TiCl3 FW:154.23
序文
この規格は,1953年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1992年に
行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,試薬として用いる塩化チタン(III)溶液について規定する。
警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。
この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。
この規格の利用者は,MSDS(化学物質等安全データシート)などを参考にして各自の責任に
おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 1106 液化二酸化炭素(液化炭酸ガス)
JIS K 1107 窒素
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8152 塩化ニッケル(II)六水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8548 硝酸カリウム(試薬)
2
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JIS K 8563 硝酸鉛(II)(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8653 デバルダ合金(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 8780 ピロガロール(試薬)
JIS K 8798 フェノール(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS K 8995 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
JIS K 9000 チオシアン酸アンモニウム(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
3
種類
種類は,特級とする。
4
性質
4.1
性状
塩化チタン(III)溶液は,チタンを塩酸に溶かしたもので暗い紫の液体である。密度は約1.23 g/mlであ
る。
4.2
定性方法
定性方法は,次による。
a) 試料2 mlに水30 mlを加える(A液)。A液10 mlに過酸化水素1 mlを少量ずつ加えると紫が脱色し,
更に過酸化水素1 mlを加えると赤褐色が現れる。
b) A液10 mlに硝酸(1+2)1 mlを加えると紫が脱色し,更に硝酸銀溶液(20 g/l)1 mlを加えると白い
沈殿が生じる。
5
品質
品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目
規格値
試験方法
濃度(TiCl3)
質量分率 % 20以上
6.2
窒素化合物(Nとして)
質量分率 % 0.01以下
6.3
マグネシウム(Mg)
質量分率 % 0.005以下
6.4
鉛(Pb)
質量分率 % 0.002以下
6.5
鉄(Fe)
質量分率 % 0.005以下
6.6
ニッケル(Ni)
質量分率 % 0.002以下
6.5
3
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6
試験方法
6.1
一般事項
試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
6.2
濃度(TiCl3)
濃度(TiCl3)の試験方法は,次による。
a) ガス及び試験用溶液類 ガス及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 二酸化炭素 JIS K 1106に規定するもの。
2) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸の体積2と水の体積1とを混合する。
3) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして
100 mlにする(必要な場合に用いる。)。ポリエチレン製瓶などに保存する。
4) チオシアン酸アンモニウム溶液(100 g/l) JIS K 9000に規定するチオシアン酸アンモニウム10 g
を水に溶かして100 mlにする。褐色ガラス製瓶に保存する。
5) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定するでんぷん(溶性)1.0 gに水10 mlを加えてかき混ぜながら熱
水200 ml中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に
使用する。
6) ピロガロール・水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8780に規定するピロガロール10 gを水酸化ナトリウ
ム溶液(300 g/l)80 mlに溶かし,更に,水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)を加えて全量を100 ml
にする(必要な場合に用いる。)。この溶液は使用時に調製する。
7) 溶存酸素を除いた水 次の7.1)〜7.5)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用
い,使用時に調製する。
7.1) 水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから5分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ
ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶にピロガロー
ル・水酸化ナトリウム溶液を入れたものを連結するなどして空気中の酸素を遮り,冷却したもの。
7.2) 水をフラスコに入れ,水の中にJIS K 1107に規定する窒素を15分間以上通じたもの。
7.3) 水から酸素分離膜をもつガス分離管を用いて溶存酸素を除いたもの。
7.4) 水を超音波振動装置で十分に脱気を行ったもの。
7.5) 新鮮な18 MΩ・cm以上の抵抗率のある脱イオン化された水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立
てないように採取したもの。
注記 脱イオン化された水を用いる場合,脱イオン装置によっては酸素を含む場合があるので,
溶存酸素が除かれていることを確認する。
8) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加える。
9) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液(Na2S2O3・5H2O:24.82 g/l) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液
の調製,標定及び計算は,次による。
9.1) 調製 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物26 g及びJIS K 8625に規定する炭酸ナ
トリウム0.2 gをはかりとり,溶存酸素を除いた水1 000 mlを加えて溶かした後,気密容器に入れ
て保存する。調製後2日間放置したものを用いる。
9.2) 標定 標定は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ
ムを用い,次のとおり行う。
9.2.1) 認証標準物質1) のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。
4
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9.2.2) 容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,
130 ℃で約2時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。
9.2.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム0.9〜1.1 gを全量フラスコ250 ml
に0.1 mgの桁まではかりとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。その25 ml
を共通すり合わせ三角フラスコ200 mlに正確にはかりとり,水100 mlを加える。次に,JIS K 8913
に規定するよう化カリウム2 g及び硫酸(1+1)2 mlを加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜ
て,暗所に5分間放置する。指示薬としてでんぷん溶液を用い,9.1)で調製した液で滴定する。
この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mlを加える。終
点は,液の青が消える点とする。
別に,共通すり合わせ三角フラスコ200 mlに水125 ml及びよう化カリウム2 gをはかりとり,
硫酸(1+1)2 mlを加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に5分間放置し,同一条件
で空試験を行って滴定量を補正する。
注1) 容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際
単位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物
質を入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質も用いることができ,
その説明書に従って使用する。
なお,認証標準物質の供給者として,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総
合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認証
標準物質生産者がある。
9.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
100
)
(
7
566
003
.0
250
/
25
2
1
A
V
V
m
f
×
−
×
×
=
ここに,
f: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)
A: よう素酸カリウムの純度(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液
の体積(ml)
0.003 566 7: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液1 mlに相当する
よう素酸カリウムの質量(g)
10) 0.1 mol/l 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液[FeNH4(SO4)2・12H2O:48.22 g/l] 0.1 mol/l 硫酸アンモ
ニウム鉄(III)溶液の調製,標定及び計算は,次による。
10.1) 調製 水300 mlをはかりとり,JIS K 8951に規定する硫酸10 mlをかき混ぜながら徐々に加えた
後,冷却する。次に,JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水49 gを加えて溶か
し,0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液を液の色の紅色が消えなくなるまで注意して加え,更に
水700 mlを加えて混合した後,気密容器に入れて保存する。
10.2) 標定 10.1)で調製した液25 mlを共通すり合わせ三角フラスコ300 mlに正確にはかりとり,水100
ml及びJIS K 8913に規定するよう化カリウム3 gを加え,溶かした後,塩酸(2+1)5 mlを加え
て直ちに栓をして暗所に30分間放置する。これに水100 mlを加え,指示薬としてでんぷん溶液を
用い,0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん溶液は,終点近くで液
の色がうすい黄になったときに約0.5 mlを加える。終点は,液の青が消える点とする。
5
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別に,水100 ml及びよう化カリウム3 gを共通すり合わせ三角フラスコ300 mlにはかりとり,
よう化カリウムを溶かした後,塩酸(2+1)5 mlを加えて直ちに栓をして暗所に30分間放置し,
同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
10.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
25
)
(
2
1
1
V
V
f
f
−
×
=
ここに,
f1: 0.1 mol/l 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液のファクター
f: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)
11) 0.02 mol/l 過マンガン酸カリウム溶液(KMnO4:3.161 g/l) JIS K 8247に規定する過マンガン酸カ
リウム3.2 gをビーカー 2 000 mlにはかりとり,水1 050 mlを加えて1〜2時間穏やかに煮沸した後,
約18時間暗所に放置する。その上澄み液をJIS R 3503に規定するブフナー漏斗形ガラスろ過器
(17G4又は25G4)を用いてろ過する。この場合,ブフナー漏斗形ガラスろ過器は,ろ過の前後に
水洗はしない。約30分間水蒸気洗浄した褐色の気密容器に保存する。
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料2 gを共通すり合わせ三角フラスコ300 mlに0.1 mgの桁まではかりとり,水200 ml及び塩酸
(2+1)5 mlを加えて穏やかにかき混ぜる。液面上に二酸化炭素を流しながら,チオシアン酸アンモ
ニウム溶液(100 g/l)を指示薬として加え,0.1 mol/l 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液で滴定する。終
点は,液の色が赤となる点とする。
c) 計算 濃度(TiCl3)は,次の式によって算出する。
100
424
015
.0
1×
×
×
=
m
f
V
A
ここに,
A: 濃度(TiCl3)(質量分率 %)
V: 滴定に要した0.1 mol/l 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液
の体積(ml)
f1: 0.1 mol/l 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液のファクター
m: 試料の量(g)
0.015 424: 0.1 mol/l 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液1 mlに相当す
るTiCl3の質量(g)
6.3
窒素化合物(Nとして)
窒素化合物(Nとして)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) デバルダ合金 JIS K 8653に規定するもの。
2) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水60 mlに溶かす。これ
にJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物5 gを加えて溶かし,
水で100 mlにする。
3) 酢酸(1+1) JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
4) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質
量分率5〜12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でうす
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める。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
4.1) 有効塩素の定量方法 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率5〜12 %)10 gを0.1 mgの
桁まではかりとり,全量フラスコ200 mlに移し,水を標線まで加えて混合する。その20 mlを共
通すり合わせ三角フラスコ300 mlに正確にはかりとり,水100 ml,JIS K 8913に規定するよう化
カリウム2 g及び酢酸(1+1)6 mlを加えて栓をして振り混ぜる。約5分間暗所に放置後,指示薬
としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん
溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mlを加える。終点は,液の青が消え
る点とする。
別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
100
200
/
20
3
545
003
.0
)
(
2
1
×
×
×
×
−
=
m
f
V
V
A
ここに,
A: 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率5〜
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V1: 滴定に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(ml)
V2: 空試験に要した0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液
の体積(ml)
f: 0.1 mol/ l チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: はかりとった次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素
質量分率5〜12 %)の質量(g)
0.003 545 3: 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液1 mlに相当する
Clの質量(g)
5) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l) 6.2 a) 3)による。
6) でんぷん溶液 6.2 a) 5)による。
7) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)18 mlをビーカー200 mlにとる。冷
水中で冷却しながら,JIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更にJIS K 8034
に規定するアセトン4 mlを加え,水で100 mlにする。使用時に調製する。
8) 硫酸(1+15) 水の体積15を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加える。
9) 0.1 mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液 6.2 a) 9)による。
10) 窒素標準液
10.1) 窒素標準液(1 mg/ml) JIS K 8548に規定する硝酸カリウム7.22 gを全量フラスコ1 000 mlにと
り,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
10.2) 窒素標準液(N:0.01 mg/ml) 窒素標準液(N:1 mg/ml)10 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確
にはかりとり,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) 吸収セル 光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器で,光路長が10 mmのもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 例として,容量50 ml,直径約23 mmで目盛のあるもの。
3) 沸騰石 液体を沸騰させるとき突沸を防ぐために入れる多孔質の小片。
4) 恒温水槽 20〜25 ℃に調節できるもの。
5) 蒸留装置 例を図1に示す。
6) 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの。
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c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,水を加えて溶かし,水を標線まで加
えて混合する(S液)(S液は,6.4の試験にも用いる。)。S液2.5 ml(試料量0.1 g)を蒸留フラスコ
Aに入れ,水で140 mlにする。
2) 比較溶液の調製は,窒素標準液(N:0.01 mg/ml)1.0 mlを蒸留フラスコAに入れ,水で140 mlに
する。
3) 空試験溶液は,蒸留フラスコAに水140 mlを入れる。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,沸騰石2〜3粒を入れる。受器Hに吸収液[硫酸(1+15)
2 mlに水18 mlを加える。]を入れ,逆流止めGの先端を浸す。蒸留フラスコAにデバルダ合金1 g
を入れ,直ちに蒸留装置に連結する。これに水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)10 mlを注入漏斗D
から加える。注入漏斗Dを水10 mlで洗い,すり合わせコックCを閉じる。加熱して蒸留し,初留
約75 mlをとり,水を加えて100 mlにする(試料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得られ
た液をY液及び空試験溶液から得られた液をZ液とする。)。
5) X液10 ml,Y液10 ml及びZ液10 mlをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na溶
液(インドフェノール青法用)1 ml及びナトリウムフェノキシド溶液4 mlを加えてよく振り混ぜる。
これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %)2.5 mlを加え,更に水を加えて25
mlにし,20〜25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。
6) X液及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照液とし,吸収セルを用いて,分光光度
計で波長630 nm付近の吸収極大の波長における吸光度をJIS K 0115の6.(特定波長における吸収
の測定)によって測定して比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“窒素化合物(Nとして):質量分率0.01 %以下(規格
値)”とする。
X液から得られた液の吸光度は,Y液から得られた液の吸光度より大きくない。
単位 mm
8
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A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:
蒸留フラスコ500 ml
連結導入管
すり合わせコックK-16
注入漏斗
ケルダール形トラップ球(E':小孔)
球管冷却器300 mm
逆流止め(約50 ml)
受器(有栓形メスシリンダー100 ml)
共通すり合わせ
共通テーパー球面すり合わせ
押さえばね
ヒーター
図1−蒸留装置の例
6.4
マグネシウム(Mg)
マグネシウム(Mg)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.2 a) 2)による。
2) マグネシウム標準液
2.1) マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
2.1.1) 計量標準供給制度[JCSS2)]に基づく標準液で,酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致し
た場合に用い,必要な場合は,適切な方法で希釈して使用する(以下,“JCSSに基づく標準液”
という。)。
2.1.2) JCSS以外の認証標準液で酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,必要な
場合は,適切な方法で希釈して使用する。ただし,JCSS以外の認証標準液がない場合は,市販
の標準液を用いる(以下,JCSS以外の認証標準液及び市販の標準液を合わせて,“JCSS以外の
認証標準液など”という。)。
2.1.3) JIS K 8995に規定する硫酸マグネシウム七水和物10.1 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,塩酸(2
+1)15 mlを加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
注2) JCSSは,Japan Calibration Service Systemの略称である。
2.2) マグネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml) マグネシウム標準液(Mg:1 mg/ml)10 mlを全量フラ
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スコ1 000 mlに正確にはかりとり,塩酸(2+1)15 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 JIS K 0121に規定するもの。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,6.3 c) 1)のS液10 ml(試料量0.4 g)を全量フラスコ100 mlにとり,塩酸(2+
1)3 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,6.3 c) 1)のS液10 mlを全量フラスコ100 mlにとり,塩酸(2+1)3 ml及びマ
グネシウム標準液(Mg:0.01 mg/ml)2.0 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,測定波長285.2 nm付近で吸光度
が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,マグネシウムの吸光
度を測定し,X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“マグネシウム(Mg):質量分率0.005 %以下(規格値)”
とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 マグネシウムの含有率(質量分率 %)は,次の式によって求めることができる。
100
000
1
1
2
1
×
×
−
×
=m
n
n
n
B
A
ここに,
A: マグネシウムの含有率(質量分率 %)
B: 用いた標準液中のマグネシウムの質量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
6.5
鉛(Pb)及びニッケル(Ni)
鉛(Pb)及びニッケル(Ni)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60〜61 %)の体積1と水の体積2とを混合す
る。
2) 鉛標準液及びニッケル標準液
2.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)及びニッケル標準液(Ni:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
2.1.1) JCSSに基づく標準液 6.4 a) 2.1.1)に準じる。
2.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.4 a) 2.1.2)に準じる。
2.1.3) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)及びニッケル標準液(Ni:1 mg/ml)を調製する場合
2.1.3.1) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml) JIS K 8563に規定する硝酸鉛(II)1.60 gを全量フラスコ1 000 ml
にとり,硝酸(1+2)25 mlを加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
2.1.3.2) ニッケル標準液(Ni:1 mg/ml) JIS K 8152に規定する塩化ニッケル(II)六水和物4.05 g(質
量分率100 %としての相当量)を全量フラスコ1 000 mlにとり,硝酸(1+2)25 ml及び水を
加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
2.2) 鉛標準液(Pb:0.1 mg/ml)及びニッケル標準液(Ni:0.1 mg/ml) 次のものを用いる。
2.2.1) 鉛標準液(Pb:0.1 mg/ml) 鉛標準液(Pb:1 mg/ml)100 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確に
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はかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
2.2.2) ニッケル標準液(Ni:0.1 mg/ml) ニッケル標準液(Ni:1 mg/ml)100 mlを全量フラスコ1 000
mlに正確にはかりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 6.4 b)による。
c) 分析種及び測定波長 分析種及び測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種及び測定波長の例
単位 nm
分析種
測定波長
鉛
Pb
283.3
ニッケル
Ni
232.0
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,試料10 gを全量フラスコ100 mlにとり,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料10 gを全量フラスコ100 mlにとり,鉛標準液(Pb:0.1 mg/ml)2.0 ml及
びニッケル標準液(Ni:0.1 mg/ml)2.0 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を
測定し,X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“鉛(Pb):質量分率0.002 %以下(規格値),ニッケル
(Ni):質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 測定対象元素の含有率(質量分率 %)は,6.4 d)の注記に準じて求めることができる。
6.6
鉄(Fe)
鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 硝酸(1+2) 6.5 a) 1)による。
2) 鉄標準液
2.1) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml) 次のいずれかのものを用いる。
2.1.1) JCSSに基づく標準液 6.4 a) 2.1.1)に準じる。
2.1.2) JCSS以外の認証標準液など 6.4 a) 2.1.2)に準じる。
2.1.3) JIS K 8982に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12水8.63 gを全量フラスコ1 000 mlにとり,
硝酸(1+2)25 mlを加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス瓶に保存する。
2.2) 鉄標準液(Fe:0.1 mg/ml) 鉄標準液(Fe:1 mg/ml)100 mlを全量フラスコ1 000 mlに正確には
かりとり,硝酸(1+2)25 mlを加え,更に水を標線まで加えて混合する。褐色ガラス瓶に保存す
る。
b) 装置 主な装置は,次のとおりとする。
フレーム原子吸光分析装置 6.4 b)による。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
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1) 試料溶液の調製は,試料4.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料4.0 gを全量フラスコ100 mlにとり,鉄標準液(Fe:0.1 mg/ml)2.0 mlを
加え,更に水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,測定波長248.3 nm付近で吸光度
が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれフレーム中に噴霧し,鉄の吸光度を測定し,
X液の指示値(n1)及びY液の指示値(n2)を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値からX液の指示値を引いたn2−n1とを比較する。
d) 判定 c)によって操作し,次に適合するとき,“鉄(Fe):質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
n1は,n2−n1より大きくない。
注記 測定対象元素の含有率(質量分率 %)は,6.4 d)の注記に準じて求めることができる。
7
容器
容器は,遮光した気密容器とする。
8
表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本産業規格番号
b) 名称 “塩化チタン(III)溶液”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 濃度
f)
内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号
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取扱い上の注意事項
塩化チタン(III)溶液は,換気に注意して取り扱い,強酸化剤との混触を避ける。